インターンシップで学生を集客する7つの方法と効果を出すポイント
企業が長期的に成長していくためには、自社に合った人材を採用し、活用することが不可欠です。インターンシップという制度は、企業の採用において大きな役割を果たします。
ただしインターンシップは、ただ実施するだけではなく、効果的な集客が必要です。本記事では、学生を集客できるインターンシップの特徴や実際の方法、集客に成功するためのコツなどを幅広く解説します。
インターンシップ集客を成功させるためには、学生を惹きつけるためのポイントを押さえておくことが必須です。人事ZINEでは、資料「学生を惹きつけるインターンシップの作り方」をご用意しています。ダウンロードして、集客できる自社インターンシップの設計にご活用ください。
目次
学生を集客できるインターンシップの特徴
学生を集客できるインターンシップには、以下のような特徴があります。
- 学生にとって参加のメリットがある
- ブランドの認知度を活用している
- 告知・応募に注力している
上記の特徴をそれぞれ解説します。
学生にとって参加のメリットがある
学生にとって参加のメリットがあると、インターンシップの集客がしやすくなります。学生側には「業界・職業の理解を深めたい」「スキルアップにつなげたい」「自己分析したい」などのニーズがあり、そういったニーズに沿っているかが重要となります。
例えば学生にとって、インターンシップの経験は、就職活動での大きな強み・アピールポイントになります。インターンシップを通して、スキルアップを狙えるようなプログラムが組まれていると、学生にとって魅力的なコンテンツになるでしょう。
さらに学生にとっての主な参加メリットとして、「インターンシップの給与」が挙げられます。同じようなプログラムであれば、給与が支払われるインターンシップに優先的に応募するでしょう。
ブランドの認知度を活用している
ブランドの認知度を活用して集客しているかどうかも重要です。その分野で名前が知られている企業であれば「企業名」、あるいは商品・サービスなどの「ブランド名」を活用して、インターンシップの参加者を集めます。
現時点では知名度が高くなくても、近年注目されているトレンドと重ねて興味関心を引く方法もあります。例えば「AI(人工知能)ソフトを使ってコンテンツを作成してみる」など、ありきたりではないプログラム内容を用意できれば、学生の関心を寄せられるかもしれません。
告知・応募に注力している
インターンシップで学生を集客するためには、告知・応募に注力しているかどうかも重要です。プログラムが学生にとって魅力的でも、ターゲット学生へのアプローチの戦略が練られていないと上手く集客できない可能性があります。
具体的にはイベントの開催やSNSでの告知など、ターゲットがインターンシップの存在を認知できるような方法を選びましょう。「実際に何を学べるのか」「どのような経験ができるのか」など、インターンシップを詳細に説明するのも重要なポイントです。
インターンシップで自社が求める学生を集客する方法
インターンシップで自社が求める学生を集客する方法は、以下の表の通りです。
方法 | 特徴 |
---|---|
ダイレクトリクルーティング | 企業が、要件に合う学生に直接アプローチして、インターンシップへの参加を促す |
インターン募集サイト | インターンシップを探している学生が多く訪れるサイトに、自社のインターンシップ情報を掲載する |
ナビサイト | インターンシップ情報(内容、期間、募集人数など)を特定の就職情報サイトに掲載する |
自社採用サイト オウンドメディア | 自社の採用サイトやブログ、ニュースレターなどのオウンドメディアを利用してインターンシップ情報を発信する |
大学 | 大学のキャリアセンターや関連の学部・学科、研究室に直接インターンシップ情報を提供する |
就活イベント 合同企業説明会 | 企業説明会やキャリアフェアなどのイベントに参加し、企業説明を行うとともに、自社のインターンシップ情報を直接学生に伝える |
SNS | SNSを使ってインターンシップの公募や情報発信を行う |
それぞれの方法について詳しく解説します。
ダイレクトリクルーティングで訴求する
ダイレクトリクルーティングは、企業が直接学生にアプローチをして、インターンシップへの参加を促す方法です。企業はダイレクトリクルーティングにおいて、自社のニーズに最もマッチした学生を、直接ターゲットにして集客できます。一般的な求人広告の場合にかかる「数多くの応募者から参加者を選考する時間と労力」を節約できるのが大きなメリットです。
OfferBoxのような逆求人型スカウトサービスを活用すると、特定のスキルや経験を持つ学生を見つけ出し、直接メッセージを送付できます。ダイレクトリクルーティングを実施する際は、候補者の絞り込みやスカウトメールの作成に労力がかかるケースもありますが、このようなサービスを活用することで、あらかじめ登録された学生のなかから要件を満たす人材に効率的に接触することが可能です。
ただし上記からも分かるように、ダイレクトリクルーティングは、大量の候補者を集めるのにはそれほど向いていません。特定のスキルセットを持つ学生を探している場合や、競争が激しい分野で自社に合った学生を確保したい場合におすすめです。もちろん、状況に応じて、他の方法と併用するのもよいでしょう。
インターン募集サイトに掲載する
インターン募集サイトに掲載して集客する方法もあります。インターン募集サイトは、インターンシップを探している学生が多く訪れるサイトです。自社のインターンシップ情報を掲載すると、多くの学生に対して自社のインターンシップ情報を効率的に届けられます。
サイトによっては、学生のスキルセットや興味に合わせてマッチング機能を提供している場合もあるため、ダイレクトリクルーティングと同じような目的で利用できる可能性もあります。
特に昨今では、オンライン選考が増えていることもあり、「自社のインターンシップの内容や魅力を伝えるのが難しい」といった課題を抱えている企業も少なくありません。広範囲の学生に対して情報を届けたい場合や、特定のスキルセットを持つ学生を探している場合におすすめです。
ナビサイトに掲載する
インターン募集サイトとは別に、一般的なナビサイトに掲載して集客する方法もあります。インターンシップ情報を、特定の就職情報サイト(もしくは別に設置されているインターン募集サイト)に掲載すると、多くの学生への情報発信が可能です。
具体的にはインターンシップの内容、期間、募集人数などを詳細に記載し、自社の魅力を伝えます。ナビサイトは就職先・インターンシップを探している学生が多く訪れる場所なので、広範囲の学生に対してアピールできるでしょう。
さらにナビサイトの多くは大手企業によって運営されており、安心感がある点も大きなメリットです。採用を念頭に置いた場合、広範囲の学生に対して自社の魅力を伝え、多くの応募を得るには最適な方法の1つといえます。
自社採用サイト・オウンドメディアで紹介する
自社の採用サイトやブログ、ニュースレターなどのオウンドメディアを利用して、インターンシップ情報を発信する方法もあります。自社採用サイト・オウンドメディアの大きなメリットは、情報発信の自由度の高さです。表現方法も自由で、動画や画像などのクリエイティブも交えて、自社のブランドやビジョンを表現することで興味関心の獲得につなげられます。
例えば、自社の文化や働く環境を具体的に紹介すると、学生に「自分がこの企業にフィットするかどうか」を判断してもらいやすくなるでしょう。採用を念頭に置いた場合、自社の魅力を深く理解したうえで応募してくれる学生が増え、採用後の定着率向上につながる可能性があります。
自社サイト・オウンドメディアで内容を紹介する場合は、過去のインターンシップの体験談や成果物の公開も有効です。インターン生の体験談や成果物を公開すると、具体的なインターンシップの内容や結果を学生に伝え、自社のインターンシップに対する理解を深めてもらいやすくなります。
大学に情報提供する
大学のキャリアセンターや関連の学部・学科に直接インターンシップ情報を提供して学生を集客する方法もあります。大学のキャリアセンターとは、学生や卒業生が自身のキャリア目標を達成するのを支援するための機関です。各大学に設置されており、キャリアカウンセリングや就職活動の支援、インターンシップ情報の提供などを行っています。
大学の就職課・キャリアセンターへの情報提供のほか、社員のなかで大学OB・OG(アルムナイ)の人脈で学生・研究室に情報提供する方法もあります。特定の専門性を持つ学生をターゲットにする場合や、地元の大学との連携を深めたい場合に有効です。
大学からの推薦があると、学生からの信頼も得やすくなります。採用を念頭に置いた場合、特定のスキルや知識を持つ学生を効率的に集められるようになるため、母集団形成にも役立つでしょう。
就活イベント・合同企業説明会で紹介する
企業説明会やキャリアフェアなどのイベントに参加し、企業説明を行うとともに、自社のインターンシップ情報を直接学生に伝えて集客する方法もあります。具体的には、自社のブースを設けてパンフレットを配布したり、プレゼンテーションを行ったりします。
就活イベント・合同企業説明会のメリットは、「多くの学生とコミュニケーションを交わせる」「学生と直接話せる」「コストパフォーマンスに優れている」の3点です。自社の魅力を伝えつつ、学生からの質問にも直接答えられます。
採用を念頭に置いた場合、自社の魅力を直接伝えることで、「学生の関心を引く」「応募意欲を高める」といった効果が期待できるでしょう。ただし就活イベント・合同企業説明会は、他の企業も参加しているため、学生との深い関係を築くのは難しいとされています。他社と差別化できる要素を用意できると理想的です。
SNSで公募する
インターンシップをSNSで公募する方法もあります。採用手法が多様化する現代では、ソーシャルリクルーティング(SNS採用)が注目されており、採用だけでなくインターンシップ集客にも用いられています。
SNSのメリットは、インターンシップで接触したい学生の多くが、普段から慣れ親しんでいることです。さらに自社のリアルな魅力や情報を発信するなど、ブランドイメージを形成するための方法としても便利といえます。
例えばWantedlyでは、インターンシップの募集や、インターンシップの情報を学生に対して共有するための機能が備わっています。採用を念頭に置いた場合、自社のリアルな情報を発信することで、より明確なブランドイメージを形成できるでしょう。
インターンシップをめぐる近年の動向と集客への影響
学生情報を広報活動・採用選考活動に活用できることを、政府が正式に認めるなど、インターンシップをめぐる動向は目まぐるしく変わりつつあります。その影響で、人材獲得競争の早期化にも影響が出てくるでしょう。ここでは、インターンシップをめぐる近年の動向と集客への影響を解説します。
学生情報の採用活動への活用が可能に
インターンシップとその集客をめぐる近年の動向として押さえておきたいのが、「学生情報の採用活動への活用が可能になったこと」です。これまでの政府の見解としては、企業がインターンで得た情報について、採用へ活用はできないというものでした。
しかし文部科学省・厚生労働省・経済産業省が合同で発表した報告書によれば、2025年度以降に卒業・修了する大学生や大学院生より、一定の条件を満たせば学生情報を広報活動・採用選考活動に活用できるようになっています。主な条件の抜粋は以下の通りです。
- 就業体験を行うこと
- 汎用的能力活用型インターンシップでは5日間以上、専門能力活用型インターンシップでは2週間以上の実施期間を設けること
- 学部3年・4年または修士1年・2年の長期休暇期間に実施すること
この変更点については、以下の記事で詳しく解説しています。
人材獲得競争の早期化の可能性
今後、人材獲得競争の早期化の可能性があります。株式会社月刊総務の調査によれば、「4割以上の総務が、2025年卒からインターンシップを採用に直結できるようになったことを知らない」ものの、「7割以上が採用直結に『賛成』」であることが分かっています。
その一方で、「大手に自社が求める学生を早期に獲得されてしまうのではないか」との懸念を抱えていることから、今後のインターンシップ・採用活動の早期化が予想されます。
なお同調査によれば、インターンシップ実施の課題の1位は「学生の集客」(回答率6割以上)です。集客方法を確保し、効果的にインターンシップを実施できるかどうかが重要なポイントとなります。
インターンシップで集客に成功するためのコツ
インターンシップで集客に成功するための主なコツは、以下の5点です。
- インターンの時期ごとの傾向を意識する
- インターンの集客ターゲットを明確にする
- ターゲットの学生のニーズ・関心を理解する
- インターンに相応しい告知・集客手段を選ぶ
- 現実的に集客・運営が可能な計画を立てる
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
インターンの時期ごとの傾向を意識する
まずは、インターンシップの時期ごとの傾向を意識して集客することです。例えば夏休みや春休みなどの長期休暇中は、学業との両立といった観点から、学生が長期間のインターンシップに参加しやすくなります。一方で、学期中は短期間のインターンシップや週末のみの参加が現実的です。
さらにインターンシップを実施する際は、新卒採用のスケジュールと連動させることも重要です。新卒採用の解禁(3年生の3月頃)に向けて早期に設定したり、あるいは同時期に開催するとしてもエントリーシート提出期間や面接が集中する期間を避けるなど、学生が参加しやすい時期を選びます。
これにより、より多くの学生にインターンシップに参加してもらい、その後の採用につなげやすくなります。実行にあたっては、学生の学校のスケジュールや新卒採用のスケジュールを事前に調査し、それに合わせてインターンシップの時期を決定しましょう。
インターンの集客ターゲットを明確にする
インターンの集客ターゲットを明確にするのも重要です。インターンシップの集客ターゲットを明確にすることで、効率的な集客活動が可能になります。
例えば「自社が求めるスキルや専門性を持つ学生」「自社の業界に興味がある学生」など、具体的なターゲットを設定することにより、ターゲットに合った集客手段を選べます。ミスマッチによって計画を練り直すなど、無駄な労力を省くためにも欠かせないポイントです。
さらにターゲットに合ったインターンシップの内容を設計することで、学生の満足度を高め、その後の採用につなげやすくなります。
ターゲットの学生のニーズ・関心を理解する
ターゲットとなる学生のニーズや関心を理解することも重要です。魅力的なインターンシップを設計し、効果的な集客活動を行うための基礎となります。
例えば、学生が求めるスキル習得の機会や業界理解の機会を提供するインターンシップとして、「マーケティングに興味がある学生に向けて実際にマーケティング戦略の立案や実行に関わるプログラム」を設計するといった方法があります。
さらに学生が利用する情報源やSNSで告知を行うと、学生の関心を引き、インターンシップへの参加意欲を高められるでしょう。アンケート調査や学生との直接対話を通して、ニーズ・関心を把握するのがおすすめです。
インターンに相応しい告知・集客手段を選ぶ
インターンシップの内容やターゲットに合わせて、最適な告知・集客手段を選ぶのも見逃せないポイントです。
例えば、IT系職種のインターンシップであれば「プログラミング学習サイトやIT系の学生団体への告知」「IT系の求人サイトへの掲載」などが効果的です。ITに特化した媒体を活用することで、ターゲットとなる学生に対して、効率的に情報を届けられます。
実行にあたっては、各集客手段の特性を理解し、それぞれのインターンシップの内容やターゲットに最適な手段を選ぶのが重要です。
現実的に集客・運営が可能な計画を立てる
現実的な集客・運営計画を立てることも重要です。例えば、自社のリソース(人員、予算など)を考慮し、集客活動のスケジュールやインターンシップの規模・内容を決定します。これによってスムーズなインターンシップの実施が可能になり、学生の満足度を高められるでしょう。
一方で無理な計画を立てると、実施が難しくなるだけでなく、学生からの信頼を失う可能性もあります。自社のリソースを過大評価せず、「現実的な計画を立てること」「計画を立てたらそれをきちんと実行する」のも重要なポイントです。
まとめ
政府によって採用直結型インターンが可能となった昨今、インターンシップを実施する重要性はより高まっているといえます。インターンシップの成否を分けるのは、学生の集客です。本記事で紹介した手法や成功のコツも1つの参考に、最適な戦略を考えてみてください。
「インターンシップの開催をするべきか迷っている」「学生にとって魅力的なインターンシップのコンテンツが分からない」など、インターンシップについて疑問を抱えている場合は、こちらの資料をご覧ください。集客を成功させる上で押さえておくべき、コンテンツ設計や開催時期といったポイントを解説しています。