【人事向け】内定承諾後に辞退されるよくある理由と防止・対処法を解説

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募集や選考に時間とコストをかけた企業にとって、内定承諾後の辞退は深刻な問題です。採用担当の方のなかには「どうすれば内定承諾後の辞退を防げるのか」と頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、内定承諾後に辞退される主な理由と対策について詳しく解説します。内定辞退を防ぐための過度な対応として問題になっている「オワハラ」など注意すべき点にも触れています。

また人事ZINEでは、内定者フォローの基本を把握し、内定者の不安を理解し適切なフォローをするために役立つ資料をご用意しました。内定承諾後の辞退を未然に防ぐために、ぜひご活用ください。

【内定者フォロー編】人事なら知っておきたい 採用基礎知識まとめ
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内定承諾後に辞退されることはある?

内定承諾後に辞退されることはある?

企業が内定を出した人数に対する辞退者の割合(内定辞退率)の平均は新卒採用では6割を超えているとされています。内定通知に対する承諾後であっても、承諾には基本的に法的拘束力がなく、承諾後でも辞退されることは珍しくありません。

求職者の応募に対し、企業が選考後に内定を伝えた時点で労働契約が成立しますが、雇用期間が決められていない労働契約では、解約の申入れから2週間を経過した時点で労働契約が終了すると定められています。そのため、内定者側は入社日2週間前までに入社を辞退すれば、入社日までに労働契約が終了するため法的に解約(内定辞退)が可能です。

入社日の前日に辞退された場合でも、それを訴訟沙汰にしたり損害賠償を請求したりすることは自社のイメージを傷つける恐れがあります。企業側がとれる現実的なアクションは、内定辞退をできるだけ予防し、辞退の申入れがあっても慌てずに対応することです。

内定承諾後に辞退される主な理由

内定承諾後に辞退される主な理由

エン・ジャパン株式会社による「選考辞退に関する意識調査」(2022年調査)によると、内定を辞退した理由として「他社の選考が通過したため」「提示された条件がイマイチだったため」が最も多く(ともに37%)、続いて「雰囲気が悪かったため」(14%)、「面接官の態度が悪かったため」(13%)となっています。

これらは内定承諾の前にも後にも当てはまる理由ですが、内定承諾後に辞退される理由としても参考になります。

志望度の高い他社から内定をもらった

求職者は複数社に応募するのが普通で、自社の内定を承諾した後でもより魅力的な企業から内定を獲得すれば、その企業を選ぶことは少なくありません。

この理由による辞退は志望度が原因で、他社への入社に対して「子供の頃からの夢」「念願の職場」といった強い動機がある場合のほか、両社で迷っているものの自社の魅力を十分に伝えきれずわずかな差で他社を選択するという場合もあるでしょう。

雇用条件に不満がある

内定承諾後であっても、雇用条件に対する不満を理由に辞退されるケースがあります。

企業側はすでに募集や選考を通して雇用条件を提示しているとはいえ、応募者側は不安な点を理解しておきながら応募しているケースや内定承諾後に内定者の不満が大きくなるケースがあります。

また、給与や休日に関する雇用条件と異なり、入社後に就く業務内容や勤務地が確定するのは人材を見極めた後になることもあり、後から提示された条件が不満で内定辞退を選択する場合もあるでしょう。

自社について悪い評判を聞いた

自社についての悪い評判を聞いて内定辞退の判断をされてしまうこともあります。

求職者は、職場の人間関係やハラスメントの有無といった評判には敏感です。退職した元社員の不満といった口コミは、真偽にかかわらずマイナスイメージにつながることがあります。

職場の評判の他にも、経営者・幹部層の発言、商品やサービスの欠陥・リコール、カスタマー部門の対応などにも注意が必要です。これらについて良くない情報がニュースや口コミにあがれば、求職者の志望度を下げる可能性があります。

入社が不安になった・気が変わった

「不安になった」「気が変わった」という理由で内定が辞退される場合もあります。

ここでいう「不安になった」とは、必ずしも内定を受けた企業に対してではなく、初めて社会に出ることや、自分の能力に自信が持てないことからくる「やっていけるだろうか」という不安も含まれます。

不安や疑問は適切なフォローによって解消できる場合があるため、内定辞退の理由のなかでは対策をとりやすいと言えます。

内定承諾後の辞退を防ぐためにできる対策

内定承諾後の辞退を防ぐためにできる対策

ここでは、内定承諾後の辞退を防ぐためにできる対策を紹介します。

採用ブランディングに注力する

内定者が他社と迷っているものの決定的な差があるわけではない場合や、雇用条件に若干の不満がある場合には、採用ブランディングに注力することで辞退を防げる可能性があります。

採用ブランディングとは、商品やサービスのブランド化と同様に、自社と自社で働くことに対する魅力を伝えることで、自社の認知度とイメージを向上させ採用につなげる戦略です。

採用ブランディングが上手くいけば、自社への志望度が上がり、内定辞退を防げるだけでなく、母集団形成が容易になり求める人材を採用しやすくなります。また自社の良いイメージや評判が浸透していれば、万が一悪い評判を聞いても即辞退という判断にはつながりにくくなるでしょう。

ミスマッチが起こりにくい募集・選考を行う

ミスマッチが起こりにくい募集・選考を行うことで、内定承諾後の辞退を減らすことが可能です。

企業側が広報している仕事内容・企業イメージと、求職者が受ける印象にミスマッチがある場合、内定を承諾してもらっても辞退を招く可能性があります。そこで企業のミッション・ビジョンや職場風土・詳しい仕事内容などを募集時や選考段階であらかじめ積極的に伝えると、求職者も企業像を正確に判断しやすく、誤解のない状態で応募・選考に参加することになります。こうすることで内定後の不安要素を減らせるため、辞退の減少を期待できるのです。

面接官の教育を徹底する

内定辞退を防ぐための対策として、面接官の教育を徹底することも有効です。前掲「選考辞退に関する意識調査」からも見てとれるように、面接官の態度・言動は求職者からの印象を大きく左右します。面接官の教育・トレーニングは念入りに行いましょう。

仮に現在の面接官が経営者・幹部層である場合、求職者に対して上から目線の話し方や横柄な態度が見られたとしても採用担当者から指摘するのは抵抗があるかもしれません。しかし、面接官には人材の見極め役としてだけではなく、「会社の顔」としての役割があることを理解してもらうことが重要です。

内定の出し方を工夫する

内定の出し方を工夫することで、内定通知後の辞退を防ぐ効果が期待できます。

求職者に対し「数多くいるうちの1人」というぞんざいな扱いをすれば、自社に対する真剣度は上がらないでしょう。それに対して「活躍を期待しています、一緒に事業を成功させましょう」という熱意が伝われば、入社意欲も高まり、自然に内定辞退も防ぎやすいでしょう。

法的には内定式も内定承諾も必須ではありません。しかし、郵送や電話で伝えるよりも直接手渡して、承諾の意思を確認することで内定者に対する期待度が伝わります。

情報提供を十分に行う

情報提供を十分に行うことで、内定辞退を防ぐ効果が期待できます。

内定辞退が起こる理由に「理想と現実とのギャップ」に対するショックがあります。この場合、RJP理論を意識した情報提供を行うことで、内定者のショックを緩和できます。

RJP理論とは、募集の段階から業務内容についてありのままの現実を開示する考え方です。求職者にとって好ましい情報だけでなく、ネガティブな情報も開示して、理想と現実とのギャップがなるべく生じないように配慮することで、内定辞退や早期離職を防ぐ効果が期待されています。

内定者へのフォロー・コミュニケーションを十分に行う

内定者へのフォロー・コミュニケーションを十分に行うことも内定辞退を防ぐうえで有効です。

「入社後にやっていけるかどうか」といった不安に対して、フォロー面談を設けたり、業務に必要な研修を実施したりすることで不安を解消しやすくなります。

また、コミュニケーションの機会として、内定者と社員の交流会や、内定者同士が接する場を積極的に設けることも効果的です。先輩社員の話を聞いたり、同期と励まし合ったりするプロセスで入社することへの安心感や意欲が醸成されることがあります。

人事ZINEでは、内定者フォローの基本を把握し、内定者の不安を理解し適切なフォローをするための資料をご用意しました。ぜひご活用ください。

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内定承諾後の辞退を防ぐ対策をする際の注意点

内定承諾後の辞退を防ぐ対策をする際の注意点

内定承諾後の辞退に対する防止策を実践する際には、いくつか注意すべき点があります。ここでは、メディアでも取り上げられることが多い「オワハラ」と、内定辞退が発生した場合の対処法の2つを紹介します。

オワハラをしないよう注意する

内定辞退を防ぐ対策を行う際、「オワハラ」にならないように注意しましょう。

「オワハラ」とは「就活終われハラスメント」の略です。求職者や内定者に対し、他社の選考を辞退するよう要求したり、他社に対する就職活動をさせないようにしたりする行為を指します。

過去には「内定者を密室に呼び出し、他社に対して選考を辞退するよう電話をかけさせる」「他社の就活イベントや試験などの日時にわざと懇親会や面談を入れて、求職者や内定者が参加できないようにする」などの事例がありました。

求職者の選択肢を一方的に奪うような明らかなハラスメント行為は別として、実際には線引きが難しいものがほとんどです。採用担当者としては熱意や良心をもとに行動しているつもりでも、「相手にどのように解釈されるか」は冷静に検討する必要があります。

内定辞退が発生した場合の対処法も考えておく

内定辞退は、防ぐための対策をどれほど徹底しても、ゼロにすることは困難です。極端な例では、疾病・家業承継・自然災害などもあります。そこで内定辞退が発生した場合に不足する穴を埋める対処法も考えておきましょう。

対処法の1つに人材紹介サービスの利用があります。人材紹介サービスとは、条件に合った人材を紹介してもらえるサービスです。人材に関する豊富なデータを保有しており「依頼から候補者の提案までの迅速さ」と「マッチング精度の高さ」といった魅力があります。

また、求める人材を採用するためには、内定辞退に限らず、必要に迫られてからでは上手くいきません。要員計画を定期的に見直し、人材募集と教育を計画的に行い、余裕を持って採用活動を行うことも重要です。

まとめ

まとめ

内定承諾後の辞退にはさまざまな理由がありますが、内定辞退の申入れがあってから防ぐのは困難です。内定辞退を未然に防ぐためには、採用ブランディングや募集・選考の見直し、内定通知の工夫などをしておきたいものです。

採用担当者だけではなく、経営者層や他部署の協力を得ながら採用活動全体を見直して、求職者にとって魅力のある企業イメージの確立やミスマッチを防ぐ採用フロー構築を目指しましょう。

また、内定者にはそれぞれの不安や悩みがあり、それらに対し適切にフォローすると、内定辞退や早期離職を防ぐだけでなく、入社後の活躍にもつながります。適切な内定者フォローを実施し、採用活動の成功につなげましょう。

人事ZINEでは、内定者フォローの基本を把握し、内定者の不安を理解し適切なフォローをするための資料をご用意しました。内定承諾後辞退の防止にぜひご活用ください。

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人事ZINE 編集部

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