売り手市場の特徴とは?27・28年新卒採用の見込みや買い手市場との違い

新卒 売り手市場
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新卒採用において、「応募が集まらない」「内定辞退が増えている」といった課題に直面している採用担当者の方は多いのではないでしょうか。少子高齢化による労働力不足や経済活動の回復に伴い、近年の新卒採用市場は、学生優位の「売り手市場」が続いています。

この状況下で従来の「買い手市場」と同じ感覚で採用活動を行っていては、求める人材を確保することは困難です。本記事では、売り手市場と買い手市場の基本的な違いから、最新の新卒採用市場動向、そして企業が取るべき具体的な対策までを解説します。

人事ZINEでは、2027年卒採用の市場動向やZ世代の学生の特徴をまとめた資料「2027年卒の市場を分析!これからの新卒採用戦術」をご用意しています。これからの採用戦略を立てるためのヒントとして、ぜひダウンロードしてご活用ください。

2027年卒の市場を分析!これからの新卒採用戦術
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2027年卒の採用市場を分析した上で、Z世代の新卒採用を成功させる上で重要な観点3つを紹介します。
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採用売り手市場の意味と買い手市場との違い

採用売り手市場の意味と買い手市場との違い

採用活動を進めるうえで理解しておくべき「売り手市場」と「買い手市場」について、用語の定義を解説したうえで、市場動向を測る指標である有効求人倍率も紹介します。

売り手市場とは?

売り手市場とは、企業側の求人数(需要)に対して、就職希望者の数(供給)が少ない状態を指します。新卒採用においては労働力を提供する「売り手」である学生(求職者)が、多数の企業から就職先を選べる有利な状況です。企業にとっては、人材獲得競争が激化し、採用難易度が高まる厳しい環境といえます。

買い手市場との違い

買い手市場とは、企業側の求人数よりも就職希望者の方が多い状態を指します。労働力を求める「買い手」である企業側が、多くの応募者のなかから採用する人材を選別しやすい状況です。この場合、学生側は自身の希望に合う求人を探したり、内定を獲得したりするのに苦労する可能性が高くなります。

売り手市場の有効求人倍率の目安 

「有効求人倍率」とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合のことで、雇用動向を示す重要指標の一つです。有効求人倍率は景気とほぼ一致して動く特徴があり、景気動向指数の一致指数として知られています。

有効求人倍率は、厚生労働省が全国のハローワーク求職者数、求人数をもとに算出され、「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」で毎月発表されています。有効求人数を有効求職者数で割って算出し、倍率が1を上回れば、求職者の数よりも企業の求人数が多い売り手市場となります。反対に倍率が1を下回れば、求職者の数の方が多い買い手市場であることを指します。

売り手市場の有効求人倍率の目安

出典:労働政策研究・研修機構「完全失業率、有効求人倍率

有効求人倍率の推移を見ると、時代状況を反映していることが分かります。例えば、上記グラフを見ると、リーマンショックに陥った2008年頃やコロナ禍の2020年頃に大きくグラフが下降しています。

2027・2028年卒も新卒採用は売り手市場が継続

2027・2028年卒も新卒採用は売り手市場が継続

リクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」によると、2026年3月卒業予定の大学生・大学院生の求人倍率は1.66倍で、前年(1.75倍)を0.09ポイント下回りました。

全体の求人倍率はコロナ禍前の水準に戻りつつあり、採用に積極的な企業が増加しているようです。コロナ禍前と比較してほぼすべての従業員規模の企業群で求人倍率が上昇しており、特に建設業(8.55倍)や流通業(8.77倍)の求人倍率は目立っています。

全体の求人総数は前年の「79.7万人」から「76.5万人」と、約3.2万人(4.1%)減少しています。民間企業への就職希望者数45.5万人に対し、求人総数が「約34.2万人の需要超過」という売り手市場が続いている状態です。

こういった急速な売り手市場拡大の背景の1つには、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う経済活動の再開が挙げられます。今後どのようなトレンドになるのか断言はできないものの、少子高齢化による労働力不足やデジタルシフトに伴うデジタル人材の不足といった慢性的なトレンドがあるなかで、今後も売り手市場が続く可能性は十分にあるでしょう。

売り手市場が企業に与える影響

売り手市場が企業に与える影響

新卒採用において、売り手市場が続くことで企業の採用活動そのものが変わりつつあります。学生が集まりにくくなるだけでなく、採用の進め方や体制、待遇の考え方まで見直しを迫られる場面が増えています。ここでは、売り手市場が企業に与える影響を、良い面と注意すべき面に分けて整理します。

ポジティブな影響

採用要件の明確化につながる

売り手市場では、応募が自然に集まる環境ではないため、「満遍なく幅広く採用する」「数を優先する」といった採用手法が機能しません。企業は「自社の事業成長に本当に必要な人材像は」「どのスキル・志向を重視すべきか」といった採用要件を具体的に定義する必要に迫られます。

結果、採用基準の言語化やペルソナ設計を進めるきっかけとなり、ミスマッチの少ない質重視の採用へ転換できる可能性があります。

採用活動・体制の見直しがしやすい

売り手市場では、人事・採用部門だけで学生との接点を増やし、志望度を高めることには限界があります。そこで、現場社員や経営層が採用活動に関わる体制へ移行できる可能性があるでしょう。

例えば、現場社員が登壇する座談会やリクルーター制度、経営層によるトップセミナー、社員が知人を紹介するリファラル採用などの導入が進みやすくなります。全社を挙げた体制へと移行すれば、学生に対してより多角的かつリアルな魅力を伝えられるようになるでしょう。

こうした取り組みは、採用活動の属人化を解消するだけでなく、組織的かつ持続可能な運用体制を整えることにもつながります。

労働条件・処遇改善で魅力が向上する

売り手市場で他社と比較されやすい環境では、初任給や福利厚生、働き方に課題がある企業は選ばれにくくなります。そのため、給与水準の見直しや、リモートワーク・フレックス制度の導入など、労働条件を改善する動きが進むでしょう。

これらの施策は、新卒採用のためだけの対策ではありません。既存社員の満足度や定着率の向上にもつながり、結果として組織全体の魅力を高める効果があります。

ネガティブな影響

十分な採用人数を確保できない

売り手市場では母集団形成の段階から苦戦し、目標人数を採用できない未達のリスクが高まります。新卒採用の未達は、人員不足にとどまらず、将来のリーダー候補の不足や、ベテラン社員からの技術・ノウハウの引き継ぎ問題といった、深刻な問題につながりかねません。場合によっては、中長期の事業計画自体の修正を余儀なくされるケースもあります。

採用コストが増加する

「求人サイトに掲載して待つ」だけでは応募が集まりにくくなり、人材紹介、早期インターンシップなど、複数の採用チャネルを併用する必要に迫られ、1名あたりの採用単価(CPA)が上昇しやすくなります。

また、利用するサービスやツールが増えると、運用管理や調整にかかる工数も増加するでしょう。費用総額だけでなく、社内の対応負荷も含めて、採用活動全体の費用対効果をこれまで以上に意識する必要があります。

内定辞退率上昇・歩留まり悪化につながる

学生が複数社から内定を得た状態で就職活動を続けることが一般的になり、内定承諾率の予測も難しくなります。内定通知後・承諾後であっても辞退が発生しやすく、想定していた入社人数を確保できないケースも少なくありません。

欠員を補うための追加募集や、辞退を防ぐための個別フォローが必要となり、採用活動が長期化するおそれもあるでしょう。計画通りに採用活動を終えられず、採用担当者の業務負荷が増大する要因にもなります。

売り手市場が学生に与える影響

売り手市場が学生に与える影響

売り手市場は、学生の就職活動にも影響します。選択肢が広がる一方で、判断の難しさや新たなリスクも生じるのが現実です。ここでは、学生側にとっての影響をポジティブ・ネガティブの両面から整理します。

ポジティブな影響

売り手市場は、学生が企業を選びやすく、就職活動を比較的有利に進められる環境です。

まず、企業の選択肢が増えることで、給与水準や福利厚生、勤務地、働き方など、自身の条件に合った企業を探しやすくなります。「内定をもらえる企業を優先する」のではなく、「納得できる条件かどうか」を基準に企業を比較・検討しやすくなる点は大きな変化です。

また、希望する業界や職種、企業に就職できる可能性も高まるでしょう。複数社から内定を得られるケースも多く、いくつかの内定を踏まえてから入社先を選ぶケースも一般的です。

さらに、早期に内定を獲得できれば、就職活動のスケジュールに余裕が生まれます。選考に追われる期間が短くなり、残りの学生生活を資格取得や留学、研究活動などに充てられる点も、学生にとってはメリットといえるでしょう。

ネガティブな影響

一方で、売り手市場ならではのネガティブな側面もあります。

内定を得やすい環境では、自己分析や企業研究が十分でないまま就職先を決めてしまうケースもあります。選考が順調に進むことで、「なぜこの会社なのか」「どのような仕事をしたいのか」を深く考える前に意思決定してしまい、入社後に仕事内容や働き方のギャップを感じる原因になることもあるようです。

また、選択肢が多いことで、進路を決めきれずに迷いやすくなる点も課題といえます。複数の内定を前に、「今決めてよいのか」「より良い選択肢があるのではないか」と考え続け、判断に時間がかかるケースも少なくありません。

さらに、内定後のやり取りが増えることで、企業側から早期の意思決定を求められる場面もあります。対応次第では、「オワハラ」のようなプレッシャーを感じたり、いわゆる「内定者ブルー」の状態に陥ったりする可能性もあります。

データで見る2026年卒売り手市場の動向と2027・2028年卒以降の見込み

データで見る2026年卒売り手市場の動向と2027・2028年卒以降の見込み

2026年卒までの大卒求人倍率推移

前掲のリクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」によると、2022年卒以降、大卒求人倍率は3年連続で上昇していましたが、2026年卒は0.09ポイント低下しています。

  • 2022年:1.50倍
  • 2023年:1.58倍
  • 2024年:1.71倍
  • 2025年:1.75倍
  • 2026年:1.66倍

2020〜2021年頃は新型コロナウイルス感染症の拡大やそれに伴う経済活動縮小の影響もあり一度落ち込みましたが、経済活動が再開してからは大きく伸びている状況です。

出典:リクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)

企業規模別の採用市場状況

従業員規模別に求人倍率を見ると、大きな差があることが分かります。

5,000人以上の大企業は、2025年3月卒で0.34倍となっており、大企業だけを見ると買い手市場といえます。一方、従業員が300人未満の企業の場合、2026年3月卒で8.98倍と高い数値となり、厳しい売り手市場です。

出典:リクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)

業種別の採用市場状況

業種別に2025年3月卒の求人倍率のデータを見ると以下の通りでした。

  • 流通業:8.77倍
  • 建設業:8.55倍
  • 製造業:2.33倍
  • サービス・情報業:0.34倍
  • 金融業:0.21倍

特に流通業と建設業は、全体の1.75倍を大きく上回る高水準で、慢性的に厳しい人手不足です。

一方、サービス・情報業が0.34倍、金融業が0.21倍と買い手市場の状態で、金融業が最も低い水準となっています。前年と比べても大きな上昇は見られません。コロナ禍が明け、流通業や建設業の求人倍率に大きな上昇が見られましたが、2027年3月卒以降では落ち着く可能性もあるため、継続的に数値を確認していきたいところです。

このように業種別で詳細を見ていくと、売り手市場の傾向が強い業種と、買い手市場の傾向が強い業種の差が大きいことが見えてきます。

出典:リクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)

企業側が抱える課題

企業側が抱える課題

出典:株式会社i-plug「OfferBox 27•28卒 採用動向レポート」

弊社i-plugの調査では、全媒体における企業側の主な採用課題は以下の通りでした。

  • 母集団形成:56.2%
  • 選考辞退:8.1%
  • 内定辞退:13.6%
  • マンパワー不足:10.4%

また弊社のダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox」での採用課題は以下の通りです。

  • 母集団形成:55.0%
  • 選考辞退:12.8%
  • 内定辞退:8.5%
  • マンパワー不足:16.6%

いずれも母集団形成は大きな課題で、売り手市場のなかで学生との接点作りは戦略的に検討する必要がある状況です。

人事ZINEが提供している資料「2027年卒の市場を分析!これからの新卒採用戦術」では、独自調査の分析を踏まえ、これからの採用で取り入れるべき考え方や手法を解説しています。学生のニーズや他社の採用状況が気になる人事・採用担当者の方は、ダウンロードしてご活用ください。

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採用難易度の見込み

DISCO社が行った、全国の主要企業16,437社を対象に調査した「2025年卒・新卒採用に関する企業調査-採用方針調査」のデータを見ると、自社の採用活動の見通しについては以下のような回答でした。

  • 非常に厳しくなる:47.5%
  • やや厳しくなる:37.7%
  • どちらともいえない:13.5%
  • やや楽になる:1.2%
  • 非常に楽になる:0.1%

このように「非常に厳しくなる」「やや厳しくなる」という回答の合計は75.2%でした。一方、「やや楽になる」「非常に楽になる」と答えた企業は2%未満でした。このことからも、多くの企業が採用数の確保に危機感を抱いていることが分かります。

採用見込み人数が増加傾向であることや、人口減少が徐々に進むこともあり、今後の採用市場も厳しくなると見込まれるでしょう。

出典:DISCO「2025年卒・新卒採用に関する企業調査-採用方針調査

企業の知名度や業界格差に左右されないために

どんなに良い商品・サービスを持っていたり、制度を整えても知ってもらえなければ採用はできません。学生に自社のことを知ってもらうために、直接スカウトを送ることができるダイレクトリクルーティングの活用がおすすめです。代表的なダイレクトリクルーティングサービスとして、OfferBoxを紹介します。

企業の知名度や業界格差に左右されないために
新卒採用向けダイレクトリクルーティング「OfferBox(オファーボックス)

OfferBox(オファーボックス)」は、学生と企業とをつなぐ新卒採用向けのスカウト型採用サービスです。学生の登録者数は約24.5万人(2024年卒の累計)で、オファー開封率は約72%にのぼります。これまでに登録した企業数は17,982社以上(2024年5月時点)と、大手からベンチャー・スタートアップまで幅広い企業に利用されてきた実績があります。

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売り手市場の就職活動のなかでの学生の本音

売り手市場の就職活動のなかでの学生の本音

売り手市場の就職活動のなかでの学生の本音として、以下の項目を紹介します。

  • 就職活動で不安を感じる要素
  • 就職先を判断するために知りたい情報
  • 企業規模と志望度の関係
  • 内定承諾の決め手

各種アンケート調査にもとづいて解説をしていきます。

就職活動で不安を感じる要素

キャリタス就活「学生モニター 2月1日時点の就職意識調査」によると、学生は以下のような不安を抱えていることが分かります。

  • 希望する企業から内定をもらえるか:76.0%
  • 内定をもらえるか:61.3%
  • 面接を通過できるか:59.6%
  • エントリーシートが通過するか:39.6%
  • 自分に合う企業に出会えるか:37.6%

出典:株式会社ディスコ キャリタス就活「学生モニター 2月1日時点の就職意識調査

上位の悩みで多いのが内定(内々定)に関するものでした。売り手市場の状況でも、就職活動の重要なマイルストーンである内定(内々定)に関して不安を持っている学生が多いようです。

また、「自分に合う企業に出会えるか」という回答も目立ち、ただ内定を獲得できればよいわけではなく、自身の志向・条件に合う企業選びでも不安を抱えている学生もいることが分かります。

企業選びで重要視する項目

企業選びで重要視する項目

出典:株式会社i-plug「28卒 新卒採用 市場予測レポート」

弊社i-plugの調査によると、学生が企業選びで最も重視している項目は「給与・待遇」(61.3%)で、次いで「社内の雰囲気」(54.8%)でした。初任給の引き上げや福利厚生の見直しが進むなか、条件面の競争力を高めることは引き続き重要といえます。

一方で、給与水準だけでは差がつきにくくなっているのも実情です。社内の雰囲気や社員の人柄、働く環境といった要素を具体的に伝えると、学生に「この会社で働くイメージ」を持ってもらいやすくなります。条件とあわせて、企業の内側が伝わる情報も企業選びにおける重要な判断材料の1つです。

企業規模と志望度の関係

前掲のリクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」によると、企業規模が大きいほど求人倍率は低くなり、わずかな採用枠をめぐって学生が競争する状況、つまり買い手市場だと紹介しました。

さらに企業規模ごとに近年の求人倍率の推移を見てみると、従業員規模が「300人未満」「300〜999人」の企業は2021年3月卒から2025年3卒にかけて求人倍率は増加傾向で、いずれもほぼ倍増です。一方、「5,000人以上」の企業は0.60倍から0.34倍と半減しており、企業規模によって志望度やその変化が対照的であることが分かります。

出典:リクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)

内定承諾の決め手

株式会社i-plug「どうなる?25卒・26卒新卒採用 市場動向調査レポート(春版)」において内定承諾の決め手を質問したところ、学生からは「社内の雰囲気が良い」という回答が最多でした。

内定承諾の決め手

出典:株式会社i-plug 【2025年卒対象】就職活動状況に関するアンケート(有効回答数:1,031件)

人間関係は職場選びにおいて長年重視される項目の1つであり、特に学生は初めての就職先を選ぶうえでさまざまな不安もあるなか、職場の雰囲気の良さや社風とのマッチは特に重要だということが分かります。

Z世代の採用と育成・定着戦略
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2027年卒以降の売り手市場のなか新卒採用で成功するポイント

2027年卒以降の売り手市場のなか新卒採用で成功するポイント

2026年卒以降も売り手市場が続くと見込まれるなか、企業が新卒採用で成功するためには、学生の動向を理解し、効果的なアプローチを実践することが不可欠です。ここでは、売り手市場のなか企業が採用活動を成功させるためのポイントを紹介します。

学生の動向・ニーズを理解する

新卒採用で成功するには、まずは学生の動向やニーズを理解することが欠かせません。学生心理は、社会的な動向やトレンドに大きく左右されるため、毎年の変化を継続的にチェックする必要があります。

例えば、生成AIの登場やデジタルシフトの加速は、仕事のあり方を変えうるものであることから、学生にとっても関心事になりやすく、関連する企業や職種に注目が集まる可能性があるでしょう。一方で、リーマンショックやコロナ禍のような経済的・社会的な不安が発生すると、学生は安定志向にシフトし、公務員や大手企業が人気を集めることが考えられます。

ダイバーシティやエシカル(倫理的取り組み)への関心の高まりも無視できません。学生は企業の社会的責任(CSR)や環境への配慮といった点にも注目しており、これらの取り組みをアピールすることも重要です。

一方、不変的なテーマへの意識も重要です。例えば人間関係や働き方・待遇は長期にわたって学生から重要視されているポイントです。福利厚生や職場環境、ワークライフバランスなどの観点からも、魅力を高め続けることが重要でしょう。

ターゲットに効率的にアプローチする

効果的な採用活動を行うためには、ターゲットとする学生層に対して効率的にアプローチする必要があります。従来の大手ナビサイトや会社説明会に加え、近年はダイレクトリクルーティングをはじめ多様なチャネルを活用できるようになっており、これらを適切に組み合わせることが重要です。

採用活動においてリソースを効率的に配分するためには、自社の採用目標や求める人材像を明確にし、それにもとづいて最適な手段を選択しましょう。例えば、大人数の採用を目指す場合は、ナビサイトや大規模な会社説明会が有効ですが、初期段階から学生を絞り込みたい場合は、スカウト型の採用手法やリファラル採用が有効となります。

特に、スカウト型の採用手法であるダイレクトリクルーティングは、特定の専攻分野・特定の経験がある学生に直接アプローチするために効果的です。企業が求める人物像に合致する候補者を企業側が探し出して直接コンタクトを取ることで、「認知の壁」を解決でき、マッチングの精度を高めやすくなります。

学生に選ばれる企業づくりの工夫をする

学生が企業を選ぶ基準は、単なる条件比較から「共感できる価値観」や「将来の自己投資」としての視点にシフトしています。

そのため企業は、表層的なアピールに終始せず、「どんな想いで人を育てているか」「働く人たちのリアルな姿」「職場の雰囲気が伝わる接点」を設計する必要があります。採用活動そのものがブランディングになる時代、自社に合う人材を惹きつけるには共感されるストーリーが重要です。

項目 内容

学生の変化

条件より価値観・共感・将来性を重視

工夫すべき点

人材育成の考え方/現場社員の姿/社内文化の見せ方

推奨施策

SNS活用・社員インタビュー・インターンの質向上

ゴール

「この会社で働きたい」と思わせる接点設計

新卒採用ブランディングの教科書
新卒採用ブランディングの教科書
新卒採用市場の激化と変動が続く中、企業が優秀な新卒者を引き寄せ、定着させることが年々難しくなっています。この資料では、その鍵となる採用ブランディングの基本的な要素や成功のポイントに焦点を当てて紹介します。
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学生に選ばれる企業づくりの工夫をする

出典:株式会社i-plug「28卒 新卒採用 市場予測レポート」

弊社i-plugの調査では、多くの学生は「給与・休日などの条件面」と「社内の雰囲気」の両方を重視して企業を選んでいることが分かりました。初任給の引き上げや働き方の柔軟化が進む現在、従来と同じ訴求だけでは、学生の関心を十分に引くことは難しくなっています。

こうした環境では、学生に「選ばれる理由」が伝わるメッセージやコンテンツを設計することが重要です。まずは自社の魅力を整理したうえで、数字では表しにくい社内の雰囲気や働く人の価値観を、社員インタビューや具体的なエピソードとして言語化し、発信していくことが有効でしょう。学生の関心軸に沿って魅力を伝えることで、企業理解が深まり、結果として学生に選ばれる企業づくりにつながります。

【具体例】売り手市場で見直すべき採用戦略のポイント

売り手市場では、従来型の母集団形成や一括エントリー型のアプローチだけでは成果が出にくくなっています。今後は、職種別・層別に訴求軸を調整した情報発信や、早期からの関係構築型インターン、スカウト型採用の導入など、採用戦略の柔軟な見直しが不可欠です。

また、定量KPIに加えて「接点の質」や「個別志望度」のような定性指標を設け、より現実的な改善サイクルを回す企業が成果を上げています。

項目 内容

背景

従来の採用手法が通用しにくい環境

見直しポイント

層別訴求/スカウト型導入/関係構築型インターン

評価指標の転換

定性・接点重視型KPIの導入

期待効果

接点数だけでなく“質”で成果を最大化

まとめ

まとめ

本記事では、売り手市場の特徴と買い手市場との違い、そして今後の新卒採用に向けた対策について解説しました。

売り手市場は今後も続く見込みであり、採用活動は「企業が選ぶ」スタンスから「企業が学生に選ばれる」スタンスへの切り替えが欠かせない状況です。条件の改善は重要ですが、より大切なのは、自社のカルチャーや価値観(社内の雰囲気)をありのままに伝え、それに共感してくれる学生と出会うことです。市場のトレンドを理解したうえで、自社らしさを武器にした採用戦略を設計してください。

人事ZINEでは、2027年卒採用の市場動向やZ世代の学生の特徴をまとめた資料「2027年卒の市場を分析!これからの新卒採用戦術」をご用意しています。売り手市場のなかでも求める人材を獲得するための戦略作りのヒントとして、ぜひご活用ください。

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人事ZINE 編集部

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