採用サイトを制作する方法・手順・ポイントとは?掲載するコンテンツ例も紹介
一般的な求人媒体では、掲載できるコンテンツの内容に制限があり、「もう少し自由に情報発信をしたい」と悩んでいる人事・採用担当者の方も多いかもしれません。求職者をターゲットに自社の魅力を発信したい場合は、採用サイトの制作がおすすめです。
本記事では、採用サイトで期待できるメリットや掲載するコンテンツ例、制作方法などを解説します。採用サイトの制作を外注する費用の目安など、役立つ情報もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
採用サイトについての基本的なポイント
まずは、採用サイトの定義や企業ホームページ(コーポレートサイト)との違い、採用サイトの重要性など基本的なポイントを紹介します。
採用サイトの定義
採用サイトとは、企業組織が新しい社員を募集・採用する目的で運営しているWebサイトです。企業のブランドイメージやコンセプトを反映しつつ、募集要項や応募方法など、求職者が興味を持つような内容を掲載しています。企業ホームページ(コーポレートサイト)とは別に制作・運営されるのが一般的です。
採用の現場では、従来のようにナビサイトからの応募を待つだけではなく、企業側からさまざまな情報発信をする重要性が高まりつつあります。採用サイトは、自由にコンテンツを掲載しつつ、採用ブランディングに役立てられる手法として活用されています。
企業ホームページとの違い
採用サイトと企業ホームページ(コーポレートサイト)の違いは、「内容」「ターゲット」の2点です。コーポレートサイトとは、取引先や見込み顧客向けの情報を掲載しているWebサイトです。企業の基本情報や事業内容、経営理念、財務情報、ニュースリリースなど企業全般に関わる情報が掲載されています。
上記からも分かるように、主に求職者向けの情報を発信している採用サイトとは、ターゲットやコンテンツ内容が異なります。コーポレートサイトがすでにある場合でも、採用サイトを別途制作するケースも珍しくありません。
採用サイトの重要性
採用サイトがなぜ重要かというと、求職者が就職・転職活動を行う際に、サイトに掲載されている情報を参考にするケースが多いからです。
キャリタス就活「2024年卒 採用ホームページに関する調査」によれば、企業探しに有益だと思った情報源として、「個別企業のホームページ」の回答率が20.6%となっています。さらに志望企業の研究に有益な情報源については、「個別企業のホームページ」の回答率が62.4%で最多となりました。
上記の調査からも分かるように、企業探しや企業研究の参考情報として、多くの求職者が企業のホームページを活用しています。コーポレートサイトとは別に、求職者向けの情報だけをまとめた採用サイトを制作すれば、効率的に情報を探してもらえます。
採用サイトで期待できるメリット・効果
採用サイトで期待できるメリット・効果は、以下の4点です。
- 掲載できるコンテンツの自由度が高い
- 他の施策と連携して効率的に募集できる
- 採用ブランディングに役立つ
- 採用コストの削減になる
それぞれのメリット・効果を詳しく解説します。
掲載できるコンテンツの自由度が高い
採用サイト活用で期待できるメリットは、掲載できるコンテンツの自由度が高いことです。一般的な求人サイトは、フォーマットや文字数に制限があり、自由にコンテンツを掲載できるわけではありません。自社の採用サイトでは規約に従う必要がなく、採用のために必要なあらゆる情報を自由に盛り込めます。
自社の魅力が特に伝わりやすいのは、動画や写真などのビジュアルコンテンツです。例えば社員インタビューや実際に働いている様子の動画を制作し、掲載することで、職場の様子など「求職者にとってリアルな情報」を発信できます。
他の施策と連携して効率的に募集できる
他の施策と連携して効率的に募集できるのも、採用サイトの制作・運用で期待できるメリットです。例えばWeb広告を使って求人募集をしたい場合、アクセス先となるランディングページが必要です。採用サイトがあれば、Web広告のアクセス先として使えるため、効率的な募集に大きく役立ちます。
Indeedなどの求人検索エンジンを使って人材を募集する場合、採用サイトがあれば、自社のサイトを自動的に読み込ませて掲載する「クローリング掲載」の機能を使えます。上記のように、さまざまな施策と組み合わせやすい性質を持っているのが採用サイトの利点です。
採用ブランディングに役立つ
採用ブランディングに役立つのも、採用サイトの制作・運用で期待できるメリット・効果です。
採用ブランディングは、自社が求める人材に選ばれるためのブランディング戦略です。企業の文化や価値観、職場環境などをアピールし、特定のターゲット人材を引きつけることを目的としています。
採用ブランディングが必要とされる理由は、売り手市場で人材獲得競争が激化しているためです。「求職者との接点が多様化している」「ソフト面や口コミを重視する求職者が増えている」なども背景として挙げられます。
企業規模に関係なく効果が得られるため、知名度がない中小企業にとっては、採用ブランディングの重要性がより高いでしょう。
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採用コストの削減になる
採用コストの削減になるのも、採用サイトを制作・運用するメリットです。採用サイトは、一度構築すればそのまま求人情報を公開し続けられるため、年度ごとの新情報の追加や情報更新を除けば、求人広告のように追加の費用が発生しません。エージェントなど外部のサービスを通さず、直接での応募が増え、本来発生していたはずの中間マージンも節約できます。
マッチング率を高めやすくなり、選考途中の離脱や早期離職を防止できるのも、採用サイトの利点です。再び募集して選考する費用を削減できるため、効率的な採用活動を実施しやすくなります。
採用サイトに掲載するコンテンツ例
採用サイトに掲載するコンテンツは、例えば以下のようなものがあります。
- 求人情報の詳細
- 選考の流れ
- 事業内容・ミッション・ビジョン
- 代表からのメッセージ
- 社員の紹介
- FAQ
- 社風を伝える動画や写真
- 研修制度・キャリアパスの紹介
それぞれ、どのようなコンテンツを掲載できるかを解説します。
求人情報の詳細
まず考えたいのが、求人情報の詳細です。例えば職種名や具体的な業務内容、日常で扱うツールなどを詳しく記述します。学歴や経験年数など、応募条件も欠かせません。
求人情報の詳細を掲載する際は、福利厚生に関する情報も含めましょう。健康保険・社会保険などの基本的な情報はもちろん、育児休暇や短時間勤務制度、社員研修制度・資格取得支援、各種手当の支給範囲などについても記載します。
選考の流れ
採用サイトには、選考の流れも記載しておきましょう。選考の流れが明確になっていれば、求職者が内容をスムーズに理解できます。
まずは、書類選考や面接の回数を記載します。各選考段階でのポイントや用意するもの、応募から内定にかかる期間の目安、入社時期などが明確になっていると丁寧な印象です。
選考の流れは、なるべく図や画像などを使って、視覚的に分かりやすいものにするのが重要です。
事業内容・ミッ
事業内容・ミッション・ビジョン
事業内容・ミッション・ビジョンを掲載するのも重要です。
- 事業内容:事業領域や、商品・サービスの種類
- ミッション:企業が存在する根本的な理由、企業の目的
- ビジョン:企業が未来に達成したいと考えている中長期的な目標
事業内容・ミッション・ビジョンが明確になっていると、企業の価値観に共感した求職者からの応募が増える可能性があります。ミスマッチの防止にも大きく役立てられるでしょう。
代表からのメッセージ
採用サイトに、代表からのメッセージを掲載するのもおすすめです。企業のビジョンやカルチャーを直接的に伝え、求職者に企業への信頼感を与えることにつながります。
内容としては、「事業内容・ミッション・ビジョン」とそれほど大きな違いはありません。しかし代表のメッセージとしてあたらためて情報発信をすれば、求職者の応募意欲をさらに高める可能性があります。
自社ならではの内容と、代表者のパーソナリティを反映しつつ、求職者に対して歓迎する気持ちを表すのが重要です。
社員の紹介
インタビュー記事や動画など、社員紹介のコンテンツもおすすめです。インタビュー記事では、社員名や所属している部署、入社年などの基本情報を網羅しつつ、「現在の業務内容」や「職場の魅力」などを深掘りします。
インタビュー記事とは別に、社員紹介動画を作成するのもよいでしょう。社員の自己紹介や所属部署の説明などをした後、実際に働いている様子を動画としてまとめます。動画の構成を考えるのはもちろん、編集も必要なので、内製化できなさそうであればアウトソーシングします。
FAQ
採用サイトに掲載するコンテンツとして、FAQもおすすめです。よくある質問をまとめることで、求職者が知りたい情報に素早くアクセスできます。具体的な質問例は、以下の通りです。
- 社員の一日の仕事はどのような流れですか?
- 社員はどのような研修をしていますか?
- 社員はどのようにして仕事とプライベートのバランスを保っていますか?
必要に応じて写真などのビジュアルコンテンツを含めると、より分かりやすくなります。
社風を伝える動画や写真
採用サイトに掲載するコンテンツとして、社風を伝える動画や写真も重要です。例えば「オフィスツアー」と称して、オフィスの各エリアを案内するツアー形式の動画・写真を掲載する方法があります。
ただ場所を撮影するのではなく、社員が働いている様子を一緒に収めることで、職場の「リアルな雰囲気」を伝えられます。情報伝達を主な目的とするインタビュー記事や紹介動画とは別に、こうしたビジュアルコンテンツを含めるのもおすすめです。
研修制度・キャリアパスの紹介
研修制度・キャリアパスの紹介は、他社の採用サイトとの差別化を図るという意味でも重要なコンテンツです。ただし新卒採用向けのサイトなのか、中途採用向けのサイトなのかによって、掲載内容が若干異なります。
例えば新卒採用向けの場合は、「入社したらどのような研修があるのか」を重点的に説明し、応募するかどうかの判断材料にしてもらいます。中途採用向けであれば、どちらかといえばキャリアパスの紹介がメインになるでしょう。
採用サイトを制作する3つの方法
採用サイトを制作する方法は、以下の3つです。
- 採用サイト対応のATSを使う
- WordPressなどのCMSで構築する
- 制作会社に依頼する
それぞれの概要やメリットを詳しく解説します。
採用サイト対応のATSを使う
採用サイトを制作する方法として、採用サイト対応のATS(採用管理システム)があります。無料で使えて採用サイト(採用ホームページ)まで構築できるタイプもあり便利です。
採用サイト対応のATSを使うメリットは、求人検索エンジン対応のページを簡単に作成できることです。あらかじめ複数のデザインテンプレートが用意されており、自社に合ったものを選べるケースもあります。
ただしデザインに関してはATSに依存するため、それほど自由度が高くない点に注意しましょう。手間や費用を抑えつつ、手軽に採用サイトを用意したい場合におすすめです。
WordPressなどのCMSで構築する
採用サイトを制作する方法として、WordPressなど一般的なWebサイト構築で使われるCMSを使うのもおすすめです。CMSは「Content Management System」の略で、Webサイトのコンテンツを効率的に作成・管理するためのシステムを指します。
CMSを使えば、プログラミングの知識がなくてもWebサイトを構築できるだけでなく、更新作業も簡単に行えます。さまざまなテンプレートやプラグインの活用によって、自社ならではの採用サイトを作りやすいのも大きな利点です。
代表的なCMSは、「WordPress」です。レンタルサーバーなどを契約すると無料で使用でき、プラグインも豊富にあります。
制作会社に依頼する
採用サイトの制作を、Web制作会社などに依頼する方法もあります。「サイトの制作のみ依頼する」「企画から運用まで一貫して任せる」など、依頼の形式はさまざまです。
制作会社に依頼するメリットは、手間を削減しつつ、本格的な採用サイトを制作してもらえる点です。ただし制作費用を支払う必要があるため、あらかじめ予算を検討する必要があります。
制作会社によってサービス内容や強みが異なるため、自社に合った依頼先をよく検討しなければなりません。制作の実績を確認するのはもちろん、複数の制作会社から見積もりを取って比較検討しましょう。比較的簡単な採用サイトであれば数十万円程度、本格的なサイトであれば100万〜150万円が相場です。
採用サイトを制作する手順
採用サイト対応のATSやCMS、アウトソーシングのいずれの方法でも、基本的には以下のような流れで制作を進めます。
- 採用サイトの目的・ターゲットを明確にする
- 掲載するコンテンツを整理する
- サイトマップを作る
- デザインなどの詳細を詰める
それぞれの手順を詳しく解説します。
採用サイトの目的・ターゲットを明確にする
採用サイトを制作する際、まずは採用サイトの目的・ターゲットを明確にします。目的としては、例えば「ブランド認知度の向上を目指す」「自社に合った人材からの応募数を増やす」「採用プロセスの効率化を図る」などがあります。
目的だけでなく、ターゲットとする人材の人物像を具体化するのも重要です。職種で求められるスキル・経験といった実務的な部分だけでなく、「どのような人物がカルチャーフィットするか」も考えます。ターゲットをより詳細に定義した「ペルソナ」を設定するのもおすすめです。
掲載するコンテンツを整理する
採用サイトの目的・ターゲットが明確になったら、採用サイトに掲載するコンテンツを整理します。コンテンツを決める前に、まずはサイト全体で伝えたいメッセージを考えましょう。企業のミッション・ビジョンやカルチャーを反映させたメッセージを決め、それに沿ってコンテンツを考えます。
競合他社の採用サイトを調査し、どのような情報が掲載されているか、どのようにメッセージが伝えられているかをチェックするのも重要です。競合他社と差別化できるポイントを見つけ出し、自社ならではの採用サイトを制作するのに役立ちます。
サイトマップを作る
掲載するコンテンツを整理できたら、採用サイトのサイトマップを制作します。サイトマップとは、Webサイトの全部のページを構造的に示したものです。基本的には「トップページ」が構造の頂点に位置し、その下に「企業紹介」や「企業理念」「代表からのメッセージ」などのレイヤーがあります。
サイトマップを作る際は、なるべくシンプルな構造を意識し、ページ同士の関係性を分かりやすくするのが重要です。情報の網羅性も確かに重要ですが、あまりにもサイトマップの構造が複雑だと、求職者にとってかえって分かりにくくなります。
デザインなどの詳細を詰める
採用サイト制作の最終段階として、デザインなどの詳細を決めます。自社ならではのカラーがあれば、サイト全体のデザインに反映させましょう。企業のブランドイメージと調和しつつ、なおかつシンプルなものが理想です。
求職者が採用サイトを開いてまず見るのが、トップページのデザインです。どのようなデザインやキャッチコピーを使えば自社の魅力を訴求できるかをよく考え、求職者に好印象を持ってもらえるページ作りを目指しましょう。
ただしデザインに凝りすぎて、情報へのアクセス性がおろそかになってしまわないよう注意が必要です。
採用サイトの制作を外注する費用の目安
前述のように、採用サイトの制作を外注する場合の費用は、100万〜150万円程度が目安です。予算によって、構築できる採用サイトの規模や社内での対応範囲、デザインの自由度が異なります。以下、予算ごとに制作できるサイトの特徴や、社内対応の範囲などを解説します。
予算10万円以下の場合
予算10万円以下の場合は、テンプレートを選択して、そこにテキストなどのコンテンツを盛り込むのが基本です。機能やデザインについてはさまざまな制限があるため、「とにかく費用を抑えたい」という企業向けになります。
サイトの規模としては10ページ前後であり、本格的な採用サイトを作るのには適していません。コンテンツの制作に関しては、基本的に自社が対応するため、工数がかかる点にも注意が必要です。
ただし一から採用サイトを制作するのに比べて、短期間で作成できるというメリットがあります。テンプレートを使うだけなので、最短1日での制作も可能です。
予算10万円~50万円以下の場合
予算10万円〜50万円以下のレンジになると、制作会社のパッケージプランを活用できるケースも増えてきます。テンプレートではなくオリジナルのデザインを使って、最低限の機能を備えた採用サイトの制作が可能です。
サイトの規模としてはこちらも10ページ前後であり、大規模な採用サイトの制作には適していません。さらにコンテンツの制作も、基本的には自社で対応する必要があります。
一見リーズナブルではありますが、プロのライターなどの人材を活用する場合は、別途料金が必要になる可能性もあります。オリジナルデザインを使いつつ、なるべく費用を抑えたい方におすすめです。
予算50万円~150万円以下の場合
予算50万〜150万円以下になると、本格的な採用サイトを制作できます。オリジナルデザインが使えるのはもちろん、プロのカメラマンやライターなどの取材費が費用に含まれているケースも多く、質の高さも追求できるでしょう。
サイトの規模としては20ページ前後で、「予算10万円以下」「予算10万〜50万円以下」に比べて、コンテンツの量も増やせます。コンテンツの制作は基本的に外注可能で、自社にかかる負担も最小限に抑えられます。
ただし「比較的長い制作期間が必要になる」「想定しているよりも費用が高くなってしまう可能性がある」の2点には注意が必要です。あらかじめコンセプトやターゲットを明確にし、事前のすり合わせを細かく行いましょう。
効果的な採用サイトを制作するためのポイント
効果的な採用サイトを制作するためのポイントは、以下の4点です。
- 情報の探しやすさ・ユーザーの導線を意識する
- ターゲットが知りたい情報を漏れなく記載する
- 他の施策との連携を計画する
- 効果測定と改善を行う
それぞれのポイントを詳しく解説します。
情報の探しやすさ・ユーザーの導線を意識する
効果的な採用サイトを制作するためのポイントは、情報の探しやすさ・ユーザーの導線を意識することです。どれだけデザイン性に優れているものでも、目当ての情報へのアクセスが難しければ、採用サイトとしての役割を果たせていません。
探したい情報にすぐにたどり着けるよう、レイアウトやサイト構造を工夫するのが重要です。何がどこに書かれているか分かりにくいと、求職者がスムーズに応募できないだけでなく、企業イメージの悪化にもつながりかねません。デザインは確かに重要ですが、「デザイン至上主義」に陥らないことを念頭に置きましょう。
ターゲットが知りたい情報を漏れなく記載する
ターゲットが知りたい情報を漏れなく記載するのも、効果的な採用サイトを制作するためのポイントです。
ターゲットとなる求職者のニーズを細かく分析し、網羅性のあるサイトを作りましょう。掲載されている情報量が少ないと、不安感・不信感につながり、応募したい気持ちがなくなってしまう可能性もあります。
企業のミッション・ビジョンやカルチャーも重要ですが、特に求職者が知りたいのは「業務内容」や「待遇」の部分です。上記の情報を網羅しつつ、訴求できるポイントがあれば積極的にアピールしましょう。
他の施策との連携を計画する
Web広告や求人検索エンジン、イベントなど他の施策を使っていかに集客するかを考えるのも重要です。採用サイトを制作して公開した場合、検索エンジンを経由してアクセスしてもらうのが基本ですが、集客に関する施策をしないと思うようにユーザーが集まりません。
よく使われる手法が、自社の採用サイトと求人媒体を連携することです。求人媒体には就職活動への熱意がある人が集まるため、意欲の高い求職者からのアクセスを得やすくなります。説明会などのイベントと組み合わせて、採用サイトへの流入を増やすのもおすすめです。
効果測定と改善を行う
採用サイトを制作して一定期間運用したら、効果測定と改善を行いましょう。継続的な分析・改善は、サイトのパフォーマンスを最適化し、採用目標を達成するために欠かせません。
具体的には、GoogleアナリティクスなどのWeb解析ツールを導入し、アクセスしたユーザーの行動を分析します。PV数やユーザーの滞在時間、途中離脱率、応募ページへの流入経路など重要なデータを収集しましょう。
自社に合った人材からの応募が少ない場合、ターゲットに対して上手く訴求できていない可能性があります。必要に応じてサイトの改善をして、パフォーマンスを高めるのが重要です。
採用サイトを制作する際の注意点
採用サイトを制作する際の注意点は、「求人検索エンジンの規約を確認する」「一般的な求人広告のルールも把握しておく」の2点です。それぞれの注意点を詳しく解説します。
求人検索エンジンの規約を確認する
採用サイトを制作し、求人検索エンジンと連携させたい場合は、規約やガイドラインを確認するのが重要です。求人検索エンジンは、前述のようにクローリングを通して求人情報を収集しますが、サイト構造やコンテンツなどに関して一定のルールが存在します。
もし規約・ガイドラインに沿っていない場合、クローラーによって適切に読み取られず、検索結果に表示されない可能性もあります。例えばIndeedの規約によれば、求人情報の詳細情報を掲載する場合、画像ではなくテキストで記載されていなければなりません。
インタビュー記事などのコンテンツであれば、基本的にガイドラインとは関係なく自由に作成できます。ただし求人情報の詳細を記載する場合は、上記のような規約があるため、事前によく確認するのが重要です。
一般的な求人広告のルールも把握しておく
採用サイトを制作する際は、一般的な求人広告のルールも把握しましょう。確かに採用サイトの自由度は高いですが、「求人媒体の規約や制限に縛られない」という意味合いが強く、法律上の必須事項や禁止事項には十分に注意しなければなりません。
男女雇用機会均等法第5条によれば、募集や採用について性別を理由とする差別は禁止されています。また、雇用対策法第9条によれば、年齢を理由に制限をすることもできません。
さらに改正職業安定法では、労働条件について、以下の項目の明示が義務付けられています。
- 業務内容
- 契約期間
- 試用期間
- 就業場所
- 就業時間
- 休憩時間
- 休日
- 時間外労働
- 賃金
- 加入保険
- 受動喫煙防止措置
- 募集者の氏名または名称
- 派遣労働者として雇用する場合(「雇用形態:派遣労働者ではない」など)
上記の法律に目を通し、違反にならないよう注意しましょう。
まとめ
採用サイトは、コーポレートサイトとは異なり、求職者向けの情報を発信するメディアです。一般的な求人媒体に比べて掲載できるコンテンツの自由度が高く、採用ブランディングの手法としても役立ちます。
採用サイトの制作に関しては、採用サイト対応のATSやWordPressなどのCMS、制作会社への依頼などさまざまな方法があります。アウトソーシングの場合は、予算やコンセプトをあらかじめ明確にし、ヒアリングの際に細かく伝えられるようにしましょう。
人事ZINEでは、「採用市場における自社のブランド力や学生からの認知度を高めたい」とお考えの人事・採用担当者の方に向けて、「新卒採用ブランディングの教科書」をご用意しております。ぜひダウンロードして、自社の採用ブランディングにお役立てください。