リファラル採用の方法とメリット・デメリットやコストとツール・導入事例

人材採用におけるお悩みとしてあげられる採用活用にかかるコスト。ナビサイトのような求人媒体を利用する従来の手法では、一定のランニングコストがかかる上に、求めている人物像に出会えないという課題もあります。

そんな課題を解決する手法のひとつとしてリファラル採用が注目を浴びております。しかし、リファラル採用を導入する際にはメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。

本記事では、導入事例を参考にしながら「どのような企業に向いているのか」「どのような方法で導入するべきか」について解説していきます。ツールやコストの目安も紹介していきますので、参考になれば幸いです。

目次

リファラル採用とは?採用担当者が知っておきたい基礎知識

リファラル採用とは?採用担当者が知っておきたい基礎知識

リファラル採用の意味

リファラル採用とは、自社に勤務する従業員から友人・知人を紹介してもらう採用方法で、「リファラルリクルーティング」とも呼ばれます。リファラル(Referral)には「紹介」や「推薦」、リクルーティング(Recruiting)には「求人」や「採用」という意味があります。

主にアメリカなど海外で採用されている手法でしたが、近年はベンチャー企業を中心に、日本でもリファラル採用を取り入れる企業が増えています。

他の採用手法との違い

リファラル採用と他の採用方法との違いについて解説します。

縁故採用

縁故採用とは、社員が自身の親族などを会社に紹介し、採用する手法です。主に社長や経営幹部による紹介が多いといわれています。

紹介による入社という点はリファラル採用と共通していますが、リファラル採用が採用戦略をもとに取り組むことが多いのに対して、縁故採用は戦略でなく人間関係をきっかけとして採用することが多いという違いがあります。

紙媒体

新聞の求人広告、折込チラシ、求人情報誌、無料のフリーペーパーなどで募集する方法です。エリア別に募集できるというメリットがある一方、採用に至らなくても費用がかかる点はデメリットです。

リファラル採用は自社社員による人ベースの採用手法ですが、紙媒体は紙ベースという違いがあります。

ハローワーク

ハローワークを利用して募集する方法です。費用をかけずに求人情報を公開できるメリットがある一方、求職者のスキルにばらつきがあるというデメリットがあります。

リファラル採用は従業員を介することから社風や従業員の考え方に近い人物にアプローチしやすく、ハローワークは雇用のミスマッチが起きやすいという違いがあります。

自社ホームページ

自社ホームページ内に人材募集ページを作成して募集する方法です。会社の理念や方針などを合わせて伝えやすく、自社について十分な理解を促せるメリットがある一方、アクセス数が少なければ多数の応募を見込みにくいというデメリットがあります。

リファラル採用は社員が積極的に動くことで早期採用を期待できますが、自社ホームページは採用までに時間がかかる「待ちの手法」という違いがあります。

転職求人サイト

転職求人サイトは、求人情報サイトに求人情報を掲載して募集する方法です。掲載できる情報量が多く、掲載後も情報を修正しやすいというメリットがある一方、掲載期間やスペースによっては費用がかかるというデメリットがあります。

リファラル採用は人を介した手法ですが、転職求人サイトは媒体上での募集という違いがあります。

リファラル採用の実施状況

就職白書2022」によると、全体の14.5%の企業がリファラル採用を実施しており、前年より2.4%伸びています。従業員規模別に見ると、以下の通りでした。

5,000人以上

15.6%

1,000~4,999人

19.9%

300~999人

15.0%

300人未満

9.5%

地域別では以下のような割合でした。

関西

18.8%

関東

16.3%

中部・東海

13.5%

中国・四国

11.1%

九州

9.3%

北海道・東北

7.4%

このデータによると、基本的にリファラル採用は従業員数が多く、人口が多いエリアでの導入が多いといえるでしょう。

リファラル採用が注目されている背景・理由

リファラル採用が注目されている背景・理由

なぜ現在、リファラル採用が注目されているのでしょうか。主な理由として以下の3つがあります。

  • 売り手市場による採用競争の激化
  • 早期離職の防止
  • 新たなキャリアパスの提示

それぞれ解説します。

売り手市場による採用競争の激化

今後、労働力人口が減少し、売り手市場が進行する見通しのなか、求人広告や企業説明会等のイベントによる公募だけでは人材の確保が難しく、企業は自社の求める人材を自ら積極的に採りにいくことが求められています。

社員からの紹介を活用するリファラル採用では、転職を検討していない潜在層にも接触することができます。

早期離職の防止

せっかく採用に至っても、適性やスキルの認識不足によって早期離職を招くこともあり、ただ確保するだけではなかなか人材が定着しないという事態も少なくありません。

リファラル採用では、候補者の価値観やスキルを事前に把握しやすいため、有効活用できれば自社にマッチする人材を採用できる可能性が高まります。

新たなキャリアパスの提示

リファラル採用は候補者にとっても、身近な人からのリアルな情報は信頼性が高く、また思いも寄らぬ声掛けが新たなキャリアパスを思い描くきっかけになることもあります。

リファラル採用のメリット・デメリット

既にリファラル採用を積極的に活用している企業も多く、リファラル採用には大きなメリットがあることが発信されています。その一方で、導入の難易度が高い採用手法ともいわれています。

リファラル採用の導入を検討する前に、ほかの採用手法と比較した場合にどのようなメリットを受けることができるか、どのようなデメリット、リスクが考えられるかを理解しておきましょう。

リファラル採用のメリット

リファラル採用では、「社員からの紹介」という点を有効に活用すれば多くのメリットを得ることができます。

  1. 採用コストを大幅に削減できる
  2. マッチング精度の向上
  3. 早期離職のリスク低減
  4. 採用市場に出てきていない人材と接点を持つチャンスがある
  5. 社員のエンゲージメントの向上が期待できる
  6. 自社の改善点を把握できる

①採用コストを大幅に削減できる

リファラル採用は社員が自ら自社を紹介してくれます。そのため、求人サイトへの掲載料や人材紹介エージェントの紹介料といった採用活動の広報にあたる部分の費用が発生しません。

自社のエンゲージメントが高ければ高いほど、紹介する社員に自社のことをより魅力的に、より詳細に語ってもらうことができ、適切に実施すれば採用コストを大幅にカットできます。

企業によっては、紹介してくれた社員に対するインセンティブ(報酬)を用意しているところもありますが、それを考慮しても1人あたりの採用コストを抑えることができるでしょう。

紹介報酬の特典を大きくしすぎると紹介者による候補者の質が下がってしまう可能性があるため、インセンティブ制を設ける際には適切な運用を心がけましょう。

②マッチング精度の向上

入社後のミスマッチを防ぎたいと考えているのは、企業側にとっても求職者側にとっても同じことです。

つまり、企業が自社にマッチする人材の獲得を課題としているのと同様に、求職者側もまた転職先(入社先)に自身のニーズに合った企業かどうかを見極めたいと思っています。

採用ホームページや求人サイトの掲載情報は企業からの一方的な情報発信となるため、求職者側からするとどうしても表面的で局所的な情報に感じてしまう部分もあります。

しかし、知り合いからの紹介であるリファラル採用は、実際に働いている社員かつ知り合いからの情報なので信頼性が高く、企業内部の実情までしっかりと知ったうえで選考に進むことができます。

③早期離職のリスク低減

マッチング精度の向上に伴って、求職者がエンゲージメントが高まった状態で入社してくれる可能性が高まり、早期離職のリスクも低減します。

リファラルで採用に至った場合、紹介者は自社の魅力を自らの口で語ることで自身のモチベーションアップに繋がり、候補者は「入社するからには知人(紹介者)の面目を潰すようなマネはできない」という責任感が生まれます。

このように紹介者と候補者双方の帰属意識が高まることも離職率の低下に繋がっていると言えるでしょう。

④採用市場に出てきていない人材と接点を持つチャンスがある

多くの場合、求人情報は転職(または就職)の意思を示している求職者向けに公開されていますが、リファラル採用では採用市場に出てきていない潜在層(転職サイトや転職エージェントに登録していない人材、就業中でまだ転職を考えていない人材)も含めてアプローチをかけることができます。

現時点で行動を起こすつもりがなくても、すでにその企業で活躍している知人からのアプローチが興味を示すきっかけとなるかもしれません。

こうした採用市場に出てこない人材との接点を生み出すことができるのは、ほかの採用手法ではなかなか実現が難しいリファラル採用の強みだと言えます。

⑤社員のエンゲージメントの向上が期待できる

リファラル採用は紹介者が採用担当者の役割を担うため、自社の魅力や自身のキャリアを見直すきっかけになりやすく、仕事へのモチベーションアップが期待できます。

候補者にとっても、企業の魅力を聞いてから入社することで、理想と現実のかい離を防ぎやすいでしょう。早期に会社への愛着を抱いてもらえる可能性もあります。

以上により、紹介者と候補者双方のエンゲージメント向上が期待できます。

⑥自社の改善点を把握できる

自社の改善点を客観的に把握することは難しいものですが、リファラル採用は紹介者と候補者の関係性が近いため、入社した候補者から紹介者に率直な意見が伝わる可能性が高いでしょう。

そのような意見を反映することで自社の課題が浮き彫りになりますし、改善することで従業員全体の満足度が高くなるというメリットがあります。

リファラル採用のデメリットと注意点

多大な恩恵を与えてくれるリファラル採用ですが、適切に活用できなければ採用率が低下し、企業活動そのものにもマイナスの影響を及ぼすことがあります。

リファラル採用のデメリットや注意点を事前に知っておくことが、導入後のリスクを最小限に抑えることに繋がるので、しっかりと理解しておきましょう。

  1. 社員と候補者の関係性に配慮が必要
  2. 社員の認識不足によるミスマッチ
  3. 人材の同質化(多様性の妨げになる)リスク
  4. 採用された社員が辞めづらい
  5. 公正な評価システムの可視化が必要になる
  6. 採用から入社まで時間がかかる

①社員と候補者の関係性に配慮が必要

リファラル採用は、あらゆる採用手法のなかでも特に「人と人との繋がり」を活用する方法であるため、選考中や採用後の人間関係には細心の配慮が必要です。

例えば、可能性として下記のようなことが予見されます。

  • 不採用になった場合、社員(紹介者)と候補者(被紹介者)の関係が悪化してしまう
  • 入社後の双方の配置関係や評価基準の差異などで一方の職務に対するモチベーションが下がってしまう
  • 入社後に一方が転職・離職を選択すると、もう一方も同様の選択をする可能性がある

このように、リファラル採用は「人間関係の影響力」を最大限活用できる採用手法であると同時に、適切に運用できなければ「人間関係の影響力」がマイナス方向に働いてしまうリスクもあることも念頭に置いておきましょう。

②社員の認識不足によるミスマッチ

リファラル採用の強みには、紹介者を通じた「企業の手が届きにくい層へのアプローチ」と「マッチング精度の向上」がありますが、これらはあくまで紹介者の自社や募集ポジションに対する正しい理解と認識が前提となって成立します。

紹介者が日頃から採用活動やチームのマネジメントに携わっている社員でなければ、自社が求める人物像やスキルを正しく理解し、候補者に正しく伝えるのは意外と難しいものです。

また同様に、紹介者は候補者の保有スキルや性格、価値観をしっかりと理解し、自社で活躍できる人材かを的確に判断することも求められます。

例えば「月の平均残業時間が30時間」であったとして、紹介者が「残業は比較的少ない」と認識して伝えても、候補者にとっては「30時間は多い」と感じるかもしれません。

こういった「事前に聞いていた話と違う」という認識の相違が、面接時や場合によっては入社後に発覚し、結局はミスマッチという結果に繋がることがあります。

紹介者と候補者の間で、ある程度の価値観が似ていると言っても完全一致するわけではないので、リファラル採用における候補者の評価基準は社内全体で情報を共有しておくことが重要です。

③人材の同質化(多様性の妨げになる)リスク

「類は友を呼ぶ」と言われるように、多くの人は自分と同じ価値観を持つ人に魅力を感じ、活動や行動を共にする傾向があります。

リファラル採用を日常的に実施しているのであれば、「人材の偏りが生じていないか?」というところに注意が必要です。

価値観の一致は組織力を高める要素にもなりますが、思考がマンネリ化しやすく新しい発想や議論が生まれにくいという側面もあります。

「企業の社風・適性に見合った人材を集めやすい」ことがリファラル採用の特徴ではありますが、一方で組織としてさまざまなタイプの人材を “バランスよく” 採用することの重要性も忘れないようにしましょう。

④採用された社員が辞めづらい

紹介者と候補者の関係性が近いということは、候補者が入社後に「この会社は自分に合わない」と思っても、紹介者に気を遣って言い出しにくい可能性があります。

「会社を辞めたいのに辞めにくい」という状況は候補者のモチベーション低下だけでなく、同部署や社内全体への悪影響も懸念されるでしょう。

さらに紹介で入社した従業員のモチベーションが低いことによって紹介者の肩身が狭くなり、紹介者自身が精神的に追い込まれるリスクもあります。

⑤公正な評価システムの可視化が必要になる

紹介者と入社した候補者への公正な評価がなければ、リファラル採用は機能しない可能性があります。

そのためにはリファラル採用後に高パフォーマンスを発揮した社員の評価システムだけでなく、紹介者に支払う報酬額や支給方法も可視化する必要があります。部署や従業員ごとの課題を把握し、PDCAを回して再現性を持たせることも大切です。

逆にいうと、公正な評価システムの可視化がなければ、従業員のモチベーション低下に繋がりかねない点はデメリットです。

⑥採用から入社まで時間がかかる

リファラル採用は即入社が難しいかもしれません。紹介者は候補者の選定に時間をかけるのが一般的ですし、候補者が優秀であればあるほど、すでに他の会社で活躍しているケースが多いでしょう。

その場合、候補者が他の会社をすぐに退職できるとは限りません。候補者が業務の引き継ぎを終え、退職手続きを行い、自社に入社してもらうまでに数週間以上かかることも十分に考えられます。

リファラル採用の導入・運用にかかるコスト

リファラル採用には、求人広告掲載料などの大きなコストはかかりません。かかるコストとしては以下の3点が挙げられます。

  • 紹介者へのインセンティブ
  • 必要経費への補助
  • ツール・サービスの利用料

紹介者へのインセンティブ

1つ目は紹介者へのインセンティブとして支払う報酬です。採用1人あたり1万~30万円ほどが相場ですが、あまり高くしすぎると報酬だけが目当ての紹介が発生しやすくなります。適度な金額に調整しましょう。

企業によっては採用が決定した時点ではなく、応募の段階でインセンティブを設定したり、金銭の代わりにソーシャルギフト、従業員体験、割引券などを支給するケースがあります。

必要経費への補助

2つ目は必要経費の補助です。紹介者と候補者が会食する際の経費を会社が支給することで、紹介者の金銭的な負担を軽減できます。例えばカフェ代、ランチ代、ディナー代のうち一定額を支給すれば、紹介者も候補者も気兼ねなく話し合えるでしょう。

注意点として会食だけが目的とならないように、経費申請で一定の証拠を提出させたり、同じ月内の会食回数を制限するなど、事前のルール作りが大切です。

ツール・サービスの利用料金

3つ目はSNSプラットフォームなど、リファラル採用を効率化するツール・サービスの利用料です。多くの場合は会社ごとの見積もり制で、企業規模などによって料金は異なります。基本的に求人広告費よりも安い料金で利用可能です。

以上3つのコストを合わせても、通常の中途採用に比べてコストが低くなるのが一般的です。人材採用に多くの予算をかけられない中小企業でも導入しやすい手法といえます。

リファラル採用が向いている企業とは?

以下の2つの特徴を持つ企業では、リファラル採用がプラスの効果を発揮しやすいといえます。

  • 従業員エンゲージメントを高めたい中小企業
  • 採用コストを抑えて求めている人材を獲得したい中小企業

リファラル採用は基本的に中小企業やスタートアップに適しています。

従業員エンゲージメントを高めたい中小企業

リファラル採用の魅力の1つは「従業員エンゲージメント」を高められる点です。紹介する側・される側両者のエンゲージメント向上が期待できるため、これからビジネスを軌道に乗せたいスタートアップ企業や、従業員の定着率を高めたい中小企業に適しています。

採用コストを抑えて求めている人材を獲得したい中小企業

リファラル採用は、前述のとおり「費用を抑えられる」ことがメリット。中小企業で、大量の採用が不要な場合には、リファラル採用だけでまかなえることもあるでしょう。ほかの採用方法と併用するとしても、求人サイトや転職エージェントだけに頼るよりも費用を抑えられます。

リファラル採用を導入・実施するまでの手順・方法

冒頭でお話した通り、リファラル採用は「自社の社員に人材を紹介してもらう」採用手法であり、上記で紹介したメリットを最大限に生かし、リスクを最小限に抑えるための施策は企業によってさまざまです。

そのなかで自社がリファラル採用を成功させるためにまず取り組むべきことは、「社内全体を巻き込む体制の構築」です。

社員からの紹介が基軸となる採用手法のため、まずはリファラル採用に協力してもらえる組織作りからスタートしましょう。

具体的にいくつか例を挙げると下記のようなことです。

  • 紹介の意欲喚起を行うインセンティブ制度の新設
  • リファラル採用制度や紹介から採用までのプロセスを周知
  • 社員のエンゲージメントの向上

紹介の意欲喚起を行うインセンティブ制度の新設

企業によっては「昼食代金の補助」や「入社半年後に〇万円の報酬」といった紹介特典を設けているところがあります。

採用コストがかえって高くなってしまったり、自己利益のために候補者を探す社員が現れたりするようであれば、実施しない方がよいかもしれませんが、紹介の意欲喚起に繋げるという目的であればインセンティブ制度が有効に機能する場合があります。

リファラル採用の制度概要やプロセスを周知

社員に協力してもらうためには、「リファラル採用」がどういうものであるかを社内で認知してもらい、その仕組みや会社全体で取り組むことの重要性を理解してもらわなければなりません。

リファラル採用を実施する目的や現状の採用課題といった採用計画の核となる部分も含めてしっかりと周知すれば、社員は自社が求める人材を正しく理解し、自社にマッチしそうな人材を紹介してくれるようになります。

紹介から選考、採用までのフローだけでなく、「もし自分が紹介した人が落ちてしまったらどうしよう…」などと社員が紹介をためらうことがないように、不採用だった場合の対応(フォロー)も明示しておきましょう。

従業員エンゲージメントの向上

普段の業務で人事業務や採用活動をしていない社員に知人を紹介してもらうためには、社員が自発的に紹介したくなるような職場環境を構築する必要があります。

自身の大切な友人に入社してもらうという取り組みのため、そもそも社員エンゲージメントの低い企業ではリファラル採用を実施するべきではありません。

経営陣を始めとする社員全員が当事者意識を持って、職場環境や福利厚生、人事制度などの改善を自発的に考え、社員が自信を持って「是非友人に紹介したい!」と思えるような組織作りが求められます。

リファラル採用で活用できるツール・サービス

リファラル採用で活用できる有料ツール・サービスの具体例としては、以下の3つが挙げられます。

  • GLOVER Refer(グラバーリファー)
  • Refcome(リフカム)
  • MyRefer(マイリファー)

GLOVER Refer(グラバーリファー)

GLOVER Refer」はリクルート社が提供するリファラル採用支援サービスです。リクルート社の担当者によるサポートを受けながら、リファラル採用を効率化するシステムの導入・スタートをスムーズに進めることができます。

Refcome(リフカム)

Refcome」は、メールやアプリから「メッセージを転送する」だけの簡単操作で、友人を紹介できるなどの機能を持つサービスです。人事担当者から社員に「紹介の依頼」をするのも簡単操作で完了でき、リファラル採用を効率化できます。

MyRefer(マイリファー)

MyRefer」は、既存の求人票データを利用して、紹介を依頼する対象の社員に一括で通知できるなどの機能があるサービスです。社員は出先でも求人の情報を確認でき、スムーズなリファラル採用を促進できます。

3つのサービスに共通するのは、アドバイザーによる導入支援です。会社の状況に合わせて適切なリファラル採用の仕組みを構築できるよう、丁寧にサポートしてくれます。

リファラル採用を成功させるためのポイント

ここではリファラル採用がうまくいかない場合の主な対処法を紹介します。

獲得したい人材像を明確にする

リファラル採用では獲得したい理想の人材を明確にすることが大切です。

保有スキルや経歴など、自社で働いてほしい人物像がクリアになれば紹介者にスムーズに伝えられますし、その人物像に近い友人・知人がいれば、紹介者も積極的に声をかけるでしょう。

ダイレクトリクルーティングなど他の手法を試す

リファラル採用による人材採用が進まない場合、ダイレクトリクルーティングのような他の手法を導入するという選択肢があります。

ダイレクトリクルーティングは企業が直接スカウトする方法で、転職サイトのスカウトメールや、SNSを利用したソーシャルリクルーティングが一般的です。

リファラル採用は紹介者が積極的に動かなければ「待ちの採用」になりますが、ダイレクトリクルーティングは企業の裁量で採用活動を進められる「攻めの採用」です。

リファラル採用がうまく機能しない場合は、ダイレクトリクルーティングの導入を検討しましょう。

社員にとってのメリットを伝える

リファラル採用に協力することのメリットを社員に周知させましょう。具体的なメリットを伝えて「自分から積極的に動きたい」と思ってもらえれば、自社にマッチした優秀な人材を採用できる可能性が高くなります。

インセンティブの存在を伝えるだけでなく、インセンティブの内容は金銭なのか、それとも割引券やソーシャルギフトなのか、支給の決定は採用段階なのか、それとも応募段階なのか、といった条件の明確化がポイントです。

社内全体を巻き込む体制・ルールを構築する

特定の社員にリファラル採用の存在を伝えるだけでは効果は限定的です。社内全体を巻き込むことで、よりリファラル採用は機能します。

そのためにはリファラル採用のルール整備だけでなく、そのルールを全社員が確認できるようにすることがポイントです。

リファラル採用を実施する際の注意点

リファラル採用を実施する際の注意点には以下があります。

  • 選考プロセスをすり合わせておく
  • リファラルチェックを検討する

それぞれ詳しく解説していきます。

選考プロセスをすり合わせておく

紹介者と候補者に対して、「リファラル採用も一般選考と同じプロセスを経る」と事前に伝えることで誤解が起きにくくなります。

候補者が「縁故採用のように確実に採用される」と勘違いしている場合、不採用によって反感を買うおそれがあります。紹介者も候補者との関係が悪化するだけでなく、「せっかく紹介したのに不採用にされた」と会社に不信感を抱くかもしれません。

そうならないためにも、リファラル採用は推薦制度であると双方に伝え、納得してもらうことが重要です。

リファレンスチェックを検討する

リファラル採用だけで候補者の人間性を深く知ることは難しいものです。その場合はリファレンスチェックを検討します。

リファレンスチェックとは、候補者をよく知る第三者から、候補者の人間性やスキルなどを聞き出す調査をいいます。

基本的な流れとして、まずは候補者にリファレンスチェックの概要を説明して同意を得た後、候補者が前職の会社に依頼したうえで、企業が前職の会社に質問を行います。

候補者に無断で前職の会社に問い合わせる行為は、個人情報やモラル的に問題がある可能性があるので注意しましょう。

リファラル採用を導入している企業事例

多くの企業が実際にリファラル採用を導入しています。具体的な事例から、その効果性を確認しましょう。以下の3つの企業です。

  • freee株式会社
  • 株式会社NTTデータ
  • 富士通株式会社

freee株式会社

クラウド型の会計ソフトで知られるfreee株式会社の事例は、スタートアップにとって参考になります。freee社は事業の立ち上げ初期で知名度が低かった時、「求人への応募が少ない」という悩みを抱えていました。しかしリファラル採用の導入により、多くの採用を実現しています。

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータの事例では、リファラル採用の仕組み化に成功し、1年間で10名以上の採用を実現。従来の採用方法に比べてリファラル採用での採用決定率は2倍となり、採用効率の向上に繋がっています。

富士通株式会社

富士通株式会社の事例では、先端技術を扱えるエンジニアを確保するためにリファラル採用を導入。累計90名の採用に成功し、1.2億円の採用コストを削減しています。

まとめ:リファラル採用は「人が人を呼ぶ仕組み」をつくる採用活動

社員の協力を無くしては実現できないリファラル採用。知人・友人に自分の会社を紹介しようと思えるのは、会社への愛着や職務のやりがいがあってこそです。

リファラル採用によって、社員に自社が求める人材を紹介してもらうには、社員満足度を高め自発的に紹介したいと思えるような職場環境でなければなりません。

そういった意味では、リファラル採用とは「人が人を呼ぶ仕組み」をつくる採用活動と解釈してもよいのではないでしょうか。

採用コスト削減といった短期的な成果だけを見るのではなく、「友人を紹介したくなる企業」「人材が自然と集まる働きがいのある企業」を目指し、長期的なスパンで「人が人を呼ぶ仕組み」を定着させていきましょう。

はじめてのダイレクトリクルーティング-新卒採用編-
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人事ZINE 編集部

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