面接評価シートのテンプレート・記入例と活用のポイント

面接評価シートのテンプレート・記入例と活用のポイント
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面接評価シートは、面接時の質問内容・評価に一貫性や公平性を持たせるために、評価項目・評価基準をまとめた文書です。現在はインターネットを通じてテンプレートを手軽に入手でき、「面接の属人化をなくしたい」「より精度の高い面接の質問・評価の方法を確立したい」といった課題に合わせてアレンジして利用できます。

本記事では面接評価シートの概要や、活用するメリットやデメリット・注意点を解説します。また実践的な内容として、面接評価シートの具体的な作り方・書き方、面接評価シートを効果的に活用するためのポイント、幅広い面接で活用できる無料テンプレートも紹介します。

人事ZINEでは、人事・採用担当者の方に向けて、「【サンプル】面接評価シート(記入例付き)」をご用意しております。基本的な面接の評価方法の解説もあり、記入例も見ながら独自の評価シート作成に役立てていただけます。面接評価でお悩みの方はぜひご活用ください。

【サンプル】面接評価シート(記入例付き)
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『面接評価シート』のテンプレートをExcelファイル形式でダウンロードできます。これから面接評価シートを作る人事担当者の方や、自分なりにメモとして持っておきたい面接官の方にご活用いただけます。
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面接評価シートとは

面接評価シートとは

採用活動で用いられる面接評価シートとは、求める人物像に沿って、評価項目やその評価基準をまとめた文書です。面接官は面接評価シートの各評価項目を採点し、合否や総評を書き込みます。

面接評価シートを作成する目的は、一定の手順・基準で候補者を評価するためです。面接官が候補者に自由に質問すると、質問内容に漏れが生じたり、評価項目・基準がバラバラになったりすることもあるでしょう。そこで面接評価シートを用いて評価の一貫性や公平性を確保します。

面接評価シートを用意するにあたっては、ゼロから作成するほか、就職情報関連サイトなどが提供しているテンプレートを参考にするのも手です。ただし、求める人物像は企業によってさまざまなので、自社の採用基準に合わせてテンプレートをアレンジしましょう。

面接評価シートを活用するメリット

面接評価シートを活用するメリット

面接評価シートを活用する主なメリットは3つあります。

1つ目は一貫性があり公平な選考を実現できる点です。面接評価シートがなければ、面接官が注目する特性にバラつきが出ますし、主観も入りやすくなります。しかし、面接評価シートがあれば、基本的な評価項目については誰が面接しても一定の基準で評価できます。

2つ目は候補者を多角的に評価しやすい点です。一般的に、面接評価シートは協調性や成長意欲、理解力のようにさまざまな評価項目をバランス良く盛り込みます。そうすることで、候補者のパーソナリティ・能力をさまざまな角度から可視化できるのがメリットです。

3つ目は面接後の比較や振り返りが容易になる点です。面接評価シートをもとに定量的なスコアをつければ、他の候補者との比較がしやすいでしょう。また、面接評価シートに面接官の総評や所感を記録する欄を設けておけば、具体的なやりとりを振り返りやすくなり、社内での情報共有もスムーズです。

このように面接評価シートを上手に活用すれば面接・評価の質を高められます。

面接評価シートを活用するデメリット・注意点

面接評価シートを活用するデメリット・注意点

面接評価シートの活用にはメリットがある一方、必ずしも適切な評価ができるとは限りません。

まず理解しておきたいのは、面接官が面接評価シート頼りになってしまうと、その候補者ならではの特性を見落とす可能性がある点です。面接評価シートは数値化しやすい項目の評価に向きますが、ポテンシャルや価値観といった定性的な評価をする場合はどうしても面接官の主観が入り込みます。例えば、独創的なアイデアを持つ人物がいたとしても評価項目に該当しなければ評価できませんし、定性的な個性があっても段階評価にあてはめにくい場合も少なくありません。

もう1つは、面接評価シートの精度を上げようと項目を増やすと作成・評価タスクが複雑になり、記入のための時間と労力も増えてしまう点です。評価項目が多いと、項目をこなそうとして面接の質問が機械的になってしまい、人物像を深掘りする質問ができなかったり、本音を引き出せなかったりします。また、面接評価シートが複雑化すると、合否判定や候補者同士の比較が難しくなる場合もあるでしょう。

面接評価シートはあくまで面接官の判断を補助する手段なので、できるだけシンプルに作成、運用することが大切です。

【記入例付き】面接評価シートの作り方・書き方

【記入例付き】面接評価シートの作り方・書き方

ここからは、具体例を挙げながら面接評価シートの作り方・書き方を解説します。ここで解説する内容は、求める人物像が明確になっていることを前提にしています。まだ明確でない場合は、求める人物像の構成要素を決めてから面接評価シートの作成・記入に移っていきましょう。

「求める人物像」の設定方法の詳細は以下の記事をご覧ください。

評価項目・評価基準

まず自社が求める人物像をもとに、評価項目をできるだけ多く洗い出します。「マナー・礼儀」「行動・姿勢」「思考力」「知識・経験」のようにジャンル別に考えると、漏れや偏りなく、多角的な評価項目を洗い出せるでしょう。

続いて評価項目を絞り込みます。ここでは自社が重視する項目に沿って絞り込むことが大切です。特に1人当たりの面接時間が短い場合には、優先度の低い項目は除外するとよいでしょう。

評価項目が決まったら、評価基準も併記します。面接官によって観点や尺度が変わらないようにポイントを簡潔に記述しておきましょう。

【作成・記入例】

評価項目評価基準
関係維持力

・良好な人間関係を継続的に保てるか
・信頼関係を築くためのコミュニケーション力があるか

成長意欲

・未経験の事柄を積極的に学ぶ姿勢があるか
・スキルを高める活動(資格取得、学校外の活動など)をしているか

評価・メモ

評価方法は、5段階評価、または3段階評価とするのが一般的です。5段階評価なら「1:非常に悪い、2:悪い、3:ふつう、4:良い、5:非常に良い」、3段階評価なら「1:悪い、2:ふつう、3:良い」で採点します。

評価方法は自社の目的に合わせてアレンジしてもよいでしょう。例えば、応募者を少人数に絞り込みたい場合は「ふつう」がない4段階評価にすると選定しやすくなります。

また、評価の自由度をある程度持たせるためにメモ欄を設けるのも良い方法です。選考時、定量的な情報だけでは決め手に欠ける場合に、メモの自由記述のコメントが参考になることも多くあります。

【作成・記載例】

評価項目評価基準評価メモ
関係維持力

・良好な人間関係を継続的に保てるか
・信頼関係を築くためのコミュニケーション力があるか

1・2・3・4・⑤

・大学時代に落語研究会に所属しており話に引き込む話術と明るい笑顔が長所。ムードメーカー的な役割を期待できると思われる

成長意欲

・未経験の事柄を積極的に学ぶ姿勢があるか
・スキルを高める活動(資格取得、学校外の活動など)をしているか

1・2・3・④・5

総評

総評は、各候補者が「合格」「不合格」のどちらに該当するかを記入する欄です。また総評欄には、合否の理由や面接官の所感、申し送り事項などを書き込むスペースも設けておくとよいでしょう。

【作成・記載例】

総評

合格・不合格・保留

【理由・所感・申し送り事項】
海外留学で視野を広めたり資格取得をしたりと成長意欲が高い。また、同じアルバイト先で長期間の就業経験を持っており、社会人としての適性も問題ないと考えられる。一次面接通過の要件を満たしているので合格。

基本情報

基本情報には、候補者の氏名、面接日、面接官の名前、面接形式などを記入します。必要に応じて、面接や履歴書などから得た情報を記入する備考欄を設けておくのもよいでしょう。備考欄には就職活動の状況や面接の目的などを記入します。

【作成・記載例】

学生氏名(出身大学)

◯◯ ◯◯(◯◯大学)

面接日

2024年5月20日

面接官の氏名

◻️◻️ ◻️◻️

面接形式(対面・Web)

対面

備考欄

・競合2社も選考中
・○○社書類選考中
・△△社二次面接待ち

上記のほか、ファイル名のフォーマットや、文書を特定するための管理番号などを決めておくと文書を管理しやすくなります。

面接評価シートのテンプレートを活用する際のポイント

面接評価シートのテンプレートを活用する際のポイント

既存のテンプレートを使用することで、面接評価シートの作成にかかる時間と労力を大幅に削減できます。テンプレートはExcelファイルで提供されている場合が多く、自社が求める人物像や面接内容に合わせて自由にカスタマイズ可能です。ここでは、面接評価シートのテンプレートを活用するポイントを具体的に紹介します。

なお人事ZINEでは、人事・採用担当者の方に向けて面接評価シートのテンプレート(Excel)をご用意しております。面接評価シートに加えてその記入例や、面接評価の方法まで解説しており、すぐに現場で役立てていただくことが可能です。

面接評価シートのテンプレート(Excel)はこちら

面接評価シートのテンプレート

人事ZINEでは、人事・採用担当者の方に向けて面接評価シートのテンプレート(Excel)をご用意しております。面接評価シートに加えてその記入例や、面接評価の方法まで解説しており、すぐに現場で役立てていただくことが可能です。

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新卒採用と中途採用で内容を変える

基本的には新卒採用と中途採用で面接評価シートを分けるのがおすすめです。なぜなら新卒採用と中途採用では評価項目や重視するポイントが異なるからです。

以下に新卒採用と中途採用の主な違いをまとめました。

新卒採用 中途採用
評価の軸

ポテンシャルや基礎的な能力を重視

即戦力としての具体的スキルを重視

重要な評価項目

・向上心・好奇心
・論理的思考能力
・協調性・コミュニケーション力
・志望動機(熱意)
など

・専門的な知識、技術力
・マネジメント力
・実務経験・実績
など

このように新卒採用と中途採用では評価で重視する項目が違うため、別々の面接評価シートを作成するとそれぞれの場面で面接・選考の最適化につながります。

評価項目を絞る

評価項目が多過ぎると、多くの質問をしなければならなくなり記入も大変です。評価項目をこなすために機械的に質問しても時間がかさんでしまいます。また、面接官がそれぞれの評価項目を十分に理解できないまま面接に臨むことで面接・評価の質が落ちるリスクもあるでしょう。

面接評価シートは、1~2ページを目安に収めます。そのためには、最低限の評価項目に絞り込む意識が必要になるでしょう。また、Must(必須)要件とWant(歓迎)要件に区分するのも良い方法です。2つに分けると、面接で質問する順番や時間配分をコントロールしやすくなります。

質問シートを合わせて作成する

面接評価シートにひも付く質問票を作成しておくと、面接の一貫性を保ちやすくなります。また、面接官の負担を減らしスムーズに対話できるようになるのもメリットです。

質問票には、例えば以下のような内容を記述します。

評価項目 例文
知識やスキル

・前職ではどのような業務を担当していましたか?
・大学ではどの分野を専攻・研究していましたか?

価値観

・仕事で最も大切にしていることを教えてください
・あなたが人生で大切にしている価値観は何ですか?

協調性

・学生時代に仲間と取り組んだ活動はありますか?
・チームワークは職場にどのようなメリットをもたらすと思いますか?

上記はあくまで一例です。大切なのは、評価基準をもとに、面接の一貫性・公平性が保てる仕組みを作ることです。そのためには、質問票の内容と面接評価シートの評価項目を対応させる必要があります。

まとめ

まとめ

面接評価シートは、面接の質を高めながら面接官の負担を減らせるとして多くの企業が活用しています。面接評価シートと合わせて質問票も作成しておけば、面接の一貫性や公平性が高まり、ひいては自社が求める人材の獲得につなげられます。

とはいえ、面接評価シートをゼロから作るには知識・経験が必要で、また手間や時間がかかるのも事実です。面接評価シートを作成する際は、テンプレートを参考にしながら、自社の求める人物像や採用基準に合わせてアレンジするのが効率的です。

人事ZINEでは、人事・採用担当者の方に向けて、面接評価シートのテンプレート「【サンプル】面接評価シート(記入例付き)」をご用意しております。記入例や解説が充実しており、実務ですぐに使えるものになっております。ぜひこの機会にお役立てください。

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人事ZINE 編集部

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人事・採用担当者の悩みに寄り添うメディア「人事ZINE」の編集部です。 新卒採用オファー型サイト「OfferBox(オファーボックス)」を提供する株式会社i-plugが運営しています。