【面接官向け】採用面接で使える質問集と見極めるポイント・注意点
採用面接は候補者がどのような人材であるかを見抜くために重要なプロセスです。採用面接で履歴書や職務経歴書では測ることのできない潜在的な部分を見極めるためには、 候補者の本音をいかに引き出すかが重要となり、効果的な質問をしていく必要があります。
候補者が自社で活躍できる人材であるかを見抜くためには、どのような質問をすればよいのでしょうか。
本記事では、採用面接で人材を見抜くために必要な面接の流れから、質問例、面接で知らなければならない注意点などを解説します。
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目次
採用における面接の役割とは
採用における面接の役割は、主に「候補者の本質を見抜く」「自社の魅力を対面で伝える」の2つです。面接官はそれぞれの役割を明確に理解しつつ、面接に臨まなければなりません。以下、面接の役割を詳しく解説します。
候補者の本質を見抜く
採用における面接の役割は、候補者の本質を見抜くことです。履歴書や適性検査の結果、本人のSNSアカウントなどインターネット上の情報だけでは分からないその人の本質を、対面で見極めます。
もし採用面接で候補者のパーソナリティやスキルを過大評価してしまえば、基準に満たない人を採用してしまう可能性がある一方、潜在的なスキルを見抜けなければ、自社が求める人を取り逃してしまうことになります。ミスマッチによって入社後も上手くパフォーマンスを発揮できなかったり、職場に馴染めずに早期退職につながったりするケースもあるかもしれません。
採用面接では限られた時間を使い、さまざまな質問を通して、候補者の本質を引き出せるよう努めましょう。
自社の魅力を対面で伝える
採用における面接は、自社の魅力を伝える役割もあります。例えばナビサイトや企業のホームページでは、自社の魅力を完全に伝えるのは難しいかもしれません。しかし対面での面接であれば、自社が大切にしている価値観やチームの雰囲気、働く環境の特徴などを直接伝えられます。
対面での面接の利点は、ナビサイトやホームページとは異なり、候補者と双方向でじっくりコミュニケーションができることです。面接官が自社のプロジェクトやビジョンについて熱意を持って語るだけでなく、そうした質疑応答も、自社の魅力を印象付けるのに役立ちます。
採用面接で必要な事前準備
採用面接で必要な事前準備は、以下の3つです。
- 採用したい人物像・採用基準を明確にする
- 評価シート・チェックリストを作成する
- どのような質問をするか計画する
それぞれの事前準備を詳しく解説します。
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採用したい人物像・採用基準を明確にする
採用面接で必要な事前準備は、採用したい人物像・採用基準を明確にすることです。採用したい人物像では、「どのようなスキルや考え方、行動特性を持った人物が必要か」を定義します。採用したい人物像が明確化され、組織で共有されていると、採用のミスマッチ防止につながりやすくなります。
上記で設定した人物像に合う人を採用するために、採用基準を明確にするのも重要です。採用基準を明確にすると、採用判断を公平かつ適切にできる効果と、面接の精度を上げる効果が期待できます。「志望動機が共感できた」「優れたエピソードがなかったからNG」といった主観ではなく、基準に沿った公平かつ適切な判断がしやすくなるでしょう。
評価シート・チェックリストを作成する
検討した採用基準をまとめて、評価シート・チェックリストを作成するのも、採用面接で必要な事前準備です。
評価シート・チェックリストとは、決められた評価項目や評価基準がまとめられたもので、面接官が候補者を評価するために利用する書類です。評価基準がまとまっていることで、関係者間での認識をすり合わせやすくなり、一貫性のある評価ができるようになります。
さらに評価シート・チェックリストは、採用活動の効果分析や、改善の資料としても役立てられます。翌年にも受け継がれるため、もし面接官が変わったとしても、従来の面接のクオリティを維持できるでしょう。ただし作成や運用には手間がかかってしまうため、ある程度のリソースを確保しておくべきです。
どのような質問をするか計画する
採用面接で必要な事前準備として、どのような質問をするかプランを立てておくのも重要です。いわゆる「ぶっつけ本番」の状態では、その場で良い質問が思いつかなかったり、必要な質問が漏れてしまったりします。
網羅性が重要だと思われがちですが、質問する項目があまりにも多いと、時間内に全て聞けない場合もあります。だからといって、質問する項目が少なすぎると面接の内容が薄くなり、自社に合った人材かどうかの見極めが難しくなるでしょう。
質問を一通りまとめたら、適切に時間配分ができるよう、「必須の質問」と「任意の質問」に分けて優先順位を決めておくことが重要です。質問の例は「採用面接で実際に使える質問例」で詳しく紹介します。
基本的な採用面接の流れ
採用面接において、候補者は好印象を残そうとして、本音を語らないこともあります。候補者の本質を引き出すためには、普通に質問するだけでは不十分です。基本的な採用面接の流れとして、以下の5ステップを意識しましょう。
- アイスブレイク
- 自己紹介・会社説明
- 履歴書・経歴書にもとづく質問
- 候補者からの質問
- 事務連絡
それぞれのステップを詳しく解説します。
アイスブレイク
まずは、 候補者の緊張をほぐすために雑談などをして「アイスブレイク」を行いましょう。緊張をした状態では、なかなか本音を喋らせることができません。この後の質問を円滑にするためにも、緊張をほぐすアイスブレイクが必要です。
アイスブレイクは、相手にも共感できるような話題を振るようにします。例えば、天気や自社までの交通手段などもよいでしょう。重要なのは、「選考とは直接関係がない」と 候補者が感じる話題を出すことです。
アイスブレイクは、緊張がほぐれすぎてだらけた雰囲気になってしまわないように、時間を区切りましょう。
自己紹介・会社説明
アイスブレイクで緊張をほぐしたら、まずは面接官の自己紹介と会社についての説明を行いましょう。なるべく、候補者にとって必要となる情報や、会社の事業内容や会社の展望、詳しい仕事内容などを説明します。
候補者が知っている会社の情報は、会社のWebページや求人票から得た情報のみです。会社について調べたとしても、正確に理解しているとは限りません。 候補者が入社後に「抱いていたイメージと異なった」などのミスマッチを防ぎギャップを埋めるためにも、会社の説明は重要です。
また、 候補者にとって面接官が会社の「顔」となります。この会社にどのような人が働いているかは、面接官を見て判断する人が大半です。 候補者にとって「良い会社」であるイメージを与えるための魅力づけの目的もあることも意識しておきましょう。
履歴書・経歴書にもとづく質問
一連の面接の流れで最も重要となるのが、 候補者の履歴書と職務経歴書にもとづく質問です。このパートで自社で活かせる経験やスキルを見極められるだけでなく、相手の価値観や入社意欲を知ることができます。
新卒採用面接と中途採用面接では経験の有無が異なるため、質問内容は変わってくるでしょう。新卒採用面接では履歴書やエントリーシートをもとに志望動機や経験などを質問していくことで、 候補者のパーソナリティを把握できます。中途採用では、履歴書と職務経歴書をもとに志望動機や転職理由を質問することで、スキル・経験や考え方がわかるでしょう。
この時、会話のキャッチボールが成立するよう、回答についてさらに質問をするようにしましょう。 候補者のコミュニケーション能力がダイレクトにわかるだけでなく、回答に対する深掘りができます。
候補者からの質問
面接官からの質問が終わったら、次は候補者が質問する時間を設けましょう。これは、候補者が抱いている疑問や不安を少しでも解消させることが目的です。候補者は複数の会社のなかから入社する企業を選んでいます。できる限り候補者の疑問や不満を払拭することで、内定辞退を防げるのです。
また、ここで候補者の質問に対して丁寧に回答することで、候補者はプラスアルファの情報も得られ、その結果「志望度」をより高められます。もちろん、企業側にとっても質問の内容から入社意欲や積極性を判断する材料となるでしょう。
事務連絡
最後は事務連絡をして締めるようにします。ここでいう事務連絡とは、選考結果の連絡期間や連絡方法などについてです。その他、 候補者に伝えておくべき内容がある場合はここで伝えておきましょう。
採用面接で実際に使える質問集
採用面接で、 候補者が自社の求める人材であるかを見極めるには、評価したいポイントごとに効果的な質問をすることが大切です。では、実際に面接で人材を見抜くにはどのような質問をすればよいのでしょうか。ここでは目的別に質問例をまとめました。以下の質問例を参考にして面接で活用してみてください。
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アイスブレイクの質問例
アイスブレイクの質問は、面接の初めにリラックスした雰囲気を作り出し、候補者との会話をスムーズに始めるために役立ちます。候補者の人柄や興味、趣味などに触れ、「話しやすい雰囲気を作ること」を意識しましょう。
一般的に面接は、候補者にとって緊張を感じやすい場面であり、そのような状態ではなかなか本音を話しにくいかもしれません。アイスブレイクの質問を効果的に活用できれば、候補者の緊張もほぐれ、スムーズに面接が進みやすくなります。
- 普段、お休みの日はどのように過ごされていますか?
- 履歴書を拝見して、趣味は釣りとのことですが、どのようなきっかけで始められたのですか?
- 本日は電車でいらっしゃいましたか?混雑していませんでしたか?
- このあたりはオフィスビルが立ち並んでいるエリアですが、ここに来るまでに迷われませんでしたか?
- 最近は花粉の量が増えていますが、○○さんは大丈夫ですか?
- 最近は就職活動でかなり忙しいかと思われますが、何か息抜きはできていますか?
スキル・経験を確かめる質問例
仕事で必要となる素質や、業務上役立つ可能性があるスキルや経験、実績があるかどうかを見極めるための質問です。中途採用であれば、前職での経験や実績などをもとに判断しやすいですが、社会人未経験の新卒採用の場合は、別の観点から素質やスキルを判断しなくてはなりません。
新卒の場合、過去の学業やサークル活動、趣味やアルバイト、ボランティアなどの経験を通じ、どのようなスキルや素質があるかを測るようにすると見極めがしやすいでしょう。質問では、 候補者が「どのような経験をしたか」「どのようなスキルを発揮したか」といった質問をするとわかりやすいです。
- 当社に貢献できるスキルや経験を教えてください。
- 自分が一番頑張ったことがわかるエピソードを紹介してください。
- あなたは当社でどのように活躍したいと思いますか?
- 簡単に自己紹介をしてください。
- アルバイトやサークル活動を通じ、身についたことがありますか?
- 今まで大変だったことを教えてください。またどのように解決しましたか?
自己理解・自己認識を確かめる質問例
自己理解・自己認識とは、「自分の長所や短所、強みや弱みをどのように認識しているか」あるいは「客観的な視点を持って自分を正確に理解できているか」を指します。この自己理解・自己認識の能力が高い人材は、仕事で能力を発揮できるだけでなく、不得意とする能力をカバーしようと自己成長がしやすい人材だといえるでしょう。
自己理解・自己認識の能力の高さは、「自己分析を行っているか」「志望動機と自己PRなどに一貫性があるか」で判断することもできます。例えば、以下のような質問をすると見極めがしやすくなるでしょう。
- ご自身の強みと弱みを教えてください。
- あなたの短所は何ですか?克服するために何か努力をしていますか?
- 当社へ入社後、あなたの強みをどのように生かしていきますか?
- 自分は物事を決定する時は早く決断できる方だと思いますか?
- 周りにどのようなイメージを持たれていると思いますか?
- 自分を一言でいうとどのような人ですか?
- 自分を動物に例えてみてください。
協調性・チームワークを確かめる質問例
社会人として業務に携わっていくためには、さまざまな人と共同で業務ができる協調性とチームワークは欠かせない要素です。プロジェクトベースで仕事を進めていく環境では、なおのこと協調性やチームワークが大切となってきます。
ただし、協調性・チームワークの有無は、状況やシチュエーションによって判断が異なります。例えば、チームのためにサポートをすることも協調性があるといえ、チームを率いることもチームワークがあるといえるでしょう。
自社が求める協調性やチームワークを定義してから質問すると、自社にとって必要なスキルを持った人材であるかを見極めやすくなります。
- 何かチームで取り組んだことがありますか?その時のあなたの役割は何でしたか?
- チームワークが発揮されることでどのようなメリットがあると思いますか?
- チームワークを保つためにあなたはどのような行動をしますか?
- あなたがチームワークの重要性を認識したエピソードがあったら教えてください。
- チームを目標達成に導くためにあなたがとった行動を教えてください。
- チームワークを発揮してどのような結果を得られましたか?
入社意欲・成長意欲を確かめる質問例
入社意欲・成長意欲があるかを確かめる質問は、入社後に向上心を持って前向きに業務に取り組んでくれる人材であるかを見極めるために重要です。前向きで意欲的な人材は、入社後も自ら目標を設定して努力を継続できる人物です。例えば、何か壁にぶち当たったとしても諦めず前向きに努力ができ、新しいことにチャレンジしていける積極性も持ち合わせています。
市場競争が激化し仕事にスピードが重要となっている昨今。個々の成長意欲は、組織全体の成長を促す上でも重要です。入社意欲・成長意欲を測るためには、「何をモチベーションに行動しているか」「目標を持って取り組めるか」などの観点から質問していくとよいでしょう。
- なぜ当社で働きたいと思いましたか?
- 当社でどのように働いていきたいですか?
- 当社にどのようなイメージを持っていますか?
- 会社選びにおいてどのような基準で選択していますか?
- 学生時代何に力を入れていましたか?
- 目標を達成するために行った努力を教えてください。
性格・価値観を確かめる質問例
候補者の性格や価値観を知る質問は、「自社の社風に合う人材であるか」「自社で長く働いてくれる人材であるか」を見極めるために重要な質問です。例えば、スピード感を重要視している社風の会社にマイペースな人が入社しても活躍できる場がないばかりか、ミスマッチを起こし早期退職となる可能性があります。
自社の経営理念、社風とマッチしている人材であるかは、 候補者の性格や価値観をみて見極める必要があります。「困難はどのように対処するのか?」「ポジティブか、ネガティブか」などの観点から質問をしていくと、上手く性格や価値観を引き出せるでしょう。
- 学生時代はどのような目標を持っていましたか?
- 将来はどのようなキャリアを積んでいきたいと考えてますか?
- 大きな失敗をしたことはありますか?どのように気持ちを切り替えましたか?
- これまで困難に思った課題について教えてください。
- 何か継続的に取り組んでいることがありますか? ・社会人になってチャレンジしたいことはありますか?
ストレス耐性を確かめる質問例
ストレス耐性を評価する質問は、候補者が厳しい状況やプレッシャーのなかでどのように振る舞い、問題を解決するかを理解するためのものです。単に「タフさ」を確かめるだけでなく、柔軟性や問題解決力など、さまざまなスキルを見極めるのに役立ちます。
ストレス耐性を確かめる質問をする際は、なるべくエピソードを掘り下げて、具体的な回答をしてもらえるよう努めましょう。
- 今まで仕事やアルバイトをしてきたなかで、どのようなことにストレスを感じましたか?
- 上司から理不尽な理由で怒られた際に、あなたはどう感じますか?
- ストレスが高まっている際に、気持ちを落ち着かせるために何をしますか?
- チームメンバーなどで意見が衝突した経験があれば教えてください。具体的にどのようにしてその状況を乗り越えましたか?
- あなたが人生のなかで最も挫折した出来事は何ですか?またその挫折をどのようにして乗り越えましたか?
- ストレスに耐えきれなくなってしまったような経験はありますか?
採用面接で聞いてはいけないNG質問例
採用面接では、 候補者の人となりを掘り下げようとして、ついつい突っ込みすぎた質問をしてしまうことも少なくありません。面接官が気をつけなければならないのが、質問してはいけない質問があるということ。 候補者に不快感を与えないためにも、タブーとなる質問を確認しておきましょう。
不快感や不信感を抱かせる質問
候補者に対してプライバシーに関する質問をしてしまうと、候補者に不快感や不信感を抱かせてしまう可能性もあります。例えば、以下のような質問は相手に不信感を与えるものです。
- 今恋人がいますか?(恋人に関する質問)
- 結婚する予定がありますか?(結婚に関する質問)
- 休日は何をして過ごしていますか?(生活に関する質問)
- あなたの信仰している宗教はなんですか?(思想や宗教に関する質問)
このように本来は人によって自由なはずの事柄に関する質問は、本人の適性やスキルとは関係ありません。このような不適切な質問によって候補者に不快感や不信感を与えてしまうと、インターネットで拡散されたり口コミが広がったりしてしまい、会社の信用を失ってしまう危険もあります。面接官は候補者の適性やスキルで採否を判断するようにしましょう。
プライバシーを深掘りする質問
面接官は候補者のプライバシーに関する質問は避けるようにしましょう。厚生労働省は、候補者のプライバシーの侵害にあたるような質問は就職差別につながるとしています。以下のような質問は個人的な事柄なので、候補者へ質問しないようにしましょう。
- あなたの出身地はどこですか?(出身地・戸籍に関する質問)
- 家族構成を教えてください。(家族に関する質問)
- あなたが住んでいるのは賃貸ですか?持ち家ですか?(住宅に関する質問)
- 母子家庭ですか?(家庭環境・生活環境に関する質問)
面接官は人材を見極めることは非常に重要ですが、候補者の基本的人権は尊重しなくてはなりません。あくまで適性やスキルを測るための質問を選ぶように心がけましょう。
参考:厚生労働省「公正な採用選考の基本」
オンラインの採用面接で意識したいポイント
近年、採用の現場では、オンライン面接もよく見られるようになりました。オンラインの採用面接で意識したいポイントは、以下の3点です。
- リアクションが伝わりにくいことを意識する
- 快適に通信できるよう徹底準備する
- 候補者が安心して参加できるようフォローする
それぞれのポイントを詳しく解説します。
リアクションが伝わりにくいことを意識する
オンラインの採用面接では、対面と比べてリアクションや表情などが伝わりにくいことを意識しましょう。表情や身振りを通常よりも大きくして、リアクションをより明確に伝えます。照明を調整するだけでも、画面がはっきりとして候補者にリアクションが伝わりやすくなるため、事前にチェックするとよいでしょう。
逆に候補者のリアクションや表情も伝わりにくいことも意識して、見落としがないように注意が必要です。オンライン面接で見落としやすいのは、候補者の細かい表情の動きや視線の方向、相槌などの「非言語情報」になります。
快適に通信できるよう徹底準備する
オンラインの採用面接で特に重要とされるのが、快適な通信環境です。インターネット回線が原因で接続トラブルが発生すると、面接がスムーズに進まなくなり、候補者からも良い印象を持たれません。
まずは、安定した通信環境を用意し、接続トラブルが起こらないよう注意しましょう。カメラの位置や背景に気を配ったり、静かな場所を用意したりと、候補者の気が散ってしまわないようにする配慮も重要です。事前準備を徹底してもトラブルが起こる場合もあるため、緊急連絡先の通知など対応方法についても検討します。
候補者が安心して参加できるようフォローする
候補者が安心して参加できるようフォローするのも、オンラインの採用面接で意識したいポイントです。「オンラインの方が気楽に話せる」という人がいる一方で、オンラインでの面接に慣れておらず、本来の自分が発揮できないという人もいるでしょう。
オンライン面接を案内する際は、「事前に操作手順を詳しく説明する」「トラブルが起こった際の対応方法をまとめる」など、安心して参加できるようフォローするのは重要です。候補者のなかには、事前に分からないことを相談したい人もいるため、そのニーズにも応えられるよう準備しましょう。
効果的な採用面接を行うためのポイント
人材を見抜く質問例をご紹介しましたが、自社で活躍できる人材を見極めるためには、的確な質問をしていかなければなりません。優秀な人材を見極めるためのポイントについて押さえ、実際の採用面接に生かしましょう。
等身大の姿を引き出す
採用面接では、 候補者のありのままの姿を引き出していく必要があります。 候補者は、採用面接で自分の良い面をアピールしようと、面接官の質問に対し背伸びをして答えるケースが多いのも事実。それでは「実務において活躍できる人材であるか」「自社の社風にマッチした人材であるか」を見分けることは困難です。
候補者の自然体の姿を引き出すためには、アイスブレイクなどの時間を活用して、 候補者が話しやすい雰囲気作りをしたり、アイコンタクトや相槌を打つなどの傾聴テクニックを使ったりしながら、 候補者がリラックスして率直な意見が述べやすい環境を作ることも大切です。
事実の深掘りをする
的確な質問をしていくためには、質問を繰り返して事実を深掘りしていくことも効果的です。例えば、 候補者が「自分には積極性がある」とアピールしているなら、「それを示せる具体的なエピソードはありますか?」「なぜそう思ったのですか?」などを質問し、 候補者の過去を深掘りしていきます。
このように、「なぜ?どうやって?」を問う質問で過去のエピソードや経験を深掘りすることで、確度の高い情報を得られます。過去の経験は、 候補者の適性や能力を測る上で非常に重要な材料です。「なぜ?どうやって?」を上手く活用して、事実を深掘りしていくようにしましょう。
自社の魅力をアピールする意識を忘れない
効果的な採用面接を行うためには、自社の魅力をアピールする意識を忘れないことも重要です。採用面接は、候補者とのやりとりが中心になるため、本質を見極める作業に意識が奪われがちです。もう1つの役割である、「自社の魅力を対面で伝える」意識を持つようにします。
面接官は「企業の顔」であり、候補者が抱く自社のイメージを大きく左右する存在です。質問をすることばかりに気を取られ、メモやPCばかりを気にしているようでは、魅力を伝えるどころか悪印象の原因にもなります。
自社の魅力をアピールする際は、ネガティブな部分も一緒に伝えましょう。ネガティブな一面を隠して採用しても、結局はミスマッチにつながってしまう可能性があるからです。
まとめ
この記事では、面接官が知っておきたいストレス耐性の意味・要素や、ストレスを確かめる質問例とコツや注意事項について解説しました。
面接時の注意事項としては「過度にプレッシャーをかけない」「できるだけ具体的に掘り下げる」などが挙げられます。プレッシャーをかけすぎるとブラック面接となってしまいますが、具体的に掘り下げないと、候補者が本当のことを話しているのかどうかわかりません。「適度」を心がけることが大切です。
人事ZINEでは、採用担当者に向けて、「【編集部推薦】面接お役立ち資料3点セット」をご用意しております。新卒採用の面接に関する資料・テンプレートがまとまっており、面接の基本的な流れや質問について理解できます。「質問集」に加えて、「面接官マニュアル」「評価シート」の3点がまとまっていますので、ぜひ採用活動にお役立てください。