新卒学生が求める「福利厚生」とは?学生動向と採用を有利にする工夫

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新卒採用においては、学生が非常に重視するものの一つに「福利厚生」があります。福利厚生が充実していれば、学生に入社先として選んでもらえる可能性が高くなる、ということです。

しかし、採用難だからといって、新たに手厚い福利厚生を用意することは難しい…とお悩みの人事の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、学生が求める福利厚生とはどのようなものなのか、また大手企業のように立派な福利厚生が用意できなくても採用活動を有利にする「工夫」をご紹介します。

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目次

「福利厚生」とは? 〜定義と一般的な福利厚生の例〜

福利厚生とは、企業が従業員に対して、通常の賃金(給与)とは別に支給する報酬のことで、人材の獲得やモチベーション向上などを目的として、多くの企業で導入されています。

福利厚生には、「法定福利」と「法定外福利」があります。経団連の調査「福利厚生費調査」に沿って定義すると、

  • 法定福利費・・・社会保険料等のうちの企業負担分。従業員負担分は含まない
  • 法定外福利費・・・企業が任意に行う従業員等向けの福祉施策の費用

となります。

法定福利

法律で定められている福利厚生、すなわち、社会保険料の企業負担分を企業が負担すること。どの企業も同様に行っている。

法定外福利

法定福利以外に企業が費用を負担して従業員に提供する福祉施策。内容は企業ごとにさまざま。 例)家賃補助、レクリエーション活動への補助、企業内託児所、カフェテリアプラン、保養所 など

なお「カフェテリアプラン」とは、従業員に対し、費用と連動したポイントを付与し、福利厚生メニューの中から選択させる制度(例:1 人当たり 300 ポイント、1 ポイント=200 円)のことです。ポイントは、映画館のチケット購入や育児用品のレンタル料、介護サービス、ショッピングなど、一人一人が好きな用途に使用できます。

ちなみに福利厚生は、内容によって給与と同様に課税されるものと、非課税になるものとがあります。

新卒学生の企業選びの基準 トップ3は事業内容、社風、そして福利厚生

まず、下記の調査では、「企業選びの基準」(複数回答可)について学生が重視するものは

  • 1位 事業内容
  • 2位 社風
  • 3位 福利厚生

という結果が出ています

2021年卒の企業選びの基準

(株式会社i-plug『【学生アンケート】2021年卒の企業選びの基準』より)

福利厚生の中で最も重視するのは「家賃補助」など直接的・固定的な支給

福利厚生にもさまざまなものがありますが、学生が重視する項目については次のような調査結果が出ています。

「福利厚生をチェックするとき注目したポイント」(複数回答可)

  • 1位 家賃補助
  • 2位 社宅・社員寮
  • 3位 通勤交通費の支給
企業の福利厚生をチェックするとき注目したポイント

(株式会社マイナビ『2020年卒 マイナビ学生就職モニター調査 8月の活動状況』より)

学生が福利厚生を求める背景と「目的」

福利厚生を求める目的①:金銭的な不安を解消したい

今の若い世代は、人生に金銭的な不安を抱えていることが伺えます。事実、大学生に対する別の調査では、「将来について最も不安だと思うもの」の1位は「お金」でした(株式会社マイナビ『マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査(2019年11月調査)』より)。また企業選びの基準でも、3位「福利厚生」のほか、5位に「年収」がランクインしています。

福利厚生をチェックするとき注目したポイントでは、「家賃補助」と「社宅・社員寮」がトップ2の項目となっています。やはり、若手社員にとって都心部の賃貸住宅などの家賃は大きな負担になっていると思われます。また、3位にある「通勤交通費の支給」も含めて、直接的・固定的な金銭の支給を福利厚生に求める傾向が強く出ていると言えるでしょう

不況の時代に育った今の学生にとっては、給料やボーナスが右肩上がりに増えていく未来が想像しづらく、その分、安定的に支給される福利厚生としての金銭報酬を企業に期待していると考えられます。

福利厚生を求める目的②:ワークライフバランスが実現できる会社で働きたい

福利厚生をチェックするとき注目したポイントの上位には、

  • 4位 リフレッシュ休暇(連続●日間休める、等の制度)
  • 6位 育児支援(育休、時短勤務、子の看護休暇等)
  • 7位 独自の休暇制度(介護休暇、誕生日休暇、結婚記念日休暇等)

という項目もランクインしています。

結婚・出産しても共働きを続けることや、ワークライフバランスを重視することが一般的になり、「働きやすさ」を確かめるために福利厚生をチェックする学生も増えていると見られます。

ちなみに、6位の「育休・時短勤務・子の看護休暇」と7位に含まれている「介護休暇」は、法律で定められた権利のため、どの企業でも最低限は取得できるものです。しかし、法定以上の期間を休むことができる会社のほうが安心して働けると考える学生が多いのでしょう。

学生が憧れる人気企業の福利厚生は「メッセージ」を伴っている

調査結果にも見られるように、学生が想像している福利厚生とは主に「手当」と「休暇」です。学生がネットや口コミで情報収集をする中で、超人気企業の手厚い待遇やユニークな福利厚生はさぞインパクトがあるでしょう。有名な福利厚生制度の例を挙げると、次のようなものがあります。

  • 特定エリア内限定の家賃補助 (〇〇市に住んでいれば支給される)
  • 結婚祝い金・出産祝い金
  • 失恋休暇(失恋したら●日間休むことができる)
  • アニバーサリー休暇(誕生日や結婚記念日に休むことができる)
  • リフレッシュ休暇 (勤続の節目などにまとまった日数で休むことができる)
  • カムバック制度 (退職後●年以内であれば再度入社できる)
  • 副業・兼業(を推奨する)制度
  • オフィスバー (終業後や就業時間内にお酒が飲める設備)
  • 企業内保育所・託児所

これらはほんの一例ですが、こうした「福利厚生が充実している会社」として認知度も採用力もある人気企業の多くは、「なぜこの制度を作ったか」「制度を使ってどんな成果を上げてほしいか」などのメッセージを併せて打ち出しています。

単純に「こんなに手厚い」というアピールをするよりも、「なぜ」「何のために」をメッセージとして打ち出すことで、その理念や社風が学生の共感を得て、企業の人気に繋がっているのではないでしょうか。

安易に福利厚生を増やすことのデメリットとリスク

学生が福利厚生に求めるものは、一番が「手当」、次に「休暇(≒働きやすさ)」ということが伺えましたが、新卒採用を含む人材獲得競争を有利にしようとして、安易にこれらを導入・拡充するとなると、人事としては以下のような懸念があります。

  • 新入社員だけに適用するのは社内の理解が得づらいため、全社員に適用しなければならない
  • 同一労働同一賃金の規定により、非正規社員やアルバイト等も含む全従業員に適用しなければならない
  • 経営状況の悪化などにより制度を廃止したくても、就業規則の不利益変更になるため労働者と交渉して同意を得なければ廃止できない

このような広範囲への影響・福利厚生費の増大を考えると、採用のために安易に福利厚生を拡充してしまうことはあまりお勧めできません。自社の経営状況や人員計画なども長期的に見て、継続可能な範囲での福利厚生を導入したいものです。

そして、能力や成果に関わらず全員が受けられる福利厚生、つまり「全員一緒」の安心感は、「努力した人が認められる組織」と矛盾し、組織全体の生産性を下げてしまう部分もあります。

本来の人事は、能力や成果でもって会社の業績に貢献し、その評価に応じて支給される給与こそ多く支給できるように努力すべきだと思います。福利厚生はあくまで「+α」であり、経営が苦しくなれば削減される部分でもあります。従業員にとっての安心感は、給与で保証されるほうが健全と言えるでしょう。

良かれと思って用意した福利厚生が組織内の不公平感を産む理由

そもそも「福利厚生」は、能力や成果と一切関連性がない報酬です。活躍している人材だけでなく、そうでない人材にも、平等に適用しなければなりません。

例えば住宅手当についても、

  • 仕事の評価は低いけれど、賃貸住宅に住んでいるというだけで月数万円の住宅手当がもらえる社員
  • 仕事の評価は高いけれど、実家暮らしなので住宅手当がもらえない社員

の双方が生まれれば、不公平感に繋がってしまいます。

休暇も同様で、優秀な人材には仕事が集中しやすいことから

  • 評価は低いけれど、休暇を多く取得する社員
  • 評価は高いけれど、忙しくて休暇が取得できない社員

が生まれ、良かれと思って用意した休暇が、逆に不満を感じさせてしまうこともあります。

賃貸住宅に住む社員に家賃補助をしても、一方で実家暮らしの社員から「実家とはいえ賃貸だし、家にお金を入れているのに…」、また一方で持ち家を購入した社員から「住宅ローンだって大変なのに…」と不満が出るかもしれません。「うちの会社は、実家に住むな/家を買うな と言っているのだろうか?」と誤解される危険性もあります。

福利厚生も含めて、人事に関する制度は全て、会社から従業員への「メッセージ」です。制度はすべて、従業員へのメッセージとして伝わってしまうことを念頭に置く必要があります。

学生が「手当」と「休暇」の先に求めているもの

学生は「自分が受けられる手当や休暇制度は手厚いほうがいい」と自然に考えますが、就職活動時点では、そうした制度による不公平感・生産性などの“組織全体の問題”にまでは気づかないことが多いでしょう。

ただ、学生の求めているものは「手当」と「休暇」という項目になって表面化したものの、その真意は「将来への金銭的な不安」と「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)」であると言えます。

  • 手当に求めるもの・・・「もっとたくさんお金が欲しい」というより「生活と将来の貯蓄のために最低限の収入が欲しい」
  • 休暇に求めるもの・・・「とにかく休んで楽をしたい」というより「仕事だけの人生になってしまうと危険だ」

という危機感が働いているように思われます。

つまり、こうした学生の不安を払拭してあげられれば、高額な手当や福利厚生サービスを導入しなくとも新卒採用における学生への魅力づけは十分に可能だと考えられます。

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待遇では大手・人気企業に勝てない…という企業におすすめの「福利厚生テクニック」

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「大手企業は待遇が良い」というのは、事実です。企業規模ごとの福利厚生の充実度を見てみると、

「常用労働者1人1ヶ月あたりの法定外福利費」は、1000人以上の企業では約9,200円、30〜99人の企業では約3,800円という調査結果が出ています(厚生労働省『平成 28 年就労条件総合調査』)。

しかし、大手企業ほどのコストをかけなくても、魅力的な福利厚生は工夫次第で用意できます。以下に、高額な手当や福利厚生サービスを導入しなくても可能な、無理なく導入できるアイディアをいくつかご紹介します。

学生が「手当」と「休暇」を通して企業に求めているもの、「将来への金銭的な不安」の払拭と「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)」の実現を踏まえて、新卒採用で学生に自社の魅力をPRできるような福利厚生を考えてみましょう。

安価に導入できて社員にも喜ばれる福利厚生の例

下記に挙げているような福利厚生の制度は、金額はそれほど高額でなくても従業員が利用しやすく、メリットが受けやすいものです。また会社にとっても、社内のコミュニケーション活性化や個人のスキルアップ、生産性向上などが期待でき、一石二鳥の制度でもあります。

福利厚生サービス(パッケージサービス)

一般的に広く導入されているサービスで、従業員1名あたり数百円〜1200円程度で利用可能。従業員は飲食店やレジャー施設などの各種提携サービスを会員価格で受けられたり、特典をもらえたりする。

レクリエーション活動への補助

従業員同士が集まってスポーツや飲み会などを開催した際に、費用の一部(または全部)を会社が負担する。部署・役職・世代・拠点を超えた交流を推奨することで、社内コミュニケーションの活性化にも。

資格取得や自己研鑽への補助

書籍購入費用やセミナー参加費用などの一部(または全部)を会社が負担する。学んだあとは社内で勉強会を開くなどしてアウトプットすることを義務付けるなどすれば、スキルアップやコミュニケーションがより捗る。

社内図書館

本棚を設置し、会社が購入した書籍や、個人が持ち寄った書籍などを置いて無料で貸し出す。読後の感想をシェアする場所を設けたり、購入してほしい書籍を申請する仕組みなどがあると、活性化しやすい。

リフレッシュスペース

オフィス内に気分転換できるスペースを設ける。自販機・給茶機やお菓子、雑誌、クッションや筋トレグッズなどを置くと、頭を切り替えてしっかり休める空間になり、煮詰まっていたアイディアが浮かびやすくなることも。

検診・予防接種への補助

がん検診・人間ドックなどの費用や、インフルエンザ等の予防接種費用の一部(または全部)を会社が負担する。大きな病気を早期に発見することで長期化や退職を防いだり、オフィス内感染を最低限に止められることも。

学生にとっても、

  • 将来への金銭的な不安:個人のスキルアップを支援してくれるので、自分の市場価値を上げることができそうだと思える。
  • ワークライフバランス:業務以外でのコミュニケーションや、仕事と休憩のメリハリが重視されているので、働きやすそうな社風だと思える。

という風に、魅力づけができるのではないでしょうか。

お金をかけずに導入できる福利厚生の例

お金をかけなくても可能な福利厚生もあります。

ユニークな有給休暇

アニバーサリー休暇や失恋休暇など、年1日程度の休暇を有給で取得できるようにする。休暇を強制的に取得させるルールを設ければ、業務の見える化・共有化が進んで、部署全体のスキルアップや生産性向上にも。

置き菓子サービス

従業員がオフィス内でお菓子やドリンクをいつでも購入できる。設置スペースと冷蔵庫があれば、導入費がかからないサービスも。

その他、

  • 社内でフリーマーケットを開催
  • 週に1回社長や役員とのランチ会
  • 休憩時間にヨガ教室を開催

…などなど、アイディア次第でさまざまな福利厚生ができそうです。

「こんなものも?」と思うことでも、従業員が喜ぶことであれば何でも「福利厚生」になります。

金額はほんのちょっとでも、「制度があること」が重要なメッセージ

人事に関する制度は全て、会社から従業員への「メッセージ」であることをお伝えしました。福利厚生においても、「この制度を用意したのは、会社から従業員に対してどんな想いがあったからなのか」というメッセージが重要です。

金額は、無理に多くしなくても良いと思います。

社内レクリエーション活動への補助を、1回につき1人1,000円までしか支給できなくても、その「制度」があること、すなわち「部署を超えてコミュニケーションを取ってほしいから、他部署のメンバーが3人以上参加するイベントには補助を出しますよ」と会社が推奨していることが重要なメッセージになるのです。

見せ方も重要

無理のない範囲で、あまりコストをかけずに福利厚生をPRしたい場合は、特にその「メッセージ」が重要です。なぜその制度を作ったのか、制度を使って従業員にどうなってほしいのかを積極的に伝える工夫をしましょう。

ぜひ、ナビ媒体サイトなどの求人広告・自社のWEBサイト・SNSなどでは、従業員への想いを添えて、福利厚生を紹介していただければと思います。

ちなみに、育児休職などの育児・介護休業法に定められる制度や、年次有給休暇、社会保険料の負担などについては、法律で定められているものなので「福利厚生です!」とわざわざ書いていない企業もあると思いますが、学生はそこまで知らない場合もあります。

これらをしっかりと明記しているだけでも、「この会社は育休がちゃんと取れるんだな」「有休がちゃんともらえるんだな」といった安心感に繋がりますので、記載しておくことをお勧めします。

採用力を高める、学生ニーズを踏まえた福利厚生の設計ポイント

学生のニーズは変化し続けており、従来の福利厚生だけでは採用力を高めることが難しくなっています。Z世代の価値観やライフスタイルを捉え、制度設計・社内調査・訴求手法までを一貫して見直すことで、本当に“響く”制度設計が可能になります。

使われない福利厚生が採用に与える悪影響とは

導入した制度が活用されなければ、採用面でも「魅力に乏しい企業」と見なされてしまう可能性があります。採用でアピールしても、使われない福利厚生は逆効果です。

「制度があるのに使われていない」状態は、求職者にとっても社内にとっても“形だけ”の印象を与えてしまいます。よくある原因は、対象者が限られていたり、申請の手間が大きかったり、制度の意図が伝わっていないケースです。

採用力のある制度は、単なる魅力ではなく「共感」と「実用性」の両立が必要です。制度名や導入背景、利用フローまで含めて“使われる前提の設計”が鍵となります。

採用視点で考える「必要な福利厚生」の見極め方〜社内アンケートと利用率から逆算〜

学生に響く制度は、“企業側が良かれと思う制度”ではなく、社員が本当に使っている制度です。採用に効く福利厚生は“外向きに良く見える制度”ではなく、“中で実際に使われている制度”です。

その見極めに効果的なのが、社内アンケートと利用実績のセットでの分析です。たとえば制度導入後に「満足しているか」だけでなく、「どのような不安が解消されたか」まで聞くことで、学生への訴求にも転用できるメッセージが得られます。

また、利用率の低い制度は設計を見直すべき候補です。定性と定量の両面から制度の妥当性を再評価する視点が不可欠です。

Z世代採用を意識した福利厚生設計のヒント

Z世代は「共感・柔軟性・自己成長」を重視しており、制度の“背景”にも敏感です。Z世代は、福利厚生に対して「自分らしく働けるか」「会社が自分を理解してくれているか」を重視します。

そのため、リモート勤務や副業OKなどの柔軟性、キャリア支援の制度、ウェルビーイングを支えるメンタルヘルスケアなどが重要視されます。また、単に制度があるだけでなく「なぜ導入しているのか」という企業の価値観・姿勢にも敏感です。

Z世代採用では、“共感”を軸に設計された福利厚生が、採用ブランディングとしても機能します。

採用広報で福利厚生をどう打ち出すか

学生の企業選びは、もはや給与や知名度だけでは決まりません。福利厚生は「この会社なら安心して働けそう」と思ってもらうための、極めて重要なコミュニケーション要素です。

本パートでは、求人票や説明会、SNS・動画など多様な採用広報チャネルで、福利厚生をどう伝えれば「響く」のか、その実践的な工夫を紹介します。

▼まとめ:採用広報における福利厚生の伝え方を整理

チャネル 訴求のポイント NG例 有効な工夫
求人票・採用サイト

制度の目的や背景まで言語化

単なる制度名の羅列

不安や価値観への対応として伝える

説明会・インターン

実体験・社員の声で伝える

担当者の説明のみで終了

利用者のリアルな声を盛り込む

SNS・動画

ビジュアル+ストーリー性重視

文章だけの投稿

制度を使うシーンを可視化

制度の背景

“なぜ導入したか”の想い

単なる紹介

共感できるメッセージとして伝える

求人票・採用サイトで福利厚生を訴求するコツ

求人票や採用サイトでの福利厚生訴求は、「制度名の羅列」だけでは響きません。

重要なのは、「どの制度が、どんな不安や期待に応えるか」を言語化することです。たとえば「住宅手当」なら、「初めての一人暮らしを支える安心設計」と書くだけで、共感度が高まります。

制度を“機能”で伝えるのではなく、“意味”で届けるのが採用広報の本質です。実際に社員が利用しているシーンやエピソードを併せて紹介することで、説得力と温度感が一気に高まります。

▼実務に活かすヒントまとめ

項目 内容
よくある失敗例

制度を箇条書きで羅列しているだけ

改善のポイント

制度の目的・背景・活用シーンを明記

実務アクション

各制度に「どんな不安を解消するか」を1文で補足する

会社説明会・インターンシップで福利厚生を伝える工夫

会社説明会やインターンは、学生が「この会社に入ったらどんな生活になるか」を想像する重要な場面です。ここで福利厚生を伝える際は、制度そのものよりも「制度がどう役立っているか」の実体験にフォーカスしましょう。

たとえば「リモート勤務OK」よりも、「地方出身の新卒が地元に帰省しながら柔軟に働いている」と伝えた方が、学生にとっては具体的です。社員が登壇し、リアルな声を交えることで、共感・信頼・安心感を一度に届けられます。

▼実務に活かすヒントまとめ

項目 内容
よくある失敗例

担当者が制度を読み上げるだけ

改善のポイント

実際の利用シーン・エピソードを共有

実務アクション

福利厚生を使っている社員の体験談を1つは用意する

SNS・動画など採用マーケティングでの見せ方

Z世代の情報接触は圧倒的にSNS・動画が主流です。福利厚生も「文章」ではなく「映像やストーリー」で伝えると反応が得られやすくなります。

たとえば、サブスク補助や昼寝制度を紹介する1分動画を作る、Instagramで福利厚生を使っている社員の日常を投稿するなど、視覚的でライトな訴求が有効です。

採用広報用の動画はプロ品質でなくても構いません。親しみやすさと「リアルさ」があれば、制度への信頼感と会社への興味がぐっと高まります。

▼実務に活かすヒントまとめ

項目 内容
よくある失敗例

文章だけの制度紹介投稿

改善のポイント

制度の「活用シーン」をビジュアルで見せる

実務アクション

福利厚生紹介のショート動画やストーリー投稿を作る

学生に刺さる「福利厚生の背景メッセージ」の重要性

Z世代は「制度があること」よりも、「なぜその制度を導入しているのか」という背景のストーリーに心を動かされます。たとえば「不妊治療支援制度」は、単に説明するよりも「ライフプランを支えたいという想いから導入」と伝える方が、共感・好印象につながります。

企業文化や価値観が福利厚生にどう反映されているかを語ることは、学生にとって“その会社で働く意味”を想像するきっかけになります。制度は“メッセージ”として伝えることが鍵です。

▼実務に活かすヒントまとめ

項目 内容
よくある失敗例

制度の機能や条件しか伝えていない

改善のポイント

制度導入の背景・想いを言語化する

実務アクション

福利厚生ごとに「なぜこれを導入したか」を一文で説明する

福利厚生を求める学生の「目的」を知って、効果的な魅力づけをしましょう

学生は事業内容と社風に次いで福利厚生を重視し、中でも家賃補助・社宅/社員寮・通勤交通費といった直接的に金銭に関わるものと、各種休暇などの働きやすさに関わるものを重視しているということが調査結果からわかりました。

しかし、安易に住宅手当などを用意してしまうと、組織内の不公平感などのデメリットやリスクを負うことにもなります。

大手企業並みの福利厚生費をかけなくても、工夫と伝え方しだいで、従業員へのメッセージが伝わる魅力的な福利厚生は作れるはずです。

ぜひ、自社の社風やメッセージが表れるような福利厚生のアイディアを、一つでも考えてみてください。

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人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部

人事・採用担当者の悩みに寄り添うメディア「人事ZINE」の編集部です。 新卒採用オファー型サイト「OfferBox(オファーボックス)」を提供する株式会社i-plugが運営しています。