地方学生を採用するメリットとおすすめ手法5選!成功のコツも解説

都市部での新卒採用が激化しているため、「なかなか自社にマッチする人材を採用できない」と悩んでいる企業もいらっしゃるのではないでしょうか?近年は人材を確保する戦略のひとつとして、地方学生への採用アプローチが注目されています。
本記事では地方学生の就活状況を解説した上で、採用するメリット・デメリットや企業事例、おすすめの採用手法まで紹介します。
自社と相性の良い地方学生を見つけたいなら、直接アプローチできる「スカウト採用」がおすすめです。以下の資料で詳細を説明していますので、ダウンロードしてご活用ください。

目次
地方学生の就活における現状と課題

関東在住の学生に比べ、地方学生のほうが就活費用が高い傾向にあります。
就職みらい研究所の調査によると、就職活動全体にかかった平均金額は関東が78,455円に対し、中部は87,916円、近畿は86,073円でした。※2025年卒の場合(2024年8月12日時点)

出典:就職みらい研究所「【2025年卒就職活動TOPIC】 就職活動全体の費用は微増。コロナ禍前と比べると約3割減」
就活費用のほとんどは、交通費や宿泊費が占めています。地方学生が都市部で選考を受けるには経済的負担が大きいため、首都圏の学生と比べて企業との接触機会が少なくなりやすいです。
上記のような状況を踏まえた上で、地方学生に対し積極的にアプローチしていく必要があります。
地方学生を採用するメリット・デメリット

地方学生の採用にはメリットとデメリットがあるので、順番に見ていきましょう。
地方学生を採用するメリット
地方学生を採用するメリットは、主に次の3点です。
- 自社に相性の良い人材と接点を持てる
- 就職活動に協力的なイメージを作れるため、採用ブランディングにつながる
- 採用の競争率が低いため、採用を成功させやすい
地方は都市部よりも採用競争が緩やかなので、自社にマッチする人材に出会いやすい環境です。企業数が少なく、新卒採用を実施している企業も限られているため、自社の採用活動が地方学生の目に留まる可能性が高まります。
また、地方学生の採用を強化することで、企業の採用ブランディングを高められる点もメリットです。地方学生は交通費などの負担が大きいので、地方で説明会を開催する企業は「学生に寄り添う企業」といった良いイメージを持たれるでしょう。
地方学生を採用するデメリット
地方学生の採用時は、下記のようなデメリットも考慮しなければなりません。
- 都市部より地元での就職を希望する学生が多い
- 採用チャネルの拡大や新しい手法の導入により、コストがかかる
- 入社後のフォローを手厚くし、早期離職を防ぐ必要がある
実際に就職みらい研究所の調査では、下図赤色の「地域出身で、地域内に就職した大学生」の割合が多くを占めています。

出典:就職みらい研究所「大学生の地域間移動に関するレポート2025」
内定を出しても「都市部で生活する自信がない」などの理由で辞退されるリスクもあるでしょう。
また、交通費支給や宿泊費負担など、従来よりも費用や時間、人員の確保といった負担が大きくなります。都市部での一人暮らしや新しい職場環境に馴染めず、早期離職につながるケースもあるため、入社後のサポートを手厚くすることも大切です。
地方学生の採用に成功した企業事例3選

地方学生の採用に取り組む前に、実際に成功した企業の事例を知っておきましょう。ここではオファー型採用サービス「OfferBox」を使用して、さまざまなエリアでの採用に成功した事例を3つ紹介します。
- 親身なやり取りで新たな学生との出会いに成功|株式会社コタニ
- 効率的なアプローチで採用工数を短縮|オリオンビール株式会社
- 学生の興味を聞き出し高いマッチ度を実現|株式会社七十七銀行
親身なやり取りで新たな学生との出会いに成功|株式会社コタニ
業種 | メーカー |
---|---|
従業員数 | 500-999名 |
企業HP |

・課題

・導入

・効果

詳しくは以下の記事をご覧ください。
「BtoB×地方企業」の認知とエリアの壁を克服!「正直」を貫く1to1コミュニケーションとは?
効率的なアプローチで採用工数を短縮|オリオンビール株式会社
業種 | メーカー |
---|---|
従業員数 | 100-499名 |
企業HP |

・課題

・導入

・効果

詳しくは以下の記事をご覧ください。
沖縄県本社の企業が、UIターン学生を求めてOfferBoxを導入。採用効率を改善し、ターゲット学生の採用に成功
学生の興味を聞き出し高いマッチ度を実現|株式会社七十七銀行
業種 | 金融・保険業 |
---|---|
従業員数 | 1,000名以上 |
企業HP |

・課題

・導入

・効果

詳しくは以下の記事をご覧ください。
求める人材に出会うための新たな挑戦。「時間対効果」を見据えたスカウト型導入で、大学院生2名の採用に成功。
地方学生の採用におすすめの手法5選

「地方学生の採用には、どのような手法が適しているのだろう?」と考えている採用担当者向けに、下記5つの手法を紹介します。
- ダイレクトリクルーティングで直接アプローチする
- 大学内の企業説明会に参加して自社の魅力を伝える
- オンライン形式のインターンシップを実施する
- 採用サイトで地方学生向けの情報を発信する
- SNSで発信して地方学生からの応募を狙う
具体的なやり方も説明しますので、ぜひ今後の採用活動に取り入れてみてください。
手法1:ダイレクトリクルーティングで直接アプローチする
ダイレクトリクルーティングとは、採用したい学生に企業側から直接アプローチできる手法です。
居住地域や大学名などで絞り込み、地方学生に限定してスカウトメッセージを送れます。自社の特徴や入社後の活躍イメージを具体的に伝えられるため、企業の知名度に関わらず成果を出しやすいのがメリットです。
下記を意識すると、会社とマッチ度の高い学生に出会える可能性が高まります。
- 採用したい人物像を明確にする(技術面、人柄面など)
- 1に沿ったスカウト文面や選考プロセスを作成する
地方学生は都市部の企業情報を十分に入手できないケースもあるため、企業から積極的に声をかけて関心を得ましょう。
ダイレクトリクルーティングのメリットや成功のコツを詳しく知りたい方は、下記の記事をご一読ください。
以下の資料ではダイレクトリクルーティングの使い方をまとめていますので、お気軽にダウンロードしてご活用ください
手法2:大学内の企業説明会に参加して自社の魅力を伝える
過去の採用実績から、自社と相性の良さそうな大学がある場合は、学内の企業説明会に参加しましょう。
地方学生は都市部企業との接点が限られているため、企業側が大学を訪れることで、学生の関心を引きやすくなります。対面で話せるため、学生は職場環境や社員の雰囲気をリアルにイメージでき、企業側も学生の反応を直接見ながら進められるのが利点です。
自社の魅力を伝える際は、下記を意識すると学生の理解度を深められます。
- 専門用語を使わず、学生が理解しやすい言葉で説明する
- 図・表・写真などを挿入し、視覚的にわかりやすいスライド資料を作る
給与や福利厚生といった学生から質問しにくい内容は、企業側から丁寧に説明することで印象もアップします。
他にも学生に好印象を与えるポイントをこちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
手法3:オンライン形式のインターンシップを実施する
オンライン形式のインターンシップなら、距離的・経済的な理由で都市部へ足を運びにくい地方学生も参加しやすくなります。また、学生の交通費や宿泊費、社内設備の準備にかかるコストを削減できる点もメリットです。
具体的には、次のような内容のインターンシップをおすすめします。
- 業務を体験してもらう
- 社員との交流会を設け、社風や働き方を知ってもらう
インターンシップ中はブレイクアウトルームやチャット機能も活用し、社員と学生間のコミュニケーションを促進しましょう。開催後も継続して学生とコンタクトを取ることで、入社意欲を高められます。
オンライン形式のインターンシップを実施した企業事例や、意識すべきポイントについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
手法4:採用サイトで地方学生向けの情報を発信する
地方学生の知りたい情報が採用サイトに掲載されていないと、興味を引きにくくなります。地方学生向けの情報をまとめた採用ページを、別で作成するのがおすすめです。
株式会社電通の調査によると、「都市企業」と「地方企業」に就職する学生の決め手は、下表の通り異なることがわかりました。

出典:電通報「Z世代就活生まるわかり③~地方企業に対する就活生の見解は?」
そのため、上記の結果を踏まえて自社の状況に合った内容を盛り込みましょう。もし「業績の安定性」や「やりがい」をアピールしたいなら、下記のような情報を採用サイトに掲載するのもひとつの手です。
- 企業の成長過程を、図表やイラストで可視化する
- 地方から入社した社員のインタビュー動画を掲載する
また、地域別の採用情報やオンライン選考プロセスについても明記すると、応募のハードルがさらに下がります。
こちらの記事では、迷ったら入れるべき採用サイトのコンテンツを紹介していますので、併せてご覧ください。
手法5:SNSで発信して地方学生からの応募を狙う
地方学生からの認知度を高めるには、学生が情報収集によく使うSNSを活用するのも有効です。弊社(株式会社i-plug)の25卒学生への調査によると、59.6%の学生がSNSで業界や企業への理解を深めていることがわかりました。

出典:株式会社i-plug「【25卒学生/企業対象】就職活動におけるSNSの活用状況に関する調査(2024年2月)」
とくにSNSでの発信でおすすめなのが、下記のように具体的な働き方がわかる情報です。
- 社員の働く様子(写真や動画など)
- 内定者インタビュー動画
リアルで親しみやすいイメージを発信できれば、学生の企業理解が進んで応募意欲を高められます。
ただし、SNS発信を成功させるには会社全体の協力が必要です。事前にSNS採用の目的や必要性を社内で共有しておきましょう。
もし「SNS採用の導入方法を知りたい」という場合、下記の記事を参考にしてみてください。
地方学生の採用を成功させる4つのコツ

地方学生の採用を成功させるには、都市部とは異なる課題を理解した上で戦略的に取り組む必要があります。地方学生の採用をスムーズに進める4つのコツを見ていきましょう。
- 交通費や宿泊費を負担する
- フォローを丁寧に行い、内定後の不安を軽減する
- オンラインの企業説明会・面接を実施する
- 学生の印象に残るスカウトメールを作成する
コツ1:交通費や宿泊費を負担する
地方学生が都市部企業を受ける際に問題なのが、交通費や宿泊費の負担です。新幹線や飛行機、高速バスなど長距離移動の費用が重いことが原因で、応募を断念する学生も少なくありません。
企業側が交通費や宿泊費を支給すると、学生は安心して応募できるため、優秀な人材との接点を増やせます。全額支給が難しい場合でも、「遠方からの参加者に一律5,000円支給」など一定額を提示する方法がおすすめです。
採用コストは増えますが、応募人数や内定受諾率のアップにつながり、採用効率が向上します。
コツ2:フォローを丁寧に行い、内定後の不安を軽減する
地方学生は内定後に「一人暮らしや職場に馴染めるかが不安」といった心配を抱えやすいので、ケアが不足すると内定辞退につながりかねません。
弊社(株式会社i-plug)の調査によると、内定者がもっとも希望するフォローは「人事・人事以外の社員との面談」でした。学生が、内定後も企業とのコミュニケーションを重視していることがわかります。

出典:株式会社i-plug「【25・26卒】就活生が企業に求めるものに関する意識調査アンケート」
そのため、次のような対策を取り入れるのがおすすめです。
- 地方出身で活躍している社員との交流会を開く
- 地方出身の先輩社員をメンターとして割り当てる
また、家族向けに社内報を送るなど、内定者の周囲の理解も深めると辞退を防げるでしょう。
なお、内定者フォローで内定辞退を防ぐポイントについて、こちらの記事で詳しく解説しています。
コツ3:オンラインの企業説明会・面接を実施する
地方学生にとって、都市部への移動は時間的・経済的負担が大きく、応募をためらう原因のひとつです。説明会や選考プロセスをオンラインにして、気軽に参加できる環境を整えましょう。
弊社(株式会社i-plug)の調査によると、2025年度は2024年度よりも「1次面接以降はオフラインで実施する」と答えた企業が増えています。

出典:株式会社i-plug「【26卒学生/企業対象】就職活動の選考過程に関する調査(2025年1月)」
そのため、「最終面接のみオフラインで実施」などに調整することで、他社と差をつけつつ地方学生の負担を軽減しやすいです。
とくにオンライン説明会は、対面より一方通行のコミュニケーションになる傾向にあります。参加者の注意力や集中力が途切れないよう、写真・イラスト・フリップなどの視覚情報を交えて説明しましょう。
オンライン説明会に必要な準備を知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
コツ4:学生の印象に残るスカウトメールを作成する
知名度が高くない企業や、専門スキルをもつ人材を求める場合、スカウトメールが有効です。ターゲットに合わせて文面を変えると特別感を演出できるので、学生の応募意欲を高められます。
次のポイントを意識して、スカウトメールの文面を作成しましょう。
- 件名で自社の魅力を訴求する(「年間100時間のスキルアップ研修を実施」など)
- 視覚的にわかりやすいメッセージにする(改行・罫線・見出しの挿入など)
学生のプロフィールや自己PRを読み込んだ上で、「あなただからオファーした」と伝わる内容にすることが重要です。
スカウトメールの具体的な例文は、下記の記事で紹介しています。エンジニアや営業職など職種ごとの例文がありますので、ぜひお役立てください。
学生にスルーされないスカウトメールの作り方を知りたい方は、以下の資料をダウンロードしてご活用ください。
まとめ

本記事では、地方学生を採用するメリット・デメリットや企業事例、おすすめの採用手法などを詳しく解説しました。地方学生ならではの悩みや課題を知った上で、適切な手法やフォローを行うことが大切です。交通費の負担や内定者フォローといった成功のコツも取り入れながら、地方学生の採用を進めていきましょう。
とくにダイレクトリクルーティングを活用すると、自社の求める地方学生と接点を持ちやすくなります。詳しいやり方を知りたい方は、以下から資料をダウンロードしてご覧ください。
