サバンナ女子の就活:就職は運命じゃない、決断だ。

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『サバンナ先輩は、どうやっていまの就職先に決めたんですかぁー?』

今、後輩からLINEでこんなメッセージが届きました。純粋な後輩のふりをして、なんてメンドクサイ質問をこの子はぶつけてくるんだ…と思い、いつも通り伝説の就活奥義「縁かな」を発動させようとしたとき、私の中のもう1人の私がささやきました。

 

いや、待て。本当にそれでいいのか?

本当にこんなキラキラした純粋な目で、質問をするこの後輩に『』なんて抽象度が高すぎてもはやそれが何のかわからないような答えを、どや顔で言ってもいいのか!!

いや、サバンナたるもの、常に具体的且つ明確な答えを持つべきだ!

瞬時に考えろ!私!!いますぐ!!LINEに既読をつけてしまったんだよ!!

 

自分の当たり前は決して他人の当たり前ではない

入社を決める最後の決め手は何かを教えてくれたのは、今の内定先とまったく関係のないある企業でした。

その企業はまるで菩薩のように穏やかな企業でした。どれくらい菩薩かというと、

グループディスカッション選考で、人事の方が「この本を読んでおけば、選考の役に立つかと思います」と教えてくださるぐらい菩薩企業でした。結論を出すのが難しいグループディスカッションでヒントをくれるなんて、クロスワードの90%すでに解答済みと同じぐらい菩薩で、軽量自転車にさらに電動機能もつけちゃうぐらい菩薩でした。

 

『神様!!ありがとうございます!!』と私は2日前に本を買い、徹夜で読んで選考に臨みました。

 

そして選考当日。

徹夜で目の下にがっつりクマを作った白目の私を、選考メンバー6人が出迎えてくれました。メンバーも人柄がよさそうでかしこそうなメンバー。

グループディスカッションのテーマは『その企業が4年前に抱えていた課題』について自分たちで課題発見をし、課題解決を提案するというテーマでした。テーマ自体は難しいものでしたが、事前に教えてくださっていた本には、手順や考え方がすべて載っていたのでほぼ問題なく解決策を提示できる内容でした。

 

“神様ありがとう!!今日のグループディスカッションは楽しく過ごせそうです”

と神に感謝し、グループディスカッションを始めた矢先、ある事実に気づきました。

 

私 以 外 、誰 も 本 を 読 ん で い な い 。

そう、それはつまり、本に載っていた手順や考え方が通じないということで、1から出直し、考え直しということでした。さっき感謝した神様はどこに行ったのでしょうか…。

一気に就活のどん底、底なし沼に突き落とされる私。

 

『これが神のいたずらかぁぁぁあああああああああ(落下音』

 

底なし沼にどんどん沈んでいく状況を眺めながら

そして私自身も沈みながら思いました。『私はこの人たちとは働きたくないな』と。

 

志望度が低かったのかもしれない、前日忙しくて読めなかったのかもしれない。

でも実際これが仕事となったときに『そんなに大切なクライアントじゃないから~』『昨日は別件で忙しくて~』と言い訳をしながら、前情報を一切調べずに営業に乗り込むような人とは、ぜったい、ぜったい、ぜっっったいに働けないと思いました。

 

就職は運命じゃない、決断だ。

それまでは『同じ企業を志望しているんだから、大体みんな同じような志や価値観をもってるんだろうな~』とぼんやり思っていました。

でもそれは私の幻想でした。

 

『事前に準備していくこと』『お客さんを第一優先にしたい』

そんな私にとっての当たり前は、他人にとっての当たり前ではないし、

むしろ数人ではなく数十人、数百人集まる企業だからこそ、価値観の一致は奇跡的なことなんだと知りました。

 

その後私は、どの企業の面接に行っても

『お仕事で大切にされていることは何ですか!?』『クライアントと接するうえで大切なことは!!』と暑苦しく聞きまくりました。

暑苦しく聞きまくった結果、どの社員さんに聞いても、どの役職の人に聞いても

「私たちは、クライアントの利益になることしかしません」

「営業に行く前に、クライアントのことを大好きになるまで徹底的に調べます」

と答えてくださったのが、今の内定先です。

 

就活は焦りから志望度の低い、自分のしたいこととは違う、軸と合っていない企業にエントリーしてしまうときもあるかと思います。また、内定が出たら『こっちの方が給料いいしなー』『人事の人がいい人だしなー』といろんな迷いがでます。

けれども、私たちは人事の人と仕事をするのでは(配属によりますが)ありませんし、給料がどれだけ良くても仕事にやりがいを見出せなかったり、ほかの社員さんと考えが違うととってもとってもとーーーーーってもしんどいです。

 

なので私は、“社員さんや同期との仕事への熱量・価値観の一致”で今の内定先に就職すると決断しました。

 

はい、いまからLINEで後輩に返信します。