【テンプレート有】退職証明書の書き方を人事向けに徹底解説
退職証明書の必要項目がわからず、「テンプレートがあれば使いたい」と考えている人事担当者は多いものです。
そこで、本記事では退職証明書の概要や書き方、テンプレートを紹介し、作成時の注意点についても併せて解説しています。退職証明書のテンプレートは3種類用意しているので、ぜひ作成に活かしてください。
目次
退職証明書とは
まずは、退職証明書とは何か、どのような場合に発行が義務付けられるのかについて解説していきます。
退職証明書とは退職したことを証明する書類
自社で働いていた従業員が解雇や転職によって退職したあと、退職したことを証明するために必要になる書類が退職証明書です。退職証明書には、元従業員の退職年月日や退職理由などを記載します。
退職証明書は公的な書類ではないため、企業が公的書類として自主的に発行しなくてはいけないものではありません。ただし、労働者から請求された場合には直ちに発行する義務があるため、必要なときにすぐに使えるようテンプレートを用意しておくと良いでしょう。
退職証明書の発行義務については労働基準法第二十二条により定められています。また、労働者が発行申請できる期間は、労働基準法115条で2年間と定められています。懲戒解雇の労働者から請求された場合にも速やかな発行が求められるため注意が必要です。
参考:昭和二十二年法律第四十九号労働基準法|e-gov 法令検索
労働者はこんなときに退職証明書が必要になる
退職証明書は自社で働いていた正社員からだけでなく、アルバイトから請求されることもあります。発行が求められるケースは、大きく分けて以下の3つです。
- 国民健康保険・国民年金の加入手続きをするとき
- 転職先企業から退職証明書の提出を依頼されたとき
- 失業給付金などの受給手続きをしたいが離職票が手元にないとき
これらの手続きは、離職票で行うことが一般的です。ただし、労働者が退職後すぐに病院に行かなければならないといった事情がある場合は、急いで健康保険や失業給付金の手続きを進める必要があるため、退職証明書を代わりに使うこともあります。また、解雇であったことを証明する書類が必要なため請求するというケースもみられます。
そのほか、労働者の転職先企業が「前職の年収や役職が知りたい」「退職した理由を確認しておきたい」などの理由で、退職証明書の提出を要望することもあります。これは、前職の年収を参考に労働者の給料を決めるのが主な目的です。労働者が提示する年収と実際の年収に相違がなかったかどうかを確認するために、退職証明書を請求する企業が多いといえるでしょう。
離職票と退職証明書の違い
離職票は公的文書で、退職証明書は私的文書です。それぞれの違いは以下表のとおりです。
離職票 | 退職証明書 | |
---|---|---|
書類の種類 | 公的文書 |
私的文書 |
発行元 | ハローワーク |
企業 |
交付までの期間 | 10~14日ほど |
すぐ |
離職票は、ハローワークが発行する公的文書です。発行までにいくつか段階を踏まなくてはいけないため、交付までに約2週間の時間がかかります。一方の退職証明書は公的文書ではなく、企業がそれぞれで発行できる私的文書です。決まった形式もないため、離職票より交付に時間がかかりません。そのため、労働者が「失業給付金の手続きを早く進めたい」といった事情で急いでいる場合は、退職証明書が求められることもあります。
在籍証明書と退職証明書の違い
在籍証明書は、発行するかどうかが任意で、法的に「発行しなくてはいけない」と義務付けされているものではありません。一方、退職証明書は労働者から請求されたら必ず発行しなくてはなりません。
在籍証明書 | 退職証明書 | |
---|---|---|
発行する目的 | 在籍期間を証明する |
退職したことを証明する |
発行元 | 企業 |
企業 |
法的な発行義務 | 発行義務はない |
請求されたら発行義務が発生 |
在籍証明書は、企業によって呼び名が違います。就業証明書や就労証明書、雇用証明書と呼ばれることもあります。
退職証明書のテンプレート
ここでは、退職証明書のテンプレートを紹介します。法的に定められたフォーマットはありませんが、使用期間、業務の種類、事業における地位、年収や月収などの賃金、退職や解雇事由の5つは基本的に記載すべき項目です。
ただし、これらの項目は労働者から請求されない限り記載できないため、作成前にどの項目が必要か確認することが大切です。
シンプルな退職証明書のテンプレート
上記のテンプレートは、退職の事由のみのシンプルな退職証明書です。労働者からの請求がなければ、使用期間や地位などのほかの項目を省けます。ただし、できるだけ盛り込むほうが望ましいため、労働者にほかの項目も記載したいかどうかについて確認すると良いでしょう。
なお、労働者が「絶対に記載したくない」ということでないなら、記載するよう働きかけることをおすすめします。こうすることで、「転職先が求めていた項目が抜けているようなので再発行してください」と再作成を依頼されるリスクも軽減できます。
転職にともなう退職証明書のテンプレート
上記のテンプレートは、労働者が転職先から退職証明書の提出を依頼されたときに活用できます。記載したほうが良い前述の5つの項目について解説します。
- 使用期間・・・使用していた期間を記載します。
- 業務の種類・・・従事していた職務について記載します(例:営業職)
- 事業における地位・・最終の役職を記載します(例:営業本部 第一課 課長)
- 賃金・・・最終月収や年収を記載します(例:6,500,000円)
- 退職の事由(解雇の場合は解雇理由)・・・退職理由について記載します(例:自己都合退職)
※解雇理由に関しても、労働者が記入を希望したときに記載できます。
参考:長澤労法管理事務所
退職理由の記入欄があるテンプレート
退職理由を記載するときは、労働者とトラブルにならないよう配慮する必要があります。退職理由を具体的に書かずに、選択式にする方法もあります。
厚生労働省からも退職証明書のフォーマットが提供されています。退職の事由は選択式になっているので、記入する必要がありません。解雇理由は別紙に記載されていて、こちらも選択肢から選べます。解雇理由は、解雇された本人が「理由を記載しないでほしい」と希望する場合は交付できません。
参考:各種様式 ~ 労働条件・労働契約|厚生労働省 宮城労働局
退職証明書作成時の注意点
退職証明書に労働者の就業を妨げるような事柄を書かないよう注意しましょう。記入しないほうが良い事項は以下のとおりです。
- 国籍
- 信条
- 社会的身分
- 労働組合運動
普段からテンプレートを用いることで、ミスなく必要事項だけを記載できるでしょう。
参考:昭和二十二年法律第四十九号労働基準法|e-gov 法令検索
退職証明書のテンプレートで適切な書類を発行しよう
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退職証明書は、自社で働いていた労働者が退職したことや退職理由、年収などを証明する書類です。離職票と違い、会社が発行する私的文書のため「失業給付金の手続きを早く進めたい」「転職先から退職証明書の提出を求められた」などの理由で、労働者から発行を求められることがあります。
労働者から請求があった場合、速やかに発行しなくてはなりません。注意点は、労働者の就業を妨げるような事項を記載しないことです。退職証明書のテンプレートを活用して、効率的な書類作成につなげましょう。