新卒採用におけるスカウトとは?メリット・デメリットやおすすめサービスを紹介
昨今、新卒採用の現場で浸透しつつあるのが「スカウト」です。従来のような「待ち」の姿勢ではなく、企業側からアプローチをする「攻め」の採用手法として注目されています。
しかし「スカウトの概要がよく分からない」「どのようなサービスを選べばよいか分からない」と悩んでいる採用担当者の方も多いでしょう。そこで今回の記事では、新卒採用におけるスカウトのメリット・デメリットや、おすすめのサービスを解説します。
また、スカウトサービスの基礎知識から、具体的なサービス活用事例、さらに新卒採用を成功させる上では欠かせない市場動向レポートまでを網羅した資料「スカウト型採用入門3点セット」をご用意しました。本記事と併せてご活用いただければ幸いです。

【1分で理解できる本記事の要約】
- スカウト型採用(ダイレクトリクルーティング)とは、企業が学生に直接アプローチする「攻めの採用手法」
- 新卒採用のスカウトが注目される背景には「採用戦略の多様化」「少子高齢化」「社会情勢の変化」「採用の通年化」などがある
- 新卒採用のスカウトのメリットは、①自社に合う人材への直接接触、②効率的な母集団形成、③費用対効果の改善
- 新卒採用のスカウトのデメリットは、①明確なターゲット設定が必要、②運用フローの整備が不可欠、③選定や連絡対応に工数がかかる
- 新卒採用のスカウトサービスは「定額型」「成果報酬型」があり、年間コストや成果1人あたりの費用相場も異なる
- 新卒採用のスカウトサービスはOfferBox(オファーボックス)がおすすめ
- 新卒採用のスカウトサービス選定のポイントは「登録者数の規模」「自社の人材像との親和性」「料金体系とのバランス」
- スカウト採用のよくある失敗例には、ターゲット曖昧・テンプレ文面・フォロー不足がある
- 他の採用手法(ナビサイト、リファラル、インターン)と比較して、スカウトは精度重視・能動的な採用に強い
- OfferBoxの無料資料セットでは、スカウト導入の基礎と市場動向を網羅的に理解可能
目次
新卒採用におけるスカウトとは

新卒採用におけるスカウトとは、企業が学生をスカウトし、人材を獲得する方法です。人材に直接アプローチをするため、「ダイレクトリクルーティング」「オファー型採用」と呼ばれることもあります。
基本的な流れとしては、学生がスキル・経験や希望職種、希望勤務地といった情報をサービスに登録します。その後、データベースに登録された人のなかから、企業が自分に合った人材を選んでアプローチをするという仕組みです。
新卒採用でスカウトが注目される背景
新卒採用でスカウトが注目されるようになった背景は、いくつかあります。ここでは、スカウトが台頭するようになった背景を、4つのトピックに分けて解説します。
採用戦略の多様化
主な背景として考えられるのが、採用戦略の多様化です。従来は、ポータルサイト・ナビサイトなどに登録した企業に、学生が応募する「マス型採用」が主流でした。
もちろん現在も、マス型採用は広く用いられています。しかし昨今では、これに加えて「個別採用」もよく見られるようになりました。
つまり、「大人数の応募から選考をする」のではなく、「企業に合った母集団のなかから個別的に採用する」という手法です。スカウトも、個別採用の1つとして活用されています。
社会情勢の変化
スカウトが注目されるようになったのは、社会情勢の変化も大きいでしょう。特に昨今は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響によって、説明会やインターンシップの中止も見られました。
学生との接点が減り、企業にとっては、マス型採用を行おうにも従来のような方法は難しい状態となります。そこで注目されるようになったのが、スカウトのような新しいオプションとなる採用手法です。
説明会や面接がWeb経由になるなど、選考フローのオンライン化も顕著になっています。
少子高齢化による労働力人口の減少
少子高齢化による労働力人口の減少も、重要な背景として挙げられるでしょう。少子高齢化によって、現役世代が減少していることの弊害は、以前から指摘されています。
労働力人口が減ってしまうと、少ない人材を数多くの企業で奪い合う形になるため、採用活動に支障が出てしまう可能性があります。そこで、自社に合った人材を素早く採用する手段として、スカウト型採用が大きな注目を浴びるようになりました。
採用の通年化
採用の通年化も、スカウトの浸透に大きな影響を与えています。従来の新卒採用は、「新卒一括ルール」を前提に行われていました。解禁日などのルールが定められており、企業はそれに則って採用活動を進めていたことになります。
しかし経団連が2018年に発表した、「採用選考に関する指針」には「多様な採用選考機会の提供(秋季採用、通年採用等の実施)に努める」と記載されており、通年採用に注目する企業も増加。従来型の採用手法だけでは通用しなくなり、求める人材に着実にアプローチする手段としてスカウトも注目されているのです。
新卒採用でスカウトを取り入れるメリット

新卒採用でスカウトを取り入れるメリットはさまざまです。スカウトを活用しようか迷っている場合は、メリットに関する項目を整理しておきましょう。ここでは、3つのトピックに分けて、スカウトを利用するメリットを解説します。
自社に合った人材に直接アプローチできる
まずは自社に合った人材に直接アプローチできることです。スカウトは、企業から人材にアプローチをする採用手法であり、これまでのマス型採用とは根本的に異なります。
マス型採用において、人材を採用するためには、学生からの応募を待たなければなりませんでした。しかしスカウトを活用すれば、自社に合った人材をスムーズに採用しやすくなります。
採用活動の通年化や早期化に対応できる、合理的な採用手法です。
母集団形成に役立つ
良質な母集団形成に役立つのも、スカウトを活用する大きなメリットです。採用活動を効率的に進めるためには、母集団形成が欠かせません。企業からアプローチをするスカウトであれば、求める人材像の条件に合った人材だけで母集団を形成できます。
例えば、応募の多い企業は、アプローチしてきた学生をふるいにかける作業が必要です。つまり、母集団形成に、それなりの工数がかかってしまいます。しかしスカウトであれば、ターゲット以外の学生に対応する必要がなくなります。
採用の費用対効果の改善にもつながる
スカウトは、採用の費用対効果の改善にもつながります。例えば、スカウトのみで採用活動を進めるのであれば、広告求人を掲載する必要がありません。スカウトでは、応募を待つのではなく、こちらからアプローチをするためです。
広告求人の料金形態はさまざまですが、採用活動に関する費用において、かなりのウエイトを占めます。このように、従来の採用手法でかかっていたコストを見直し、費用対効果の改善につなげられる可能性があります。
新卒採用でスカウトを取り入れるデメリット・注意点
スカウトの活用は、メリットだけではなく、いくつかのデメリットも覚悟しておく必要があります。ここでは、新卒でスカウトを取り入れるデメリット・注意点について、3つのトピックに分けて解説します。
ターゲットの定義・絞り込みが必要
まずはターゲットの定義や絞り込みが必要になる点です。スカウト型のサービスを利用する学生は多くいるため、どのようにターゲットを絞ればよいか迷ってしまう担当者の方も多いかもしれません。
スムーズに学生へのアプローチを進めるためには、事前にターゲットの設定を徹底しておくのが重要です。「どのような人材が必要になるのか」「アプローチをする学生の条件は何か(スキル面)」などの項目を、具体的にすり合わせておくとよいでしょう。
ターゲットの絞り込み条件の決定は、一見大変そうに思われるかもしれません。絞り込みの軸さえ決定してしまえば、自社の求める学生に集中的にアプローチできるようになり、効率的に母集団を形成することが可能になります。
運用フローを確立する必要がある
スカウトを利用する際は、運用フローを確立する必要がある点にも注意しましょう。スカウトは、従来の「ポータルサイトやナビサイト中心の採用方法」とは、異なる点が多くあります。手法を変えるのであれば、新たにフローを固めなければなりません。
運用フローが確立できていないと、スカウトの活用にばらつきが生じてしまい、一貫した採用活動ができなくなってしまいます。
社内にスカウト運用の知見が蓄積するまでは、ナビサイトを用いた従来の採用手法と並行して行うのをおすすめします。
ターゲット選定・オファーに工数がかかる
ターゲット選定やオファーに工数がかかる点にも注意が必要です。何度か触れているように、スカウトは募集を待つのではなく、ターゲットに直接アプローチする手法です。
そのため、母集団を形成するためには、選定・オファー・メッセージのやり取りなどが必要です。これらは採用担当者の仕事なので、その分手間がかかってしまいます。
しかし、手間をかけてでも質の高い母集団が形成できれば、後の選考過程での負担軽減が見込めます。例えば、オファー文面では、定型部分と個別メッセージ部分の比率を調整するなど、無理ない範囲で行えるよう工夫しましょう。
新卒採用のスカウトサービスの種類と費用相場
新卒採用のスカウトサービスには、大きく分けて「定額型」「成果報酬型」の2つがあります。それぞれ料金の計算方法や費用相場が異なるため、あらかじめ知識として整理しておきましょう。ここでは、スカウトの種類や費用相場について解説します。
定額型
定額型は、月額や年額で費用が決まっている料金形態です。一律で定まっているわけではなく、スカウトのサービスを提供している企業によって、独自の価格設定となっています。
また企業によって、さまざまなプランが用意されているのが一般的です。プラン内容によって、オファー可能上限数が設定されている場合もあります。
定額型は、採用人数を増やしても、追加料金が発生しないのが大きなメリットです。採用数を増やして、1人当たりの採用コストを減らすような運用もできます。定額型の相場は、年間100万円程度です。
安価なサービス・安価なプランを利用すれば、月数万円程度から対応してくれるところもあるため、事前のリサーチを徹底しましょう。
成果報酬型
成果報酬型は、サービスを通して成果が出た際に、支払いが発生する料金形態です。具体的には、「人材を採用」した際に、報酬を支払います。新卒採用と中途採用で、料金の計算方法は異なりますが、前者であれば一定額を請求されるのが基本です。
成果報酬型のメリットは、採用をするまで料金が発生しない点です。定額の支払いがないので、じっくりと人材を見定められます。ただし採用の有無に関係なく、初期費用や一定の利用料が発生する場合もあるので注意しましょう。
サービスによって料金は異なりますが、一般的な相場としては、1人の採用につき30万〜50万円程度になります。
新卒採用向けおすすめスカウト採用サービス
新卒採用向けのスカウト採用サービスは、とても数が多いため、どれを選べばよいか迷っている方も多いでしょう。ここでは、代表的なサービスを14つピックアップしました。それぞれの特徴や費用相場などを解説します。
OfferBox(オファーボックス)

OfferBox(オファーボックス)は、24.6万人の学生が利用する新卒スカウト型サービスです(2024年卒学生実績)。
2024年6月時点の登録学生数は44万9,000人(2024年卒・2025年卒合算)と、登録者数の多さが大きな特徴といえます。特定の分野に限定しているわけではないため、新卒学生全般の採用に適したサービスです。
OfferBoxならではのメリットは、「登録者数の多さ」「AI(人工知能)の活用による作業効率化」です。またオファーが開封される仕組みも整っているため、知名度がない企業であっても、効果的に新卒採用を進められます。
成果報酬型も用意されており、「1人当たり38万円」となります。無料で資料請求も可能です。
Wantedly
Wantedlyは、SNSの性質と採用をかけ合わせたサービスです。中途採用のイメージも根強いですが、新卒学生にも利用されています。新卒学生全般の採用におすすめです。利用ユーザー数は、2022年時点で約300万人となっています(ただし新卒以外も含めた全体の数です)。
Wantedlyの強みは、「サービス利用継続率の高さ」です。料金については、「ライト」「スタンダード」「プレミアム」から選択可能ですが、詳細は非公開となっています。
LinkedInは、採用活動に利用できる、アメリカ発祥のSNSサービスです。中途採用でよく使われるプラットフォームですが、大学でのセミナー活動も旺盛なので、学生の利用者数も増えています。なお、学生のユーザ数は非公表です。
アメリカ発のサービスということもあり、日本だけでなく海外の学生もターゲットにできるのが、LinkedInならではのメリットです。スカウト機能を利用するためには、有料プランへの加入が必須となります(料金の詳細は問い合わせが必要)。
dodaキャンパス
dodaキャンパスは、ベネッセ i-キャリアによって運営されている、スカウト型サービスです。学生の登録者数は2020年5月時点で、約35万人となっています(21〜24年卒)。新卒学生全般の採用に適したサービスです。
dodaキャンパスは、大学1年生や大学2年生の登録者も多いため、自社に合った人材に早期からアプローチできるのが大きな魅力です。dodaキャンパスの料金形態は、定額制となっており、ベーシックプランであれば年間60万円となります。
iroots
irootsは、ビジネス・ITエンジニア職に特化した新卒ダイレクトリクルーティングサービスです。運営会社であるエン・ジャパン株式会社独自の審査を通過した企業のみが利用できます。
学生は「本音・詳細プロフィール」に最大6,000字記入することができるため、表面的な自己PRではわからない人物像を見抜くことができます。37項目の性格・価値観診断で学生を定量分析し、数値化した「求める人物像」に照合できます。料金は要問い合わせです。
JOBRASS
JOBRASSは、コンサルティングを内蔵した、スカウト型サービスです。「JOBRASS新卒」と「JOBRASS転職」の2種類があります。新卒登録学生の登録者数は、2022年10月時点で約10万人です。新卒採用全般に利用できます。
JOBRASSならではのメリットは、やはりコンサルティングサービスが利用できることでしょう。スカウトをするためには「オファープラン」(定額型)を選択する必要があり、初期費用が20万円、月額費用が5万円となっています。
Openwork
Openworkは、転職の口コミサイトとして有名です。新卒向けのダイレクトリクルーティングサービスも実施しており、スカウトを利用できます。学生の利用者数も多く、2022年卒の登録者数は約28万人となっています。
Openworkならではのメリットは、ユーザーのアクセス分析や、口コミ機能が備わっている点です。料金形態は成功報酬型であり、新卒であれば「1人当たり40万円」となります。なお、初期費用や利用料はかかりません。
ゼロワン新卒スカウト
ゼロワン新卒スカウトは、インターン採用に関する「ゼロワンインターン」と連携した、新卒スカウト型サービスです。インターンでの情報が盛り込まれたプロフィールを見て、学生を選定できます。なお学生の登録者数は非公表です。
ゼロワン新卒スカウトならではのメリットは、やはりインターンを通して採用できる点です。料金など詳細情報については、あまり公開されていないため、問い合わせる必要があります。
キミスカ
キミスカは、高いスカウト返信率を誇るスカウト型サービスです。2021年卒・2022年卒ともに、10万人以上の学生が登録しています。
キミスカならではの特徴は、スカウトの種類の豊富さです。「プラチナスカウト」「本気スカウト」「気になるスカウト」など、企業の本気度によってスカウト方法を変えられます。希望の業種・職種や勤務地、適性検査の結果といった細かい項目から学生を絞り込むことも可能。定額型であり、5ヶ月75万円・年間150万円が相場です。
ONE CAREER CLOUD
ONE CAREER CLOUDは、就活サイト「ONE CARRER」を運営する株式会社ワンキャリアが運営するダイレクトリクルーティングサービスです。求人やインターン・説明会・本選考の情報掲載が可能なうえ、「ONE CARRER」のデータベースを活かし、幅広い学生に効率的にスカウトでアプローチすることが可能です。料金は問い合わせが必要です。
paiza新卒
paiza新卒は、プログラミングスキルの高い学生を採用できる、スカウト型サービスです。新卒学生だけでなく、現役のITエンジニアも登録しており、全体の登録者数は2022年3月時点で50万人を突破しています。エンジニア採用に特化したサービスです。
paiza新卒ならではのメリットは、独自のスキルチェックをし、学生のスキルを分かりやすく分類してくれる点です。料金形態は、成功報酬型となっており、1人当たり40万円からとなります。
ViViViT
ViViViTは、デザイナーに特化したスカウト型サービスです。利用者数は2022年10月時点で8万人を超えています。110万点以上の作品がデータベースに保存されており、ポートフォリオを見てからオファーを送信できます。
ポートフォリオだけでなく、プロフィールでも人材を検索できるなど、候補者の絞りやすさが大きなメリットです。企業規模や利用する地域によって、さまざまな料金プランがあります。詳しくは非公開なので、問い合わせが必須です。
LabBase
LabBaseは、理系学生に特化したスカウト型サービスです。正確な登録者数は公表されていませんが、国公立やMARCHの大学生が大半となっています。専門的な研究をしている学生が多くいるため、分野に合わせてスカウトが可能です。
LabBaseならではのメリットは、ダッシュボードを活用した分析・振り返り機能です。料金形態は、定額型(月額)となっています。ただし企業の採用活動によって、金額が調整されるシステムになっているため、詳しくは問い合わせが必須です。
LAPRAS SCOUT
LAPRAS SCOUTは、エンジニアに特化した採用サービスです。自社の採用条件を設定し、それに合致した人材を、AIの技術によって推薦してくれます。詳細な登録者数は公開されていませんが、150万人のデータベースにアクセス可能です。
SNSやGitHubなどのオープンデータを収集し、人材の特徴を分析してくれるため、ターゲット選定をしやすい点が大きなメリットです。料金形態は定額型で、詳細は問い合わせ、または資料請求が必須となります。
新卒採用向けスカウト採用サービスを選ぶ時のポイント

新卒採用向けスカウト採用サービスを選ぶ際は、いくつかのポイントを意識すると、よりスムーズに進められるでしょう。ここでは、「サービス登録者数」など、スカウト型サービスを選ぶ際のチェックポイントを解説します。
サービス登録者数が豊富かどうか
まずはサービス登録者数です。登録者が多ければ、その分ターゲットが多くいる可能性が高いため、母集団形成がしやすくなります。スカウト採用サービスを選ぶ際は、必ず注目したい数値です。
登録者数を重視するのであれば、特定の分野に特化していない、全般型のサービスを選ぶのがよいでしょう。
しかし、登録者数が多ければそれでよいというわけでもありません。企業によっては、「エンジニアだけを採用したい」など、特定の分野に関するニーズがあります。その場合は、分野特化型のサービスを選ぶのがおすすめです。
自社の求める人材像に合っているかどうか
自社の求める人材像に合っているかどうかも重要です。極端な例を出すと、文系の人材を探しているのに、理系学生特化のサービスを使うと非効率になります。
他にも、「希望職種」「運動部経験」「留学経験」「インターンシップ経験」といった自社が重視する項目がある場合は、サービスの登録者データを確認しながら該当の学生が多く登録しているサービスを選ぶと、求める人材に出会えやすくやすくなります。
先ほどの話にも関連しますが、効率よく母集団を形成するために、エンジニア特化やデザイナー特化のサービスを選ぶのも1つの方法です。
見込み効果に見合った料金体系か
見込み効果に見合った料金体系かどうかも重要です。どのサービスを選ぶか、そしてサービスのなかでもどのプランを選ぶかによって、費用は大きく異なります。
スカウト採用サービスを選ぶ際は、費用の項目も見ておき、自社にとって費用対効果の高いものを選ぶのが重要です。最低限、定額型と成果報酬型のメリットは整理しておきましょう。
また費用を確認するのと同時に、自社が採用活動に使おうと考えている予算の整理も重要です。特に成果報酬型は、予算オーバーのリスクもあるため、注意しましょう。
新卒採用のスカウトでよくある失敗例

スカウト採用は優秀な学生に直接アプローチできる一方、運用の仕方を誤ると成果につながりにくい手法でもあります。ここでは実際によくある失敗パターンを3つ紹介し、自社で同じ轍を踏まないための注意点を解説します。
| 失敗パターン | 主な原因 | 回避するための対策 |
|---|---|---|
| ターゲット設定が曖昧 | ペルソナ設計不足 |
採用要件の明文化と選定基準の統一 |
| テンプレ文面を多用 | 学生ごとの対応が不十分 |
パーソナライズと企業理解の伝達 |
| フォロー体制が不備 | 面談設計や日程管理の甘さ |
フォロー担当者の明確化と即レス体制 |
ターゲット設定が曖昧でミスマッチが多発する
ターゲット設定が曖昧なままスカウトを送ると、学生との間に期待値のギャップが生じ、面談キャンセルや選考辞退が増加します。特に「文理不問」や「人柄重視」など抽象的な要件でアプローチすると、受け手側も戸惑いがちです。
スカウトを有効に活用するには、採用したい人物像を明確に定義し、サービス内の検索条件やタグと整合させることが不可欠です。
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 想定ターゲットが曖昧 | 「地頭の良い学生」など定義が曖昧 |
| スカウト対象の精度が低い | 学生とのミスマッチが頻発 |
| 対策 | ペルソナ設計+要件整理ワークシートの活用 |
スカウト文面がテンプレすぎて無視される
スカウト文面がテンプレートのままだと、「自分に送ったのではなく、大量送信された一通だ」と受け止められ、開封されても返信されない確率が高まります。特にZ世代は「自分ごと化」への感度が高いため、学生一人ひとりに合わせたパーソナライズが不可欠です。
最低限、プロフィール文や所属学部に言及する一文を入れるだけでも、返信率は改善されます。
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| テンプレ多用 | 「○○様 初めまして。弊社にご関心いただき~」 |
| 開封率・返信率が低下 | 本気度が伝わらないためスルーされる |
| 対策 | 学生の属性に応じたメッセージのカスタマイズ |
スカウト後のフォロー体制が弱く機会損失につながる
せっかく学生から返信をもらっても、その後の対応が遅れたり属人化したりすると、大きな機会損失になります。特に就活のピーク時期は、学生は複数社とやり取りしているため、「返信に数日かかる」「面談設定が煩雑」な企業は後回しにされがちです。
対応の遅れは企業ブランディングにも悪影響を与えるため、スカウト後の対応フローは事前に明確化し、専任担当を置くことが重要です。
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| フォロー遅延 | 日程調整が後手に回る |
| 応答に一貫性がない | 担当者ごとに対応が異なる |
| 対策 | スカウト専任の担当者配置+運用マニュアル整備 |
新卒採用のスカウトと他の採用手法との比較

新卒採用において、ダイレクトスカウトは従来型のナビ媒体や社員紹介、インターンシップとは異なる特徴を持つ手法です。
以下では、それぞれの採用手法とスカウト型の違いを比較し、自社に合う最適な組み合わせを見極める視点を解説します。
| 手法 | 主な特徴 | スカウトとの違い | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| ナビサイト | 受動的・大量母集団形成 |
アプローチの主導権が学生側 |
広く母集団を集めたい企業 |
| リファラル採用 | 信頼関係ベースの採用 |
接点が社内に限定される |
内部推薦が活発な企業 |
| インターン採用 | 実践を通じた評価 |
期間と運用コストが必要 |
長期で関係構築できる企業 |
ナビサイトとスカウトの違い
ナビサイトは圧倒的な母集団形成力を持ちますが、アプローチの主導権は学生側にあります。スカウトはその逆で、企業から特定の学生に直接アプローチできるため、質の高い候補者と早期接点を築けるのが強みです。
一方で、ナビは「とりあえずエントリー」が多く、選考工数が増えがちです。
費用対効果を考えると、スカウトは採用精度重視、ナビは量重視という住み分けが必要です。
| 比較項目 | ナビサイト | スカウト型 |
|---|---|---|
| アプローチ主体 | 学生側 |
企業側 |
| 母集団の量 | ◎ |
△〜◯ |
| 母集団の質 | △ |
◎ |
| 工数 | 少ないが書類選考多 |
マッチすれば効率的 |
| 向いている用途 | 志望者拡大 |
志望度の高い層の発掘 |
リファラル採用・インターン採用とスカウトとの違い
リファラル採用は社員の紹介によって信頼性の高い人材を獲得できる手法で、インターン採用は実際の業務体験を通じて学生と関係構築が可能です。
一方スカウト採用は、これらと異なり「外部の新規接点を自社主導で作れる」点が最大の違いです。
リファラルは対象が限定され、インターンは工数が大きいため、スカウトはそれらの補完的手法として効果的に活用できます。
| 比較項目 | リファラル採用 | インターン採用 | スカウト型 |
|---|---|---|---|
| 接点の広さ | 社員の人脈に依存 |
長期関係構築型 |
任意の対象にアプローチ可能 |
| 採用までの工数 | △ |
× |
◯ |
| 信頼性・定着率 | ◎ |
◎ |
◯ |
| 主な課題 | 対象層が限られる |
工数が大きい |
パーソナライズ必須 |
自社に合う採用手法の見極めポイント
最適な採用手法は「採用人数」「求める人材の質」「現場の協力体制」「選考スピード」などで変わります。たとえば、少人数精鋭を採用したい企業にはスカウトが適し、大規模母集団が必要な企業はナビが基本線です。
人事リソースが限られている場合は、リファラルや選抜型インターンの活用が効率的です。重要なのは、手法を単体で見るのではなく「組み合わせて設計する」視点です。
| 判断基準 | 向いている手法 |
|---|---|
| 採用人数が多い | ナビサイト、合同説明会 |
| 高精度なマッチング重視 | スカウト型、インターン |
| リソースに制約がある | リファラル、スカウト |
| 多様な学生にリーチしたい | ナビ+スカウトの併用 |
まとめ

新卒採用におけるスカウト型採用は、採用戦略が多様化した現代において、重要度が増している手法です。メリットやデメリット、費用相場などをよく整理しておき、効果的な運用を心がけましょう。
スカウト採用サービスを選ぶ際は、「登録者数」「自社が求める人材像との合致」「料金体系」の3つを意識するのが重要です。自社の採用活動に関する予算も明確化し、計画的に進めていきましょう。
スカウトは、企業だけでなく、学生の間にも浸透しつつあります。どのサービスを利用するか迷っている、スカウトでの採用に自信がないといった場合は、「OfferBoxで始めるスカウト型採用入門3点セット」をぜひご活用ください。スカウトの手法だけでなく、23年卒・24年卒の学生や企業の市場動向を理解できます。

