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変化する新卒採用におけるこれからの候補者集団形成(母集団形成)とは?

変化する新卒採用におけるこれからの候補者集団形成(母集団形成)とは?

候補者集団形成(母集団形成)とは

前後半の2回に分けて、新卒採用においての新しい分野や今までとは大きく変わったこと、そして今までと変わらないことについてお伝えします。前編の本記事では、新卒採用が変わらざる得ない背景と、候補者集団形成(母集団形成)までについて記載します。

候補者集団形成(母集団形成)とは

新卒採用においては、求人に対して選考を希望する学生を集うことを「母集団」を形成すると新卒採用領域では言われます。しかしながら、本来の意味合いである統計学としての「母集団」の意味とは大きく誤った言葉が使われているため、本記事では「候補者集団」という名称にしています。
参考:服部泰宏 「母集団」という言葉について」

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金澤 元紀(かなざわ もとき)
株式会社i-plug HR&Business Innovation部

2003年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了、2011年、同大学大学院同研究科博士課程普通退学。
インターネットベンチャー企業でのコンサルティング営業、メンタルヘルスサービス提供企業での適性検査の開発、情報サービス企業での人事、人材ビジネス企業でのHRテクノロジー・採用に関する調査やトレーニングプログラムの開発を経て、現在、人事企画にて、人事評価・報酬制度の構築などを行う。

NPO法人日本人材マネジメント協会 執行役員
ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 上席研究員
著書:HRテクノロジーで人事が変わる AI時代における人事のデータ分析・活用と法的リスク

採用活動全体の取り組みで何が変わったのか?

2018年に経団連が2021年入社から「採用選考に関する指針」を廃止することが大きな話題になりました。背景には、優秀な人材の獲得や通年採用といった採用選考の多様化など、複数の要因があります。実際、人事採用担当として活動されている多くの方は、採用の難しさを実感されているのではないでしょうか。筆者は、新卒採用に限らず、採用の難しさの主な要因には、次の3つのポイントがあると考えています。

要因1.人材の獲得競争、特に優秀な人材の獲得競争が起きている

新卒採用に限らず様々な領域において人手不足が叫ばれています。例えば、優れたエンジニアは何十人分以上の価値をもたらすといったように、知識労働者の領域では、特に一人ひとりの能力の差が生み出されやすくなっています。そのために、新卒採用においても優秀層を年収面で大きな差をつけることや将来のリーダー候補として区別している企業もあります。また、グローバル企業との間で人材獲得競争も起きており、年収面での差が話題になりました。

要因2.テクノロジーの発展が今までの採用手法を大きく変えようとしている

テクノロジーの発展によって、手法も大きく変わりつつあります。テクノロジーは時間の効率化や状況の見える化といった大きな変化をもたらし、採用の戦略や戦術に大きな影響を与え始めています。例えば、ダイレクト・リクルーティングは、インターネットの発展によって大きなインパクトを与えたものになりました。ダイレクト・リクルーティング自体は、研究室訪問やリクルーター制度など、過去からも人力で行われていましたが、インターネットの力によって、直接コンタクトすることができるようになり、広く利用されるようになってきました。そのほかにもビデオ面接や、エントリーシートのAIによる自動判定、候補者の管理、適性検査の発展など、技術を活用することで、いままでの 採用の仕組み自体に大きな影響を与え始めています。

要因3.採用におけるマーケティング手法の応用

もともと人事自体はインターナル(内部)・マーケティングと言われているように、人事領域はマーケティング手法を取り入れやすい領域でもあります。マーケティングの応用として、WEBマーケティング領域を採用に取り入れた、リクルートメント・マーケティングや、カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)の考え方を候補者や入社後に応用した、キャンディデート・エクスペリエンス(候補者体験)やエンプロイー・エクスペリエンス(従業員体験)といった考え方を適用されはじめています。
もともと採用広報というように、マーケティング要素は強いものでしたが、違いは要因2のようなテクノロジーの要素に加え、採用全体に一貫性を持った考え方が入り始めていることです。

これら3つのポイントは、いままで行われている採用施策の延長線上のものもあれば、抜本的に採用の仕組みを変えていかなければならないものもあるでしょう。一方で採用自体で大切にしていかなければならないセオリーも存在します。それでは、採用の流れに従って、これらのセオリーと新たな要素について述べていきたいと思います。

候補者集団形成を始める前に気をつけるべきこと

「採用のフローに入る前に人材像を策定する」

図表1:現在の採用にかかわる全体像

図表1:現在の採用にかかわる全体像

新卒採用において重要な人材像については、どのように設定をされているのでしょうか。人材像形成のアプローチには「こうあるべきといった意見を集めること」や「過去に取得した適性検査を元に策定する」といった様々な手法がありますが、これは演繹的アプローチ(あるべき姿から想定する)と帰納法的アプローチ(事実を積み上げて構築する)の2つのアプローチとして考えることができます。

演繹的アプローチは、会社や事業の将来の像から考えて策定をするため、事業の変化が大きい、企業の成長が著しいといった、将来が予測しにくい状況において適する反面、予測であることから当たり外れがあること、そして、理想が高すぎるため、そのような人材像は、社内外にいない人材になってしまう、獲得できても社風に合わないケースがあるといったデメリットもあります。帰納法的アプローチは演繹法のメリット・デメリットが逆になり、既存のビジネスが固い状況であれば有効であるものの、新規事業をはじめとした変化には対応しにくいといった問題点があります。いずれにせよ両方のモデルを元に人材像を形成していく必要があるとともに、その際に複数の人材像モデルを形成する(採用のポートフォリオ)といった場合にはそれぞれに従った、候補者集団(母集団形成)の形成が必要になってきます。

候補者集団形成の新たな考え方「リクルートメント・マーケティング」の発想

認知・興味・応募といったプロセスを候補者集団形成とすると、特にダイレクトリクルーティングを行う上で重要になってきているのが候補者となる人々の認知・興味の向上です。情報を獲得する手段がスマートフォンの普及によって、企業や採用支援企業が出すメディアだけでなく、SNSなどによる認知を広めるツールの活用がポイントになってきています。したがって、主戦場はオンラインメディアの活用に移ってくると考えられ、そのためにWEBマーケティングの考え方が適用され始めています。このときに中心的に活用されるのが、ブログやSNS、動画、イベントなどのオウンドメディア施策となり、他に広告を打つなどの内容が加わります。

これらの施策は、ブログやSNSが出始めた頃に採用で使われたけれどうまく行かなかったという経験の方もいらっしゃると思います。しかし、その当時とはメディアの使われ方が変わり、ユーザも当たり前のように使いはじめ、普及してきたと言えるでしょう。そして、興味を引き上げるために、イベントの紹介やリアルな交流を行いながら、関係性を構築していくことがポイントとなっていきます。WEBマーケティングにおいては、曖昧にされがちなこれらの活動が数値化され、常に改善を行っていくというサイクルを回すことが前提になります。採用においても同様で、これらの手段を数値分析できるような仕組みを作りながら、採用の効果の有無などを確認しながら改良していき、パフォーマンスを上げることが求められます。

候補者集団(母集団)をどのように形成するか

候補者集団を形成する上で大きく分けて2つのアプローチがあります。一つは、ナビサイトの活用や採用広告をおこなうといった、候補者が自社を志望し、応募を行うと行ったプル型の採用手法と、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用(社員紹介採用)といった、個々にアプローチをかけるプッシュ型の採用手法に大きく分けられます。なお、プッシュ型に分類されることもありますが、新卒紹介も近年増加してきています。これらのツールは、PULL型手法は、リクルートメントマーケティングで解説した内容からすれば、長期的に見ればPUSH型に直接的・間接的に影響を与えることも考えられます。

図表2:PULL型PUSH型のメリット・デメリット(曽和 2019)
図表2:PULL型PUSH型のメリット・デメリット(曽和 2019)
※曽和利光(2019)「人事と採用のセオリー」ソシム

ダイレクト・リクルーティングに関していえば、自社にあまり興味が無い層にまで積極的に声をかけていくことが求められます。このことは、今までに会うことができなかった層にアプローチができる反面、マス広告に比べて労力がかかります。たくさんのリソースがあるのであれば別ですが、そのようなことは多くはないでしょう。このように、採用手法が狙いたい人材像にアプローチでき、人材を獲得する可能性があるものか、そして、自社ブランドの力と採用組織の能力(どれだけ採用に資源を投下できるか)を有しているかに合わせて、戦術・手法を選択することが重要になります。

ブランド力

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図表3:自社の採用能力別ポジション別採用戦略

例えば、ブランド力と組織能力が無い状態の中で、ブランド力あるいは組織能力のある他社と同じようなPULL型採用を行っているとするならば、勝ち目が薄くなります。したがって、差別化するために奇抜な手法やダイレクトで認知や興味が無い層に対してアプローチをかける手法が取られます。一方逆にプッシュ型は大量の人材にアプローチすることはできません。

また、王者のポジションにいる企業であっても、今までITとそこまで関係しない産業において、AIの技術者がほしいということになると、王者のポジションにはなく物量作戦の戦い方になるでしょう。このようにほしい人材像と自社の状況によって戦い方も変化することから、一つの戦い方に合わせるのではなく、並行して施策を実施することが当然求められます。

戦い方が決まれば、手段が決まります。現在では、様々な採用チャネルが存在しています。通常のナビサイトや合同説明など採用に関わるツールに加えて、SNSでの投稿やイベント、オウンドメディアなどといったものまであるでしょう。

図表4:PULL型・PUSH型メディア・採用手法例
図表4:PULL型・PUSH型メディア・採用手法例

このように学生の候補者集団の形成においても、時代の変化とともにアプローチの仕方に大きな変化が起きています。後編ではは選考、内定、そして入社後について記載します。


2019年3月18日公開

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