【2026年卒】新卒採用の基本的なスケジュールと設定方法・事前準備

新卒採用スケジュールの組み方
【無料ダウンロード】新卒採用年間スケジュールExcelテンプレートはこちら

2026年卒の新卒採用に向けて、効果的な採用スケジュールを設定する方法を解説します。近年は「経団連主導から政府主導の就活ルールへの移行」「採用直結型インターンシップの解禁」「採用・選考活動でのオンライン活用の普及」などの動きがあり、そういった点も踏まえて最適な採用スケジュールを検討することが重要です。

本記事内では、具体例として、大手企業、中小企業、外資系・スタートアップの例を挙げ、それぞれのケースごとの採用スケジュール例も紹介します。また、採用活動の効率化のために、前年度の振り返りや競合他社の動向のチェック、オンライン活用による柔軟な計画の立て方なども解説します。
人事ZINEでは、早期化する新卒採用のスケジュール検討に役立つ「【サンプル】採用年間スケジュール」のテンプレート(Excel形式)もご用意しました。このシートを使えば、複雑になりがちな採用スケジュールを可視化できます。採用計画を立てる際にぜひご活用ください。

【サンプル】採用年間スケジュール
【サンプル】採用年間スケジュール
就活ルールや毎月の採用トピックなど、採用スケジュールの全体像を確認いただけます。メモ欄もありますので、サンプル採用スケジュールを軸に、採用担当の方ご自身でブラッシュアップいただくことも可能です。
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2026年卒の採用・就職活動の基本的なスケジュール

従来、「就活ルール」と呼ばれる就職活動の基本スケジュールは日本経済団体連合会(経団連)が定めていましたが、近年は政府主導へと移行しています。現行の基本的なスケジュールは以下の表の通りです。

▼現行の就活スケジュール

時期
会社説明会 3月1日以降
面接開始 6月1日以降
内定出し 10月1日以降

2026年卒もこちらのスケジュールで、それ以降も特に新しい動きがなければこのスケジュールが適用される見込みです。

2026年卒の新卒採用スケジュール

学事日程と採用スケジュール例

2026年卒の新卒採用スケジュール例を「大手企業」「中小企業」「外資系企業・スタートアップ」の3種類に分けて解説します。

大手企業の新卒採用スケジュール例

  • インターンシップ:2024年6月~2025年2月
  • 会社説明会・広報:2025年3月~2025年5月
  • 選考(適性試験・書類選考・面接):2025年6月~2025年9月
  • 内定通知:2025年10月〜

大企業は政府主導のルールに沿って動きますが、日頃からコーポレートブランディング・採用ブランディングは積極的に行っており、またインターンシップなどで学生との接点作りにも早期から取り組んでいます。

中小企業の新卒採用スケジュール例

  • インターンシップ:2024年6月~2月

①春採用

  • 会社説明会・広報:2024年12月~2月
  • 選考(適性試験・書類選考・面接):2025年2月~4月
  • 内定(内々定)通知:2025年4月頃〜

②秋採用

  • 会社説明会・広報:2025年6月~8月
  • 選考(適性試験・書類選考・面接):2025年8月~10月
  • 内定通知:2025年10月頃〜

中小企業の採用スケジュールの特徴は、大手企業とずらして選考時期を設けることと、春採用と秋採用の2回の採用活動があることです。

外資系企業・スタートアップの新卒採用スケジュール例

  • インターンシップ:2024年6月~12月
  • 会社説明会・広報:2024年8月~2025年5月
  • 選考(適性試験・書類選考・面接):2024年10月~2025年5月
  • 内定通知:2025年2月~5月

経団連が就活ルールを主導していた時から、経団連に加盟していない外資系企業・スタートアップ・ベンチャー企業はそれに縛られずに早期に選考活動を行っていました。政府主導となり経団連に加盟していない企業にも就活ルールを守るよう呼びかける動きはありましたが、強制力を伴うものではなく、従来通り早期から採用に取り組む企業も多いと想定されます。

なお人事ZINEでは人事・採用担当者の方に向けて「【サンプル】採用年間スケジュール」を提供しております。月別に採用プロセスや重要なトピックを入力でき、採用スケジュールを可視化しやすいのが特徴です。新卒採用のスケジュールをご検討の際はぜひご活用ください。

【サンプル】採用年間スケジュール
【サンプル】採用年間スケジュール
就活ルールや毎月の採用トピックなど、採用スケジュールの全体像を確認いただけます。メモ欄もありますので、サンプル採用スケジュールを軸に、採用担当の方ご自身でブラッシュアップいただくことも可能です。
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採用スケジュール設定の流れ

採用スケジュール設定の流れ

採用スケジュールを設定する際は、以下の流れを意識するとよいでしょう。

  1. 採用する人物像を設定する
  2. 採用戦略を考える
  3. スケジュールを作成する

まずは採用基準を明確にするのが重要です。「どのようなスキルや資格が必要なのか」「協調性を求めるのか自分で仕事をこなしていく主体性を求めるのか」など、人物像のポイントを整理しておきましょう。

次にどのような採用戦略にするのかを考えます。インターンシップの開催や待遇面でのアピールなど、「設定した人物を引きつけるための方法」を設定しましょう。

最後に採用時期から逆算し、具体的な作業スケジュールを作成します。説明会の日程や「いつからエントリーを受け付けるのか」など、細かいフローまで決めておきましょう。

新卒採用スケジュールの事前準備

新卒採用スケジュールの事前準備

自社の企業規模などを考慮して採用計画を立てましょう。事前準備のスケジュール例を紹介します。

前年5~8月|前年度の振り返りとインターンシップ

大手企業への入社を希望している学生は6月ころからインターンシップに申し込み、夏休みを利用してインターンシップに参加します。

そのため、大手企業志望の学生を採用したい場合は、5月ごろには前年度の採用を振り返って、次はどのような人材が何人必要なのかなどを検討しましょう。夏のインターンシップの応募状況などを考慮して秋冬のインターンシップの準備も始めます。

また近年の大きな動きとして、三省合意を踏まえて企業がインターンシップで得た学生の情報を選考活動に活用する、いわゆる「採用直結型インターンシップ」が2025年卒から解禁となりました。2026年卒以降は、企業側も取り組み方の知見・ノウハウも蓄積され、その動きが活発化してくる可能性があります。

参考:厚生労働省「令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります

前年9~11月まで|広報の準備

秋冬のインターンシップを行うとともに、広報の準備をします。

▼広報例

  • 求人サイト
  • 企業紹介パンフレット
  • リーフレット(合同説明会などで配布)
  • 採用サイト
  • 採用動画
  • 合同説明会などのイベント出展

どの求人サイトを使うのか、採用サイトは作り直すのか、説明会で必要な人員は何人か、などを考えます。広報物の制作期間は、パンフレットで2ヶ月、採用ホームページで2〜3ヶ月、採用動画で2ヶ月ほどみておきましょう。

なお、先述の通り「採用直結型インターンシップ」が積極化する可能性があることに伴い、広報の準備はより早めに準備した方がスムーズな可能性もあります。

前年12月~2月まで|最終調整

採用スケジュールを決定します。面接官をする社内担当者のスケジュールや会場の確保などを行います。広報で使う就職情報サイトの原稿や企業紹介パンフレットなどが期日までに完成するかなどの確認も大切です。

各部署で採用したい人材像と人員数の最終チェックも行います。

ここでも、2025年卒以降は「採用直結型インターンシップ」と通常の採用選考活動が同時並行で進む可能性もあるため、採用スケジュール調整や事前準備を柔軟に行っておく必要があります。

当年3〜5月|採用活動開始

応募状況や選考状況などを確かめ、エントリーを増やすためにも、企業側からも積極的にアプローチをする時期です。特にエントリーシートや適正診断は、選考解禁日の影響を受けないため、早めに済ませておくとよいでしょう。

学生の応募が少ない場合は、採用ページのアクセス数などを確認し、適宜改善していくのが重要です。会社説明会のような広報活動の結果も確かめ、学生への個別対応(説明会やお礼メールなど)を欠かさないようにしましょう。

当年6〜9月|内定者フォロー

最終選考等を実施します。またこの期間でほとんど採用者が決まるため、内定辞退を防ぐためにも、内定者のフォローをしっかりと行いましょう。具体的には懇談会や入社前研修、内定者交流会などです。

昨今の社会情勢を受けて、従来のような対面形式ではなく、オンラインでイベントを実施する企業も増えています。オンラインイベントは、対面に比べて味気なくなりがちなので、単調にならないような工夫が求められるでしょう。

採用スケジュールの組み方のポイント

学生の動きに合わせた採用計画

採用スケジュールを組み立てるときのポイントを7つ紹介します。

採用したい学生の動きをチェック

採用したい学生の動きを確認して採用計画を立てましょう。学生は、毎年行われる就活のイベントに応じて動きます。

自社が採用したい学生が通う大学の日程なども考慮し、採用と広報のスケジュールを組み立てることが大切です。

また、学生の価値観や志向を把握しておくことも重要です。例えば「学生が会社に求める要素や魅力を感じるポイント」あるいは「人気の業種業界」といったトレンドは、あらかじめリサーチしておきましょう。

大手企業志望学生は6月にインターンシップ参加

時期 内容
学生 大学3年生の6月ごろ インターンシップに申し込む
採用担当者 学生が大学3年生の5月まで インターンシップの準備を終わらせておく

繰り返しになりますが、2025年卒から「採用直結型インターンシップ」が解禁されたことにより、インターンシップの重要性はますます高まっています。従来、インターンシップと言えば企業の認知度アップやブランディングの側面もあったのは事実ですが、現在はインターンシップで得た学生の情報を採用活動にも活用できるため、企業側はインターンシップを有意義な場とするために、より念入りな準備をする必要があります。もちろん、学生側に魅力・メリットを感じてもらえるようなインターンシップのプログラム作りも欠かせません。

体育会系部活の学生には引退後にアプローチ

時期 内容
学生 大学3年生の冬ごろ 部活動を引退
採用担当者 学生が大学3年生の年明け以降 インターンシップ開催・就活解禁前に合同説明会に参加

強豪校の場合、大会への出場を優先して就活は後回しになるケースも少なくありません。そのため、年明け以降に体育会系部活の学生と接点をもちましょう。

以下は代表的な体育会系のインカレの大会です。

こういった学生もターゲットにする場合は、大会スケジュールを考慮したうえでアプローチの時期を検討しましょう。

公務員試験落ちの学生には福利厚生のよさを伝える

時期 内容
学生 大学4年生の夏〜秋 公務員試験結果発表。公務員試験に落ちた学生は秋冬採用に向けて就活開始
採用担当者 学生が大学4年生の秋ごろ 秋採用

秋冬採用を狙う学生は、求人数が少なくなっているため自分の希望業種より働きやすさを優先して就活する傾向があります。そのため、福利厚生のよさや、ワークライフバランスを考えている企業であることをアピールしましょう。

2024年度春の国家公務員採用試験は、第1次試験が3月、最終合格者発表が5月下旬に前倒しとなりました。今後もこのスケジュールが継続となる可能性もあり、公務員も志望している学生をターゲットにする場合は、こういった動きも踏まえて早期に準備する必要があります。

参考:人事院「2024年度の国家公務員採用試験における主な変更点について

前年度の取り組みを振り返る

採用スケジュールは年々変化し、事実として採用活動・就職活動は早期化しています。また、採用直結型インターンシップが活発化しており、従来の採用活動とは異なる戦略が求められます。そのため、前年度の採用活動を振り返り、効果的な戦略を継続・強化し、改善点を洗い出すことが重要です。

具体的には、応募数の推移を分析し、採用につながった取り組みや学生からの反応、各活動の効果を評価します。効果的な取り組みは継続・強化し、改善が必要な点については具体的な対策を検討しましょう。また、近年の早期化に対応し、前年度のスケジュールを参考に早期に採用活動を開始したり、採用直結型インターンシップの導入も検討したりすることが重要です。

競合他社の動向をチェック

大手企業とライバル企業の採用活動の動きは確認しましょう。

▼他社の動向をチェックするメリット

  • 採用活動の開始時期や採用活動方法などが参考になる
  • 選考日程が被っていないか確認できる
  • 大手企業の選考に落ちた学生が採れるスケジュールを立てられる

大手企業やライバル企業の採用活動手法など、取り入れられるものは自社でも活用しましょう。選考日程などのスケジュールを立てるときも他社の動向は参考になります。

自社の採用予定人数・採用体制を確認する

採用活動のスケジュールが概ね固まったら、具体的な採用活動に移すための準備が必要になります。採用予定人数やターゲットとする人材の要件によって、必要な体制は大きく異なるものです。そこで、まずは採用予定人数・要件や、現状の採用体制をチェックしましょう。

まず、採用担当者の数、経験・スキル、募集媒体、面接フロー・マニュアル、選考プロセスといった要素を検討します。例えば、専門分野を専攻している人材を募集する場合、専門的な知識を持つ採用担当者が必要となる場合があります。例年よりも多くの人数を採用するなら、効率的な選考プロセスの策定や採用ツールの導入も検討しましょう。こういった準備を行うことで、人材不足や準備不足を最小限に抑え、計画通りに採用活動を進めやすくなります。

早期選考を実施するメリット

早期選考を実施するメリット

早期選考を実施する主なメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 自社に合った優秀な人材を確保しやすくなる
  • 早期に採用活動を達成できる
  • PDCAを回して採用活動の質が高くなる

早期選考を実施することで、多くの学生に接触できるため、自社に合った人材をより確保しやすくなります。特に優秀な学生は早い段階で内定を決めるケースも多いものですが、そういった人材にアプローチができるのも魅力です。また選考活動を早く始められる分、目標を達成するまでの期間が短くなります。

選考活動をする際には、多くの改善点が出てきます。早期選考を実施すれば、仮説検証のサイクルを何度も回せるため、採用活動の質をより高められるでしょう。

新卒採用のスケジュール決めではオンライン活用も考慮

決めではオンライン活用も考慮

近年、オンラインを活用した採用活動が普及しています。会社説明会や個別のカジュアル面談・一次面接など、オンラインでの採用活動が増加しており、地理的な制約なく、より多くの学生との接点を持てるようになりました。

オンラインを活用することで、学生の利便性向上だけでなく、企業側にとっても、時間とコストの削減、効率的な情報発信・選考が可能になります。オンラインの活用は学生との接点の増加、ひいては母集団形成にも直結する重要な取り組みです。

採用スケジュールを立てる際には、オンライン活用も考慮した柔軟な計画を検討することが重要です。

まとめ

まとめ

本記事では、2026年卒の新卒採用活動をするにあたって、効果的な採用スケジュール設定の方法を解説しました。オンライン活用による柔軟な計画、前年度の振り返り、競合他社の動向のチェックなど、具体的な施策を実施することで、より効率的・効果的な採用活動を実現できます。

人事ZINEでは「【サンプル】採用年間スケジュール」をご提供しております。採用活動の成功には綿密な計画が不可欠です。本資料は、具体的な計画のテンプレートが含まれており、採用活動の全体像を簡単に把握できるようになっております。Excel形式でダウンロード可能なので、すぐに活用できます。ぜひご活用ください。

【サンプル】採用年間スケジュール
【サンプル】採用年間スケジュール
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人事ZINE 編集部

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人事・採用担当者の悩みに寄り添うメディア「人事ZINE」の編集部です。 新卒採用オファー型サイト「OfferBox(オファーボックス)」を提供する株式会社i-plugが運営しています。