就活の軸をエントリーシートや面接で聞かれることは知っていても、就活の軸のイメージがつかめなくて悩んでいませんか?
- なぜ就活の軸が必要なのか理由を知りたい
- どのような就活の軸があるのか、例を挙げてほしい
- 就活の軸で満たしておくべきポイントを押さえたい
このような疑問を持っている学生も多いと思います。
今回は、就活の軸とは何か、就活の軸を決めるときの注意点とあわせて、就活の軸の具体的なイメージがつかめるよう一覧でまとめました。就活の軸に説得力を持たせるためのコツも解説しているので、参考にしてみてください。
就活の軸とは?〜企業選びの軸とほぼ同義〜
まずは、就活の軸の意味を確認しましょう。
就活の軸とは就職するときに譲れない条件のこと
就活の軸とは「就職するときに譲れない条件」です。就活の軸を決めておけば自身にあった企業を見つけやすくなり、効率良く就活を進めることができます。
就活の軸は、自分の価値観に沿って考えられたものであれば、どんな内容でも問題ありません。
就職先を探すにあたって、働く場所や社会貢献、他者貢献、職場環境、福利厚生、企業の知名度など、自身が大切にしている条件があると思います。
就活の軸は自分自身が幸せを感じる価値観にもとづき、設定すると良いでしょう。
「企業選びの軸」とほぼ同じ意味
就活の軸は企業選びの軸とほぼ同じ意味があります。どちらも自分がどのような基準で働く企業を選んでいるかを示すものです。
前述の通り、自分の価値観に紐付いていることが重要であり、他人の意見にあわせる必要はありません。
大きなやりがいのある仕事をしたいことも就活の軸ですし、家族の介護があるから、家に近いところや転勤がない企業に就職したいことも、立派な就活の軸です。企業に気に入られるために無理にあわせる必要もありません。
何が自分にとってのやりがいか、どんな環境で働きたいか、給与や休日の条件などを洗い出して譲れない条件を絞ってみましょう。
就活の軸が必要な理由・目的
具体的な就活の軸の例を知っていただく前に、就活の軸が必要な理由・目的について理解を深めましょう。主な3つの理由を紹介します。
応募・入社する企業を絞るため
就活の軸が必要な理由・目的は、応募・入社する企業を絞るためです。応募する企業を絞れないと、膨大な量の企業にエントリーする必要がでて、非効率的です。また、内定した企業から最終的な入社先を選ぶ際にも、就活の軸・優先順位が大切になります。
就活の軸・優先順位を明確にしておくことで、就活においての判断基準となり、さまざまな選択をする場面で、迷いなく決めることができます。応募する企業や入社する企業をより効率的に絞れるように、就活の軸を明確にしましょう。
ESや面接でも頻出の質問で選考対策にもなるため
就活の軸を明確にすると、エントリーシートや面接でも頻出の質問で選考対策になります。
就活の軸を明確にしておくことで、面接官が知りたいこと・質問に対して一貫性のある回答ができるようになります。
ここで、エントリーシートや面接を通して面接官が知りたいことを具体的にご紹介します。
面接官は学生が自社にあっているか知りたい
就活の軸を面接官が確認する主な理由はミスマッチ防止です。ミスマッチを防ぎ、新入社員の早期離職を減らす目的があります。面接官は限られた時間内に、学生に関する情報を多角的に収集して見極めなくてはなりません。
厚生労働省が発表している「新規学卒就職者の離職状況」によると、新卒で入社した人の3年以内離職率は30%です。入社して3カ月で社員が早期離職した場合でも、企業は採用や研修に多額のお金をかけているので、離職時の損失額は大きいです。
そうした損失を回避するためにも、学生の適性や熱意、資質をあらゆる視点から知る1つの方法として、面接官は就活の軸を確認します。
面接官は学生の本音・本心を知りたい
ただ、就活の軸を聞いて、それが企業にマッチしていれば良いというわけでもありません。学生が本音を隠して選考通過して入社しても、前項で紹介した早期離職に至る可能性が高くなってしまいます。
そのため面接官は、学生が本音・本心から就活の軸を設定できているかを確かめるために、「なぜその就活の軸になったのですか?」「そう考えるようになったのは、どういった経験からですか?」などの質問をします。
就活の軸を深く考えることは、選考におけるこれらの質問の対策になります。
具体的な対策としては、「なぜ自分にとって譲れない条件」なのか、背景や理由を考察しましょう。ほかにも自身の過去の経験を振り返り、「どんな状況のときに力を発揮できるか」「どんなときに幸せを感じるか」を探すことも有効な選考対策です。
実際のエピソードに絡めて就活の軸を採用担当者に話すことで話に厚みが出て、自分らしさが生まれます。
過去の経験を振り返るときは、自分史のワークシートの活用をおすすめします。
なぜ「この就活の軸でなければならないのか」をセットで考え、自分らしさを表現できるようにしていきましょう。
入社後のキャリアにも活きるため
就活の軸が必要な理由・目的は、入社後のキャリアにも活きるためです。自分の将来像を明確にしておくことで、入社後の活躍や、キャリア構築に繋がります。
入社後どのような働き方をしたいか、どのようなキャリアを築いていきたいかを、入社前の就活の段階で検討しておくことで、よりスムーズに入社後の目標を設定していくことができます。
また、就活の軸があることで、自分のキャリア構築に必要なスキルが何かを見つけやすくなるのです。
就活の軸の具体例一覧【人気業界・職種別】
就活の軸は就職活動をしていくうえで、自分にあった企業を選ぶために必要です。しかし、学生の中には自分自身の就活の軸が何か、漠然としている人もいるでしょう。
本章では業界や職種別に就活の軸やその軸に至った理由を一覧にまとめています。就活の軸の具体的なイメージをつかむために役立ててください。
- 【IT業界の例】就活の軸一覧
- 【金融業界の例】就活の軸一覧
- 【商社の例】就活の軸一覧
- 【小売業界の例】就活の軸一覧
- 【食品メーカーの例】就活の軸一覧
- 【コンサルティング業界の例】就活の軸一覧
- 【不動産業界の例】就活の軸一覧
- 【サービス業界の例】就活の軸一覧
- 【マスコミの例】就活の軸一覧
- 【人材業界の例】就活の軸一覧
- 【総合職(営業職)の例】就活の軸一覧
- 【総合職(マーケティング職)の例】就活の軸一覧
- 【事務職の例】就活の軸一覧
【IT業界の例】就活の軸一覧
IT業界で働く人の就活の軸の例はこちらです。
- 新しい技術・サービスに携わりたい
- 世界で活躍したい
- 好きなサービスの制作に携わりたい
- エキスパートと仕事をして成長したい
新しい技術・サービスに携わりたい
IT業界は急速に進化し続け、そのスピードは衰えていません。そのため、新しい技術やサービスに積極的に関わりたいと考える人は多いです。
自分の持つスキルや自分の考えたアイディアが活かされた経験をもとに、自分が新しい技術・サービスに関わりたいことを伝えましょう。
世界で活躍したい
IT業界は海外進出が多い業界でもあります。一部の企業では公用語が英語だったり、2,3年目から海外進出の責任者を任されたりと、比較的海外志向が強い傾向にあります。
これは志望企業にもよりますが、ワールドワイドに働きたいというのも、IT業界で働く人の就活の軸の1つです。
好きなサービスの制作に携わりたい
例えば、ゲームが好きだから開発の仕事がしたいというのも、立派な就活の軸のひとつです。ただ、「ゲームをやるのが好き」というだけで就活の軸にすることはあまりおすすめしません。
あくまで、「作るのが好き」「ゲームを通して何を実現したいか」を伝えられるようにしましょう。
エキスパートと仕事をして成長したい
IT業界は専門的な知識やスキルを持つ人と関わりながら、プロジェクトを進行していく、プロジェクト型の仕事が多いです。プロジェクトごとに関わる人が変わることもよくあります。
そのため、いろいろな人から刺激を受けながら成長できるという理由でIT業界で働く人もいます。
IT業界の業界研究について、詳しくはこちらの記事もチェックしてください。
【金融業界の例】就活の軸一覧
金融業界で働く人の就活の軸の例はこちらです。
- 人を応援・支援したい
- 責任ある仕事がしたい
- 成果にコミットする風土の職場で成長したい
- 顧客と丁寧に信頼関係を築きたい
人を応援・支援したい
金融業界では、お金を融通して人を応援・サポートする仕事ができます。銀行であれば自分が事業を運営するのではなく事業を運営する人を応援したい、保険会社であれば安心を提供したい、といった就活の軸を持った人が働いています。
責任ある仕事がしたい
金融業界での仕事には、お金を融通して人を応援する一方で、集めたお金に対して大きな責任があります。
そのため、責任感のある仕事をしたい、あるいは責任感のある組織で自分を成長させたい、というのは金融業界を志望する軸の1つになります。
成果にコミットする風土の職場で成長したい
金融機関によっては、業務の成績がシビアに評価され、給与や昇進に影響を与えます。自身の能力やスキルを活かし、成績に応じた役割を与えられる環境で働きたい人やそうした環境で成長したい人は、それを軸にするのが良いでしょう。
顧客と丁寧に信頼関係を築きたい
顧客との信頼関係が重要視されるのが金融業界です。信頼があるからこそ、顧客の大切なお金を預かることができるのです。当然、顧客とは丁寧なコミュニケーションを通して、信頼構築することが求められます。
そのため、周囲と信頼関係を築きながら仕事をしたいと考えている人も金融業界で多く働いています。
こちらの記事では金融業界の動向や、働く魅力などについてまとめています。
【商社の例】就活の軸一覧
商社で働く人の就活の軸の例はこちらです。
- 海外事業に携わりたい
- 流通で豊かな生活を実現したい
- コミュニケーション能力を活かしたい
海外事業に携わりたい
商社は海外からも商品を仕入れて国内に流通させています。海外の取引先とやりとりしたり海外出張・海外赴任をしたりする機会も多いため、海外事業に携わりたい、グローバルに活躍したいとの思いは商社を目指す際の就活の軸となるでしょう。
言語の習得や海外交流の経験などに力を入れていると、就活の軸に説得力が生まれます。
流通で豊かな生活を実現したい
商社は国内外から仕入れた商品やエネルギー、素材などを国内の小売業者やメーカーなどに流通させています。人々が生活必需品や娯楽品を手に入れたり、快適で便利な暮らしをしたりするのを物流の面から支えているのです。
こうした物流によって豊かな暮らしを実現したいという就活の軸は、商社の社員としての使命感が評価されるきっかけにもなるでしょう。
コミュニケーション能力を活かしたい
商社の営業では取引先と交渉し商品の仕入れを取り付けるため、海外の取引先も含めた社外の人とコミュニケーションを取る能力が必要です。
そのほかの職種でも、商品を流通させるまでにはほかの社員達と連携して働く必要があります。よって、コミュニケーション能力を活かして働きたいというのも、商社を志望する際の就活の軸となるでしょう。
【小売業界の例】就活の軸一覧
小売業界で働く人の就活の軸の例はこちらです。
- 人々の生活の質を向上させたい
- 地域を基盤としたお店づくりがしたい
- 顧客に寄り添った仕事がしたい
人々の生活の質を向上させたい
小売業界では、メーカーや商社などから仕入れた商品を消費者に直接販売します。
良い商品や顧客が必要としている商品を仕入れて売ることで、人々の生活の質を直接的に向上させられます。
人々の生活を向上させたいという点を就活の軸にしていると、顧客のニーズを読み取った仕入れ・売り方ができそうだと評価されることもあるでしょう。
地域を基盤としたお店づくりがしたい
小売業界では、担当地域のニーズを踏まえた仕入れ・販売が必要になります。
小売業界にはコンビニやスーパーマーケット、家電量販店などが含まれますが、その地域に住む人々の年齢や家族構成などによって求められる商品は違ってくるでしょう。
小売業界ではこうした点を踏まえて地域を基盤としたお店づくりをすることが求められるため、就活の軸として挙げると良いでしょう。
顧客に寄り添った仕事がしたい
商社のような卸売業界とは違い、小売業界では消費者に直接商品を売ります。顧客である消費者がどのような商品を求めているのか、どのような希望やお困りごとを抱えていて、それに応えられる商品は何なのかなどを考える必要があります。
よって、顧客に寄り添った仕事がしたいという就活の軸は小売業界を目指す際にぴったりでしょう。
【食品メーカーの例】就活の軸一覧
食品メーカーで働く人の就活の軸の例はこちらです。
- 周囲の人を巻き込みながら大きな仕事がしたい
- 人々の健康を支えたい
- 人々に感動を与えたい
- やりがいのある仕事がしたい
周囲の人を巻き込みながら大きな仕事がしたい
食品メーカーは新商品の企画から商品が実際に生産されるまで、多くの工程を経てはじめて世の中に出すことができます。その過程では、多くのメンバーと連携する必要があります。
そのため、食品メーカーで働く人は、多くの人を巻き込みながら大きな仕事がしたいという就活の軸を持つ人も多くいます。
人々の健康を支えたい
安全でヘルシーな日本の食品を海外に届けることは、世界の人の健康をより良くしていくことにつながります。人生で健康を強く意識した経験のある人のなかには、「人々の健康を支えたい」というのを食品メーカーを志望する就活の軸としている人もいます。
人々に感動を与えたい
食を通じて感動を与えたいという人が、多く食品業界を志望しています。「美味しさで感動を与えたい」という人もいれば、「見映えや美しさで感動を与えたい」という人もいるでしょう。
やりがいのある仕事がしたい
食品メーカーの仕事は、安全や品質管理など大きな責任をともないます。法律も厳しく、商品を世に出すと言っても、一筋縄ではいきません。
食品メーカーで働く人のなかには、そうしたさまざまな制約や条件をクリアしながら、やりがいある仕事をしたいという人もいます。
食品業界における具体的な職種や、どのような人に向いているかについてこちらの記事でまとめました。あわせてチェックしてください。
【コンサルティング業界の例】就活の軸一覧
コンサルティング業界で働く人の就活の軸の例はこちらです。
- さまざまな課題に取り組みたい
- 顧客の成長に携わりたい
- さまざまな事業・業界を知りたい
- 多種多様な人と関わる業界で働きたい
さまざまな課題に取り組みたい
コンサルティングを依頼する顧客の抱える課題は会社によって多種多様です。前例のないケースに遭遇しても、ほかの事例やデータから解決策を考えることが求められます。
こうした前例のないさまざまな課題に取り組みたいという就活の軸で働く人もコンサルティング業界にはいます。
顧客の成長に携わりたい
顧客の悩みを解決して、成長に伴走したいと考える人もコンサルティング業界で多く働いています。ほかにも、BtoBで顧客企業の成長に携わる業界では同様の軸を掲げる人がいます。
さまざまな事業・業界を知りたい
顧客に対し、既存事業をどのように成長させていくべきか、どのような新規事業を立ち上げるべきか、共に考える業界です。
そのため、さまざまな事業や業界を知りたい、知識を得たいと考える人がコンサルティング業界では多く働いています。
多種多様な人と関わる業界で働きたい
多様な人と関われる環境で働きたい人もコンサルティング業界を志望するケースが多いです。一般的にコンサルティング業界では、数ヶ月から1年スパンのプロジェクトに携わり、さまざまな業界・案件に携わります。
そのため、多種多様な人と関わる業界で働きたいと考えている人もコンサルティング業界には多いです。
【不動産業界の例】就活の軸一覧
不動産業界で働く人の就活の軸の例はこちらです。
- 街づくりをしたい
- 若いうちから活躍したい
- 高い目標を掲げて仕事に取り組みたい
- 人生の転機となる瞬間に立ち会いたい
街づくりをしたい
デベロッパーとして働くことになれば住居、商業施設などの都市開発に携わることになります。都市開発という大きなプロジェクトに携わることができ、達成感を得られる業界です。
同じ街づくりをしたいという軸では、プラントエンジニアリング業界を志望する人も多いです。
若いうちから活躍したい
年功序列ではなく、成果重視の傾向にあり、経験が浅くても実力があれば順調にステップアップしていけるのは不動産業界の魅力の1つです。ほかにも、IT業界やWeb広告業界など比較的新しい産業は若いうちから活躍したいという就活の軸を持つ人が多く働いています。
高い目標を掲げて仕事に取り組みたい
企業によっては、高い目標が掲げられていることもあります。目標を達成する達成感が好きな人や目的を持って仕事に取り組みたい人も不動産業界で多く働いています。
人生の転機となる瞬間に立ち会いたい
不動産は、人生のなかでも非常に高額な買い物です。就職や進学、結婚など人生の節目にもなりやすいので、人の人生の転機を支える仕事とも言えます。
そのため、不動産業界には人の転機となる瞬間に立ち会いたいと考える人もいます。人生の転機に関わりたいという人は、人材業界や保険業界にも多いです。
こちらの記事では、不動産業界の仕事内容や向いている人・志望動機のポイントを紹介しています。
【サービス業界の例】就活の軸一覧
サービス業界で働く人の就活の軸の例はこちらです。
- 人をワクワクさせたい
- お客様を笑顔にしたい
- 提案力を活かしたい
人をワクワクさせたい
サービス業のなかでもレジャーや旅行など娯楽関係のジャンルなら、人をワクワクさせたいということが就活の軸に挙げられるでしょう。
「大学時代にもアルバイトやサークル活動などで人を喜ばせたり楽しませたりすることにやりがいを感じていた」というエビソードがあると、説得力が生まれます。
お客様を笑顔にしたい
サービス業界にはお客様を笑顔にできるジャンルも多くあります。
先に挙げた娯楽関係のジャンルならお客様を楽しませることで笑顔にできますし、ホテル業界ならお客様に快適で非日常的な時間・空間を提供することで笑顔にできるでしょう。
自分の目指すジャンルの性質も踏まえたうえで、お客様を笑顔にしたいということを就活に軸に挙げるのもおすすめです。
提案力を活かしたい
サービス業界では、お客様にあわせた提案をする機会が多くあります。例えば学習塾の講師であれば生徒の学力や目標にあわせた学習プランの提案、販売スタッフであればお客様の希望にあった商品の提案などをします。
よって、提案力を活かしたいという点も、サービス業界を目指す際の就活の軸とできるでしょう。
【マスコミの例】就活の軸一覧
マスコミ業界で働く人の就活の軸の例はこちらです。
- 生きた情報を届けたい
- 社会の問題解決になる仕事がしたい
- 日本の文化を海外に伝えたい
生きた情報を届けたい
マスコミ業界では、メディアや紙媒体を通じて人々にさまざまな情報を届けます。
鮮度が高く人々の役に立つ生きた情報を発信できる点は、マスコミ業界で働く醍醐味です。情報発信を通じて人々の生活の質を上げたり、好奇心を満たしたりできるでしょう。
こうした「生きた情報を届けたい」という点をマスコミ業界への就活の軸とするのもおすすめです。
社会の問題解決になる仕事がしたい
マスコミ業界で働くと、社会の問題解決になるような情報発信ができることもあります。
時事問題に関する正しい情報を発信したり、重要なのに注目度が低い問題について発信したりすることで、社会をより良い方向へ導けることがあるのです。
社会の問題解決になる仕事がしたいという就活の軸は、マスコミ業界のなかでも新聞社やテレビ局など報道関係のジャンルに適しているでしょう。
日本の文化を海外に伝えたい
マスコミ業界のなかには、日本の文化を海外に伝えるメディア・媒体を運営する会社もあります。
海外の人に日本の文化を発信することで、存続の危機にある日本文化を守ったりインバウンド需要を高めたりできることもあります。
日本の文化を海外に伝えたい理由まで考えたうえで就活の軸とすると、企業側からも評価されやすくなるでしょう。
【人材業界の例】就活の軸一覧
人材業界で働く人の就活の軸の例はこちらです。
- 人の役に立ちたい
- 人の成長に関心がある
- 正解が決まっていない仕事をしたい
- さまざまな人・業界を知りたい
人の役に立ちたい
人と会社をつなぐ人材業界は、「人に真摯に向きあえる人材」を求めています。「人の役に立ちたい」「人をサポートしたい」と考える人が多く働いています。
人の成長に関心がある
就職・転職活動の支援、組織の支援と形式を問わず、人を成長させることは人材業界で重要な要素の1つです。
ときと場合に応じて、直接人の成長をサポートしたり、成長を促す仕組みづくりをしたりします。そのため人の成長に興味関心がある人もいます。
正解が決まっていない仕事をしたい
コンサルティングにも言えることですが、人や企業の課題は状況によってさまざまです。1人1人の個性を大切にして正解がないなかで自分なりに考えて行動することが求められます。
正解のない問いについて考え続けたい、答え続けたいというのも人材業界で働く人の就活の軸の一例です。
さまざまな人・業界を知りたい
人材業界は多様な人・業界とつながりを持つため、自身が知らなかった仕事や世界観を垣間見れます。
人の支援をしながらさまざまな業界に触れられることが人材業界の醍醐味です。「自分の可能性を広げたい」という考えも同様に人材業界に当てはまる就活の軸です。
人材業界についての詳細はこちらの記事も参考にしてください。
【総合職(営業職)の例】就活の軸一覧
営業職で働く人の就活の軸の例はこちらです。
- 事業に最前線で貢献したい
- 責任のある仕事を任されたい
- 結果が数字で表れる仕事がしたい
- 人と多くコミュニケーションを取る仕事がしたい
事業に最前線で貢献したい
総合職は将来の幹部候補とも言えます。なかでも営業職は会社や事業を売上の面から牽引する仕事です。自分が最前線に立って事業に貢献したいというのも営業職を志望する1つの就活の軸です。
責任のある仕事を任されたい
直接的に会社に利益をもたらす営業職は、会社のコア人材になることが期待されることが多いです。営業職を志望する人のなかには責任ある仕事を任されたい、という就活の軸を持つ人も多いです。
結果が数字で表れる仕事がしたい
営業は数字がすべてと言われるほど、数字の管理が欠かせない職種です。目標、実績、達成率などを計算して正確に把握し、目標を達成するために行動できる人材が求められています。
「自分の行動や努力が数字で現れる環境で働きたい」というのも、営業職を志願する就活の軸になります。
人と多くコミュニケーションを取る仕事がしたい
営業職は社外・社内問わず多くの人と関わりを持つので、ほかの職種以上にコミュニケーションを苦としない人が求められています。
人とコミュニケーションをとるのが好き、多くコミュニケーションを取りたいという人が営業職では多く活躍しています。
営業職の志望動機がうまく書けない場合は、こちらの記事で書き方や例文をチェックしましょう。
【総合職(マーケティング職)の例】就活の軸一覧
マーケティング職で働く人の就活の軸の例はこちらです。
- グローバルな環境で成長したい
- 新しい考え方を世の中に広めたい
- 論理的に考える仕事がしたい
- 最新のトレンドや最先端のものを作り出したい
グローバルな環境で成長したい
市場を拡大していくことはマーケティング職の役割です。企業によっては日本国内だけではなく世界を視野に活躍できます。国際的に活躍したいことが仕事の条件であれば、マーケティング職と価値観がフィットするかもしれません。
価値ある製品・ブランドを世の中に広めたい
マーケティングは、ブランドを地道に作り上げていくことだけでなく、これまで価値が認められていなかったものの価値を世の中に広めていく仕事でもあります。場合によっては、これまでなかった概念を生み出すことが求められることもあります。
価値ある製品やブランドを世の中に広めるために施策を考えるのは、マーケティング職の醍醐味の1つです。
論理的に考える仕事がしたい
マーケティングというと、クリエイティブ・感覚的という言葉を連想する人も多いかもしれませんが、論理的に考えることも重要視されています。データを見て仮説を立ててマーケティングプランを練っていく際は、人の心情を論理的に紐解いていくような仕事になります。
そのため、マーケティング職には、論理的に考える仕事がしたい、という就活の軸を持つ人も多いです。
最新のトレンドや最先端のものを作り出したい
マーケティング職では最新のトレンドや最先端のものを作り出したいという就活の軸を持つ人も多く働いています。
市場の情報収集をし消費者の潜在ニーズを分析して商品開発や広告などを展開し、サービスや商品を作ります。場合によっては、トレンドそのものを作り出すためのアクションも必要です。
【事務職の例】就活の軸一覧
事務職で働く人の就活の軸の例はこちらです。
- 長く働ける職場で仕事をしたい
- 地元の会社で地域に貢献したい
- ワークライフバランスを重視して働きたい
- サポートを通して組織に貢献したい
長く働ける職場で仕事をしたい
長く働ける環境が整った会社に行きたいことは、待遇ばかり見ているようで話しづらいかもしれませんが、企業から特に悪い印象はありません。むしろ、社内の手続きなど調整が求められる事務職では、長く働こうとしてくれる人材が求められています。
実際に、長く落ち着いて働きたいという人が多く活躍しています。
地元の会社で地域に貢献したい
転勤や営業であちこちに行くよりも、1つの場所で腰を据えて取り組みたい人も転勤のない事務職を志望するケースが多いです。地域に貢献する気持ちから、地元で働きたいという就活の軸を持つ人もいます。
ワークライフバランスを重視して働きたい
先にも述べた通り、長く勤めることは企業にとっても嬉しいことです。その要素の1つとして、ワークライフバランスを重視して働くことも大切です。
事務職は比較的残業が多くなりづらいこともあり、ワークライフバランスを重視する人が多く働いています。
サポートを通して組織に貢献したい
一般事務は社内の他部門の業務が円滑に進むように支援する職種です。そのため事務職を志望する人のなかには、「サポートを通して組織に貢献したい」という就活の軸を掲げる人が少なくありません。
就活の軸が見つからない場合の見つけ方
就活の軸の一覧をみても、自分にあうものが見つからないこともあるでしょう。ここでは、就活の軸が見つからない場合の見つけ方を具体的に紹介します。
企業を2社ずつ比較する
就活の軸が見つからない場合は、企業を2社ずつ比較しましょう。おすすめの方法としては、企業をなんとなく見るのではなく、2社に絞って比較して、優劣をつけていく方法が良いでしょう。
複数の企業からまんべんなく、なんとなく見ているだけでは比較がしにくいですが、2社に絞って比較すると、自分が重要視している価値観・優先順位が見えやすくなるのでおすすめです。自分の興味のある企業をピックアップして、2社ずつ比較していきましょう。
そのほか、企業研究の具体的な進め方についてはこちらの記事も参考にしてください。
自己分析で大切な価値観を洗い出す
就活の軸が見つからない場合は、そもそも自己分析が足りていない可能性もあります。そのような場合には、自分史で自分の過去をすべて洗い出して、何を大切にしているのかを再確認すると効果的です。
大切にしている価値観を洗い出す際は、経験を網羅的に振り返る自分史を作成することがおすすめです。
自分史では年代別に所属していた組織、立ち位置を記入して、記憶にあるできごとを具体的に列挙します。そして、ライフラインチャートに幸福度の起伏を記入して、年代別に考えや感情、学びを記入します。これらの作業のなかで、自己理解を深めていくことができるでしょう。
こちらの記事で自分史のワークシートの使い方を説明し、無料配布しています。
他己分析で未知の自分を知る
就活の軸が見つからない場合は、自分のなかにまだまだ自分では気づけていない部分がある可能性があります。そのような場合には、他己分析で自分の知らなかった自分に気づくきっかけを作りましょう。
友人や家族など、周囲の人に協力してもらって他己分析をすると、未知の自分を知ることができます。他己分析には、「ジョハリの窓」がおすすめです。
ジョハリの窓では客観性を高め、自分から見えている自分と、他人から見えている自分の差を見つけ出すことができます。
「ジョハリの窓」では、自分で強みだと思うことを記入後、ほかの人に強みだと思うことを記入してもらい、4つの窓に強みを配置します。そして「盲点の窓」を中心に理由を聞きます。これらの作業のなかで、新しい自分を発見したり、自己理解を深めたりできるでしょう。
こちらの記事でジョハリの窓のワークシートの使い方を説明し、無料配布しています。
就活の軸がES・面接で評価されるポイント
エントリーシートや面接で就活の軸が問われているとき、採用担当はどこを評価しているか気になりますよね。
ここでは採用担当が就活の軸をどんな観点からチェックしているか、3つのポイントを紹介します。
自己分析の結果と関連性があり、納得感があるか
採用担当は「就活の軸が自己分析の結果と関連していて納得感があるか」みています。
採用担当は学生が本当に自社の志望度が高いか、確かめたいと思っています。そのため、就活の軸の内容が企業に紐づいていて、自社を志望していることに納得感があることを重要視します。
自己分析の結果にもとづいた就活の軸があると、自身の人物像がぶれにくくなり、主張に一貫性が出やすくなるので、採用担当としては評価しやすいです。
自己分析の内容が、自分の過去の経験にもとづくものだと、なお説得力があります。自己分析の内容はほかの人と似てしまうこともありますが、経験はほかの人にはない特別なものです。実体験からうまれた就活の軸であると伝わると、採用担当の評価もぐっと上がるでしょう。
就活の軸が志望企業にあっていると言えるか
就活の軸は企業選びの重要な指針です。志望する企業の風土や特徴、強みと一致していなければ、入社後にミスマッチを起こす可能性が出てきます。
これは採用担当の目線から見ても一緒です。採用した学生が入社後すぐに離職してしまうことは避けたいので、就活の軸が自社にあっているか、確かめたいと思っています。
就活の軸を決めるときは、業界研究や企業研究を念入りにおこないましょう。業界や企業の理解が間違っていると、自分にあわない企業ばかりを受け続けて選考にもなかなか通らず、もし入社してもミスマッチを起こしてしまう可能性が高まります。
自分の強み・特性を活かせる会社に就職して活躍するには、「自分の価値観と企業の価値観があっていること」が重要なポイントです。ですが企業にアピールするために自身の大切な価値観を無理やり企業にあわせることはおすすめできません。
「本当に生き生きと働けるところはどこか」という視点を持って、自分の軸と企業の軸がマッチしているかを確認しましょう。
ほかの企業ときちんと比較したことが分かるか
こちらは、最終面接近くになってから、採用担当が見ているポイントです。一次面接など選考の序盤ではさほど気にされません。
選考が終盤になると、採用担当は「ほかでもない自社の会社に入りたいと思ってもらえてい
るか」を気にしています。もし、競合他社ではなく自社を志望していることが就活の軸から分からなければ、「最終的には競合他社にいってしまうかもしれない」と採用に消極的になってしまいます。
そのため、経営理念や会社の風土、評価制度やサービスなど、他社と比較してどう魅力的だと感じたのか、伝えられるように準備をしておきましょう。興味を持った要素を言語化して就活の軸と絡めて選考で話をすると、面接官にも熱意を伝えられます。
数ある企業のなかから、その会社を志望したからには、他社と違う魅力を感じているのだと思います。改めて、今選考を受けたり興味を持ったりしている企業と比較して、どんなところを魅力に感じているのか、言葉にしましょう。
自分の力を本当に発揮できる場所を見つける手がかりにもなるため、他社との比較は入念におこないましょう。
就活の軸は自己分析を深めると納得感が出る
就活の軸は自己分析の結果に関連性を持たせることで一貫性が生まれ、採用担当に納得感を持ってもらいやすくなると前述しました。自己分析が甘いと、就活の軸となった背景を答えられず、うわべだけの回答と捉えられてしまうおそれがあります。
また、自分の特性を正しく理解していないと、「志望していた業界が本当はやりたかったことと違う」と後から気づく結果になるリスクもあります。
そのため、自分も採用担当も納得できる就活の軸にしていくためには、自己分析をどんどん深めていくことが重要です。深く自己分析をして過去のエピソードを洗い出せば、自分が本当に力を発揮できる環境や特性を活かせる環境が見えてきます。
もし自己分析がまだまだできていない人がいれば、手軽に自己分析ができる自己分析ツール「AnalyzeU+」がおすすめです。質問に答えるだけで、自分の強みや特徴が可視化されます。ぜひ気軽に使ってみてくださいね。
AnalyzeU+のさらなる詳細はこちらで紹介しています。
就活の軸の書き方・例文【3つの軸でITベンチャーに絞った場合】
私はサークルで幹部をしていたのですが、うまく組織をまとめられなかったことを悔やんでいます。社会に出てからは、大きな組織をまとめられる管理職になりたいと考えているため、若いうちからマネジメント経験を積みたいです。
また、優秀な管理職はトップの考えていることを理解し、チームのメンバーが最大限の力を発揮できるように咀嚼して伝えることが重要だと考えています。そのためにはまずトップに近い位置で働くことが重要であるため、社長に近い距離で働きたいです。
最後に、自分自身が長期的にキャリアを構築するうえで、業界自体が成長していることが重要だと感じています。多くの業界がIT化を進めているなかで、人材の流入が増えているIT業界であれば、マネジメントの機会も広がるため、私の管理職として活躍したい意向にもあっていると考えています。
以上の3つが私の就活の軸です。
【まとめ】就活の軸一覧を業界・職種別に例示
以上、就活の軸一覧や見つからないときの見つけ方などを紹介しました。
就活の軸は学生が企業を選ぶときの指針、条件です。就活の軸を明確化しておけば、効率良く自身にあった企業の選考に参加し、選考を有利に進めることに役立ちます。
就活の軸の一覧をご紹介しましたが、これらは例に過ぎません。学生1人1人が持っている個性は、決してほかの人とは被らないはずです。自分の強みや特徴など、自分ならではの経験などから自分らしさを見つけていって、オリジナリティのある就活の軸を見つけましょう。
就活の軸のイメージをつかめたら、自己分析の結果をさらに深掘り、自分も採用担当も納得できる、自分らしい就活の軸を見つけましょう。