【企業向け】内定者懇親会で何する?6つの企画例と内定辞退を防ぐポイント
「内定者懇親会では何をするのが効果的なのか」「内定辞退を防ぐためにどのような企画が必要なのか」と悩む採用担当者は少なくありません。懇親会は単なる交流イベントではなく、内定者が入社を判断するうえで重要な材料となる機会でもあります。設計次第では安心感を高める場にもなりますが、意図が曖昧なまま実施すると、かえって不安を残す可能性もあります。
本記事では、内定者懇親会の目的や形式を整理したうえで、「具体的に何をするべきか」を企画例とともに解説します。さらに、辞退につながりやすい主因である「不安」「比較」「情報不足」「孤独感」にどう向き合うかという観点から、効果的な設計ポイントもまとめました。
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目次
内定者懇親会とは?目的や重要性

内定者懇親会は、単なる「顔合わせ」や「親睦会」ではありません。採用戦略の一環として、明確な目的を持って設計・実施する必要があります。ここでは、その目的と重要性、そして実施時の注意点について解説します。
内定者懇親会の目的
内定者懇親会の大きな目的の1つは、内定者の不安を解消し、入社意欲(志望度)を維持・向上させることにあります。
株式会社i-plugの調査によると、学生の約2人に1人が「人事の対応によって志望度が下がったことがある」と回答していました。内定後のコミュニケーションが希薄だったり、事務的な対応に終始したりすると、学生は「自分は大切にされていないのではないか」と不安を感じ、辞退につながるリスクが高まります。内定者フォローにおいては「この会社を選んでよかった」と思ってもらえるような体験を提供することが不可欠で、そのフォロー策の1つが内定者懇親会です。
内定者懇親会の重要性
採用競争が激化する現代において、内定者懇親会は多くの企業にとって重要度の高い施策となっています。

出典:株式会社i-plug「2025年卒・2026年卒 採用活動状況調査」
弊社i-plugの調査によると、回答企業の過半数が「内定者懇親会を実施している」という結果でした。他社が手厚いフォローを行うなかで自社が何も実施しなければ、相対的に志望度が下がる恐れがあります。内定者同士の横のつながりを作り、帰属意識を醸成するためにも、懇親会の開催は重要です。
内定者懇親会を実施する際の注意点
内定者懇親会は重要ですが、開催すれば十分というわけではありません。学生が求めているフォロー内容と、企業が提供する内容にズレが生じないよう注意が必要です。

出典:株式会社i-plug「【2025年卒対象】就職活動状況に関するアンケート」
弊社i-plug調査の「内定者フォローで求めるもの」という項目では、多くの学生が「人事担当者との面談」や「人事以外の社員との面談」を求めていることがわかっています。一斉に集まる内定者懇親会はもちろん有効ですが、それだけで完結させるのではなく、個別の面談と組み合わせるなど、学生のニーズを把握したフォロー設計が重要です。
内定者懇親会の形式
昨今では、対面開催だけでなく、オンラインやハイブリッド形式での内定者懇親会も一般的になっています。
対面形式は、熱量が伝わりやすく深い関係性を構築しやすいものの、移動の負担や孤立する人が生まれるリスクがあります。一方、オンライン形式は気軽に参加できる反面、雑談が生まれにくく、一体感を作るのが難しいという課題があります。
それぞれの形式のメリット・デメリットを理解し、参加人数や目的に応じて使い分けることが大切です。
自己紹介やグルーピングを簡単に
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内定者懇親会では何をする?主な内容

内定者のエンゲージメントを高めるために有効な、内定者懇親会の代表的な企画を6つ紹介します。自社のフェーズや人数に合わせて、適切なものを選定してください。
ランチ会・カフェタイム交流
ランチ会やカフェタイム交流会は、リラックスした雰囲気で場を温めるのに最適です。
まずは参加者同士の距離を縮め、何気ない会話を楽しめる環境を作りましょう。運営時は、20分程度で席替えするなど、より多くの人と接触できるように配慮するのが効果的です。オンラインで開催する場合は、同じデリバリーを注文して共有体験を作るのも一案ですが、飲み物片手の「ティータイム形式」にすると、より気軽に参加しやすくなります。
内定者同士の交流会
内定者同士の交流会は、同期の人間関係を構築して、入社前の孤独感を解消するうえで有効です。
趣味や就職活動の軸など、共通点を探るワークを取り入れると、自然に会話が弾みやすいでしょう。まずはペアで話し、次に数人のグループ、最終的に全体へと広げていくステップを踏むと、無理なく話しやすくなります。
運営側は、特定のグループだけが内輪で盛り上がりすぎないよう、適宜ファシリテーションを行い、全員が発言しやすい空気を作ることが重要です。
先輩社員との交流会
現場で働く先輩社員との交流は、入社後に働くイメージを持ってもらうために欠かせません。配属予定部署の先輩や、年齢の近い若手社員をアサインすると、内定者は「自分もこうなりたい」というロールモデルを見つけやすくなります。
実施の際は、あらかじめ「NGなしの質問会」や「テーマ別座談会」といった方法を設定しておくと、質問が出やすくなるでしょう。また、参加する社員には「会社の良い点だけでなく、大変な点も正直に話す」といったスタンスを共有しておくと、信頼アップやミスマッチ防止につながります。
職場見学
実際に働くオフィスや会議室、休憩スペースなどを見学するオフィスツアーは、内定者の帰属意識を高める効果があります。オンライン面接が増えている近年では、一度も来社しないまま内定に至るケースもあり、リアルな場の空気を感じてもらう機会は貴重です。
単に場所を見せるだけでなく、「ここで毎朝ミーティングをします」「ここはリフレッシュエリアです」と、具体的な利用シーンを解説しながら案内するのがポイントです。また、すれ違う社員が気持ちよく挨拶するような社内周知も忘れずに行いましょう。歓迎ムードが伝わることで、入社への期待感が高まる可能性があります。
個別フォローアップ面談
大勢の前では聞きにくい個人的な悩みや、就職活動終了に伴う不安(内定ブルー)を解消するためには、個別面談も有効です。
ここでは評価や合否判断ではなく、あくまで「内定者の気持ちに寄り添う傾聴」に徹します。「入社までに準備しておくことはあるか」「配属先の希望について」など、個別の事情に合わせたフォローを行うのがよいでしょう。特に、他社と迷っている内定者がいる場合は、この場でのフォローが承諾の決め手になることもあります。
グループワーク
グループワークは、協力して課題に取り組むなかで、チームワークや協調性を醸成するのに最適です。
内容は、ビジネスゲームや自社の新規事業立案ワーク、あるいは謎解きゲームなど、難易度を調整して実施します。結果の優劣を競うことよりも、「意見を出し合う」「合意形成を図る」といったプロセスを体験してもらうことが目的です。達成感を共有することで内定者同士の結束が強まり、入社後の研修や業務においてもスムーズに連携できるようになる効果が期待できます。
内定者懇親会のアイスブレイクに使える・盛り上がる企画例

懇親会の冒頭やプログラムの合間には、緊張をほぐして会話のきっかけを作るアイスブレイクを取り入れるのが効果的です。ここでは、特別な準備が不要で、初対面同士でも自然に盛り上がりやすいゲームや企画を紹介します。
コンセプト型自己紹介ゲーム
一定のルールやテーマを決めて行う、ゲーム性を持たせた自己紹介です。
代表例としては、自分の前に自己紹介した人の名前を順番に覚えて、それに連ねて自己紹介をする「リレー式自己紹介」が挙げられます。単なる自己紹介よりも、他の内定者の名前やプロフィールを楽しみながら覚えられる企画です。あまり人数が多すぎると後半の人の負担が大きいため、10人程度のグループを作ると適度な難易度で進められます。
また、自分のことを漢字一文字で表し、その理由を説明する「漢字自己紹介」も人気の企画です。自分の特徴を一文字に詰め込んで説明するため、ポイントが絞られて印象に残りやすい自己紹介になります。紙に漢字を書いてもらうだけなので、オンラインで実施しやすい点もメリットです。
他己紹介ゲーム
2人組になってお互いに質問をし合い、パートナーの紹介を全体の前で発表します。
その際、ただ相手に聞いたことをそのまま話すのではなく、パートナーの優れたところや強みを話すのがポイントです。
パートナーについて知らないと発表ができないため、情報収集力が必要になりますし、自分のことを相手に伝えようとするコミュニケーション能力も養われます。
また、時間が決まった中でヒアリングから他者を発表するまで行うので、インプットとアウトプットの練習にもなります。
さらに自分では気付けなかった長所を客観的に発見してもらうことで、入社後のモチベーションとなったり、ペアになった相手と再会する楽しみができたり入社意欲が高まります。
Zoomの時間でグループに分かれる機能「ブレイクアウトルーム」を使うのがおすすめです。
Good&New
3~7名のグループに分かれて、24時間以内にあった「よかったこと(Good)」や「新しいこと(New)」を発表します。
グループ内で一人ずつ発表し、発表が終わるたびに拍手します。常に前向きな発表は、チーム作りや明るい雰囲気作りに最適です。
その人の性格・趣味・価値観を知れるきっかけになったり、繰り返し行うことでポジティブな思考変換への訓練にもなるのでおすすめです。
中には、人前で話すのが苦手な方もいるので、プレッシャーにならないように、少ない人数にしたり、メンバーを調整したり配慮しましょう。Zoomだとグループに分かれる機能「ブレイクアウトルーム」が便利です。
自分の気付きを相手にアウトプットする経験と、その気付きを相手に承認(拍手)してもらうことの喜びを体験することで、「この環境は自分を受け入れてくれる」という安心感を与え入社意欲を高めることができます。場合によっては「この環境ならもっと自分を出せるかも」と入社が楽しみになったり、そのきっかけが入社後の原動力にも繋がります。
人狼系ゲーム
人狼系ゲームとは、市民チームと人狼チームの二手に分かれて行うテーブルゲームです。人狼チームは正体を隠しながら市民に紛れてミスリードを誘い、市民チームは会話の中から誰が人狼なのかを推理します。ルールや実施方法にはいくつか種類がありますが、特別な道具などが不要なため、Web会議システムを使ってオンラインで開催することも可能です。
人狼系ゲームは全員が役職を持って議論に参加でき、勝利すると強い達成感を得られるため、親交を深めるのに向いているゲームです。また、チームで議論を深めたり、団結してミッションを進めたりする訓練にもなります。人狼ゲームを通してコミュニケーション能力や自己主張力が向上したという調査結果もあり、会社の研修などで使われるケースも増えています。
謎解き脱出ゲーム
謎解き脱出ゲームは、物語やプログラムに沿って謎を解き、チームで力を合わせて制限時間内にクリアを目指すゲームです。会社や自宅の一室など現実世界を舞台にするシナリオもあれば、無人島や異世界からの脱出などPRGのような世界観を楽しめるシナリオもあります。
さまざまなルールがありますが、一般的には4~6人の少人数チームを作り、チームごとにより早いクリアを目指して謎解きを進めます。宝探しなどと異なり広いスペースが必要なく、机と椅子があれば実施できる点も魅力です。
また、チームで協力して知恵を絞る過程で仲が深まり、チームビルディングにつながります。そのため、新人社員研修や社内イベントに活用されることもあります。
オンラインでも実施しやすい企画
オンライン開催では、対面以上に“参加感”を意識した企画設計が重要です。画面越しでも盛り上がりやすいのは、Zoomのチャットや反応機能を使った「〇×クイズ」や「共通点探し」「お気に入りのモノ紹介リレー」などです。
声を出さなくても参加できる工夫を加えることで、通信環境や話しづらさの不安も軽減されます。さらに、事前アンケートをもとにグループ分けや話題選定を行うことで、一体感のある空気をつくることができます。オンライン特有の空気の“間”をコントロールしながら、話しやすい仕掛けを意識しましょう。

効果的な内定者懇親会で内定辞退防止につなげるポイント

内定辞退の背景には、「入社後の不安」「他社との比較」といった複数の要因があります。懇親会を単なる交流イベントとして設計すると、これらの不安を十分に解消できず、結果的に辞退リスクを高める可能性もあります。ここでは内定者懇親会で内定辞退防止につなげるポイントを紹介します。
①既存社員にも幅広く参加してもらう
内定者の入社意欲が高まるフォロー内容は、配属先の社員や人事担当者など既存社員との懇親会です。内定者同士だけの懇親会では、「実際はどうなのだろう?」と不安に思っていることの解消や、長期的に働く自分の将来像のイメージができません。
さまざまな立場の既存社員に幅広く参加してもらうことで、内定者が抱えている不安や疑問を解消することができます。
また、「この人を見習っていきたい」とロールモデルとするような先輩社員との出会いも生まれるかもしれません。
既存社員も、内定者を新しいメンバーとして受け入れる意識が早い段階からできて、入社後にスムーズに関係を築いていくことができます。
人事以外の社員にとって「採用」が他人事にならないようにするためにも、内定者懇親会に既存社員の協力を得ることは非常に重要です。
②メンバーのグルーピングを最適化する
内定者懇親会ではグルーピングにも注意を払いましょう。グループによっては会話が弾まない「沈黙のテーブル」ができたり、一部の声の大きいメンバーだけが話して終わったりする失敗が起きがちです。
こうした事態を防ぐには、メンバーの性格も考慮してグループを決めましょう。例えば、OfferBoxの適性検査「eF-1G」などのデータを活用し、相性が合うメンバー同士を組み合わせたり、内定者のタイプに合わせてフォロー上手な先輩社員を同席させたりする方法があります。
また、1回目は「話しやすさ(共通点)」、2回目は「配属・職種(興味関心)」と、回ごとにグルーピングの軸を変えるのも効果的です。オンラインの場合は、8〜12分程度の短いサイクルでブレイクアウトルームを回し、多くの同期と接点を持たせる工夫も考えられます。
③適度な感覚・間隔で継続的に実施する
内定者懇親会は、なるべく継続的に複数回実施できるとよいでしょう。
例えば、「内定者懇親会は内々定後に一回だけ実施して、その後は秋に内定式、その次は入社式まで特に何もしない」という企業がありますが、これでは、
- 一回の懇親会で入社意欲を高められなかった内定者の辞退
- 別の企業から内定をもらっていた場合、迷いが生じて結果的に辞退につながる
などのリスクがあります。
特に、内定から入社までの期間が長い新卒採用においては、二ヶ月に一回程度懇親会を入れるのがベストです。
内定者懇親会を複数回実施すれば、内定者に引き合わせることのできる既存社員の人数も増え、多様な社員と話す中で相互理解が深まります。
また、継続的に内定者懇親会で接点を持ち続けることで、内定者が「実はまだ就職活動を続けていて……」といった相談を持ちかけてくれる可能性もあります。
一度きりの内定者懇親会だけで、その後はたまにメールでの近況確認や社内報などの書類が送られてくるだけ……というフォロー方法では、内定者の心が離れかけていることにも気付けなくなってしまいます。
予期せぬ内定辞退に慌てなくてよいように、内定者とのコミュニケーションは常に多方面から持ち続けたほうがよいと思います。
④心理的安全性の確保に注力する
内定者懇親会の場で、人事が内定者を「まだ見極めよう」「評価しよう」という目線で見ていると、その空気は敏感に伝わります。内定者が「試されている」と感じて萎縮してしまうと、信頼関係を築くどころか、「この会社では常に気を張っていなければならない」という不安を与え、辞退の引き金になりかねません。
最大の辞退防止策は、ここが「評価の場」ではなく「ありのままを受け入れる場」であると示し、安心感を醸成することです。
また、参加する現場社員に対しても事前のレクチャーが不可欠です。「他社の選考状況をしつこく聞く」「就活終了を強要する(オワハラ)」といった言動は、内定者の信頼を損ないます。NG質問リストを共有し、あくまで内定者の味方として接するよう徹底してください。
⑤服装・持ち物・交通費のガイドラインを示す
「私服で構いません」という案内だけでは、「本当に私服でいいのか、それともオフィスカジュアルなのか」と迷う内定者も少なくありません。こうした些細な迷いや不安は、参加への心理的ハードルを高めてしまうことがあります。
ガイドラインは「正しさ」を伝えるためではなく、「迷いを消す」ために提示しましょう。例えば、服装なら「ジャケット不要、スニーカーOK」と具体例を挙げるか、過去の懇親会の写真を添えると親切です。持ち物についても、筆記用具や本人確認書類の要否を明記します。また、交通費の支給有無や精算方法(領収書の宛名など)も事前に伝えましょう。
オンライン開催の場合も、カメラ・マイクのON/OFFルールや、バーチャル背景の使用可否を案内しておくと、内定者は余計な心配をせず、当日のプログラムに集中できるようになります。
まとめ

本記事では、「内定者懇親会で何をするべきか」という疑問に対し、目的や重要性、具体的な企画例、実施時のポイントまでを整理しました。懇親会はイベント単体で完結する施策ではなく、入社までの一連の内定者フォローのなかの1つとして位置づけることが重要です。
特に、既存社員との接点づくりや心理的安全性の確保、継続的なコミュニケーションの設計は、内定辞退の防止につながります。企画の内容だけでなく、参加しやすい環境づくりや運営体制まで含めて検討することで、双方にとって有意義な場にできます。
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