【27・28年卒】新卒採用の4つのスケジュール例・近年の動向と事前準備方法

新卒採用スケジュールの組み方
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新卒採用において、スケジュール設計は採用成果を左右する重要な要素です。採用活動の早期化が進み、手法も多様化するなかで、「いつから動くべきか」「自社に合った進め方はどれか」と判断に迷う採用担当者の方も少なくないでしょう。

採用活動を安定して進めるためには、市場の動向を踏まえつつ、自社のターゲットや体制に合ったスケジュールを設計することが欠かせません。本記事では、最新の新卒採用市場の動向を整理したうえで、代表的な4つのスケジュールや学生タイプ別のアプローチ、事前準備のポイントを分かりやすく解説します。

人事ZINEでは、採用計画の検討に役立つ「採用年間スケジュール」のテンプレートをご用意しています。Excel形式で編集でき、採用活動全体を整理・管理する際に活用できます。これから採用計画を立てる方や、既存のスケジュールを見直したい方は、実務の参考としてぜひご活用ください。

【サンプル】採用年間スケジュール
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就活ルールや毎月の採用トピックなど、採用スケジュールの全体像を確認いただけます。メモ欄もありますので、サンプル採用スケジュールを軸に、採用担当の方ご自身でブラッシュアップいただくことも可能です。
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2新卒採用スケジュールの近年の傾向

新卒採用スケジュールの近年の傾向

近年、新卒採用市場は「早期化」と「選考期間の短縮」が顕著で、政府主導のスケジュール(3月広報解禁・6月選考解禁)と実態にはギャップが見られます。まずは、市場全体の動向を把握しましょう。

活動開始時期の早期化傾向の継続

Q1. 27卒採用の開始時期は、26卒に比べ変化はありましたか。

出典:株式会社i-plug「夏期インターンシップに関する調査(2027年卒業予定学生対象)

2027年卒採用は、2026年卒と比較してもさらに開始時期が早まっています。弊社i-plugの調査では、企業の56.4%が「27卒採用の開始時期が26卒より早まった」と回答しており、「遅くなった」という回答はわずか1.9%にとどまりました。早期化は一部の先進企業だけの動きではなく、すでに多数派となっており、様子見をすること自体がリスクになりやすい市場構造です。

具体的な選考開始時期を見ると、全体の45.8%の企業が「2025年10〜12月」に一次選考を開始しています。さらに、79.9%の企業が広報解禁とされる3月以前に一次選考を始めているのが実態です。このことから、大学3年生の秋〜冬には実質的な選考がスタートしていると認識し、準備を進める必要があります。

選考期間の短縮傾向の顕在化

Q4. 27卒採用において、内定出しはいつから始める予定ですか。

出典:株式会社i-plug「夏期インターンシップに関する調査(2027年卒業予定学生対象)

早期化に加え、選考プロセス全体が短縮化している点も近年の特徴です。多くの企業が広報解禁日前に一次選考を実施するだけでなく、最終選考や内定出しのタイミングも前倒しになっています。データによると、42.4%の企業が年内に最終選考を開始し、同割合が2025年中に内定出しを行っていることがわかります。

これは、最終選考と内定出しのピークが重なっていることを示唆しています。「選考に2〜3ヶ月かけていると、内定を出す頃にはターゲットとする学生が市場に残っていない」という状況も珍しくありません。学生の動きに合わせてスピーディーに合否を判断し、入社意欲を高める体制づくりが求められています。


新卒採用の主なスケジュール例

新卒採用の主なスケジュール例

自社の採用戦略に合わせて、適切なスケジュールを選択することが重要です。ここでは、代表的な4つのパターンを紹介します。

早期選考型

早期選考型は、大学3年の夏から秋にかけてインターンシップなどの告知・実施し、秋から冬には選考を開始するモデルです。内定出しは大学3年の冬から大学4年の春に行われます。

このスケジュールのメリットは、就職活動への感度が高い学生層にいち早くアプローチできる点です。インターンシップを通じて接触回数を増やせるため、相互理解を深めやすく、ミスマッチのリスクを減らす効果も期待できます。

一方で、多くの企業も早期化競争に参加しているので、他社との早期化競争に巻き込まれやすいというデメリットがあります。また、時期が早い分、学生自身の志望業界や職種が固まりきっていないケースもあり、内定後のフォローや動機づけも欠かせません。

標準型(政府主導型)

標準型は、政府が要請する「就活ルール」に則ったスケジュールです。具体的には、3月に広報を解禁し、6月に面接選考を開始、10月に内定出しを行います。

このスケジュールは学生にとって分かりやすく、学業への影響を最小限に抑えられるという公平感があります。公的機関や一部の大手企業など、コンプライアンスを最優先する組織では現在も採用されているようです。

しかし、前述の通り実態とは大きく乖離しているのが現状です。6月の選考開始時点では、動きの早い学生はすでに他社で内定承諾を済ませている可能性が高くなります。このスケジュールで採用活動を進める場合は、母集団形成において苦戦するリスクを考慮する必要があるでしょう。

後発・追加募集型

後発・追加募集型は、卒業年度の夏から秋にかけて広報を開始し、秋以降に選考と内定出しを行うスケジュールです。

このスケジュールのメリットは、早期選考での内定辞退や採用計画の未達に対して柔軟に対応できる点です。また、部活動や留学、公務員試験などで活動開始が遅くなった学生や、「早く入社先を決めて安心したい」という意欲の高い層と出会える可能性があります。

デメリットとしては、全体の母集団形成が難しくなる点が挙げられます。また、時期が遅いことから「自社は本命ではないのではないか」と学生に受け取られる懸念もあるため、丁寧なコミュニケーションが必要です。

通年採用型

通年採用型は、特定の時期に限定せず、年間を通じて広報、選考、内定出しを行う方法です。

最大のメリットは、時期に縛られずに必要な人材を採用できる点です。留学生や既卒者、海外大学出身者など、日本の新卒一括採用のスケジュールに合わない多様な学生層にも対応しやすくなります。

一方で、新卒一括採用を前提とした入社時研修などの社内制度と合わない場合があります。また、常に採用活動を行うと現場社員の協力体制の構築や人事担当者の工数管理といった運用負荷が高くなりやすく、体制を設計する際には注意が必要です。

新卒採用スケジュールの事前準備

新卒採用スケジュールの事前準備

採用活動をスムーズに進めるためには、事前の計画と準備が欠かせません。ここでは標準的なスケジュールを例に、時期ごとの準備内容を解説します。

前年5~8月|前年度の振り返りとインターンシップ

まず、前年度の採用活動を振り返り、採用ターゲットや人数の見直しを行います。大手企業志望の学生は6月頃からサマーインターンシップに動き出すため、この時期にはインターンシップの企画・準備が必要です。

また、2025年卒から「採用直結型インターンシップ」が正式に認められました。一定の基準を満たしたインターンシップで得た学生情報は、広報解禁以降の採用活動に活用可能です。2027年・2028年卒採用においても、インターンシップを選考の一部として位置づける動きは加速すると考えられます。早期に学生と接点を持つための重要な施策として準備しましょう。

参考:厚生労働省「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(三省合意)の改正ポイント資料を掲載しました

前年9~11月まで|広報の準備

秋冬のインターンシップを行うとともに、広報の準備をします。

▼広報例

  • 求人サイト
  • 企業紹介パンフレット
  • リーフレット(合同説明会などで配布)
  • 採用サイト
  • 採用動画
  • 合同説明会などのイベント出展

どの求人サイトを使うのか、採用サイトは作り直すのか、説明会で必要な人員は何人か、などを考えます。広報物の制作期間は、パンフレットで2ヶ月、採用ホームページで2〜3ヶ月、採用動画で2ヶ月ほどみておきましょう。

なお、先述の通り「採用直結型インターンシップ」が積極化する可能性があることに伴い、広報の準備はより早めに準備した方がよりスムーズに進めやすくなります。

前年12月~2月まで|最終調整

3月の広報解禁に向けて、採用スケジュールの最終決定を行います。面接官となる現場社員のスケジュール確保や、説明会会場の手配などを進めます。

この時期は、早期選考を実施している企業ではすでに内定出しが始まっている場合もあるでしょう。「採用直結型インターンシップ」を実施している場合は、インターン参加者への早期アプローチと、一般応募の学生への対応が並行して進むことになります。複数のルートでの選考管理が必要になるため、オペレーションの最終確認を入念に行いましょう。

当年3〜5月|採用活動開始

応募状況や選考状況などを確かめ、エントリーを増やすためにも、企業側からも積極的にアプローチをする時期です。特にエントリーシートや適正診断は、選考解禁日の影響を受けないため、早めに済ませておくとよいでしょう。

学生の応募が少ない場合は、採用ページのアクセス数などを確認し、適宜改善していくのが重要です。会社説明会のような広報活動の結果も確かめ、学生への個別対応(説明会やお礼メールなど)を欠かさないようにしましょう。

当年6〜9月|内定者フォロー

最終選考等を実施します。またこの期間でほとんど採用者が決まるため、内定辞退を防ぐためにも、内定者のフォローをしっかりと行いましょう。具体的には懇談会や入社前研修、内定者交流会などです。

昨今の社会情勢を受けて、従来のような対面形式ではなく、オンラインでイベントを実施する企業も増えています。オンラインイベントは、対面に比べて味気なくなりがちなので、単調にならないような工夫が求められるでしょう。

学生タイプ別の採用スケジュールの検討ポイント

学生タイプ別の採用スケジュールの検討ポイント

採用ターゲットとなる学生のタイプによって、活動のピークや就活の進め方は異なります。自社が求める学生層に合わせたスケジュール設計を行いましょう。

大手企業にもエントリー予定の学生

大手企業を志望する学生は、動き出しが早い傾向があります。多くは大学3年生の6月頃からサマーインターンシップにエントリーし、情報収集など就職に向けた活動を積極的にしています。

この層にアプローチしたい場合、前年の夏インターンシップの実施は必須でしょう。早期に接点を持ち、自社の魅力を伝えておくことで、大手企業の選考が本格化する前に志望度を高められます。選考スケジュールも他社より遅れないよう、スピード感を意識した対応が不可欠です。

体育会系の部活に所属している学生

体育会系部活に所属している学生は、部活動の大会スケジュールによって就活の開始時期が左右されます。強豪校の場合、大学3年の冬や4年の夏まで大会があることも珍しくありません。

そのため、引退後の時期(大学3年の年明け〜大学4年の夏など)に合わせたアプローチが有効です。また、限られた時間で就活を行うため、選考回数を調整したり、オンライン面接を活用したりするなど、学生が参加しやすい柔軟なフローを用意するとよいでしょう。

公務員試験にも挑戦する学生

公務員試験を併願している学生は、試験結果が出る大学4年の夏〜秋頃に民間企業への就職活動を再開することがあります。

この層は、安定性や福利厚生、ワークライフバランスを重視する傾向があります。秋採用や通年採用の枠組みで、自社の働きやすさや研修制度の充実度などをアピールすると効果的です。公務員試験の日程を把握し、試験終了後のタイミングでアプローチできるよう準備しておきましょう。なお国家公務員試験は春〜初夏がピークです。

新卒採用のスケジュールを立てる際のポイント

新卒採用のスケジュールを立てる際のポイント

効果的な採用スケジュールを策定するために、押さえておくべき4つのポイントを紹介します。

最新の学生・競合他社の動向をチェックする

学生の動きや競合他社のスケジュールを把握することは、採用戦略の基本です。「安定志向か、成長志向か」といった学生の志向や、人気の業界トレンドをリサーチしておきましょう。

また、競合他社がいつインターンシップを開催し、いつ内定を出しているかを確認することも重要です。他社の選考日程と重複しないように調整したり、逆に他社の選考結果が出るタイミングに合わせて自社のクロージングを行ったりするなど、戦略的な日程設定が可能になります。

自社の採用予定人数・採用体制を確認する

スケジュールを確定する前に、自社の採用担当者や面接官のリソースを確認しましょう。採用予定人数に対して、説明会や面接に割ける工数が不足していると、採用活動や選考のスピードが遅れ、学生の離脱を招きかねません。

現場社員に面接協力を依頼する場合は、繁忙期を避けるなどの配慮も必要です。無理のないスケジュールを組み、社内全体の協力体制を事前に整えておくことが、スムーズな運営につながります。

内定辞退を防ぐフォロー設計をする

内定を出した学生に対しては、承諾までの「空白期間」の過ごし方が重要です。承諾率を高めるには、フォロー接触のタイミングと質が鍵になります。

たとえば、内定通知直後・1週間後・1ヶ月後と段階的に接触し、個別面談や懇親イベントを通じて心理的安心感を高めるのが効果的です。ただし、一律のテンプレフォローでは「量産感」が出て逆効果になることもあるため注意が必要です。候補者ごとに関係性の深さや志望度に応じた対応を検討しましょう。

オンライン活用も考慮する

近年、学生側ではオンライン参加が一般化しており、インターンシップや説明会においてもオンライン対応は前提になりつつあります。こうした状況下で、オンライン施策を全く取り入れていない場合、学生の選択肢に入りにくくなるリスクも無視できません。

説明会や初期接点をオンライン化すれば、学生は場所を問わず参加でき、企業側も会場手配や移動に伴うコストを抑えられます。特に、遠方エリアに住む学生や、移動負担を避けたい学生とも接点を持ちやすくなり、母集団の幅を広げる効果が期待できるでしょう。

一方で、最終面接や内定者イベントなど、対面が望ましいフェーズも存在します。オンラインと対面を適切に使い分けたハイブリッド型の設計をして、効率と採用体験の質を両立させることが重要です。

まとめ

まとめ

本記事では、近年の新卒採用スケジュールについて、市場の早期化傾向や具体的な4つのモデルケース、時期ごとの事前準備、学生タイプ別の対策までを整理しました。採用スケジュールは、自社が求める人材と出会い志望度を高めて入社してもらうために戦略的に設計すべきシナリオでもあります。

重要なのは、他社の動向に振り回されることなく、市場のトレンドを理解したうえで、自社のリソースやターゲット学生の動きに合わせた勝算のあるスケジュールを描くことです。

人事ZINEでは、複雑な採用プロセスを整理し、抜け漏れのない計画策定を支援する「採用年間スケジュール」の資料をご用意しています。自社の採用戦略を具体的なアクションプランに落とし込むための実務ツールとして、ぜひお役立てください。

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人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部

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