新卒「通年採用」とは?メリット・デメリットと企業事例・導入方法

日本の新卒採用市場は、ここ100年あまり「一括採用」「一斉入社」そして「集団での新入社員研修」がセットとなって実施されてきました。

しかし、近年では年間を通じて採用をおこなう「通年採用」が注目され、実施する企業も増えています。

なぜ、「通年採用」が増えてきているのでしょうか?

本記事では、新卒の「一括採用」と新しく定着しつつある新卒の「通年採用」の違いやメリット・デメリットを解説していきます。

また、ウィズコロナ時代に向けた新しい採用活動についても紹介します。あなたの企業において、どのような採用手法がマッチしているか、参考にしていただけますと幸いです。

目次

 新卒採用の「通年採用」で人事採用担当者が知りたい基礎知識

新卒採用における「通年採用」と「一括採用」

新卒採用における「通年採用」の定義

通年採用とは、企業が時期を定めず、年間を通じて採用を行うことを指します。増加してきた背景には帰国子女や留学生を取り込みたいという企業側の意図もあります。

グローバル人材など幅広い人材を採用したいという企業や、通常の採用では人材不足が解消しないという企業の間で一般化してきました。また、内定辞退者が出た場合への措置としても通年採用が行われています。

新卒採用における「通年採用」と「一括採用」の違い

「通年採用」と「一括採用」の大きな違いは、募集期間です。

新卒の「一括採用」とは、限られた期間に多くの学生を一気に選考採用します。「一括採用」の最大のメリットは、多くの学生の中から自社に合った学生を効率的に選考し、多くの新入社員を同時に受け入れられることです。また、一気に採用活動をおこなえるため、採用の手間やコストを削減できます。

一方で、新卒の「通年採用」とは、1年を通して企業が採用活動をおこなうことを指します。

応募のタイミングが学生によって異なるため、一度に多くの学生を選考し、学生同士を比較することが難しく、個々の能力を絶対評価する必要があります。

しかし、学生1人ひとりをじっくりと選考できるため、企業の求める人物像により近い人材を探すことが可能です。

「通年採用」が注目されている理由

「通年採用」が注目されている理由として、留学生や帰国子女の増加による採用時期や採用対象の多様化が挙げられます。

留学のために就職活動ができなかったり、就職をしないまま卒業したりすると、優秀な人材であっても日本の従来の採用活動のなかでは対象から漏れてしまう場合があります。

人材不足のなか、そのような一括採用の枠にはめられない人材の取りこぼしをしないためにも通年採用は注目されています。

通年採用をめぐる近年の動向

近年、増えてきたとされる通年採用ですが、実際の企業や大学の動向はどのようになっているのでしょうか。

企業側の動き

通年採用を考えている企業は増えているようです。

現在は国が例年、学生が学業に専念し、安心して就職活動ができるように、就職・採用活動に関する要請として、以前の就職協定に準じたスケジュールを提示しています。

一方で、経団連の「採用と大学改革への期待に関するアンケート結果」によると、通年採用を「これまで実施」した企業は32.7%、「今後5年程度先実施」予定の企業は55.2%となっています。

また、経団連「採用選考に関する指針」(2018年3月12日改定)では「卒業時期の異なる学生や未就職卒業者等への対応を図るため、多様な採用選考機会の提供(秋季採用、通年採用等の実施)に努める」と明記しています。

通年採用を行うかどうかは企業側に委ねられているものの、今後も増えていく可能性は十分にあります。

大学側の動き

大学側でも通年採用に向けた動きが見られます。

2019年には経団連と大学の間で「採用と大学教育の未来に関する産学協議会/中間とりまとめと共同提言」があり、そのなかで多様な採用方法の実施を、今後のあり方として提言しています。

留学などの学習経験の確保や外国人留学生・日本人海外留学経験者、大学院生なども積極的に採用する方向が望ましいと大学側も経団連も認識するなか、通年採用はますます増えていきそうです。

ただし、学生側には「通年採用が一般化すると就活にかかる時期が長期化するのではないか」「スケジュールがつかみにくく学業に影響が出そう」という心配もあるようです。

「通年採用」を取り入れる企業側のメリット・デメリット

「通年採用」を取り入れる企業側のメリット・デメリット

「通年採用」には、企業にとってメリットもデメリットもあります。実施の検討にあたっては、両方を把握しておくことが大切です。

「通年採用」の企業側のメリット

「通年採用」は、「一括採用」と比較して時間的な制約が少ないことが特徴です。このため、じっくり選考をおこなえることによるさまざまなメリットがあります。

1. 企業の求める人物像に出会える可能性が増える

「通年採用」では、海外留学からの帰国学生や日本に留学している外国人学生、既卒者など、多様性のある人材の採用が容易となります。

今までは、海外留学からの帰国学生を採用するために、春季の「一括採用」とは別に「留学生枠」などを設ける必要がありました。

しかし、「通年採用」を用いる事によって、さまざまなバックグラウンドの学生を同じ評価基準で選考することが可能となります。

また、「一括採用」のように、1日に何十人も選考することや、同一期間内で競合他社の選考状況を気にして、早く選考結果を出すといった行為の必要はなくなり、じっくりと学生と向き合った選考ができます。

その結果、企業が求める人物像に出会える可能性が増えるのです。

2. ミスマッチを減らすことができる

前述のように、「通年採用」では、学生1人ひとりにゆっくり時間をかけて選考をおこなえるので、学生の能力や考え方を慎重に見極めることができます。

また、学生側も時間をかけて企業への理解を深めたり、相性を見極めたりするため、お互いにミスマッチを減らす効果も期待できるでしょう。

3. 内定辞退が起きても補填することができる

「一括採用」では、一度に多くの学生に内定を出し、内定者フォローをおこなう必要があるので、どうしても採用担当者1人あたりのフォロー人数が通年採用に比べると多くなりがちなため、内定辞退が発生しやすい傾向にあります。

また、採用数が目標に達しなかった場合、一度締めきった募集を再開するのは手間がかかり、すぐに募集を開始できたとしても学生が集まりにくくなるため、内定者の補填が難しいです。

一方、「通年採用」では、必要な人数だけその都度採用できるため、内定辞退をされてもすぐに補充対応ができます。

「通年採用」の企業側のデメリット

「通年採用」にはメリットがある一方で、従来よりも企業側の負担が増えるケースがあるというデメリットがあります。

1. 採用工数や費用増える可能性がある

「一括採用」は、開始時期が固定されているため、求人掲載、企業説明会、選考期間などの時期が決まっていました。

しかし「通年採用」では、1年中採用活動をしている状態になります。

さらに、応募者のピーク時期も読みづらいため、面接担当者のスケジュールなど、確保が必要な日程や工数を踏まえた年間計画を立てるのが非常に難しくなります。

また、1年中募集をしていると、求人掲載期間や選考期間が伸びることとなり、結果として人事的負担やコストが増える可能性があります。

2. 早期内定者への入社までのフォローが課題になる

「通年採用」により学生に早期に内定を出しても、「一括採用」の選考が後に控えている場合、自社の内定者が他社の内定を承諾し、結果として自社の内定を辞退する、などの事態が起きるケースもあります。

それを未然に防ぐためには、内定者の入社意向を高めていくような内定者フォローが必要です。内定者をつなぎとめる長期間のフォローが課題となるでしょう。

一括採用とのバランスの維持が必要

通年採用に積極的な動きがあるとはいえ、企業としては一括採用も継続し、バランスを取りながらアプローチしたいところです。

短期でスケジュール通りに就職が決まる一括採用を望む学生も多いうえ、いつでも受けられる通年採用を「滑り止め」と考えられてしまう可能性もあります。そのため、通年採用へシフトしすぎると一括採用希望の優秀な人材を逃す可能性があります。

「一括採用で人材を集め、足りないところを通年採用で補う」といった使い方が、人材確保の成功ポイントです。

学生へのアプローチに工夫が求められる

通年採用は多様な人材にアプローチする採用方法のため、一括採用よりも学生の考えを深く理解する必要があります。

通年採用であっても知名度・ブランド力が高い企業ほど有利なのは変わりありません。ただし、通年採用で応募したいと考えるような就活生は考え方も多様です。アプローチの工夫次第で、自社が求める人材の確保が可能となります。

「ワークライフバランスがとれる」「海外での活躍の道がある」「実力主義である」「多様な働き方を用意している」など、自社の特長を積極的にアピールしてみてください。

「通年採用」を取り入れる学生側のメリット・デメリット

「通年採用」による学生側のメリット・デメリットも把握しておきましょう。

「通年採用」の学生側のメリット

「通年採用」による学生側のメリットは、次の3つです。

  • ゆとりを持って就職活動に臨める
  • 応募できる企業数が増える
  • しっかり準備をしたうえで選考に参加できる

採用時期が集中する「一括採用」は、学生にとって時間的にも心理的にもハードです。一方「通年採用」は、短期で決めなければならないプレッシャーが軽減される分、ゆとりを持って就職活動ができます。

スケジュールにも余裕があるため応募できる企業も増え、一社ごとの選考に集中して参加できます。

「通年採用」の学生側のデメリット

メリットがある一方、学生にとって次の2つのデメリットもあります。

  • 能力重視で採用のハードルが高くなる
  • 能動的に情報を集める必要がある

ある程度大きな採用枠を設けたうえで潜在能力を重視して積極的に学生を採用する「一括採用」に比べて、「通年採用」では、採用枠を絞り、じっくり学生の素質や能力を見極める時間を確保しやすいという特徴があります。このため、学生は採用されるハードルが高くなりやすいのです。

また、「通年採用」の場合、企業によって採用スケジュールがまちまちになるため、積極的な情報収集が強いられます。

「通年採用」導入の流れ

通年採用を実施する際は、以下の流れで進めるとよいでしょう。

  • 要員計画にもとづいて採用計画を立てる
  • 求める人材像を設定する
  • 採用チームを編成する
  • 採用手法と選考方法を検討する
  • 新人育成の体制を検討する

始めに、要員計画を立てます。要員計画とは、事業を遂行するために必要な人数を見積もることです。次に、要員計画にもとづいて、「いつまでに、どの部署に、何人」採用する必要があるか、詳細な採用計画を立てます。

採用計画を立てると同時に、求める人材像を設定します。人材像は、明確に設定することがポイントです。自社で活躍する社員を分析したり、自社の理念や方向性に合う人物像を分析したりすることが役立ちます。

人材像が設定できたら、いよいよ採用チームの編成です。「通年採用」は、「一括採用」と比較して、タスクやスケジュール管理などの工数が多くなりがちです。また、採用に関する実務のほか、採用市場の分析や情報収集もおこなう必要があります。採用計画が滞りなく進むよう、適切な人数を確保しましょう。

採用チームの編成後、採用手法と選考方法の検討に入ります。採用の効率を第一にコスト面も考えながら、自社に合ったやり方を選びましょう。

「通年採用」に向いている採用手法は一括採用とはやや異なります。例えば合同説明会・単独説明会やナビサイトは就職活動が解禁になる春頃から夏頃に利用が集中する傾向がありますが、秋や冬には利用する学生が減っていくのが通常で、ナビサイトはクローズするケースもあるため、年間を通して採用するのは困難でしょう。一方、企業側から学生に能動的にオファーするスカウト型の採用手法は、登録している学生に年間を通じてプッシュ型のアプローチができるため、通年採用と親和性があります。

最後のステップは、新人育成の体制を検討することです。入社時期や育成スケジュールが一律の「一括採用」と異なり、「通年採用」の場合、内定者1人ひとりに対応しなければならなくなることも少なくありません。研修や教育内容にバラつきが生まれないよう、育成体制を十分整備することが必要です。研修担当だけでなく、配属部署のフォロー体制についてもしっかり構築しておきましょう。

要員計画にもとづいて採用計画を立てる

通年採用活動のスタートとして、要員計画を立てます。要員計画とは、事業計画や経営計画のなかで必要な人数を見積もることです。経営層との打ち合わせのうえ、要員計画を詰めていきます。

次に、要員計画にもとづいて、「いつまでに、どの部署に、何人」採用する必要があるか、詳細な採用計画を立てましょう。通年採用では従来の一括採用と異なり、決まったスケジュールがないため、人材を求めている現場に合わせて採用計画を設定します。

求める人材像を設定する

採用計画を立てるのと同時にしておきたいのが、求める人材像の設定です。現場や経営陣からしっかりとヒアリングしたうえで設定します。また、設定した人物像については関係者全員で共有しましょう。

人材像を設定する際は、自社で活躍する社員の実例や、自社の理念や方向性を分析することも大切です。

採用チームを編成する

人材像が設定できたら、いよいよ採用チームの編成です。「通年採用」は、「一括採用」と比較して、スケジュールの自由度が高い分、タスクや採用行程管理などの工数が多くなりがちです。また、学生の動向をリサーチしたり、他社の採用状況も含めた採用市場について分析・情報収集したりする作業が必要になります。

そのため、スケジュール管理や情報収集など、それぞれを得意とする人材と人数を確保しましょう。

採用手法と選考方法を検討する

採用チームの編成後は、採用手法と選考方法の検討に入ります。コスト面も考えながら採用活動の効率化を第一に、自社に合ったやり方を選びましょう。

通年採用に向いている採用手法は一括採用とはやや異なります。例えば合同説明会・単独説明会やナビサイトを活用したいと考えても、一括採用のピークが終わった秋冬は多くのナビサイトがクローズされ説明会も減ってしまいます。

一方、企業側から学生に能動的にオファーするスカウト型の採用手法であれば時期を問わずに行えます。通年採用と親和性の高い手法を採用してください。

新人育成の体制を検討する

最後のステップは、新人育成の体制を検討することです。入社時期や育成スケジュールが一律の「一括採用」と異なり、「通年採用」では内定者1人ひとりに対応しなければならなくなることも少なくありません。研修や教育内容にバラつきが生まれないよう、育成体制を十分整備することが必要です。研修担当だけでなく、配属部署のフォロー体制についてもしっかり構築しておきましょう。

新卒の通年採用で成果を挙げるためのポイント

ここからは通年採用を成功させ、よりよい人材の確保と定着を目指すためのポイントを紹介します。

学生動向をリサーチする

通年採用は横並びのスケジュールで動くわけではないので、学生の動向に合わせた採用計画が必要です。また多様な学生を求めるうえで、現在の学生の動向をリサーチして、思考、能力などの傾向を知らなくてはいけません。

「就職白書」のような求人サイト系の調査をはじめ、政府動向や、SNSで就活生の声を拾うようにしてください。また対面の機会があれば積極的に生の印象を得ることも重要です。

採用ブランディングを行う

中小企業や、学生に名前が浸透しにくいニッチな産業の企業の場合、自社の採用ブランディングを行うのも重要な手段です。一斉に採用が行われる一括採用では、学生もくまなく企業研究をするうえ、学生同士のつながりで、さまざまな企業の情報が共有されますが、通年採用では初めから名の通っている企業に応募が集中しがちです。

知名度を上げる努力とともに、社風や待遇、業務内容、社屋など学生が好むと考えられるポイントをアピールしてください。

さまざまな手法を組み合わせる

知名度アップのためには通常の求人広告だけではなく、SNSなどWebを駆使した戦術も必要です。特に若い層が日常的に使うTwitterやInstagramで情報を定期的に流すのは有効な手段です。また検索エンジンも考慮してキーワード対策(SEO)をしっかりと行い、学生へのリーチを増やすことも重要といえます。

SNSと自社のWebサイトを連動させ学生の流入を促すようにし、エンゲージメントを高めていくのも有効な手段です。

ウィズコロナ時代での「通年採用」を始めるポイント

ウィズコロナ時代での「通年採用」を始めるポイント

新型コロナウイルス感染拡大は、学生の就職活動にも大きな変化をもたらしています。通年採用を始めるにあたり、ウィズコロナ時代の採用のあり方についてもおさえておきましょう。

学生のスケジュールの把握

「一括採用」の場合は、学生が企業の採用スケジュールに合わせなければなりませんが、「通年採用」を取り入れた場合、企業が学生のスケジュールに合わせることが可能になります。

そのため、テスト期間や夏休みなどの多くの学生が該当するスケジュールに合わせた採用活動を練っていく必要があります。

また、海外から日本の大学に留学する外国人学生は、4月だけでなく9月~10月に入学する場合もあり、その場合は卒業が3月以外の時期となることもあります。

このように、学生は多様なスケジュールで動いているので、採用したい学生のスケジュールを分析し、それぞれの状況に合わせた対応をする必要があります。

オンラインツールの活用

新型コロナウィルス感染拡大前から、インターネット上でおこなうさまざまなコミュニケーションツールが発展し、浸透していまますが、採用市場においてはあまり活用されていませんでした。

しかし、今回の新型コロナウィルス感染拡大の影響によって、多くの企業で、オンラインツールを使用した採用活動が取り入れられるようになりました。

学生に直接会えないというデメリットはありますが、一方で、オンラインツールを活用した面接や説明会なら、地方都市や海外に住んでいる学生も参加しやすい環境を整えられます。

また、オンラインツールを活用すれば、わざわざ企業まで学生に来てもらう必要がないので、学生との接触回数を増やすことができます。

学生と接触する回数が多ければ多いほど、企業に対して親しみを持つようになるので、大きなメリットと言えるでしょう。

「通年採用」で役立つツール

オンラインツールと同様に注目されているのが、AI(人工知能)などの先端技術を取り入れた、採用活動の効率化を高めるツールです。ツールを導入し、自社の採用に活用する企業が増えています。

ここでは、特に「通年採用」に役立つ3つのツールについて、特徴や機能、メリットなどを紹介します。

OfferBox

OfferBoxは、AIと適性診断を取り入れた学生検索の仕組みによって、自社に合った学生に直接オファーを送ることができる新卒採用支援サービスです。学生のオファー開封率は89%と高く、企業自らが「会いたい学生」にのみアプローチできるため、採用活動を効率化できます。

また、採用活動にかかる工数を統計データなどから予測し、採用計画表を作成する機能も備えています。学生に能動的にアプローチできる点だけでなく、煩雑化しがちな「通年採用」の業務効率を改善できる点からも、これから「通年採用」を取り入れる企業に特に役立つツールです。

dodaキャンパス

dodaキャンパスは、採用したい学生をダイレクトにスカウトできるオファー型の新卒採用サービスです。企業は「キャリアノート」を公開している学生に対してオファーを送り、自社の魅力を学生に直接伝えることができます。学生のオファー開封率は、8割にのぼります。

総登録学生数は約67万人で、登録した学生に対してオンラインキャリア講座などのイベントを実施している点が特徴です。また、低学年の学生のデータベースが充実しています。1~2年生のうちからオファーを送り、長期的な広報活動によって採用につなげたい企業に向いています。

Future Finder

Future Finderは、AIと心理統計学から自社で活躍する可能性の高い学生を分析し、スカウトメッセージを送信したり、優先的に求人広告を表示させたりできる採用サービスです。登録者数は約15万人で、幅広い属性の学生にアプローチできます。

求人広告の作成やスカウトメッセージの原稿作成、配信のほか、説明会やインターンの実施に伴うサイト更新業務まで、事務局で代行してくれます。社内の採用活動にかかる工数を極力削減し、面接や社内調整に注力したい企業に向いています。

「通年採用」を取り入れている事例

ここからは、「通年採用」を取り入れている4社の事例を紹介します。自社で「通年採用」を検討する際の参考にしてください。

リクルートの例

既卒、就業経験を問わず、30歳以下のポテンシャル採用を一本化したということが大きな特徴です。

つまり、3月(もしくは9月)に卒業を予定している学生だけに限った「新卒採用」を廃止したということになります。

ただし、入社時期を4月に限定することで、「新入社員の受け入れを一斉におこなう」メリットは残した運用となっています。

通年採用を取り入れた背景として、「まだやりたいことがあるのにもかかわらず、就活によってやりたいことを止めてしまうのは非常にもったいない」という考えのもと、社風に合致した学生を採用したいとの思いがあるようです。

ソフトバンクの例

ソフトバンクは、「通年採用」として「ユニバーサル採用」を実施しています。

既卒、就業経験を問わず、30歳以下のポテンシャル採用を一本化したということはリクルートと同じです。

ただし、入社時期は4月、7月、10月と3回実施されます。

また、自社に興味を持つ学生だけを採用していては限界があるため、「採用したいと思った学生には企業側から積極的にアプローチしていく」という姿勢を打ち出しています。

「通年採用」を取り入れた理由は、1年を通して優秀な学生と出会う可能性が高いためだとしています。

ヤフーの例

2016年から新卒一括採用を廃止し、「ポテンシャル採用」「キャリア採用」として通年採用を実施しています。

既卒、就業経験を問わず、30歳以下のポテンシャル採用を一本化したということは前述の2社と同じです。

導入の背景として、これまでの採用では、第二新卒や既卒の方に対して平等な機会を提供できないことに加え、海外留学生や博士号取得者など、就職活動の時期が多様化している状況に対応できないため、柔軟な枠組みを導入したと発表しています。

ファーストリテイリンググループ(ユニクロ)の例

ユニクロでは、新卒採用を「グローバルリーダー社員」「地域正社員」の2種類の募集形態でおこなっており、その中の「グローバルリーダー社員」の採用に「通年採用」を取り入れています。

いわゆる「一括採用」と「通年採用」の併用型で、新卒か中途かについても一切問わないポテンシャル採用です。

入社時期は3月と9月のみです。大勢の新入社員の受け入れをしなければならないため、「新入社員の受け入れは一斉におこなう」メリットの部分は残した運用となっています。

2013年新卒採用に合わせ、2011年12月より通年採用をスタートさせており、他社と比べてもかなり早くから通年採用を導入しています。

「就職活動の主役は企業ではなく個人であり、個人が自由に考え、将来の希望を選択する自由があるべき」という理念にもとづき、それぞれの学生のタイミングを重視する採用方針に切り替えられています。

新卒の「通年採用」に関するよくある疑問とその回答

今まで一括採用しか実施していなかった場合、通年採用についてさまざまな疑問も湧いてきます。そこでよくある疑問に回答します。

通年採用でも「10月入社」「7月入社」などに絞るべき?

通年採用をした学生の入社時期について定めた方がよいかどうかはケースバイケースです。

ただし、通年といっても一年中募集し採用活動をするのは厳しいものです。採用や入社時期を定めている企業も多くあります。

「秋採用」といわれるように下半期が始まる「10月入社」の企業も多くありますが、決算期やコロナなどの影響で就職が遅れた学生に向けた「7月入社」を選ぶ企業もよく見られます。自社の稼働やターゲットとする学生のスケジュールに応じて選ぶのがよいでしょう。

通年採用はいつから本格的に始まる?

内閣府ではコロナ禍の影響も鑑み、2022年度以降の卒業・修了予定者などの就職については、通年採用など幅広い募集機会を設けることを要請しています。厚生労働省の資料「厚生労働省における新規学卒者への就職支援等」でも、「若者の募集・採用等に関する指針」として、通年採用や秋季採用の実施や、卒業後3年以内の人も新卒枠で応募ができるような配慮を企業側に訴えています。

実際に企業内での調整の状況を考えると、本格導入は2024年3月以降となる見通しが有力です。

新卒の通年採用を実施している企業一覧は?

上記で紹介した企業以外では、以下の企業も通年採用を行っています。

  • 楽天株式会社
  • ソニーグループ株式会社
  • 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
  • ネスレ日本株式会社
  • 株式会社コロプラ(2021年時点)
  • TDK株式会社
  • サイボウズ株式会社
  • GMO TECH株式会社
  • 株式会社メルカリ
  • 株式会社メタップス(2020年時点)

※特に記載のないものは2022年3月時点の情報

グローバル企業や、新しい試みに敏感なベンチャー系が多いようですが、他にもさまざまな企業が取り入れているのでチェックしてみてください。

「通年採用」を始めようとしている人事担当者へ

今回の記事では、採用時期や対象の多様化により注目が高まっている「通年採用」について「一括採用」との違いも交えお伝えしました。

通年採用にはメリット・デメリット両方の側面があり、どんな採用方法が自社にあっているのかを見極め、検討していく必要があります。

コロナの影響もあり採用事情も変化しているため、時代の変化にあわせた採用方法を取り入れていきましょう。

人事ZINE 編集部

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