【例文つき】面接でストレス耐性を見極める質問例とは?コツと注意点!
面接において応募者のストレス耐性を確かめるためにはどのような質問が効果的なのでしょうか。
仕事では多少なりともストレスがかかるもので、円滑に仕事を進めるためにはストレス耐性が欠かせません。そこで、面接で応募者のストレス耐性を見抜くには、テクニックや質問例を知っておくと役立ちます。
この記事では面接でストレス耐性を確かめることの重要性や、ストレスに強い人の特徴、面接時にストレス耐性を確かめる質問例などを紹介します。
また、ストレス耐性以外にも面接で見極めたいポイントは多くあることと思います。人事ZINEでは、引き出したい事柄別に面接質問のサンプルをまとめた、質問例文集をご用意しています。こちらもぜひダウンロードしてご活用ください。
目次
採用担当者が知っておきたいストレス耐性に関する基本
面接時に採用担当者が質問をする主なテーマの1つが、ストレス耐性に関することです。それだけで採用を決めるわけではありませんが、採用の1つの判断材料にはなります。まず、採用担当者として知っておきたいストレス耐性の基本について見てみましょう。
応募者のストレス耐性を知る重要性
面接時に、なぜストレス耐性を知る必要があるのでしょうか。
社会では人間関係や責任、成果へのプレッシャー、トラブル対応、人事評価、新しい環境への適応など、ストレスがかかる要素が多々あります。ストレスに対応できれば安定的に高いパフォーマンスが発揮できますが、ストレスがかかりすぎるとメンタルヘルスの不調を招くことがあります。
やる気が出なくなり、企業に定着できない場合もあります。それではせっかく採用しても、企業にとっても本人にとってもよい状態とはいえません。
もちろん、ストレス耐性は経験や年齢によって変わっていく場合があります。また、ストレス耐性が低いからといって、優秀ではないということはありません。
ただ、現在のストレス耐性のレベルと、任せる業務のミスマッチを防ぐためにも、知っておきたいところです。
ストレス耐性の6つの要素
ストレス耐性に関わる能力は以下の6つの要素に分類できます。面接時にはこれらの要素に分けてチェックするとよいでしょう。
- 感知能力
- 回避能力
- 処理能力
- 転換能力
- 経験値
- 容量
感知能力
感知能力とは、ストレスの原因(ストレッサー)に対して敏感に感知する能力です。感知能力が低ければストレスを感じにくいため、プレッシャーがかかりやすい仕事で有利となります。一方、感知能力が高ければ、仕事上で注意すべきストレッサーに早めに気づけるという利点もあります。
回避能力
回避能力とは、ストレッサーを回避する能力です。ストレッサーに対して割り切ったり流したりする力を指します。クライアントからクレームを受けたり不条理なことをいわれたりしても「そういうこともある」と割り切ることができます。
処理能力
処理能力とは、早い段階でストレッサーに対して適切な処理をすることで、ストレスを弱めたりなくしたりできる能力です。処理能力が高い人は仕事で問題が起きた時にも、冷静に原因を見つけ処理できます。
転換能力
転換能力とは、ネガティブな要素もポジティブに転換できる能力です。仕事でミスをしたり注意を受けたりした時にも、次への糧にできます。
経験値
経験値とは、人生で経験を積むことで鍛えられたストレスへの強度です。何度も同じストレッサーを経験すれば、精神的に強くなったり、適切な回避の仕方を覚えたりします。部下や後輩にも冷静にアドバイスができるでしょう。
容量
容量とは、ストレスを抱えられるキャパシティです。人によってストレスに対する心の容量は異なります。容量が多い人は同じストレッサーに出会っても我慢できますが、容量が小さい場合には大きな負担となります。
データからもストレス耐性を分析可能
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【種類別】面接で使えるストレス耐性を確かめる質問例
面接でストレス耐性を確かめるためには、どのような質問が効果的なのでしょうか。上述した6つの要素別に、質問例を紹介します。何気ない会話や質問からもストレス耐性は見えてきます。
1.ストレスの感知能力
ストレスの感知能力を知るには、例えば以下のような質問をするのがおすすめです。
- ストレスを感じるのはどのような時ですか?
- 今まで仕事やアルバイトをした際にはどのようなことにストレスを感じましたか?
もし、自社の業務と関連するような内容で応募者がストレスを感じやすいような場合には注意が必要です。
さらに「どのような時に眠れなくなりますか?」と聞いてみてください。感知能力が高い人は眠れなくなった体験が多い可能性があります。しかし、感知能力が低い人は「眠れないということはありません」「旅行の前日は嬉しくて眠れなくなります」など、それほど苦にしていないような回答をすることが多いようです。
2.ストレスの回避能力
回避能力を確かめるには、以下のような質問がよいでしょう。
- 顧客からクレームを受けた場合にどう感じますか?
- お客様から理不尽なリクエストを受けた時にどう思いますか?
クレームを受けたり、理不尽な要求を受けたりするのは、人によっては大きなストレスになるものです。それに対して「そういうこともある」とさほど負担を感じていないようであれば、回避能力は高めだと考えられます。
また、ストレートに「ストレスを感じるのはどのような時ですか?」「ストレスを感じた時はどうしていますか?」と聞いてみるのもおすすめです。気分転換の仕方を即答できる人はストレス回避が上手い人です。
3.ストレスの処理能力
ストレッサーに出会った時に上手く処理ができているかを知ることができるような質問をしてみてください。
- 今までで最も大きかった挫折の内容と、乗り越えた方法を教えてください。
- 人間関係でトラブルになった場合にはどのように対処していますか?
自分なりの乗り越え方を明確に説明できる場合には処理能力が高いと考えられます。
仕事をしていく上で最もストレスを感じやすいのが人間関係です。人間関係について自分なりのストレスの処理方法を持っている人は、仕事でも感情のコントロールが上手にできます。
4.ストレスの転換能力
ストレスの処理能力と同様に「トラブルの乗り越え方」を聞いてみると、転換能力が見えてきます。マイナス要因もポジティブに受け止められる場合には転換能力が高いといえます。例えば以下のように聞いてみるとよいでしょう。
- 今までで大きく失敗をした経験を教えてください。
- また、失敗した際にどう考えましたか?
もし、解決したエピソードに付随して「この失敗をもとに、大きく成長しようと思った」「よい学びの機会となった」と何かの糧にするといった回答があった場合には、ストレスの転換能力がある人の可能性が高いです。
5.ストレスの経験値
ストレスの経験値を確かめるには以下のように聞いてみるとよいでしょう。
- 今までで最も大きな挫折は何ですか?
- 壁に当たった時にどうやって乗り越えましたか?
また、新卒であれば「学生時代に打ち込んだこと」について、中途採用であれば「前職で打ち込んだ業務の内容」など、過去に積み上げた経験について聞くのもよいかもしれません。
そして「そのなかでどのようなポジションを果たしたのか」「困難に出会った時にどのように乗り越えたか」を聞いてみるとよいでしょう。集団の中心的な役割のなかでしっかりと壁を乗り越えてきたならば、ストレスの経験値も高いかもしれません。
6.ストレスの容量
ストレスの容量は個人差があります。応募者がどの程度の容量を持っているかがわかるような質問をします。
- 今までストレスを感じた経験を教えてください。
- ストレスに耐えきれなくなりそうな時はありましたか?
と聞いてみて、ストレスを感じた頻度やストレッサーの大きさで、その人のストレス耐性の容量が見えてきます。
また、容量を知る際にも感知能力の時と同じように「どのような時に眠れなくなりますか?」と聞いてみてください。日常でどのような心の動きをしているかが見えてきます。
以上はあくまでも質問の一例です。面接を実施する際は、自社の業務や社風なども考慮しながら質問を考えるとよいでしょう。
面接時に相手のストレス耐性を見抜くためのコツ
ストレスに強い人は物事を前向きに考えることができ、チームやプロジェクトに対して好影響を与えられます。ストレスに強い人の特徴や、面接時に質問をするコツについて紹介します。
ストレスに強い人の特徴を知る
まず、よい意味での鈍感力を持っている人がストレスに強い人だといえます。さらに、自分の芯を持ち他人の価値観に振り回されない人の方が、ストレスへの強さを発揮します。楽観的でマイペースな人、自分をきちんと受け入れられる人、集中力がある人もストレスに強いという傾向を見せます。
一方、几帳面で責任感が強い人や悩みやすい人、自分に厳しい人は、何かあった時に自分を責めてしまいストレスを抱え込んでしまいます。また、怒られるのが苦手な人や、問題があるとすぐ逃げてしまう人も、ストレスに弱いといえるでしょう。
掘り下げて質問する
ストレス耐性に関する質問をする時には、過去にストレスを感じた時のエピソードなどを掘り下げることをおすすめします。「ストレスに強いですか?」というストレートな質問では主観的な回答になりかねません。その点、実際にあったエピソードを聞けば、より客観的で素に近い状態を知ることができます。
また、応募者の回答に対して「理由を教えてください」「なぜそう思いましたか?」などと質問を重ねていくこともポイントです。応募者は最初の回答の時点では事前に準備した「やや加工した回答」をしている可能性があります。そこで、掘り下げるような質問をしていき、矛盾点がなければ応募者の回答は信頼できるものと判断できるでしょう。
面接でストレス耐性を確かめる際の注意点
採用の面接時にストレス耐性を確かめる質問をするのは一般的になっていますが、いくつかの注意点があります。質問の仕方を間違えると上手く話を引き出せなかったり、圧迫面接だと思われたりすることがあります。注意点について確認しましょう。
過度な圧迫面接は避ける
面接でストレス耐性を見極めようとする際に気をつけなくてはいけないのが、過度な圧迫感を与えてしまうことです。ストレス耐性を知りたいからといって、必要以上に強いプレッシャーをかけたり厳しい質問をしたりしても、よい結果は得られません。
これは、面接を受ける側が余計に緊張して本来の姿を見せにくくなるからです。圧迫により恐怖心や嫌悪感を応募者が持ってしまえば、心を閉ざしてしまう場合もあります。
また、過度な圧迫を与えたことで「パワーハラスメント」「ブラック企業」といった印象を持たれ、企業のイメージを損なう場合もあります。パワハラを受けたと口コミで広まれば、企業に損害を与えかねません。
過度な圧迫で相手を萎縮させることがないように注意しましょう。「適度」を心がけることが大切です。
複合的に評価する
人の心は複雑なため、1つの要素だけで判断をするのは危険です。ストレス耐性は1つの質問だけで判断をするのではなく、いくつかの質問や会話のなかで複合的に評価をすることが大切です。
ストレス耐性に関する質問の受け答えが芳しくなく自信がなさそうでも、必ずしも「ストレス耐性がない」とはいえません。もしかすると、面接ということで少なからず緊張していて、普段通りの受け答えができていないだけかもしれません。
ストレス関連の質問への受け答えは好印象でなくても、実際は部活や学業、アルバイト、前職などで過去に優れた実績を挙げているかもしれません。その場合はストレス耐性を持つ人材の可能性があります。
面接の限界も理解する
面接には限界があることも理解しましょう。
ここまで、面接時に応募者のストレス耐性をチェックする方法を紹介しましたが、短い面接時間だけで応募者のストレス耐性を正確にチェックするのには限界があります。
面接では会社側がストレス耐性に関する質問をしたり、あえてプレッシャーをかけて応募者の様子を観察したりしても、応募者も想定質問を割り出して対策をしているので、素の状態を知ることは難しいものです。
また上述のように受け答えの結果がよくない人でも、実は現場ではストレスへの強さを発揮したり、多少ストレスに弱くても素晴らしいパフォーマンスを出したりする可能性もあります。
面接での評価は参考程度としつつ、より正確に把握したいなら専門のストレス耐性テストなどを利用するのも手です。
まとめ
この記事では、面接官が知っておきたいストレス耐性の意味・要素や、ストレスを確かめる質問例とコツや注意事項について解説しました。
面接時の注意事項としては「過度にプレッシャーをかけない」「できるだけ具体的に掘り下げる」などが挙げられます。プレッシャーをかけすぎるとブラック面接となってしまいますが、具体的に掘り下げないと、応募者が本当のことを話しているのかどうかわかりません。「適度」を心がけることが大切です。
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