【25・26卒】就活生が企業に求めるものに関する意識調査アンケート|夏期インターンの希望は?
人事ZINE編集部(株式会社i-plug)は、2025・2026年卒の新卒採用市場について、企業・学生の動向を調査し、その結果を「市場動向調査レポート」としてまとめました。
慢性的な売り手市場のなか、近年は採用直結型インターンシップの解禁やオンライン活用といった目立つ動きもあり、新卒採用を進めるうえでは市場動向を理解する重要性が高まっています。
本記事では、調査レポートのなかでも特に「就活生が企業に求めるもの」という点にフォーカスして、学生の就職活動の進め方を見ていきます。
以下のページでは調査レポートをダウンロードしていただけます。より詳しい内容を知りたい人事・採用担当者の方はぜひご覧ください。

目次
アンケート項目1:どのような企業に魅どのような企業に魅力を感じますか?

最も多くの学生が魅力を感じるのは、「社内の雰囲気が良い」企業でした。次に多かったのは「給与、待遇が良い」企業です。人間関係は学生が特に気にする定番の項目ですが、それは今も変わっていないことが伺えます。また売り手市場であるのに加えて待遇改善が続いているなかで、学生の求める給与水準は上がっている可能性があります。
また、「成長できる環境がある」「将来性がある」といった項目も上位で、成長志向の学生が多いことが伺える状況です。
そのほか、「希望勤務地で働くことができる」「転勤がない」「フレックス制度を導入している」といった働き方に関する回答も多く、ワークライフバランスに対する学生の関心が高いことを示しています。
*参考:どうなる?25卒・26卒 新卒採用 市場動向調査レポート(春版)P.5
「社内の雰囲気が良い」ことが重要と回答した理由
なお人事ZINE編集部では2020年にも2021年卒の学生を対象に同様の調査を行っており、「社内の雰囲気が良い」と回答した人にその理由を聞いたところ、以下のような声がありました。
【相談・助け合いに期待して】
- 困ったときに助け合いができて、働きやすいから
- 過ごしやすい環境だと、相談や質問もしやすく働きやすいと思うため
- 普段からコミュニケーションが多い職場だと、仕事で困ったことがあれば相談しやすいため。
【生産性への影響を気にして】
- 雰囲気が悪いと、気持ちが締め付けられ、仕事が捗らない。
- ギスギスした雰囲気の中では効率のいい仕事ができないと感じるため。
- 仕事のパフォーマンスに影響すると感じるから。
- 良くないと仕事に集中出来ないから
【長く働きたい気持ちから】
- より長く勤めることができるため
- 持続可能性に直結するから
- どんな仕事をするにも、対人関係でストレスがあったら続かないと思うから。
- 長く続けるには必要であるから。
アンケート項目2:就職活動時の企業の情報収集方法について教えてください

学生が企業の情報を収集する主な手段としては、ナビサイトが依然多く、これに次ぐのがスカウト型サービスでした。イベント(合同説明会・マッチング)も重要な情報収集手段で、3番目という結果です。
この結果から、ナビサイトは現在も企業側にとって広く情報を提供するうえで有効手段であることが分かります。一方、スカウト型サービスもほぼ同じ割合でした。このことから、企業がスカウト型サービス上に掲載する企業情報やスカウトメールでの情報提供が学生にとっても重要な情報源となっているといえます。
3番目のイベント(合同説明会・マッチング)も、学生が直接企業と対話し、企業の雰囲気を感じたり詳細な情報を得たりする機会として重要であることが示唆されています。
*参考:どうなる?25卒・26卒 新卒採用 市場動向調査レポート(春版)P.12
アンケート項目3:夏期インターンシップについての希望を教えてください

企業の65.8%が夏期インターンシップの開催を予定しているのに対し、学生は98.3%と非常に高い割合で夏期インターンシップへの参加を希望しています。また、学生はインターンシップ後のフォローとして「内定につながる特別選考への参加」を希望しており、学生はインターンシップを「早期に選考を通過し就職活動を有利に進めるための機会」と考えている傾向があるようです。
インターンシップの形式について、企業と学生の両方がオンラインと対面と回答しています。コロナ禍をきっかけに普及したオンライン活用ですが、オンラインを活用するという考え方は企業側・学生側両方にも定着しているといえそうです。
インターンシップの日程に関して、企業は1dayの開催を想定している一方で、学生は2〜4daysという比較的長期インターンシップを希望しています。学生は短期間ではなく、ある程度の期間をかけて企業の業務を深く理解したいと考えていることがわかります。
*参考:どうなる?25卒・26卒 新卒採用 市場動向調査レポート(夏版)P.9
アンケート項目4:オファーを承諾するときどのような情報を重視していますか?

最も多くの学生がオファーを承諾(返信や面談への参加、正式応募など)する際に重視する情報は、「給与や福利厚生」でした。企業への魅力としては職場の雰囲気や働き方、キャリアパスなどさまざまな要素がありますが、オファーを受ける際の最初の条件としては待遇面が重要であることが分かる結果です。
次に多かったのは「仕事内容・職務内容」「業界」でした。これらは、学生が自分のキャリアを考えるうえでも重要な要素であり、調査結果からも関心が高いことが示された状況です。
「企業情報」という回答も多く、企業の基本情報やビジョン、文化などが学生にとって重要であることが分かります。
また見逃せないのが5番目の「自分へオファーを送った理由」です。学生はオファーを受けたからといって前向きになるとは限らず、「企業が自分をどのように評価しているのか」さらには「自分を丁寧に理解してくれているか」を気にすることが分かります。
*参考:どうなる?25卒・26卒 新卒採用 市場動向調査レポート(春版)P.13
アンケート項目5:内定承諾の決め手は何ですか?

上位2つは「福利厚生」「給与」でした。前掲の「どのような企業に魅力を感じますか?」という質問に対して「社内の雰囲気」や「成長できる環境」といった回答が多いと紹介しましたが、最終的に入社する1社を選ぶ際は待遇面が重要であるということが分かる結果になりました。特に近年は慢性的な売り手市場かつ物価高で、各企業とも賃金を上げている状況です。そのようななか、学生は提示される待遇をシビアに評価している可能性があります。
「人間関係」という回答も多く、学生にとっては常に重要視される要素だと分かります。職場の人間関係は働きやすさや職場の雰囲気に大きく影響し、仮に人間関係が悪いと心身の不調や早期離職にもつながる重大な要素でもあるため、学生はこの点も慎重に見極めています。
*参考:どうなる?25卒・26卒 新卒採用 市場動向調査レポート(夏版)P.24
アンケート項目6:内定後にどのようなフォローが欲しいですか?

内定後のフォローとして人事との面談を希望するという回答が最も多く、次いで人事以外の社員との面談を希望する回答でした。これは、学生が内定後も企業側との人的なコミュニケーションを重視していることを示しています。特に人事担当者は「応募段階からの伴走者」という役割のことも多く、内定者が自身のキャリアパス・成長機会や入社するうえでの不安・疑問について相談できる相手として重要視されている可能性があります。
また、内定者研修を希望する学生も多く、重要なフォローアップ施策といえるでしょう。内定者研修は、企業の文化や業務内容を深く理解したり事前に知識・スキルを習得したりする機会でもあり、学生にとっては企業にスムーズに適応するための重要なプログラムです。
そのほか「社内見学、工場見学」「内定者同士のレクリエーション」「食事会」といった回答もありました。これらのフォローアップ活動は、内定者間の連帯感を高め、入社に向けた意識を整えるためにも効果的です。
*参考:どうなる?25卒・26卒 新卒採用 市場動向調査レポート(春版)P.15
アンケート項目7:内定後でも就職活動を継続する理由は何ですか?

内定後も就職活動を継続する理由として最も多く挙げられたのは「時間をかけて比較検討したいから」でした。売り手市場のなかで、学生は複数の企業から内定を獲得しやすい状況にあり、複数社の条件を慎重かつシビアに見極める傾向があるようです。
次に多かったのは「本命の選考が控えている、続いているから」でした。このことから、早期に内定を出せば学生に入社してもらいやすいというわけではなく、他の魅力的な企業との比較が続くということが示唆されます。同時に、自社が採用ブランディングを強化して本命の立場を獲得できれば、全体的に選考が早期化しているなかでも採用を有利に進められる可能性があることも分かる結果です。
*参考:どうなる?25卒・26卒 新卒採用 市場動向調査レポート(夏版)P.7
就活のアンケートに関するよくある質問(Q&A)

就活のアンケート作成・収集に関するよくある質問について回答します。採用担当者の方や、経営者の方はぜひ参考にしてみてください。
説明会後に就活アンケートを実施する目的は?
説明会アンケートは、ただ感想を集めるだけではなく、採用活動全体をより良くするための大切なツールです。主な目的は次の4つです。
| 目的 | 詳細 |
|---|---|
学生の志望度や不安を見える化する |
学生がどれくらい選考に進む気持ちがあるか、不安に思っている点は何かを把握できます。志望度が低い学生には追加フォローをするなど、内定辞退を減らす対策が可能です。 |
説明会の満足度を数値化して改善に活かす |
「どの内容が響いたか」「説明不足な点はどこか」をデータとして確認でき、次回以降の説明会の質を上げられます。 |
自社の魅力を再発見する |
学生がどこに魅力を感じたかがわかるため、求人票や採用サイトのメッセージづくりに活かせます。 |
採用活動の効果測定のデータにする |
満足度や志望度の推移を継続して測ることで、採用の成果を経営層にわかりやすく報告できます。 |
就活のアンケートに入れるべき内容は?
アンケートは、目安として「10問以内・3分以内」に答えられるようにするのがコツです。
必須+推奨項目を3つのカテゴリに分けて設計すると、回答者の負担を抑えつつ、分析しやすくなります。
| カテゴリ | 目的 | 例 | 備考 |
|---|---|---|---|
基本情報 |
誰の回答かを特定する |
・氏名 |
既に把握している場合は最小限にする |
説明会の評価 |
体験の満足度を知る |
・満足度(5段階) |
数値と自由記述1問がおすすめ |
志望度や今後の希望 |
次のアクションに活かす |
・選考への意欲 |
個別フォローや対応に役立つ |
自由記述は1~2問にとどめ、選択式を中心にして、スマホで1画面に収まるようにすることで、回答者の負担を減らしましょう。
アンケートの回答をより多く集めるにはどうすればいい?
アンケートの回収率を高めるための具体的な施策は以下の通りです。
| 施策 | 詳細 |
|---|---|
説明会の最後に記入時間を設ける |
退出前の5分でその場で書いてもらうと回収率がアップします(オンラインでも有効)。 |
質問数は最小限・3分以内に終わる設計にする |
設問が多いと途中で離脱されやすいので、設問を10問以内にしたり、進捗バーを設置したりして、負担を軽くします。 |
スマホで回答しやすいフォームにする |
モバイル対応を徹底し、ストレスなく入力できるようにします。 |
リマインドをする |
説明会当日の夜と2日後の2回、短いメールで促すのが効果的です。 |
アンケートの目的を事前に伝える |
「次回説明会の改善に役立てます」など、学生に意義を伝えると協力してもらいやすくなります。 |
まとめ

本記事では、調査レポートをもとに「就活生が企業に求めるもの」についての回答を読み解いてきました。学生は、待遇や社内の雰囲気、自身の成長環境といった要素を重視しており、売り手市場や選考活動早期化のなかで複数企業を慎重に比較検討しているという傾向が読み取れました。最終的に入社の決め手になる要素として「待遇」「人間関係」「成長できる環境」といった複数のポイントはありますが、企業側は「学生はこういったポイントをシビアに見極めて、他社とも比較検討している」という状況を認識することが重要でしょう。
また情報収集では、従来のナビサイトに加えてスカウトによる情報収集も数多く挙げられており、ダイレクトリクルーティングといったスカウト型媒体の重要度が上がっていることが示唆される結果でした。
企業は、学生のニーズや選考手法の変化を踏まえつつ、柔軟に採用戦略を設計・調整することが欠かせません。以下のページからは調査レポートをダウンロードいただけます。今後の採用活動の計画・手法を検討する際のヒントとしてご活用ください。

