【例文付】面接で6つのストレス耐性を見極める質問と注意点

面接において応募者のストレス耐性を確かめるためにはどのような質問が効果的なのでしょうか。
仕事では多少なりともストレスがかかるもので、円滑に仕事を進めるためにはストレス耐性が欠かせません。そこで、面接で応募者のストレス耐性を見抜くには、ストレッサーの種類やストレス耐性の要素を理解したうえで質問例を知っておくと役立ちます。
この記事では面接でストレス耐性を確かめることの重要性や、ストレッサーの種類とストレス耐性の6つの要素、面接で使えるストレス耐性を確かめる質問例を紹介します。
また、ストレス耐性以外にも面接で見極めたいポイントは多くあることと思います。人事ZINEでは、面接で評価したいポイント別に質問サンプルをまとめた、「面接質問例文マニュアル」をご用意しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。

面接・選考で応募者のストレス耐性を知る重要性

面接時に、なぜストレス耐性を知る必要があるのでしょうか。
仕事をするうえでは人間関係や責任、成果へのプレッシャー、トラブル対応、人事評価、新しい環境への適応など、ストレスがかかる要素が多々あります。
ストレス耐性が高ければ仕事をスムーズにこなして継続的にパフォーマンスを発揮できるという期待が持てますが、一方でストレス耐性が低ければ、仕事において本来の能力が発揮できない可能性もあります。場合によってはストレス反応による悪影響として、メンタル・身体の不調につながる恐れもあるでしょう。
こういった理由から、応募者のストレス耐性を見極めることは、「該当の仕事への適性があるか」を見極めるうえで重要なポイントといえます。また、ストレス耐性は、入社後の最適な配属先や職種を見極める材料となるでしょう。
採用担当者・面接官が知るべきストレッサーの種類

ストレッサーとは、ストレスの要因となる刺激を広く指す言葉です。採用・選考において応募者のストレス耐性を見極めるにあたっては、まずストレッサーの種類を知ることが欠かせません。ここでは、ストレッサーの主な種類を紹介し、働くうえで直面することが多い例も紹介します。
心理・社会的ストレッサー
心理・社会的ストレッサーは、心理的負担や人間関係、社会的プレッシャーなどが原因で生じるストレス要因を指します。
職場では、上司や同僚との関係性、納期・成果のプレッシャー、仕事量の多さ、昇進・異動への不安などが該当します。心理・社会的ストレッサーは、新入社員であれば「新しい環境に適応できるか」という不安や、次々に未知のことを経験するなかで感じやすいものです。中堅社員でも、昇進や異動、また責任ある立場特有のプレッシャーがストレッサーとなることがあります。
仕事に関する悩みのうち人間関係によるものは特に多く、応募者のストレス耐性を見極めるうえでも心理・社会的ストレッサーを理解しておくことは重要です。
物理的ストレッサー
物理的ストレッサーは、環境の物理的な条件に起因するストレス要因を指します。騒音や温度、湿度、照明の明るさ、作業環境の狭さなどが代表的な例です。
生物的ストレッサー
生物的ストレッサーは、体調や生理的な状態が原因で生じるストレス要因を指します。睡眠不足、栄養不良、過度な疲労、免疫力の低下といった要因が代表的な例です。
化学的ストレッサー
化学的ストレッサーは、身体・精神にストレスとして影響する化学物質を指します。溶剤や薬品、清掃用化学製品、ガスなどが主な例です。
工場や研究施設といった日常的に化学物質を扱う現場では特に問題となります。化学物質は目に見えにくい存在であるため、ストレッサーとして管理するのが難しい点が特徴です。
ストレス耐性の6つの要素

ストレス耐性に関わる主な要素は以下の6つの要素に分類できます。
- 感知能力
- 回避能力
- 処理能力
- 転換能力
- 経験値
- 容量
ここでは、それぞれの特徴を紹介します。
感知能力
感知能力とは、ストレスの原因(ストレッサー)に対して敏感に感知する能力です。
感知能力が低ければストレスを感じにくいため、プレッシャーがかかりやすい仕事で有利となります。一方、感知能力が高ければ、仕事上で注意すべきストレッサーに早めに気づけるという利点もあります。
いずれも長短があるので一概にどちらが良いとは言えませんが、応募者のストレスを測るうえではまず知っておきたい要素です。
回避能力
回避能力とは、ストレッサーを回避する能力です。ストレッサーに対して割り切ったり流したりする力を指します。
この力が強いと、クライアントからクレームを受けたり職場でストレスのかかる場面に遭ったりしても「そういうこともある」と割り切ることが可能です。特に対人業務や不測の事態が多い職場では、回避能力が高いとストレスを抱え込みにくいでしょう。
処理能力
処理能力とは、ストレスを弱めたりなくしたりできる能力です。ストレスがかかることがあっても、自分なりに分解して、心身のダメージを防ぐ力を指します。
この力があると、ストレスを溜め込まずにいつも高いパフォーマンスを発揮しやすくなるでしょう。また、問題が起きた時にも、冷静に原因を見つけて柔軟に対処できます。
転換能力
転換能力とは、ネガティブな要素もポジティブに転換できる能力です。仕事でミスをしたり注意を受けたりした時にも、次への糧にできます。
職場では、ミスや課題を克服する過程で新たなスキルを身につけたり、成功につながるヒントを見つけたりするケースが少なくありません。転換能力が高ければ、仕事でストレス要因となる困難・失敗があっても前向きに取り組める可能性があります。
経験値
経験値とは、人生で経験を積むことで鍛えられたストレスへの強度です。何度も同じストレッサーを経験すれば、精神的に強くなったり、適切な回避の仕方を覚えたりします。
ストレスに対処した経験が多い人は、新しい環境や未知の仕事でもストレスを抱え込まずに取り組める可能性が高いです。また、部下や後輩にもストレスの対処法や問題解決方法について効果的なアドバイスもできるでしょう。
容量
容量とは、ストレスを抱えられるキャパシティです。人によってストレスに対する心の容量は異なります。容量が多い人は同じストレッサーに出会っても我慢できますが、容量が小さい場合には大きな負担となります。
容量も一概に「多ければ良い」とは言えませんが、ストレスがかかる仕事の場合は容量が多い方が仕事を進めやすいケースもあり、面接・選考においては有効な判断材料の1つでしょう。
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【種類別】面接で使えるストレス耐性を確かめる質問例

面接でストレス耐性を確かめるためには、どのような質問が効果的なのでしょうか。上述した6つの要素別に、質問例を紹介します。
1.ストレスの感知能力
ストレスの感知能力を知るには、例えば以下のような質問をするのがおすすめです。
- 普段ストレスを感じる頻度はどれくらいですか?
- 学生時代のアルバイトや部活ではどのようなことにストレスを感じましたか?
もし、自社の業務と関連するような内容で応募者がストレスを感じやすいような場合には注意が必要です。
さらに「どのような時に眠れなくなりますか?」と聞いてみてください。感知能力が高い人は眠れなくなった体験が多い可能性があります。しかし、感知能力が低い人は「眠れないということはありません」「旅行の前日は嬉しくて眠れなくなります」など、それほど苦にしていないような回答をすることが多いようです。
2.ストレスの回避能力
回避能力を確かめるには、以下のような質問がよいでしょう。
- (例を挙げて)理不尽な状況に陥った場合にどう思いますか?
- 顧客からクレームを受けた場合にどう感じますか?
クレームを受けたり、理不尽な要求を受けたりするのは、人によっては大きなストレスになるものです。それに対して「そういうこともある」とさほど負担を感じていないようであれば、回避能力は高めだと考えられます。
また、ストレートに「ストレスを感じるのはどのような時ですか?」「物事を割り切るのが得意ですか?」と聞いてみるのもおすすめです。気分転換の仕方を即答できる人はストレス回避が上手い人です。
3.ストレスの処理能力
ストレッサーに出会った時に上手く処理ができているかを知ることができるような質問をしてみてください。
- 今までで最も大きかった挫折の内容と、乗り越えた方法を教えてください。
- 人間関係でトラブルになった場合にはどのように対処していますか?
自分なりの乗り越え方を明確に説明できる場合には処理能力が高いと考えられます。
仕事をしていく上で最もストレスを感じやすいのが人間関係です。人間関係について自分なりのストレスの処理方法を持っている人は、仕事でも感情のコントロールが上手にできます。
4.ストレスの転換能力
ストレスの処理能力と同様に「トラブルの乗り越え方」を聞いてみると、転換能力が見えてきます。マイナス要因もポジティブに受け止められる場合には転換能力が高いといえます。例えば以下のように聞いてみるとよいでしょう。
- 今までで大きく失敗をした経験を教えてください。
- 失敗や挫折をどのように乗り越えましたか?
もし、解決したエピソードに付随して「この失敗をもとに、大きく成長しようと思った」「よい学びの機会となった」と何かの糧にするといった建設的な回答があった場合には、ストレスの転換能力がある人の可能性が高いです。
5.ストレスの経験値
ストレスの経験値を確かめるには以下のように聞いてみるとよいでしょう。
- 今までで最も困難だった状況は何ですか?
- 壁に当たった時にどうやって乗り越えましたか?
また、新卒であれば「学生時代に打ち込んだこと」について、中途採用であれば「前職で打ち込んだ業務の内容」など、過去に積み上げた経験について聞くのもよいかもしれません。
そして「そのなかでどのようなポジションを果たしたのか」「困難に出会った時にどのように乗り越えたか」を聞いてみるとよいでしょう。集団の中心的な役割のなかでしっかりと壁を乗り越えてきたならば、ストレスの経験値も高いかもしれません。
6.ストレスの容量
ストレスの容量は個人差があります。応募者がどの程度の容量を持っているかがわかるような質問をします。
- 過去に最も忙しかった時の状況を教えてください。
- ストレスに耐えきれなくなりそうな時はありましたか?
と聞いてみて、ストレスを感じた頻度やストレッサーの大きさで、応募者のストレス耐性の容量が見えてきます。
また、容量を知る際にも感知能力の時と同じように「どのような時に眠れなくなりますか?」と聞いてみてください。日常でどのような心の動きをしているかが見えてきます。
以上はあくまでも質問の一例です。面接を実施する際は、自社の業務や社風なども考慮しながら質問を考えるとよいでしょう。
面接において応募者を的確に見極めるヒントをお探しの方は「面接質問例文マニュアル」をご覧ください。面接においてパーソナリティーやキャリア志向、志望動機といった要素を評価するために効果的な質問例をまとめております。

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面接時に応募者のストレス耐性を見抜くためのコツ

ストレスに強い人は物事を前向きに考えることができ、チームやプロジェクトに対して好影響を与えられます。ストレスに強い人の特徴や、面接時に質問をするコツについて紹介します。
ストレスに強い人の特徴を知る
まず、よい意味での鈍感力を持っている人がストレスに強い人だといえます。さらに、自分の芯を持ち他人の価値観に振り回されない人の方が、ストレスへの強さを発揮します。楽観的でマイペースな人、自分をきちんと受け入れられる人、集中力がある人もストレスに強いという傾向を見せます。
一方、几帳面で責任感が強い人や悩みやすい人、自分に厳しい人は、何かあった時に自分を責めてしまいストレスを抱え込んでしまいます。また、怒られるのが苦手な人や、問題があるとすぐ逃げてしまう人も、ストレスに弱いといえるでしょう。
掘り下げて質問する
応募者のストレス耐性を把握するためには、表面的な質問だけでなく掘り下げた質問を行うことが重要です。過去の学業・部活や職場での具体的なエピソードについて質問すると、応募者のストレスへの対処法を詳しく確認しやすくなります。
例えば、「これまでに最も困難だった業務は何ですか?」と質問するだけでなく、さらに「それをどのように乗り越えましたか?」「誰かに相談したり情報収集したりしましたか?」と尋ねれば、応募者がどのようにストレスを受け止め、解決したかを理解できます。
事前に用意した質問文も大切ですが、それに加えて応募者の回答を掘り下げることで、ストレス耐性を的確に見極めましょう。
簡単なケーススタディを行う
簡単なケーススタディを行うのも有効です。応募者に具体的な状況を提示し、その対応方法を考えてもらうと、ストレス下での判断力や対処能力を見極められます。
例えば、「他の人が作成した請求書に誤りがあり、クライアントからクレームが発生しました。どのように対処しますか?」といった状況を提示します。回答からは「回避能力」「処理能力」「経験値」などを測るヒントが見つかるでしょう。
ケーススタディでは具体的なやりとりができるため、応募者のストレス耐性を具体的に知り、リアルな職場での適応力を評価するうえで役立ちます。
面接でストレス耐性を確かめる際の注意点

採用の面接時にストレス耐性を確かめる質問をするのは一般的になっていますが、いくつかの注意点があります。質問の仕方を間違えると上手く話を引き出せなかったり、圧迫面接だと思われたりすることがあります。注意点について確認しましょう。
過度な圧迫面接は避ける
面接でストレス耐性を見極めようとする際に気をつけなくてはいけないのが、過度な圧迫感を与えてしまうことです。ストレス耐性を知りたいからといって、必要以上に強いプレッシャーをかけたり厳しい質問をしたりしても、よい結果は得られません。
これは、面接を受ける側が余計に緊張して本来の姿を見せにくくなるからです。圧迫により恐怖心や嫌悪感を応募者が持ってしまえば、心を閉ざしてしまう場合もあります。
また、過度な圧迫を与えたことで「パワーハラスメント」「ブラック企業」といった印象を持たれ、企業のイメージを損なう場合もあります。パワハラを受けたと口コミで広まれば、企業に損害を与えかねません。
過度な圧迫で相手を萎縮させることがないように注意しましょう。「適度」を心がけることが大切です。
複合的に評価する
人の心は複雑なため、1つの要素だけで判断をするのは危険です。ストレス耐性は1つの質問だけで判断をするのではなく、いくつかの質問や会話のなかで複合的に評価をすることが大切です。
ストレス耐性に関する質問の受け答えが芳しくなく自信がなさそうでも、必ずしも「ストレス耐性がない」とはいえません。もしかすると、面接ということで少なからず緊張していて、普段通りの受け答えができていないだけかもしれません。
ストレス関連の質問への受け答えは好印象でなくても、実際は部活や学業、アルバイト、前職などで過去に優れた実績を挙げているかもしれません。その場合はストレス耐性を持つ人材の可能性があります。
面接の限界も理解する
面接には限界があることも理解しましょう。
ここまで、面接時に応募者のストレス耐性をチェックする方法を紹介しましたが、短い面接時間だけで応募者のストレス耐性を正確にチェックするのには限界があります。
面接では会社側がストレス耐性に関する質問をしたり、あえてプレッシャーをかけて応募者の様子を観察したりしても、応募者も想定質問を割り出して対策をしているので、素の状態を知ることは難しいものです。
また上述のように受け答えの結果がよくない人でも、実は現場ではストレスへの強さを発揮したり、多少ストレスに弱くても素晴らしいパフォーマンスを出したりする可能性もあります。
面接での評価は参考程度としつつ、より正確に把握したいなら専門のストレス耐性テストなどを利用するのも手です。
まとめ

本記事では、ストレッサーの種類と特徴、面接で応募者のストレス耐性を見極める具体的な質問例、さらに面接時のコツや注意点まで解説しました。
面接においてストレス耐性を評価できれば、職場でのパフォーマンスや適応力を予測しやすくなります。ストレス耐性を見極めるには心理・社会的ストレッサーから物理的、化学的、生物的ストレッサーまでを把握し、応募者の感知能力や処理能力、転換能力などの要素を総合的に評価することが大切です。
面接においてはストレス耐性以外にもさまざまな要素を見極める必要があります。人事ZINEが提供している資料「面接質問例文マニュアル」では、「志望動機」「キャリア志向」などを見極める例文をまとめております。面接において応募者を的確に見極めるヒントをお探しの方は、ぜひご活用ください。
