
新卒就活を始めると、まず初めに「自己分析」という言葉が出てきます。
「自分の理想の働き方にあった会社に就職するため」「就職活動をスムーズに進めるため」など理由は様々で、全て間違いではありません。
ですが、就職活動という部分だけを見て自己分析をすると、企業選びが上手くいかず、もやっとした気持ちを抱えながら仕事をすることにもなってしまいます。
例えば、「早く就活終わらないかな…」というような、漠然とした考えで行った「曖昧な自己分析」をもとに内定を獲得した人は、入社後に「少し働いてみたけど、なんか思ってた感じと違うな…」と感じることが多いようです。
そういった事にならないためにも、今回は「自己分析をする真の目的」とともに、「本当の自己分析をする方法」について詳しく見ていきましょう。
目次
自己分析の真の目的は就活を始める前に「本当の自分」を探すこと

「自己分析」は「自己探索」であるともいわれています。
実際、「本当に自分がやりたいこと」というのは、自分にしかわからないものです。
なので、自己分析を通して本当の自分と向き合い、「本当に自分がやりたいこと」が何なのかを見つけ出すことが「自己分析」の真の目的なのだ、と言えるでしょう。
本当の自分が見えることで「なるべき自分・あるべき自分」が見える
「自己分析」で本当の自分が見えるようになることで、「本当は自分にはこういうことが向いてるんだ」という「なるべき自分・あるべき自分」を認識することができるようになります。
「なりたい自分」とは少し違い、「なるべき自分」が見えていると「そうなるためには何をすべきなのか」が明確に見えてきます。
企業選びの際には「ミスマッチ」を防ぐ役割も持たせることができる
何をすべきかが明確に見えるようになると、新卒就活で言われがちな「ミスマッチ」を防ぐことができます。
例えば、自己分析を通して「挑戦的でクリエイティブな自分」が見つかったのであれば、保守的な体質を持つ業界や企業は避けた方が良いでしょう。
このように、入社後の自分を見据えながら就職活動ができるようになると、キャリア形成の道のりまでもが、「自己分析」から見えてくるということになります。
では、「なるべき自分」はどのようにすれば見つけることができるのでしょうか。
過去の自分が本当の自分?些細な出来事が現在の自分を作っていることがある

現在の自分の価値観や考え方は、「きっかけとなる出来事」によって作られることが多いです。
例えば、「小さい頃、●●をして家族に怒られた」という経験が「●●はしてはいけない」という価値観を作るきっかけとなった、というような感じです。
思い返せば些細な出来事かもしれませんが、そういった部分に「本当の自分」が隠れていることがあります。
少し難しく考えてしまいましたが、要するに「過去の自分との対話」によって「本当の自分を見つけることができる」のが本当の自己分析なのだと考えられます。
では、「過去の自分と対話して本当の自分を見つける」には、具体的にどのようにすればいいのでしょうか。
自己分析で「本当の自分」を見つけるための3つのステップ
過去にどういう経験があったのかは、記憶をたどるのが一番早い方法です。
しかし、単純に思い出すだけでは、なかなか「本当の自分」が見つからないこともあります。
そんな時は、以下の3つのステップを意識してみると良いでしょう。
- 1.過去の出来事をできるだけ書き出してみる
- 2.モチベーションが上下した出来事を具体的に書いていく
- 3.エピソードになりそうな流れを捉える
ここからは、この3つのステップについて詳しく解説していきます。
1.過去の出来事をできるだけ書き出してみる
まず初めに、過去の出来事を可能な限り書き出していきます。
何かを始めた、もしくはやめた。誰かとこんなことをした、誰かにこんなことで怒られた、こんな本を買った・・
とにかく出来る限り多くの出来事を書き出します。
時期や出来事の大小は指定しなくて良い(幼少期にルーツがある可能性もある)
期間も、学生時代にとらわれず、幼少期なども含めて思い出せる範囲でさかのぼってみるのが良いと思います。
これまでに打ち込んだこと努力したことでもいいですし、趣味に関することなどでもいいでしょう。
2.モチベーションが上下したことを具体的に書く

可能な限り過去の出来事を書き出したら、次に「その中でもモチベーションが上下した出来事」をピックアップしていきます。
ピックアップした出来事に関しては「何故この時モチベーションが上がったんだろう」「この時の苦労はどう切り抜けたっけ?」と考えてみましょう。
なかなか具体的には思い出せないときは、友人や両親に聞いてみるという方法もあります。
当時の自分がどんな感じだったかを知ることができれば、今まで気づかなかった長所や短所を見つけるきっかけにもなるかもしれません。
ピックアップした各出来事の共通点を見つける
ピックアップした各出来事に対してとった、共通の行動や考え方がなかったかを考えます。
その時とった行動の傾向が「自分のとりたかった行動だったかどうか」も見ておくと良いでしょう。
この時点で「本当の自分」が見えてくることが多いです。
3.エピソードになりそうな流れを捉える

最後に、共通点をもった出来事の中から、エピソードとして使えそうな流れを捉えていきます。
自分の言葉で簡潔にその出来事を説明できるようになれば、面接などで「一番苦労したエピソードはありますか」と聞かれたときにも答えることができます。
「このエピソードがきっかけでこういったことを知り、興味をもちました」と言うことができれば、志望動機や自己PRにも説得力を出すことができるでしょう。
自己分析の大きなメリット:何度も見返すことで気持ちのブレをおさえられる
自己分析をしておくことの最も大きなメリットとして「何度も見返すことができること」があげられます。
就職活動の間になかなか思うようにいかず「本当にこの判断・会社選びで良かったのかな」と思うことがあるかと思います。
そうなったときに、自己分析の結果を見返すことで、それを支えに頑張ろうと思えることもあるでしょうし、別の選択肢が見つかることもあるでしょう。
自己分析をしておくことで、自分の根源を再確認することもできるため、「自分の心のよりどころのようなものができること」も一つの大きなメリットです。
まとめ:過去の出来事が、現在だけでなく「将来の自分」の役に立つ
今回は自己分析をすることで見つかる「本当の自分」の重要性について紹介しました。
特に重要なことは以下の2つです。
- 自己分析は就活だけの為のものではない
- やり方次第で、入社後の可能性がもっと広がる
本当の自分を見つけることは、就職活動を円滑に進めるだけでなく、入社後の働き方やキャリア形成においても手助けしてくれるものだということがわかりました。
自己分析は、就職活動の基礎の部分です。
しっかりと完成させるまでに時間がかかることなので、早く始めるに越したことはないでしょう。
また、自己分析をする上で重要な3つのステップについても併せて紹介しました。
- 過去の出来事をできるだけ書き出してみる
- モチベーションが上下したことを具体的に書く
- エピソードになりそうな流れを捉える
この3つのステップは、エントリーシートを書く時にも使えるので、是非役に立ててくださいね。