【テンプレートあり】採用基準の決め方を解説!作る時のコツと注意点

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採用基準の作成を検討しているものの、具体的にどうすればよいか分からない担当者の方もいるかもしれません。採用基準の決め方で迷っている場合は、テンプレートを参考にして作成するのがおすすめです。

そこで本記事では、採用基準の決め方や作るためのコツ、作成時の注意点などを紹介します。テンプレートを用いながら紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
人事ZINEでは、採用担当者の方に向けて、「【サンプル】採用基準策定のための現場ヒアリングシート(記入例付き)」をご用意しております。ヒアリングについて詳しく理解できる内容になっているので、ぜひご活用ください。

【サンプル】採用基準策定のための現場ヒアリングシート(記入例付き)
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採用基準策定のための現場ヒアリングシートで、仕事で成果を上げるために必要な能力、性格、志向・価値観は何であるかを現場社員へヒアリングし、採用時の求める人物像を抽出しましょう。
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採用基準とは

採用基準とは

採用基準は、企業や組織が新しい社員を採用する際に使用する、基準や要件を指します。明確な基準を設定することで、全ての応募者を同じ基準で評価でき、公平で一貫性を持った採用が可能です。

さらに採用基準を明確にすることで、企業のニーズや文化に適合した人材をより的確に選定できます。採用後のミスマッチを減らし、定着率や社員満足度を高める観点でも、採用基準の重要性は高いといえるでしょう。

採用基準は、特に面接のガイドラインとして用いられます。例えば面接で質問する際は、採用基準と照らし合わせる形で、特定の能力や経験を評価するための質問ができます。採用基準の決め方について詳しくは、以下の記事も参照してください。

【テンプレート付】採用基準の決め方

【テンプレート付】採用基準の決め方

採用基準の決め方は、項目ごとに4段階で定義するのが一般的です。例えば以下の表のように作成します。

コミュニケーション能力好奇心・探求心主体性適応力志望度・企業理解度
非常に良い
良い
悪い
非常に悪い

上記の表はまだ空欄がありますが、それぞれの項目を埋めるようにして採用基準を決めます。本記事では、「コミュニケーション能力」「好奇心・探求心」「主体性」「適応力」「志望度・企業理解度」の5つの項目を設定しました。

以下、それぞれの定義と、4段階の分け方について以下に解説します。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、採用基準に含めることが多い項目の1つです。効果的なコミュニケーションができると、組織の雰囲気が良くなったり、職場環境の改善につながったりします。顧客と直接対話する職種では、顧客満足度に直結する指標として欠かせないでしょう。

面接でコミュニケーション能力を見極めるためには、過去の経験について話してもらう質問をするのが有効です。4段階の評価基準の例は、以下の表の通りです。

非常に良い

一貫して明確かつ効果的なコミュニケーションを行い、複雑な情報を簡潔に伝える能力がある

良い

必要な情報を適切に伝達し、効果的なコミュニケーションを行う

悪い

基本的なコミュニケーション能力を持っているが、時折情報の伝達が不明確であったり、誤解を招いたりすることがある

非常に悪い

コミュニケーションを行うのが困難であり、情報の伝達が一貫して不明確である

好奇心・探求心

好奇心・探求心(チャレンジ精神)は、イノベーション促進の観点などで、採用基準に含められる項目です。好奇心旺盛で探求心のある社員は、新しいアイデアやアプローチを探求し、企業にとって重要なビジネスチャンスをもたらす可能性があります。

「最近学んだ新しいスキルや知識について教えてください」や「どのようにして新しい情報を探求していますか?」など、面接の質問を通して好奇心・探求心を見極められます。4段階の評価基準の例は、以下の表の通りです。

好奇心・探求心
非常に良い

・常に新しい知識やスキルを自主的に探求している
・複雑な問題にも積極的に取り組み、創造的な解決策を提案できる

良い

必要な範囲で新しい知識やスキルを習得している

悪い

時折新しい知識を探求するが、積極性が不足している。自己啓発に関してはさらなる動機付けが必要と判断される

非常に悪い

新しい知識やスキルを探求する意欲がほとんど見られない

主体性

主体性は、近年ますます重視されるようになっている採用基準の項目です。主体性を持つ社員は、何かしら問題に直面した際に自ら解決策を見つけ、積極的に行動する力があります。こうした問題解決力や、組織を引っ張るリーダーシップの基礎となる点で、主体性を見極めることは重要です。

「自ら提案して実行したプロジェクトはありますか?」などの質問をしたり、面接中の態度や反応を観察したりして、主体性を見極められます。4段階の評価基準の例は、以下の表の通りです。

主体性
非常に良い

常に自ら進んで業務を遂行し、新しいアイデアや改善策を積極的に提案・実行する

良い

必要に応じて自主的に行動し、業務を円滑に進める能力があると判断される

悪い

自主的に行動することもあるが、どちらかといえば指示を待つことが多い

非常に悪い

自主的に行動することが少なく、常に指示を待つ。責任感が薄く、業務の遂行において他者のサポートに依存する

適応力

適応力(協調性)も、採用基準で重視される項目です。適応力の高い社員は、環境や状況の変化に柔軟に対応できます。入社後にスムーズにカルチャーフィットするだけでなく、内部で改革が必要になった際にも、新体制にすぐに適応できます。

さらにはチーム内で円滑なコミュニケーションを図り、他者と協力して目標を達成できるなど、チームワークの観点でも重要度の高い項目です。面接の質問だけでなく、グループディスカッションやチームでの課題を通じて、適応力(協調性)が見極められます。

4段階の評価基準の例は、以下の表の通りです。

適応力
非常に良い

どのような変化にも柔軟に対応し、他者と協力して問題を解決できる

良い

必要な範囲で適応力と協調性を発揮し、円滑にチームと協力できる

悪い

困難な状況に対処するのが難しく、協調性に欠ける場面もある

非常に悪い

変化が苦手で、さらには他人とのコミュニケーションでチームに悪影響を及ぼす懸念がある

志望度・企業理解度

志望度・企業理解度も、採用基準で重視される項目です。志望度の高い応募者は、企業そのものや仕事に対して熱意を持っており、高いモチベーションを維持しながら働けます。加えて企業理解度が高ければ、企業文化や価値観に対する理解が深く、入社後のミスマッチを防ぎやすいと考えられます。

志望度・企業理解度を確かめるのに、「当社は第一志望ですか?」という質問はあまり有効ではありません。志望度を見極めるためには、基本的には志望動機を掘り下げるのがおすすめです。

4段階の評価基準の例は、以下の表の通りです。

志望度・企業理解度
非常に良い

・自社について深い理解と強い志望度を示し、具体的かつ詳細なリサーチを行っている
・企業文化や価値観に強く共感し、長期的なキャリアビジョンが自社の方向性と一致している

良い

・自社について十分理解しており、明確な志望理由を持っている
・基本的なリサーチを行っており、企業文化や価値観に共感している

悪い

・自社についての理解やリサーチが不足しており、志望理由が曖昧
・志望度はあるが、具体的な理由やエピソードが乏しい

非常に悪い

・自社についての理解が浅く、志望理由がほとんどない
・リサーチを行っておらず、企業文化や価値観に対する共感が見られない

適切な採用基準を作るためのコツ

適切な採用基準を作るためのコツ

適切な採用基準を作るための主なコツは、以下の3つです。

  • 社内でヒアリングを実施する
  • コンピテンシーモデルを参考にする
  • 市場・競合他社の動向を調査する

それぞれのコツを詳しく解説します。

社内でヒアリングを実施する

適切な採用基準を作るためのコツは、社内でヒアリングを実施することです。まずは部門のマネージャーやリーダー、人事部門の担当者、経営陣などヒアリングの対象を決めます。基本的には、人材を採用する各部署・部門にヒアリングを行いましょう。

具体的なニーズや期待値を明確にすることで、採用後のミスマッチを防ぎやすくなります。早期離職のリスクを減少させ、長期的な人材定着を図るためにも、現場の声を必ず採用基準に反映させましょう。
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コンピテンシーモデルを参考にする

コンピテンシーモデルを参考にするのも、適切な採用基準を作るためのコツです。コンピテンシーモデルとは、社員が特定の役割や職務で成功するために必要なスキルや知識、行動などを体系的にまとめたものです。一般的には、企業内で高いパフォーマンスを出している人材の「行動特性」を、評価の基準として設定します。

コンピテンシーモデルを使用することで、採用基準が明確かつ一貫したものになります。社員研修やキャリア開発プログラムの基盤としても機能するなど、コンピテンシーモデルを参考にするメリットはさまざまです。コンピテンシーモデルの評価方法やメリット・デメリットについて詳しくは、以下の記事も参照してください。

市場・競合他社の動向を調査する

適切な採用基準を作るためのコツとして、市場・競合他社の動向を調査するのも重要です。まずは市場動向を見るために、全体の有効求人倍率と、職種ごとの有効求人倍率を確認します。

市場動向と同様に、競合他社の動向を調査するのも重要です。例えば競合他社がどのような条件で求人を出しているかを把握することで、自社の採用条件をよりターゲットに訴求できるよう調整できます。

市場・競合他社の動向を調査できていると、より具体的なイメージを持って採用基準の決定ができます。実際のステップに入る前準備として、ヒアリングなどと一緒に調査を実施しましょう。

採用基準を作る時の注意点

採用基準を作る時の注意点

採用基準を作る時の注意点は、以下の3点です。

  • NG質問に関係する項目を含めない
  • 定期的に見直しをする
  • 認識の齟齬が発生しないようにする

それぞれの注意点を紹介します。

NG質問に関係する項目を含めない

採用基準を作る際は、NG質問に関係する項目を含めないようにしましょう。職業安定法や男女雇用機会均等法など、面接で質問をするうえで注意しなければならない法律はいくつかあります。違反すると、罰則が科せられる可能性もあるため注意が必要です。

NG質問に関係する項目として、いくつかの具体例を紹介します。

  • 「お父様のご職業は何ですか?」(家族についての質問)
  • 「あなたの本籍地はどこですか?」(出身地などに関する質問)
  • 「現在住んでいる家は持ち家ですか、それとも賃貸ですか?」(資産・経済能力についての質問)
  • 「どの政党を支持していますか?」(思想・宗教などに関係する質問)

NG質問に関係する項目について詳しくは、以下の記事も参照してください。

定期的に見直しをする

採用基準を一度作ってそのまま使い続けるのではなく、定期的に見直しをするのも重要なポイントです。企業の成長に伴って、戦略や目標も変化します。必要なスキルや特性も変わるため、採用基準もそれに合わせて調整する必要があります。

例えば新規事業の開始に際して新しい市場に進出する場合、その市場に特化した知識や経験を持つ人材が必要となるため、採用基準を見直さなければなりません。これは中途採用の場合ですが、新卒採用も同様で、状況に合わせて採用基準を調整する必要があります。

認識の齟齬が発生しないようにする

認識の齟齬が発生しないようにするのも、採用基準を作る時の注意点です。担当者間で採用基準の解釈が異なると、評価に一貫性が欠け、公平な評価ができません。用語の定義を明確にして、誰が見ても同じ意味に理解できる採用基準を作りましょう。

例えば「コミュニケーション能力」や「リーダーシップ」などの用語を具体的に定義します。コミュニケーション能力であれば「情報を明確かつ効果的に伝える能力」などと定義し、具体的な評価ポイントも記載するとより分かりやすくなります。

前述のコンピテンシーモデルを導入し、必要なスキルや行動特性を明確にすることも、認識の齟齬を防ぐために役立つでしょう。

まとめ

まとめ

採用基準は、面接のガイドラインとして用いられており、一貫性のある評価をするために欠かせません。初めて採用基準を作成する際は、テンプレートを参照しながら作成するのがおすすめです。

採用基準を作成する際は、用語の定義などを明確化し、担当者間で認識の齟齬が発生しないよう注意しましょう。一度作成して運用したら、定期的にレビューを実施し、自社に合った形に修正するのも重要です。
人事ZINEでは、採用担当者の方に向けて、「【サンプル】採用基準策定のための現場ヒアリングシート(記入例付き)」をご用意しております。Excelファイルでダウンロードでき、すぐに使えるようになっているので、ぜひご活用ください。

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人事ZINE 編集部

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