採用ミスマッチの原因と対策とは?採用手法・面接・フォローで早期離職を防ぐ

「採用のミスマッチを防ぐためにはどうしたらいいだろう」
「コロナで直接会えずに起こるミスマッチはどう対策したらいいだろう」
と考えている人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

新入社員の早期退職は、その人材にかけた費用がすべて無駄になるばかりか、改めて採用するにもさらなる時間と経費がかかってしまいます。

緊急事態宣言が緩和され、ウィズコロナの時代に突入してしまった昨今。いつ終わるかわからないコロナ禍の現状で、新しい働き方の導入も視野に入れなければなりません。

このような時代だからこそ、早期退職に直結してしまう採用のミスマッチを防ぎたいのが実情。

そこでこの記事では、なぜ採用のミスマッチが起こるのかといった原因から、ウィズコロナ時代に即した採用のミスマッチ防止策を解説します。

新卒採用のミスマッチと早期離職の状況

現在、数多くの業界、企業にとって早期離職の多さが問題となっています。

2021年10月22日付けの厚生労働省の公表資料によると、新規学卒就職者で3年以内の離職率は高校卒で36.9%、短大など卒で41.4%、大学卒で31.2%と高く、いずれも前年と比べて増加しています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、はじめて正社員になった人が離職した主な理由として、以下が挙げられていました(新卒者に限定せず)。

  • 肉体的・精神的に健康を損ねたため
  • 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかったため
  • 人間関係がよくなかったため
  • 自分がやりたい仕事とは異なる内容だったため
  • 賃金の条件がよくなかったため

終身雇用が変わりつつあるとされるなかで、若い世代が転職に抵抗を感じなくなったのも離職率が増えた一因だと思われます。しかし、会社側にも要因がないわけではありません。

アンケート内の健康に関する理由であれば仕方がないものの、ほかの理由ならば企業側の努力次第で、ある程度の解決ができるのではないかと考えられます。

採用のミスマッチが起こる原因

採用のミスマッチが起こる原因

せっかく時間をかけて採用した人材が早期離職をすることがないようにするためにも、まずはミスマッチが起こる会社側の原因について見ていきます。

原因1.会社側・求職者側で認識の齟齬がある

新入社員の採用後において早期退職の大きな理由として「イメージと違う」「聞いていた話と違う」ことが挙げられるなど、会社側と求職者側で認識の齟齬がある点がミスマッチを生み出します。

会社説明会や面接、コーポレートサイトでの企業紹介では、好印象を与えようと良い点ばかりをアピールしてしまい、誤解を生んでしまうのかもしれません。

原因2.学歴・経歴に囚われて選考してしまう

特に社会人としてのスキルがない新卒採用の場合、学歴や資格、インターン経験、ボランティア経験などの経歴に着目してしまい、人物やポテンシャルについては見落としてしまう場合があります。

高学歴である人や多くのインターンを経験している人が必ずしも、自社にとって戦力となる人材とは限りません。

原因3.内定者のアフターフォローが充実していない

内定者に対してアフターフォローの体制が人事でできていないと、内定辞退や早期離職を引き起こします。

新卒であれば「社会になじめるのか」、転職者であれば「新しい職場でやっていけるのか」など不安を抱えるものです。放っておくと不安が大きくなり、会社に対する不満につながります。

採用のミスマッチをなくす具体的対策とは?

採用のミスマッチをなくす具体的対策とは?

次に、採用のミスマッチをなくす具体的な対策を紹介しましょう。

会社の実態を知ってもらうための具体的な方法

会社説明会で会社のデメリットを紹介することは簡単ではありません。人の感じ方には個人差が大きく、人事が気付いていない会社のデメリットもあるからです。

そこで、以下の取り組みによって、会社側と新卒求職者における認識の齟齬をなくせます。

RJP(Realistic Job Preview:現実的な仕事情報の事前開示)

アメリカの産業心理学者ジョン・ワナウス(John P. Wanous)氏が提唱したRJP(Realistic Job Preview)という採用理論があります。

RJPとは「現実的な仕事情報の事前開示」という意味になり、この採用理論を利用した情報開示が、会社の誠意ある情報開示として効果的です。

RJPによる事前開示の具体的な効果について下記の表にまとめました。

RJPの4つの効果意味
セルフスクリーニング効果正確な情報を求職者に与えることで、求職者が求める採用条件かどうかを、求職者自ら判断できる。
ワクチン効果初めから会社のデメリットがわかっていたら、入社後に感じる現実と理想のギャップによるショックが最小限ですむ。
コミットメント効果
会社が労働条件や福利厚生等を誠実にありのままを公開することで、会社に対する信頼が高まる。
また、会社で働く自分の将来が具体的に想像できて、入社後に期待通りの結果が生じて、採用後も会社の社員としての実感を抱くことができる。
役割明確化効果
入社前から与えられる業務が明確になっていれば、入社後の自分の役割が具体化されて、採用者の業務への意欲が高まる。

※参考 RJP|HRpro

次に、RJPの効果による具体的な例を挙げます。

「残業が多いけれども完全週休2日制。有給休暇は入社して即15日で利用できる」と、会社説明会で情報開示しておいたとしましょう(セルフスクリーニング効果)。

初めから残業が多いことがわかっているので、残業を覚悟して入社します(ワクチン効果)。そのため、残業が多くても、その後の休みに希望を託してがんばれます(コミットメント効果)。

また、「入社後3ヶ月は研修期間となり、座学中心の研修がとても多いです。しかし、その後は先輩について実践的な仕事を一つずつ覚え、10月を過ぎた頃には~」と、仕事の平均モデルを紹介しておきましょう。

そうすると、入社後に座学の研修が多くても、3ヶ月後の研修を終え、実践的な仕事に触れながら成長していく自分に期待を持ちながら働けます(役割明確化効果)。そして、それが実現すれば、さらなる成長を期待してがんばれるでしょう(コミットメント効果)。

体験型入社やインターンシップを導入

いくら情報開示をしたところで、実際の社内の雰囲気や社員の働き方を本当に知ることはできません。そこで、体験型入社やインターンシップを導入するとよいでしょう。

学生側は、実際の業務に従事してもらったり、社員と接してもらうことで、会社で働くイメージを持つことができます。

また、会社側としては、どの社員と相性が良いのか、どのような業務と相性が良さそうか、逆に相性の悪い社員や業務、どの程度社内の雰囲気が合ってしているかを確認することができます。

客観的な基準となる適性検査の利用

採用のミスマッチを起こさないために、会社側が求める人物像を事前に明らかにしておくことは必須です。しかし、いくら求める人物像を明確にしていたとしても、エントリーシートや面接だけで見極めることは難しいことです。

そこで、客観的なデータとして活躍するのが適性検査です。

適性検査では、その人の性格や行動力がどれくらいか、コミュニケーション能力やストレス耐性、強みや弱みなどをさまざまな観点で分析することできます。適性検査を用いることで、統計的に求める人物像と一致度が高いタイプであるかを見極めた上で、さらに面接を行うとより効果的でしょう。

求める人物像を明確にし、客観的なデータも参考にしながら選考を進めることで、より適切な人材を採用できるようになるでしょう。

内定者への定期的なアフターフォロー

内定を得た安心から、就活時には気にならなかった不安が気になることがあります。入社後も継続して不安を持っていると、「退職」「転職」といった言葉が頭に浮かび始めてしまいます。そのため、積極的かつ定期的なアフターフォローが大切です。

内定者は「会社の普段の雰囲気を確認したい」「同期にどのような人がいるか知りたい」「この会社で本当によかったか再確認したい」などと思っています。

そこで、スケジュールなどの連絡以外でも、こまめに連絡を入れることが大切です。また、同期に会える内定者懇談会や、人事が内定者の悩みを聞く面談、先輩社員との座談会、会社に親しめる社内イベントなどを催すことをおすすめします。

ただし、注意点がいくつかあります。

  • 学業の妨げにならないようにする
  • 学生も予定があるので早めに開催の連絡を入れる
  • 面談や懇談会に参加するのは、学生と触れ合うのが得意な社員を選ぶ
  • 重要度が高くなければ、自由参加とする
  • 参加できなかった人には後から電話やメールでフォロー

以上の点を参考に、アフターフォローの計画を練ってみてください。

ターゲット絞り込み型の採用手法の導入

ミスマッチを防ぐために、最近は採用手法にも新たな試みが増えています。その一つがダイレクトリクルーティングです。

ダイレクトリクルーティングでは、従来の応募者を待つという受け身の手法とは違い、ダイレクトリクルーティング用の求人サイトやSNSなどを活用し、企業が能動的に直接求職者へアプローチしていきます。

マス向けの求人広告などでの募集では、必ずしも企業側が求める人材が応募してくれるとは限りませんでした。その点、ダイレクトリクルーティングであれば、求職者のことを詳しく知った上で、本当に欲しいと思える人材をスカウトできます。

アプローチされた側も、自分のプロフィールをよく知ってから連絡をもらっているので「欲しい」と思ってもらえているという安心感があります。また、人材は最初から企業に好ましい印象だけを持っているわけではないものですが、冷静に話を聞いて判断してもらえる点もミスマッチを防ぎやすくなる要因です。

ウィズコロナ時代に特化した採用ミスマッチ防止の方法とは?

ウィズコロナ時代に特化した採用ミスマッチ防止の方法とは?

ウィズコロナ時代では、完全リモートのオンラインでの面談や面接が普及してきています。オフラインでの面接は今後も難しいと判断し、オンラインでも適切に求める人物像を見極める方法に移行するした方が良いでしょう。

そこで、客観的な行動パターンに重点を置いた「コンピテンシー面接」を活用してみるのも一つの手になります。

「コンピテンシー面接」とは社内で活躍する社員の行動・思考パターンを指標として面接時の基準値を設け、より求める人物像にマッチした採用を行うことを目的とした面接手法です。基準値を明確にすることで面談や面接の質を上げることができるため、オンラインでの面談や面接に非常に有効です。

コンピテンシー面接の方法

コンピテンシー面接では、社内で活躍する社員の行動・思考パターンを指標とするため、社内で活躍する社員の共通点を探すこと(モデルの設定)が最も重要になります。その社員がとった行動事例などを詳しくヒアリングすることで指標を作り、「面接担当者による第一印象」ではなく、“応募者の行動特性”で客観的に判断していきます。

コンピテンシー面接における具体的な質問

社内で活躍する社員の共通点であるモデルを設定できたなら、そのモデルの行動パターンや思考に似ている傾向の人材かどうかを確認する質問が有効です。

この面接手法では、応募者の過去の経験に対して質問をしていきます。一つのエピソードへの質問を重ねていき、どのように行動したか、そのときどう考えていたか等を掘り下げていきます。このようにしていくことで、どのように過去に行動してきたのかを客観的に判断することができます。

例えば、学生時代のアルバイトやボランティア経験の話から、困難な場合にどのように立ち向かうかなど、話題を掘り下げていきます。

また、好きなことや頑張ったについて話題を掘り下げていくと、応募者の思考パターン・行動パターンが少しずつ顕在化していき、応募者の人間性が垣間見えることもあります。

【サンプル】コンピテンシー評価基準作成シート
【サンプル】コンピテンシー評価基準作成シート
『コンピテンシー評価基準作成シート』は、その仕事で成果を上げるために必要な能力(スキル)や性格は何であるかを現場社員へヒアリングし、採用時の求める人物像の抽出や人事評価基準の策定に活用できます。

まとめ

この記事では採用ミスマッチの原因と対策方法について紹介しました。採用ミスマッチを防ぐためには、以下のポイントが重要です。

  • 会社を客観的に見て情報を正しく伝える
  • 内定者とのコミュニケーションを密にする
  • 求める人物像や時代に合わせて採用方法を変化させる

また、採用でのミスマッチを避けるためには、ピンポイントで欲しい人材にアプローチするダイレクトリクルーティングの活用もおすすめします。就活サイト「OfferBox」は新卒オファー型就職サイトです。37万人以上の登録者のプロフィールのなかから、自社に合った人材へとオファーができます。ぜひ、検討してみてください。

人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部

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