内定後面談(オファー面談)の目的・実施すべき理由と入社辞退の対策

「せっかく採用したい学生に内定出しをしたのに、結局内定辞退されてしまう。。。」

内定後のオファー面談で、辞退者が予想を超えて出てしまい頭を抱える採用担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

採用初期の広報、母集団形成、選考など数々のステップを経て、苦労して内定を出した学生に「検討の結果、辞退します。」と言われないにはどうすれば良いか悩むことは多々あるかと思います。

今回は、内定後のオファー面談で辞退者を減らすために、辞退される要因などを整理しつつ、内定を出した学生に『選ばれる』アイデアを紹介します。

内定後のオファー面談を見直すことで、自社の採用活動のお役に立てると幸いです。

【内定者フォロー編】人事なら知っておきたい 採用基礎知識まとめ
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内定後面談の意味と目的

内定後面談とは、企業が内定者に対して実施する面談であり、オファー面談とも呼ばれています。主な目的には下記があり、採用活動における重要なプロセスと言えるでしょう。

  • 入社意思の確認
  • 各種条件の通知
  • 心理的・手続き的フォロー
  • 入社辞退の回避

一般的に企業は採用目標数が決まっていますが、内定後面談で入社意思を確認することで採用人数を予測できます。また、内定通知書や労働条件などの通知も大切です。

他にも、内定後面談によって学生の不安を軽減する効果が期待できます。通常、内定式は10月に行われますが、内定自体は7〜8月に決定するケースが多く、一定の空白期間が生じます。

その空白期間に企業側から何も接触がなければ、「ちゃんと就職の手続きは進んでいるのだろうか」と学生が不安に思うかもしれませんが、内定後面談で接触する機会があれば心理的なフォローにつながるため、入社辞退の回避が期待できるでしょう。

企業側が内定後面談を実施すべき理由

企業側が内定後面談を実施すべき理由

企業側が内定後面談を実施すべき理由には下記が挙げられます。

  • 内定者の入社を実現するために必要である
  • 学生優位の売り手市場のなか内定辞退に効果的
  • 入社直後の活躍に役立つ

順に紹介していきます。

内定者の入社を実現するために必要である

内定後の内定者面談が必要な理由は、内定を出した学生に入社を承諾してもらうために必要なプロセスだからです。内定出し後の内定者面談では、より学生の本音と向き合う必要があります

内定出し前の『選考される』学生の立場から見ると、できるだけ良い印象を与えて内定を勝ち取るために、選考の場では本音の質問ができない傾向があります。

一方、内定後面談では、本当に聞きたかった質問や漠然とした不安、悩みなど、『本音の部分』が出てくるものです。

そのような本音の質問に誠実に対応することで、学生の入社意欲を高める効果が期待できます。

学生優位の売り手市場のなか内定辞退に効果的

現在の新卒採用市場は売り手市場であり、学生優位な採用環境と言われています。そのようななか、内定後面談は内定辞退に効果的です。

エントリー社数の推移を見ると15年間で約61.1社減少

累計エントリー社数(04卒〜19卒)
新卒採用メディア「サポネット」 データ集から一部抜粋

例えば、新卒採用メディア「サポネット」が発表している2004年卒〜2019年卒の学生の「累計エントリー数」の推移データによると、約61.1社減少しており母集団形成において企業優位な時代から学生優位な時代になっているという見方ができます。

つまり、現在の採用環境は学生優位であり、企業は相対的に『選ばれる』立場になりやすい傾向があります。

内定辞退率を見ると過半数の内定取得者が内定辞退を経験

就職内定辞退率

就職未来研究所 就職プロセス調査 (2020年卒)から一部抜

内定辞退率単体の指標で確認すると、就職未来研究所によれば、19卒を対象とした内定辞退率は67.8%とされており、過半数の内定取得者が内定辞退を経験していることが挙げられます。

企業優位の採用環境と比較してみると、現在は企業の採用意欲も高い状態であるので、一般的に人気とされる学生(高学歴や理系などの希少人材)には特に多くの内定が集中しやすく、学生全体としてみても内定取得しやすい採用環境と言われています。

選ばれる立場である企業が内定辞退者を減らすには、内定者との接触回数を増やすことが大切です。内定者面談によって会話する機会を設定し、不安・疑問に向き合うことで、内定辞退者を減らす効果が期待できます。

入社直後の活躍に役立つ

内定後面談の学生の質問では「どの部署、エリアに配属されますか?」という内容が想定されます。学生は少なからず配属先の希望を抱いているので、内定者面談の場で事前に希望を聞いておくことで、入社後スムーズに活躍してもらえる確率が高くなるでしょう。

また、内定後面談には、内定者への事前準備という側面があります。例えば内定通知書や労働条件を通知する書類などの用意が必要です。

内定通知書では、学生に内定した旨を書面として伝えます。内定を伝えること自体は、電話やメールなどの手段を使っても行えます。しかし、内定の伝達は電話やメールで行い、内定通知書をあえて郵送せずに、内定後面談で直接渡し、コミュニケーションを計ることで、企業の本気度や学生の安心感に繋がるでしょう。

内定後面談で企業側が学生に確認すべき3つの質問

内定後面談で企業側が学生に確認すべき質問として考えられるのは主に下記3つです。

  • 内定者の就職活動の状況についての質問
  • 理解度や準備状況についての質問
  • 内定者の不安についての質問

それぞれ見ていきましょう。

内定者の就職活動の状況についての質問

「弊社の志望順位は何位ですか?」という質問によって内定者の入社意欲を測ることができます。基本的には「第一志望です」と答える学生が多いものですが、回答時の声や仕草に注目することで、ある程度は本気度を判断できるでしょう。

「入社意欲が低い」と判断した学生に対しては、内定後面談が終了した後も、継続的なフォローが必要かもしれません。

また、内定者が「現在、どの企業の面接を受けているのか」「どのような進捗状況で、いつ頃までに全ての結果が分かるのか」についても確認しましょう。就職活動の状況に合わせて内定承諾期限を設定するのも1つの方法です。

理解度や準備状況についての質問

内定者が入社後、スムーズに研修に入って活躍するには、仕事・会社への理解と事前準備が不可欠です。そのために「弊社の事業内容について、どのように思いますか?」「入社に向けて、どのような準備を行っていますか?」といった質問が大切になります。

前者の事業内容についての質問に関しては、内定前の面接でも行った質問かもしれませんが、内定後面談であらためて聞くことで学生の理解度を測れるでしょう。

内定者の理解度や準備状況を聞くことは、入社意欲を測る参考にもなります。

内定者の不安についての質問

「現在、不安に思っていることや疑問点はありませんか?」という質問によって、学生の不安な気持ちに寄り添うことができます。

仮に「スムーズに働けるかどうか不安です」のような本音の答えが返ってきたときは、「最初は誰でも不安なものです。そのために研修期間がありますし、少しずつ仕事に慣れていきましょう」といったように、フォローで不安を軽減します。

その際に大切なのは、社会人経験がない学生の立場に配慮することです。今はベテランの社会人も、初めての就職には大きな不安を抱いていたはずです。

学生の不安や疑問にしっかり対応することで、自社が選ばれる可能性も高くなるでしょう。

内定後面談での学生側からの定番の逆質問と回答方法

内定後面談での学生側からの定番の逆質問として下記が挙げられます。

  • 待遇・条件についての質問
  • 配属先・職務内容についての質問
  • 入社研修内容についての質問
  • 入社前の事前準備についての質問

それぞれの質問に対する回答方法の例を紹介します。

待遇・条件についての質問

待遇・条件に関する質問例は下記です。

  • 「残業はどのくらいありますか?」
  • 「給料がアップするタイミングはいつですか?」

回答で大切なのは、事実を明確に伝えることです。

「基本的に弊社は残業がありません。ただし繁忙期の4月に関しては、1日1時間、週単位で5時間以内の残業が発生することがあります。もちろんその分の残業代は支給しています」などの回答です。

昇給のタイミングに関しては、自社従業員を例にすると伝えやすいでしょう。「入社3年目で年収430万円、入社6年目で年収680万円に達した社員がいます」などの回答です。

配属先・職務内容についての質問

配属先・職務内容に関する質問例は下記です。

  • 「入社後の配属先は決まっていますか?」
  • 「私の職務内容は決まっていますか?」

配属先や職務内容が決まっていれば、その旨を明確に伝えましょう。「Aさんの配属先はマーケティング部門を予定しています」「Bさんの職務内容は既存顧客へのルート営業を予定しています」などの回答です。

まだ決まっていない場合は、決定時期と候補の配属先を伝えることが大切です。内定者にとって配属先や職務内容は気になるポイントなので、丁寧な回答が求められます。

入社研修内容についての質問

入社研修内容に関する質問例は下記です。

  • 「入社後の研修期間はどのくらいありますか?」
  • 「どのような研修を受けることができますか?」

このような質問がある場合は、研修プログラムの内容を伝えましょう。

内定後面談で内定辞退を回避するために知っておきたい内定者心理

内定後面談で内定辞退を回避するために知っておきたい内定者心理

内定を出した学生から『選ばれる』ためには、学生を理解し、向き合っていく必要があります。以降、学生を理解するために、学生が企業との初回接点からどのタイミングでその企業で働きたいと思ったかを紹介します。

【学生へ調査した結果】学生が入社意思を決定するタイミング

学生が企業との初回接点からどのタイミングでその企業で働きたいと思ったのでしょうか?

株式会社ディスコの調査によると、以下の結果があります。

  • 面接等の選考試験を重ねていく中で徐々に(28.2%)
  • セミナー・会社説明会に参加したとき(22.0%)
  • インターンシップに参加したとき(19.8%)
  • 内定が出てから 就職活動を始める前から(9.8%)
  • 内定が出てから(8.1%)
  •  OB・OG訪問やリクルーター面談のとき(7.8%)
  • 就職情報サイト等で掲載情報を目にしたとき(2.9%)
  • 入社案内、採用HPなどに接したとき(1.2%)
  • その他(0.1%)

『面接等の選考試験を重ねていく中で徐々に』『セミナー・会社説明会に参加したとき』

などを踏まえて、過半数の学生は、内定出しの前から働きたい意向を固めていくことがわかります。

以上のことから、学生と向き合うということは、内定後のオファー面談だけではなく、内定より前の時点で向き合う必要性が挙げられます。

【企業へ調査した結果】内定辞退が生じる原因

文部科学省による調査では、企業に対して内定辞退が生じる原因についてアンケートをとったところ、「学生自身の業界研究・企業研究が不十分」 について、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」との回答が(61.5%)と最も多く、次いで「産業・就職構造の変化や景気動向の影響」(55.2%)も2番目に企業が内定自体が生じる原因に当てはまる結果になり、学生自身や採用環境の原因により内定辞退が生じているとしている傾向が見られました。

これらの調査を踏まえて、より早いタイミングから学生の入社意向を形成していくためにも、企業は内定出しのタイミングより前から学生と向き合って『選ばれる工夫』始める必要があります。

そして、学生に可能な限り並走して、業界や企業のことを理解を促す必要があり、学生の本音と向き合っていく必要があるでしょう。

内定者が入社を辞退する3つの要因と入社意欲を高める対策

内定者が入社を辞退する3つの要因と入社意欲を高める対策

では、企業は学生から『選ばれる』ために、できることは何なのでしょうか?

内定辞退の要因と対策ごとに、以下の3点を抑えておくことが重要でしょう。

  • 【要因と対策①】内定が軽い → 学生にとって意味のある重みを!
  • 【要因と対策②】自社の魅力を伝えられていない→ 学生にとって魅力的になるような伝え方の工夫を!
  • 【要因と対策③】クロージングが一方的→ タイミングと駆け引きを見直そう!

以降、順に紹介します。

【要因と対策①】内定が軽い → 学生にとって意味のある重みを!

学生に内定辞退される要因の1つ目として、『内定が軽い』ことが挙げられます。

理由は、選考などで、可能な限りの相互理解を行った末に受け取った内定と、表面的な質疑応答だけであっさりと受け取った内定では、必然的に学生が感じるありがたみや特別感などに差が生じるためです。

『内定が軽い』要因への対策は、『理解度・本音感』などを含めてオファー面談することが重要でしょう。

『理解度・本音感』では、初回接触でのエントリーシートなどの基本情報を見てから、面談や選考で相互理解をしていった結果、「色々なことを話したけど、この企業から内定をもらえたんだ。」と感じてもらえるような取り組みが必要でしょう。

例えば、「選考していく中で、やはりあなたの〇〇なところが、自社の〇〇な仕事の環境で活躍できると感じました。」など、きちんと本音で話を進めて行った結果、学生のことを理解していた上で、内定を出している旨を伝えましょう。

以上のことから、学生から選ばれるためには、学生にとって意味があって重みのある内定を出さなければなりません。

【要因と対策②】自社の魅力を伝えられていない → 学生にとって魅力的になるような伝え方の工夫を!

学生に内定辞退される要因の2つ目として、『自社の魅力を伝えられていない』ことが挙げられます。

理由は、学生が内定を複数社保有していてこれから『選ぶ』場合、採用競合他社で働くことへの価値を相対的に落とすことで自社の価値を上げるようなネガティブトークが採用担当者の意図せずとも生じる可能性があります。

本来自社の魅力を伝えて学生を惹きつける狙いであるのに、ネガティブトークが生じれば、逆に印象が悪くなってしまい内定辞退される可能性も出てきます。

対策としては、採用競合他社のネガティブな印象を植え付けずに、学生にとって魅力的である内容をきちんと伝える必要があります。

極端な例ですが、学生が企業を決定する要因が『新しいことへのチャレンジ』であれば、例えば営業志望の学生を口説く場合のトークとして以下の例が挙げられます。

「知名度こそは、〇〇さんが弊社と検討しているA社には届きません。A社と比べると入社後はアポイント1つ獲得するのも苦労するかもしれません。しかし、弊社は今後新しいサービスを展開していき、〇〇さんの入社後は新サービス立ち上げのフェーズを味わえると思います。〇〇さんが大切にしている『新しいことへのチャレンジ』できる環境として、私たちは力になれるかもしれません。これから、新しいサービスを通じて、A社を超える会社の歴史を一緒に新しく作っていきませんか?」など、学生が企業を決定する魅力的な要因に合わせた魅力を伝えることが重要です。

以上のことから、学生から選ばれるためには、学生にとって魅力的であるような伝え方の工夫が必要でしょう。

※個々の学生が企業を決定する要因を知る方法として、適性検査などで学生が働く上で重要視する要因を抽出しておいたり、対話を重ねる中で直接企業を決定する要因を聞くなど様々な方法があります。今回の例の場合、要因として『新しいことへのチャレンジ』を挙げましたが、企業と学生が互いに『新しいことへのチャレンジ』の意味を擦り合わせておく必要があります。特に企業は採用に関わる担当者間で、この要因が採用したい人物像の要因に含まれるのであれば、採用基準として言語化し、含まれる意味も共有しておく必要があるでしょう。

【要因と対策③】クロージングが一方的 → タイミングと駆け引きを見直そう!

学生に内定辞退される要因の3つ目として、学生の就活状況の加味せずに『クロージングが企業都合で一方的』に感じられることが挙げられます。

対策としては、クロージングが企業都合で一方的にならずに、学生の就職状況を把握しつつ、クロージングのタイミングと駆け引きの仕方を見直しましょう。

例えば、学生の第一志望が自社かつ志望度が高いと判断した場合では、タイミングとして今日、明日にでも内定後のオファー面談を設定して、面談の場で内定承諾まで行いましょう。

この設定が遅れてしまうと、採用競合への一次面接や書類選考が通過し始めて、「他社の選考が始まりそうなので同時に検討したいです」と言われるリスクが生じます。

ですので、自社への関心がピークのタイミングで、内定承諾までの導線の設定を行うことが重要です。

他の例を挙げると、採用競合のオファー面談が直近にあり、採用競合のほうが志望度が高いケースであれば、タイミングとして即時に内定後のオファー面談を設定して承諾の意思表示を催促することは避けた方がいいかもしれません。

この場合、内定承諾期限を学生と共有した上で「じっくり選んでほしい」という一言があるだけで、学生の心象は全く変わります。このように採用競合のオファー面談で即決をしないようにコミュニケーションしつつ、自社のオファー面談の実施を設定しましょう。

もしすぐに内定後のオファー面談を実施しても、自社よりも志望度が高い採用競合のオファー面談に行ってから決断すると言われてしまうリスクが生じます。

ですので、学生の志望度を把握しつつ、可能な限りコミュニケーションしながら内定後のオファー面談を設定していきましょう

以上のことから、学生から選ばれるためには、クロージングのタイミングと駆け引きを見直す必要性が挙げられます。

終わりに

今回は、内定後のオファー面談で辞退者を減らすために、辞退される要因などを整理しつつ、内定を出した学生に『選ばれる』アイデアを紹介しました。

学生に選ばれるには、以下の3点が重要でした。

  1. 学生にとって意味のある重み出す
  2. 学生にとって魅力的になるような伝え方の工夫をする
  3. タイミングと駆け引きを見直す

今回お伝えした学生から選ばれるアイデアは、新しい採用サービスを利用する訳ではなく、コンサルタントを雇うなど新たにコストのかかる方法ではなく、採用担当者の工夫や学生との向き合い方次第で取り組むことができます。

ぜひ、学生から選ばれる内定後のオファー面談を実践してみてください!

【内定者フォロー編】人事なら知っておきたい 採用基礎知識まとめ
【内定者フォロー編】人事なら知っておきたい 採用基礎知識まとめ
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人事ZINE 編集部

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