面接と面談の違いとは?それぞれの目的やメリット、カジュアル面談の活用方法も紹介
採用選考における「面接」と「面談」という似たような名前に、その違いは何なんだろうかと疑問に思われる方も多くいらっしゃるかと思います。
どちらも、応募者と採用担当者が対面またはウェブ会議などを使って、数十分ほど対話をするという状況で非常によく似ています。ここでは「面接」と「面談」の違い、またその必要性や効果などをご紹介します。
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目次
「面接」と「面談」の最大の違いは【合否】があるかどうか
結論から言えば、「面接」には合否があり、「面談」には合否がない、というのが一般的な面接と面談の違いです。
採用における面接は選考の一貫であり、応募者が企業に対して自身をアピールし、企業が合格または不合格の判定をします。一方で面談は、応募者と企業が対面して話をするという点では共通しますが、合格・不合格といった判定はせず、選考とは別として扱われることが多くなっています。
入社後に人事と新入社員、上司と部下などで行う1対1の対話も「面談」ですので、それを入社前の応募者や内定者と行うものとイメージすればわかりやすいかもしれません。
「面接」の特徴
面接とは「相手の持っているスキルや人となりを対話によって見極める」行為を指します。基本的なスタイルは面接官が質問をし、応募者が答えるというものです。合否を決める立場であることから、必然的に面接官が優位な関係性になりやすい特徴があります。
従来より会場を設けて対面で面接をするスタイルが定番ですが、近年ではオンラインでの実施も増えています。
面接の目的
面接は、企業が応募者を選考することを目的としています。具体的には、先述の通りその応募者が自社に必要なもの(スキルや資質、人脈、意欲その他)を備えているかどうかを見極め、採用基準に達している人材を合格に、達しない人材を不合格にするということです。
応募者は、選考の合否がかかっているため緊張感を持ってアピールをしなければならず、自分がその基準を満たしていることを企業の面接官に伝えるために、さまざまなエピソードなどを話すことになります。
企業側は、多くの応募者を面接で選考する上、合否を言い渡す優位な側でもあるため、応募者ほどの緊張感は持たないことが多くなります。
こうした条件から、面接では企業が人材の見極めのために応募者に質問して応募者が回答する時間が多くなり、また、企業側が優位になりやすいという意味でも、どちらかというと“一方向”のコミュニケーションになりがちであると言えます。
面接の代表的な形式
面接には大きく分けて「集団面接」と「個人面接」があります。
集団面接は、複数の応募者が一度に面接に臨むスタイルの面接です。選考の初期の段階で行われることが多く、応募者同士でのグループディスカッションや一つの質問に全員が答えるグループでの質疑応答などが行われます。
個人面接は、応募者1人が面接に臨むスタイルの面接です。1人との対話を掘り下げて行うことができるため、より深く、幅広い話をすることが可能なスタイルです。
面接を行うメリット
面接は面接官から質問したり課題を伝えたりする形式になることが多く、主に企業側が主導権を持って進めていくことが多いでしょう。こうしたことから応募者が自社の採用要件に合致しているかを効果的に確認できる点がメリットと言えます。
「企業側で応募者に求めること」「知りたいこと」を明確にしておき、質問を重ねていくことで候補者のスキルや内面を深掘りして評価できます。
「面談」の特徴
面接とは違い、面談では基本的に合否が発生しないのが大きな特徴と言えるでしょう。「面談」の本来の意味とは、対面で話をすることを指します。採用活動においても、選考過程ではなく「情報交換」「相互理解のための対話」の意味で行われることが多い傾向にあります。
面談の目的
面談の目的は、企業が応募者をより深く知る機会であると同時に、応募者が企業を知る機会にもなることです。お互いをより深く知った上で採用・入社しなければ、「こんな人材を採用したつもりではなかった」「こんな会社に入ったつもりではなかった」といったミスマッチが発生する危険があるからです。
そのため、選考とは関係なく、時間もゆったりと取って雑談のような形式で行われることが多いのが面談です。最近では「カジュアル面談」といった呼び方で明確に「選考とは関係なくフラットに情報交換しましょう!」というメッセージを打ち出すケースも増えています。
面接では主に質問される側だった応募者が、企業の人事や現場社員に質問する時間も多くなります。給与・待遇についてや、現場社員の仕事のやりがい、不満に思うことなども聞きやすいのが面談の特徴です。
また、企業側からも「正直なところ自社に入社する気があるのか」「迷っている部分はあるか」といった本音を聞くことができる貴重な機会となります。
このように面談では、応募者と企業の双方向のコミュニケーションに重きを置きます。一方ではなく双方の不安要素を潰した上で内定出し・内定承諾をするために、面談は重要なものと位置付けられています。
面談の代表的な形式
面談の目的・方法は、実施するタイミングによって異なります。以下は、「選考前」「選考中」「選考後」の3つのタイミングごとの目的・実施方法です。
- 選考前:応募者に自社を知ってもらい、相互理解を深めるために実施されるリクルーター面談、カジュアル面談など
- 選考中:応募者が選考過程で感じた疑問や不安を解消するために実施される面談。対面だけではなく電話などでも行われる
- 選考後:内々定者、内定者を対象に行われるフォロー面談。条件、待遇、配属先、働き方などについてのすり合わせや、疑問・不安を解消するために実施される
面談を行うメリット
面談は「応募者の本音を聞ける」ということが大きなメリットです。適切なタイミングで面談を実施することで相互理解を促し、ミスマッチを回避することができます。入社前に不安や疑問を解消することで応募者の志望度を上げる効果も期待できるでしょう。
また、カジュアルな面談を取り入れることによって、まだ志望度の低い候補者や転職潜在層との接触機会が作れることも見逃せないメリットの一つです。
面接よりカジュアルな「面談」を採用に取り入れる方法
採用のミスマッチを防ぐために実施する企業も増えている「面談」を自社でも取り入れてみたい、という人事担当者様もいらっしゃるかと思います。導入にあたり必要なことを、簡単にご紹介します。
面談までに準備するものは?
面談は応募者と1対1で話すことができれば良いので、準備するものは特にないと言えます。強いて言うなら「場所」は必要ですが、オフィスの会議室を取るなり、近くのカフェに入るなり、話しやすい環境であればどこでも構いません(もちろん、会話が筒抜けにならないなどのプライバシーには配慮が必要です)。
また、面談担当者がPCにカタカタと打ち込んでいたり、手帳にメモを取ったりしていると、応募者側としては「いま言ったことを人事や上司に報告するのだろうか?」「今後の選考に影響するのだろうか?」と不安にもなります。
質問集などを見ているかのような、定型的な質問を連続して聞かれることも、「どう回答したらポイントが上がるか」といったことを考える“面接モード”になりかねません。
面談ではお互いの顔を見ながらリラックスして本音のコミュニケーションができることが重要ですので、面接のような評価シートや堅苦しい質問などは用意せず、気軽さを出して臨むことをお勧めします。
誰が面談するのが良い?
面談を実施するタイミングにもよりますが、目的に応じて面談担当者を決めましょう。下の表を参考にして、面談を実施する目的と、効果的な担当者を考えてみてください。
例 | 面談の目的 | 効果的な面談担当者 |
---|---|---|
選考前 |
・選考を受けてほしい人材かどうか、応募者と自社の求めるものがマッチしているかどうかを見極める |
応募者の配属先となる部署の社員や、いきいきと働いていて活躍人材のモデルとなるような社員 |
選考中 | ・応募者が選考中に持った疑問点などに答え、不安要素を払拭してもらう |
人事担当者(就業規則や法制度などの質問に答えられる、他社の選考状況などセンシティブな情報を適切に取り扱える人物) |
内定後 | ・応募者に自社への入社意思を固めてもらう(内定辞退の防止) |
応募者の配属先となる部署の社員、社歴が長く異動や昇進などを多く経験している社員 |
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面談で質問する内容は?
面談の場合、面接と違い質問集のようなものを用意する必要はあまりありません。各応募者に対して、「この部分がちょっと引っかかるんだけど実際どうなんだろう?」と思った部分を聞けば良いですし、応募者からも同じように、自社について気になったことを聞いてもらえば良いだけです。
また、雑談をしている中で人となりや意外な一面が見えてくることもあるかと思います。せっかくカジュアルな面談をしようと思っても、「質問しなければ!」あるいは「質問にうまく答えなければ!」と固くなりすぎると、お互い本音が出せなくなってしまいます。
あくまでも目的は、採用のミスマッチを防ぐために本音のコミュニケーションをすることです。
面接よりもお互いがリラックスして「本音」を出せることが重要
面接と面談の違いは、それが“選考”かどうか(合否があるかどうか)、ひいては評価が一方向か双方向かという部分にあります。面接では採用合否が関係してくるため応募者も自身のアピールに注力しがちですが、面談では合否と関係なく、不安に思っている点や疑問、面接でうまく言えなかったけれど伝えたいことなどを聞き出しやすくなるでしょう。
最近では、麻雀やゲームなどを選考フローに取り入れている企業もありますが、その目的は単なる話題作りではなく「その人の本質が見えるから」と言われています。
一方的に評価される「面接」という特殊な場だけでは見えない部分を見るために、こうした様々な手法があるのです。
中でも「面談」は手軽に実施しやすく、参加する応募者の側にとってもハードルが低いため、選考の入り口としても「選考を受ける前に、まずは面談に来ませんか?」といったオファーは効果的です。大人数の懇親会などではなく1対1の「面談」だからこそ、深く本音で話すことができるようになります。
採用において、人材の見極めや内定辞退などミスマッチの改善に課題を感じていらっしゃる場合は、ぜひこの「面談」を選考フローの随所に取り入れてみられることをお勧めします。
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