【例文あり】採用通知書とは?内定通知書との違いや内容・書き方を解説

採用通知書
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採用通知書は、内定者に対して採用の意思を示しつつ、内定辞退などを防ぐ目的で発行されます。「採用通知書を作成しようと考えているものの、具体的な書き方がよく分からない」という担当者の方も多いかもしれません。

そこで今回の記事では、採用通知書の概要や具体的な書き方を詳しく解説します。採用通知書の例文や、送付の際のポイント・注意点もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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【Wordテンプレート】内定通知書
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採用通知書とは?

採用通知書とは?

採用通知書とは、内定者に対して、採用の意思を示すものです。あくまでも企業から一方的に採用を通知するだけで、採用通知書を発行したからといって、ただちに入社が確定するわけではありません。採用通知書を単体で発行するケースは少なく、入社承諾書や労働契約書、添え状などとあわせて発行します。

採用通知書と似たような書類として、内定通知書と労働条件通知書があります。それぞれ異なる定義・役割があるため、混同しないように注意しましょう。以下、それぞれの書類と採用通知書との違いを解説します。

内定通知書との違い

採用通知書と内定通知書の相違点は、単に「採用」と「内定」のどちらを通知するかであり、それほど大きな違いはありません。内定通知書は、名称の通り、企業から内定者に向けて「内定」の意思を示すものです。

一方の採用通知書は、内定者の「採用」を通知します。企業によっては、以下のようなパターンが見られます。

  • 内定通知書送付から入社承諾書の送付・返信の受け取りをし、採用通知書の送付をする
  • 「採用内定通知書」の形で送付・返信の受け取りをする

上記のように、採用通知書と内定通知書を兼ねる使い方もあるので、そこまで違いに気を遣わなくてもよいでしょう。

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労働条件通知書との違い

採用通知書と労働条件通知書の違いは、法的に送付が義務付けられているかどうかです。採用通知書は、発行した際に「労働契約の証拠」としての効力を持ちますが、内定者への送付が義務付けられているわけではありません。

一方の労働条件通知書は、雇用契約の締結時に内定者へ送付するものです。労働基準法第15条によれば、雇用契約の際に、賃金や労働時間といった労働条件を明示しなければならないとされています。

「採用内定通知書」のように、「採用通知書兼労働条件通知書」としても、ただちに違法にはなりません。ただし法的位置付けや役割など、性質が全く異なる書類なので、2つに分けて送付するのが一般的です。

採用通知書の役割・目的

採用通知書の役割・目的

採用通知書の最も基本的な役割は、内定者に対して採用の意思を示すことです。採用決定を通知すれば、内定者に入社意思を固めてもらう効果が期待できます。

さらに採用通知書は、トラブル防止のために発行する一面もあります。前述のように、採用通知書は法的に発行が義務付けられているわけではありません。労働契約法第6条によれば、口頭で採用通知を行ったとしても、雇用契約が成立すると解釈できます。

ただし口頭の場合、「企業の意思を十分に伝えられなかった」「内定者が企業の意思を上手く汲み取れなかった」など、トラブルに発展する可能性もあります。こうした点でも、採用通知書の重要性は高いでしょう。

【例文あり】採用通知書の記載内容・書き方

【例文あり】採用通知書の記載内容・書き方

以下は、採用通知書の例文です。

【例文】

以下、採用通知書の記載内容・書き方を詳しく解説します。

日付・宛名・差出人名

日付・宛名・差出人名は、それぞれ以下の通りです。

  • 日付:採用通知書を発行した日付
  • 宛名:内定者の氏名
  • 差出人名:採用通知書を発行した担当者の部署と氏名

なお日付に関しては、和暦・西暦のどちらを使用しても問題ありません。ただし分かりやすくするため、同一フォーマットや、同封書類で統一するのがおすすめです。

お礼

お礼では、「自社の募集に応募をしてくれたこと」「面接などの選考に臨んでくれたこと」の2つに分けて、メッセージを添えます。

すぐにお礼の文章を書くのではなく、書き出しに「拝啓」「謹啓」などの頭語を、文末に「敬具」「敬白」などの結語を用いるのが一般的です。内定者の印象にも関わるため、なるべく丁寧に作成することを心がけましょう。

採用決定の通知

お礼の文章の後に、採用を決定した旨を説明します。「慎重かつ厳正なる選考の結果、貴殿の採用を決定いたしました」のように書くと、選考に対して真摯に取り組んだことをアピールできます。

企業によっては、採用決定の通知を出す際に、すでに入社日が決まっている場合もあるでしょう。この場合、採用決定の通知に合わせて、入社日も記載します。

同封書類の一覧

返送してほしい書類や、同封書類に関しては、必ず採用通知書に記入しましょう。書類の同封忘れによる、契約まわりのトラブルを未然に防げます。

同封書類は、なるべく箇条書きにして分かりやすく示します。本記事のテンプレートでは、本文が終わった後に書類一覧を記載していますが、特に細かいルールはありません。

返送期限

返送すべき書類に関しては、提出期限を記載しましょう。和暦・西暦に関してはどちらも問題ありませんが、発行日とそろえます。日付に加えて曜日まで記載しておくと、丁寧な印象です。

返送期限を定めておくと、内定者からの返信が来るタイミングが予想しやすく、事務負担の軽減につながります。期限は、通知から1週間〜2週間程度が一般的です。

今後のスケジュール

必須の記載項目ではありませんが、今後のスケジュールが決まっている場合は、あわせて記入するとよいでしょう。例えば入社式の日程や、入社の手続きを行う日付などです。

内定者がスケジュールを把握しやすくなるのと同時に、問い合わせの件数が減るため、担当者の負担軽減にもつながります。

採用通知書に同封する書類

採用通知書に同封する書類

採用通知書に同封する書類は、主に以下の4つです。

  • 入社承諾書
  • 労働契約書
  • 添え状
  • 返信用封筒

それぞれの書類の概要や、記載内容を詳しく解説します。

入社承諾書

入社承諾書とは、企業の採用通知に対して、内定者が入社の意思を示すための書類です。入社承諾書の提出によって、「特別な事情がない限りは入社します」という意思が明確になります。ただしこちらも、採用通知書と同様、法的な発行義務はありません。

入社承諾書に記載する内容は、以下の通りです。

  • 採用通知書を受領した日付
  • 入社を承諾するかどうか
  • 提出後に理由なく入社を拒否しないこと
  • 本人氏名

最後に押印欄を設けます。

労働契約書

労働契約書は、具体的な労働内容をまとめた書類です。労働基準法により、労働条件の明示が義務付けられています。労働契約書に明示すべき労働条件がまとまっていれば、労働条件通知書を発行する必要はありません。

労働契約書の主な記載項目は、以下の通りです。

  • 契約期間
  • 有期の雇用契約で契約を更新する場合がある時はその基準
  • 就業場所
  • 業務内容
  • 始業時刻・終業時刻
  • 所定労働時間を超える労働の有無
  • 休憩時間
  • 休日・休暇
  • 交替期日あるいは交替順序などに関する事項(交替制勤務の場合)
  • 賃金の決定・計算方法・支払方法・締切り(支払時期)
  • 退職に関する事項 (解雇事由を含む)

添え状

添え状とは、送付した書類の一覧や枚数などの情報をまとめたものです。必須ではありませんが、一般的なビジネスマナーとして必要とされます。具体的には、以下の項目を記載します。

  • 送付した日付
  • 宛名
  • 担当者の氏名
  • 担当者の連絡先
  • 件名
  • 本文
  • 同封書類一覧

送付されたものの内容が分かりやすくなるので、内定者にも良い印象を与えられます。

返信用封筒

返信用封筒とは、署名・押印してもらった入社承諾書や、雇用契約書を返送してもらうためのものです。各種書類の返送率を高めるのが主な目的となります。返信用封筒を同封する際は、あらかじめ切手を貼っておくのがマナーです。

あらかじめ、封筒に送り先を記載すると、内定者の返信作業の負担を減らせます。返信用封筒の裏面を白紙にする場合もありますが、送付ミスの防止にもなるため、どのような体裁にするかよく検討しましょう。

採用通知書を送る際のポイント・注意点

採用通知書を送る際のポイント・注意点

採用通知書を送る際のポイント・注意点は、以下の3点です。

  • できれば電話連絡を併用する
  • 送付タイミングが遅くならないようにする
  • 誤字脱字・誤送付などがないようチェックを徹底する

それぞれのポイントを詳しく解説します。

できれば電話連絡を併用する

採用通知書を送る際は、できれば電話連絡を併用しましょう。なぜ電話連絡を併用するかというと、書類の返信を待つよりも、電話の方がスムーズに入社意思を確認できるからです。

採用通知書を発行する場合、返信の期限も考えると、内定者の入社意思を確認するまでに数週間かかる可能性もあります。電話連絡ではその場で入社意思を確認し、もし「この人は内定辞退をする可能性がある」と分かれば、採用人数を確保するための対策をスムーズに実行できます。

電話連絡をする時間は、自社の就業時間(定時)内がおすすめです。留守番電話になった場合は、要件や再度連絡する時間などのメッセージを残しておきましょう。

送付タイミングが遅くならないようにする

送付タイミングが遅くならないようにするのも、採用通知書を送る際のポイントです。一般的に就職活動では、複数の企業の選考を受けて、最終的に一社を選びます。自社が採用通知書の送付に手間取っている間に、内定者が他の企業からの内定を承諾する可能性も否定できません。

そのため、採用を決定したらスムーズに採用通知書を送付するとよいでしょう。タイミングの目安としては、最終面接の日付から1週間以内です。採用通知書の送付に先立って電話連絡を入れつつ、入社意思を固めてもらいます。

誤字脱字・誤送付などがないようチェックを徹底する

誤字脱字・誤送付などがないようチェックを徹底するのも、採用通知書を送る際の注意点です。採用通知書や添え状など、あらゆる文書をチェックし、誤字脱字があれば修正します。一から作成すると誤字脱字が発生しやすいため、あらかじめテンプレートを用意するのがおすすめです。

他にも、送り先住所や封筒に記載する住所、同封する書類に間違いがないかどうかも確認しましょう。住所や書類内容のミスは、単純な誤字脱字とは異なり、手続きに関するトラブルにつながる可能性もあります。自社の信頼に傷が付く場合もあるため、十分に注意しましょう。

採用に関するその他の通知書を送る際のポイント

採用に関するその他の通知書を送る際のポイント

採用に関するその他の通知書を送る際も、いくつかのポイントを意識しなければなりません。以下、「内定通知書」「不採用通知書」の2つに分けて、重要なポイントを解説します。

内定通知書の送り方

内定通知書を送付する場合は、採用通知書の前に送りましょう。本記事でも触れたように、「内定」とは、本格的な「採用」の前段階です。内定承諾の意思を確認しつつ、採用したい人が他社へ行かないようクロージングをする役割もあります。

内定通知書と採用通知書は、必ずしも両方送る必要はありません。判例によれば、内定通知書をやり取りする段階で「労働契約の締結」に該当するため、内定通知書のみの発行でも可能です。

内定通知書には「内定承諾書」「労働条件通知書」を同封するのが一般的です。基本的には、採用通知書と同じように運用しても問題はありません。内定通知書の書き方に関して詳しくは、以下の記事も参照してください。

不採用通知書の送り方

不採用通知は、書面ではなくメールで行うのが一般的とされています。書面や電話に比べて、担当者の負担が少なく、業務効率が向上するからです。不採用通知を受け取る人にとっても、結果を早く通知してもらえるため、メリットが大きいといえます。

不採用通知を送るタイミングとしては、面接日から3日以内が理想です。遅くとも、1週間以内に伝えられると、印象の悪化を防ぎやすくなります。不採用通知をする場合は、まずメールの件名で「選考に関する連絡」である旨を明示し、一目見ただけで分かりやすいようにしましょう。

採用フェーズ別の不採用通知の書き方や、メールの例文に関して詳しくは、以下の記事も参照してください。

採用通知書についてよくある疑問

採用通知書についてよくある疑問

採用通知書についてよくある疑問として、「採用通知書に法的効力はある?」「採用通知はメールでもよい?」の2点があります。以下、それぞれの詳しい回答を紹介します。

採用通知書に法的効力はある?

採用通知書そのものに法的効力はありませんが、労働契約が成立したことの「証拠」としての効力はあります。

法的な観点で考えると、採用通知書を発行すると、「始期付解約権留保付労働契約」が成立したと解釈されます。「始期付」とは、採用通知から実際に働くまでに一定の期間があるという意味です。そして「解約権留保付」は、やむを得ない事情があった場合に、内定取り消しを行う可能性があることを示しています。

なぜ始期付解約権留保付労働契約が成立するかというと、「応募」が契約の申し込みに該当し、「採用通知」が申し込みの受諾に当たると解釈されるためです。採用通知書の発行によって、何かトラブルが起こった場合に、労働契約が成立していることを証明できます。

採用通知はメールでもよい?

採用通知はメールでも問題ありません。採用通知メールのメリットは、書面での通知に比べて、スムーズに情報を伝えられる点です。テンプレートを用意しておけば、効率的に採用通知が行えます。

採用通知メールを送信する際に特に重要なのが、件名を工夫し、他のメールに埋もれないように気をつけることです。内定者にとって、採用通知は重要性の高い情報です。「株式会社○○○○採用に関するご連絡」のように、一目見ただけで概要を理解できる件名にします。

採用通知をメールで送信する場合は、誤送信にも注意しましょう。「本来不採用だった人に採用通知をする」などのミスは、重大なトラブルにつながります。採用通知メールの書き方は、以下の記事を参照してください。

まとめ

採用通知書 まとめ

採用通知書は、法的に発行が義務付けられたものではありませんが、入社意思の確認や辞退の防止などさまざまな役割を持っています。本記事で紹介した書き方を意識しつつ、テンプレートを作成しましょう。

採用通知書を送付する際は、できれば電話連絡を併用するのがおすすめです。面接日から1週間以内を目安に、できる限り早く送付すると、内定者の印象も良くなるでしょう。

人事ZINEでは、「【Wordテンプレート】内定通知書」をご用意しております。Wordファイルですぐに活用できますので、ぜひダウンロードして業務にお役立てください。

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人事ZINE 編集部

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人事・採用担当者の悩みに寄り添うメディア「人事ZINE」の編集部です。 新卒採用オファー型サイト「OfferBox(オファーボックス)」を提供する株式会社i-plugが運営しています。